金剛杖物語~雄鬼のまつりの章~   作:仲村大輝

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また昔話が出てきます。
また怖い昔話です。


第四章 第二部 関所の秘密

10番目がしゃべり始める。

「で、現状、倒されたファミリーだが、一人で街を支配していた20位の猿みたいなのを誰かが、」

まつりがニコニコしている。

「で、ここにいた。36位、コブのある40位、羊みたいな45位そして、客として来ていた7位を討ち取った。」

ここで11人目(郵便屋の10人目)がしゃべろうと立ちあがろうとした。

しかし、リーダーが立ち上がってしまった。

11人目はとりあえず立ち上がり、話が終わるのを待つ。

「これは幸先の良いスタートだ。モノもファミリーも追い出せば人間の支配できる範囲が増えるわけだ。人間たちよ。これは人間の主権を回復することにもつながるんです。頑張りましょう!」

11人目がしゃべる。

「…ということだ。」

座った。

「なんだ?最後のは?」

瞽女衆がくすくす笑い合っている。

 

 

夕方。

郵便屋は関所を1人もかけることなく走り出した。

ブーツは梯子を高跳びの選手のように使い、飛んでいった。

瞽女衆はスピカとアヤと一緒に、昨日の寺と、その先、すなわちまつりたちがお世話になった猪の親分のところを目指し、出発して行った。

まつりと海美は関所でダラダラしていた。

海美の鈍痛が止まらないらしい。

言われてみれば、郵便屋がしゃべっている時も黙って脇腹をさすっていた。

7位からくらった一発がこんなことになるとは思ってもみなかった。

さいわいにも、関所には布団も薪もあったので、一晩関所で過ごし、ファミリーと関わらない方へ行こうとなった。

その日の夜。

夕食を取って、海美は早々に寝てしまった。

まつりは囲炉裏の灰に絵を描いて遊んでいた。

すると、急に奥の座敷から女の人が現れた。

歳はまつりとそうは変わらないぐらいだ。

この女の人、一歳ぐらいの子供を抱いている。

「こんばんわ。」

女の人がしゃべる。

まつりはいじっていた火箸を握りしめる。

自分の刀は自分の左側に丁寧に置いてある。

一瞬隙をつくれば抜くことも出来る。

しかし、女は音もなく、すぅと囲炉裏のそばに座ると、子供を床に置いた。

「この子と遊んでやってください。」

「………。」

まつりが答えるより早く、女は懐よりでんでん太鼓を持ち出すと、でんでんビャンビャン鳴らし出した。

怖くなったまつりは慌ててマントを着込む。

しかし赤ん坊はお構いなしにまつりに乗ってくる。

そして妙な踊り見たいな動きを始めた。

遊んでいるわけでもなさそうな、手をグルグルっと回している。

まつりは火箸を掴んで震えていたが、すぐ赤ん坊は女の元に戻った。

女もでんでん太鼓をやめた。

「今日はもう遅いので帰ります。」

そういうと女の人は赤ん坊を抱き抱えて、元来た方へすぅっと足音を立てずに出ていった。

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