ただ、まだオチはなく、今後オチが来ます。
真っ暗闇の山道中を提灯が一つゆらゆら揺れている。
月が出ているはずだが、曇っているのか木のせいか暗い。
「海美、頑張って。これを超えると集落があるってアヤが言ってたから。」
「うん。ありがとう。」
提灯も大荷物もまつりが持ち、海美の手をひいている。
いつもは海美がひいているのに、今はまつりがひいている。
よーく見ると、海美は目をつぶって歩いている。
「海美、ちょっと広くなってるから、ちょっと休もう。」
「う、うん。」
ありがたいことに峠のすっ天井についたらしい。
倒れた木が腰掛けて休憩出来る様になっている。
ここで呼吸を整えさせればあとは降りだ。
海美が腰掛けた瞬間、
「「助けて!」」
と、進行方向から大声が聞こえた。
「なに!?」
まつりは前方を見る。
海美は、…驚いた。
足をちょっと上げて、杖を掴んで震えている。
通常であれば、すぐ立ち上がり、木の影に隠れるかすぐ進行方向に走っていくのに。
「!まつり。」
それを思い出したのか、すぐまつりの手を引いて、木の影に隠れた。
「助けて!誰か…」
「だれ…」
複数人声がする。
まつりが様子をうかがう。
月が雲から出た。
なんと、頭が人間の身長よりある大きな蛇(ウワバミ)が人間らしき影を追いかけているのが分かる。
しかも蛇の口から舌ではなく、人の足みたいなのが飛び出している。
足が出ていることもお構いなしに、2番目の人間にかぶりつき、足とその人間を一飲みにした。
先頭の人間、いや、あれはモノだ。
ファミリーかもしれないが、それは峠の一本杉を無理やり登っていく。
しかし相手は蛇。
木に体を巻き付けると、スルスルスルっと登っていく。
海美とまつりも木を見上げる。
なにか追われている人間みたいなものがしゃべった。
「やい!俺はファミリー50番目だぞ!お前のようなケダモノでも聞いたことあるだろう。」
偉そうなこと言っているが、逃げ場がなくなり、木の真上にジャンプしている。
「俺の兄弟や父さんを怒らせたらどうなるか…」
バクン!
食べられてしまった。
空中にいたのが悪かった。
ジャンプすれば真下に落ちるのだから、蛇が真下にいたのだ。
木から飛び降りた方が助かったかもしれないのに。
しかしもう後の祭り。
蛇はゆっくり降りてくる。
ただ様子がおかしい。
お腹が膨らんで、ビール瓶だか、ツチノコみたいになっている。
しかも膨らんだ部分はなんか動いているようにも見える。
さすがファミリー。中で暴れているのだろう。
蛇も手があれば腹をさすりたいだろうというような顔をしている。
すると、なにか思い出したのかのように、海美とまつりが隠れている木の方に来てしまった。
木を挟んで反対側に蛇がいる。
海美は、震えている。
まつりも身を隠し、刀に手を当てているが、蛇は襲ってこない。
「…どうしたんだろう?」
まつりが見ていると、蛇は、木の皮を剥がして食べ始めた。
まだ食べられるのか。
とまつりが見ていると、みるみるうちに、蛇のお腹がへっこみ、通常の太さに戻った。
「あれは…」
蛇は満足したのか、海美やまつりを見つけることもなく、山を下っていった。
「海美。」
返事はない。
「海美?」
海美を見る。
なんか杖を持ってぐったりしている。
目も瞑っている。
「だれ…」
だめだ!
蛇に見つかってしまう。
それどころか、今まで人が食べられていたのだから人間なんかいるわけない。
「どしたら…」
そのとき、かすかに、
テンテンテンテンテンテン
と、締め太鼓を叩くような音が聞こえた。