金剛杖物語~雄鬼のまつりの章~   作:仲村大輝

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ファミリー…
鎌倉殿の13人の善児、トウ、一幡の暗殺ファミリー


第三章 第六部 あの時の話

ちょっと前、

大八車が、寺に着く前の、瞽女衆を車に乗せた直後、まつりはアヤといたが、海美は、一番後ろで、一人で座っている女の人に興味を持っていた。

仲が悪いという訳ではなさそうだったが、一人で杖に寄りかかっていたので気になったのだ。

海美は大八車を押しながら、その女の顔が見えるところに近づいていた。

「もし、なにかあっしにようですか?」

「ごめんなさい。目が見えないから、顔を見てもバレないかと思って。」

「そうですか。こんな顔で良ければよく見てやってください。」

「ありがとう。……けど、あなた。ただ、歌を歌う瞽女ではないわね?」

ちょいと首をかしげる。

わざとらしく。

「なぜそう思うんです?」

「…いくら杖が大事でも、三味線を持った状態なのに両手で持たないでしょ?」

「…バレましたか。いかにも、」

そう言うと女の人は、杖を両手で持つと、両手の隙間からキラリとなにか光った。

「…その杖はどこで?」

「旅に出る時、親に持たされたもので、なんとも…」

「…けれど、あなたはそれでモノが斬れるのね。」

「モノ…そうなんでしょうね。耳や肌では人と違うなにかは分かります。それで杖を振るうとドサン!と倒れる音がして、みんなに褒められます。」

「あなたは、いろいろなところを旅しているのであれば、ファミリーを知ってる?」

「ファミリー?…あぁ、家族。なんか、人様だけでなく、天人様ですら、暗殺して食べてしまうものがいるという噂は聞いたことあります。しかも。」

「しかも?」

「しかも、家族というだけあって、自分達の力だけで一族を広げてきたと聞いたことあります。目の分、耳が働いてくれてます。」

「…ファミリーのなかで、男と女がいれば、「一年でファミリーが1人増えます。」か?」

海美がしゃべっているあいだにイチが重ねた。

「おっしゃる通りです。」

「…だからファミリーって言われるのね。」

「ファミリーです。結束…血束(けっそく)はヤクザなみです。手を出せば死ぬまで追いかけてきますよ。」

「ですよね…」

まつりは走って海美の腕に抱きつく。

「危な…どうしたの?」

「ううん…なんでもない。」

「そう…」

「どうしたの?」

女の人がしゃべる。

「いいえ、一緒に旅をしてる子が抱きついただけ。」

「そう。」

そして、お寺に向かうわけである。

 

「だから、あなたたちファミリーは人間道から追放された。」

「…やめろ。それ以上しゃべるな。」

「…あなたも被害者なのよ。」

「しゃべ…なに?」

「あなたの髪の毛も目も、口もしゃべりかたも、人間道を落ちたバツではないわ。近親相姦の子どもはそういう病気にかかる確率が高いの。だから、あなたは。」

「やめろ!」

やめろと言ったと思うが、ほぼ叫んでいる。

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