海美がすかさずその足を斬りつけてやろうとした。
しかし、足どころじゃない。
全身がバキバキと天井を破り落ちてきた。
「なにしていやがる…しかも俺の弟を…」
足は黒かったが、顔は青白く、オッドアイだ。
しかも、口周りが赤く血のようなものが付いている。
「…なんだ?」
「俺の弟になにしてるんだ?って聞いてるんだ。」
「ファミリーだから死んでもらった。」
海美はその男に構える。
「……フフっ。ファミリーだから殺すか。まぁ正しいなぁ。だけど青髪よ。なんでファミリーは死なないといけないんだ?」
「う…」
「…まぁ、いいよ。お前はここでおしまいだからな。ファミリーの初孫たる俺が…7位の俺が殺してやる。」
「7位…か……コーラ…」
「男の名前かな?」
「………。」
「…なんだ?……まつりちゃん、アヤちゃん!」
イチは何か異様な物が来たと思い、杖を乱暴に突き刺しながら転がるように庭に出た。
まつりとアヤがスピカを看病している。
スピカがボソボソしゃべる。
「二階にいた弱っちいやつは倒せたんだが…あいつは異常だ。」
スピカはさっき、襖を開けて飛び出すと、自分の武器を展開した。
スピカの武器は、手にはめる手甲、脛当て、鉄草鞋である。
ただこの草鞋、足の外側に円盤状の刃物がついており、それを壁や柱に食い込ませることによって地上に降りず、ジャンプで移動出来る。
手甲と脛当ても鋭利になっており、当たるだけでも木が削れ、肉が裂ける。
それを使い、パンパンパンと柱を伝い、二階に駆け上がると、一番手前の襖を体当たりで開けて、目の前にいたファミリーを蹴り飛ばした。
脛当てのお陰で首がボカン!とすっ飛んだ。
首が二階から外に飛び出す。
一撃で倒した。
ただ、驚いたのがもう1人のほう。
どうして、他人の男女が旅しているのか疑われぬように偽造婚約した海美が言っていたから、警戒はしていた。
ただ、あんなに強いと予想しただろうか。
首を蹴り飛ばして、身体が空中にある間に、その客は、スピカの身体を殴ってきたのだ。
スピカも空中を走れるだけの身体能力があるから、右手の手甲で拳を受ける。
「おっと!…」
空中でくるくるっと回転して受け身を取り、畳に着地する。
しかし驚いた。
2つ
一つ目、そのもの、髪が白く、目も右左の色が黒赤と違い、唇が裂けてウサギみたいになっている。
二つ目、当てた手甲。
なんと、鉄でできているのにベコっと凹んでいる。
肘側の結んである紐が緩んだらしく、それがはねっ返った影響なのか腕や骨は痛くないが、咄嗟にしたパンチでこの破壊力である。
「あんた…客か…」
手甲からその白い髪の毛に目を移しながらスピカはしゃべる。
「ふん。だから…なんだ。」
うまくしゃべれてない。