金剛杖物語~雄鬼のまつりの章~   作:仲村大輝

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ここで、日本で一番有名だけどどうしてそう言うのか分からない林家木久扇師匠のネタが炸裂します。


第一章 閉幕

海美は、とりあえずまつりを置いて賭博場に戻った。

あそこは子供たちのトリカゴであった。

自由を束縛する場所か、はたまた、自由を保障する場所か。

とにかく、猪の親分やまつりが説得しても、夜の間は絶対にあそこから動きたくないと言われたのだった。

まぁ、あんだけの騒ぎだったからもう東の空が明るくなりそうだった。

明るくなれば、猪の親分の部下が朝の光と共に天人を連れてくるはずだ。

そうすれば、ここもモノの支配から解放される。

「いや、海美さんのおかげで助かりました。」

屋敷の大黒柱の真下に座り、親分がしゃべる。

親分の前には大きな火鉢があり、なにか鉄瓶が湯気を出している。

その湯気が、大黒柱の上にある神棚に直撃してもやもやしている。

その神棚にはいつ載せたのか、鏡餅が上がっていて、カビが生えて変な色になっている。

海美はそれを見上げて、凝視してしまった。

「あぁ。そういえば、もう正月も終わってしばらく経ちますよね。あれを鏡割りにして食べますか。おーい!」

と、猪の親分が呼んだ。

すると、小さい子分が出てきた。

訳を話して、鏡餅を神棚から下ろすと、小刀で、ガリガリ削り始めた。

ただ、手つきがおかしい。

刃の前に手を置いているから、手元が狂ったら自分を突いてしまう。

猪の親分が海美にこれからのビジョンを話そうとするのだが、子分が気になって、話どころではないし、海美が話している時は完全に子分を見ている。

だから、海美もそのうちしゃべらなくなり、小刀でゴリゴリ削る音が響くようになった。

「………。」

ゴリゴリ

ゴリゴリ

「………。」

ゴリゴリ

ゴリゴリ

「………。」

黙っているとなにかしゃべりたくなるもので、子分がこう言った。

「親分、もうすぐ終わりそうです。ところで、なんで餅はカビるんですかね?」

 「それは、空気中にカビの菌があるから、それが付着して、表面だけカビるからだよ。」

と、海美は答えようと息を吸い込んだ。

しかし、それより早く猪の親分がこう答えた。

「そりゃ、はやく食わないからよ。」

もう、この早さったらない。

しかも集中して見てるのだから、この猪の親分は本当にそう思っているらしい。

子分と海美が大きく目を見開いて、驚いている間にもカビ取りが終わり、子分が台所に餅を持って行った。

さぁ、餅が食べられると思った時、2人は、周りが明るくなっていることに気がついた。

2人が慌てて外に出ると、寺の方から子供たちとまつりが歩いてくるのが見えた。

あの不思議な骸骨の男もいた。

子供たちは自分達の得意な遊びをしているから、パレードのような騒ぎである。

「みんな、夜が明けたから出てきたようだな。」

「…夜になれば帰っちゃうわ。」

「安心しろ。あの地下室は封鎖して、土俵もぶっ壊す。土俵がなければあいつらは戦う理由がなくなる。戦うことでしか自分が保てないのであれば、治す。あの男と一緒にな。」

「あの男って、半分骸骨の?」

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