彼は関ヶ原の戦い当日に裏切り、西軍に攻めかかった裏切り者のイメージがありますが、ドラマでは、「自分は一度は豊臣姓になり、秀吉の後継者候補になったが、豊臣秀頼が生まれたことで、小早川家に養子に出されたため、豊臣家にも、石田三成にもついていきたくなくった。」
「ただし、自分が寧々の甥であり、小早川家も西軍の大将毛利輝元の分家であるから、東軍につき、加藤清正や福島正則に味方するのができない。」
といったような趣旨の話をするシーンがある。
このようにみると、小早川秀明の見方も変わっておもしろいと思った。
先程のアリーナと違い、まつりはジメジメした水が腐ったような臭いが充満した廊下を歩く。
急に止まり、外れてるドアを引っ張る。
ドアがバタン!と倒れた。
中は教室みたいな箱みたいな部屋になっている。
そこには、覇気のない子どもたちがぎっしりまさに詰まっている。
お前ら、何しに来た?
という目で鬼と青髪を見つめている。
海美は目を見開いてじっぃと、部屋を見る。
怯えたような目をしたのもいる。
なにもしないでくれという目である。
海美は目を見開くことを辞めた。
いつもの目の大きさにして、少し口角を上げた。
部屋の中の子どもたちが、「なんだ?なにがしたいんだ?」という目になった。
まつりに話しかける。
「猫の面の子は?」
「あっち。」
まつりが隣の部屋を指す。
海美は隣の部屋に入る。
女の子が中央のベットで横になっている。
足元でなにや誰かがなにかしている。
向こうを向いているのでなにをしているか分からない。
その人、後ろから見るとなにかおかしい。
左腕が無いように見える。
しかも、頭の左側が青白い。
右側は黒々としている。
ただ、左側が青白い人は見覚えがある。
さっき見た。
「おっ?」
向こうを向いていた人が振り向いた。
「さっきのチャレンジャーか。」
「あなたは、私にアドバイスしてくれた…」
「そうそう。勝てて良かったね。」
「…その子は?」
「まぁ、君というか、君の杖が斬った猫の面だよ。」
「…大丈夫ですか?」
「…まぁ、足をまるっきし切断してしまっているが止血したのであとは大丈夫だ。ただ、血がおかしいんだ。見たことない。」
「?」
「…はっきり言って、止血前に血が止まってた。こんな大怪我でそんなことはあり得ない。」
「ちょっと良い?」
「どうぞ。こうなったらヤケクソだから。」
その後ろを向いていた人がこっちを見た。
やっぱり、顔の半分は普通なのに半分骸骨になっている。
しかも、服の左腕がない。
だけど、悪い人には見えない。
「………。」
割れた猫の面を枕元に置かれた女の子は、目をつぶっている。
目をつぶっているのか、寝ているのか、はたまた死んで…いや、治していたのだから死んではないだろう。
「死んじゃないよ。麻酔で寝てるんだ。俺と同じ麻酔でな。
「…あなたは?」
その男は、右手で左側の骸骨を何回か撫でる。
歯も剥き出しになっているので、歯もいじっている。
「俺は、なんとか仏様に助けていただいたので生きているのだが、本来なら死んでいる。麻酔で痛みも消しているが、麻酔が切れた時、激痛が左半身が襲うんだ。それが、俺が生きることを代償に受けた呪いだな。」
「それでも、生きてる方が良い。死んだら、おしまいじゃない。」
「うーん…たしかに、あなたの様な綺麗な人はあの世にいそうにないし…いや、天道に上がれれば天女様もいるだろうが…いやいや、この呪いのせいで、天道に上がるのは無理…そんなことより、この子猫ちゃんに何するんだい?」