しゃべりにくいのか?
「あんたには悪いが、この連中がいたんじゃ六道の者どもがみんな困るんだ。許してくれ。」
「ろ、六道。が困る。」
「そうだ。ここはみんなが通る道だ。人やモノ、仏様を食らうやつがいるとみんな困る。そしてこの首の外れたものは困るものだ。」
「………。」
スピカは、しゃべるのがだるいのかと思い、続ける。
「まぁ、こいつらは、他のもの人に迷惑をかける存在でしかなかったから、因果応報ってやつだ。あんたもこんなのに付き合うのはやめたほうがいいですよ。」
「………。」
「それと、こいつらは、他のものや人を見境なしに食べますから、あんたも食べられてしまったかもしれないですから、よかったではないですか?」
「よ…よかった?…お、おでの、弟なのにか?」
「えっ?」
その瞬間、ぶん殴られて一階に落ちたのだ。
そのあと、その客は首がもげた身体を両手で掴むと、首からかじり始めたのだ。
「…弟よ。」
弟の亡骸を抱きながらのセリフならなんと美しいとなるが、骨や内臓をものともせず食べて、血をすすっている訳だからなんとも薄気味悪い。
そして、食べるのに夢中になってるもんだから、海美とイチの攻撃で、一階に落ちたのだ。
「青髪よ…な、なぜ、ふ、ファミリーは死なねばならぬ。ざ、三人はなにもしておらぬぞ。」
「………。」
たしかに。と海美は思った。
海美はそれまで、自分のことを狙ったモノから命を守るために戦ってきた。
もしくは、考えに共感して、モノ共の重要な席を襲撃したことはある。
「三人は、ひともモノも食べていると聞いた。」
「み、見たのか?」
「いいえ。」
「なっ…なら、なんで弟たちが殺したと分かる?」
白い髪の毛は、今まで食べていた亡骸をドサンと落とすと、次は背中を向けて、真っ二つになった身体を食べ始めた。
「骨ごと食べて美味しいのでかしら?」
「余計なことを言うんじゃねぇ。青髪!こらは、おらなりの、お弔いじゃ!邪魔すんでねぇ!」
そういうとまた食べ始めた。
「………。」
海美はすぐ杖を構えると、背中に向かって切った。
皮膚が裂けて血が噴き出す。
「お!…お前!」
「………。」
海美はおかしいと思っている。
普通なら殺せる位置にいた。だけど首が落ちなかった。
「も、問題を棚に上げて、おれ、俺を殺せば問題が先延ばしに出来るってか?そんなことはさせん!」
「あ、青髪よ。お、我々はなにをした?教えてくれ。わわしらはもとよや」
「…なに言ってるんだ?」
「わ、俺たちは、被害者だほ。」
「…知ってる。コーラとイチに聞いた。」
「なに?」
「コーラが、あなたの一族は人間だったのに生きたまま地獄道に落ちたと聞いた。そして、イチから、」
庭のイチが頭を振っている。
あのことか。という感じだ。
まつりがなにか恐怖を感じて海美に抱きついていた時、こんな話をしていた。
イチとまつりはもうスピカを安全な場所に運んでいる。
「…生きながら人間道から落ちた理由。それは、あなたが、近親相姦で生まれたから。」
「バレてんのかよ!」