金剛杖物語~雄鬼のまつりの章~   作:仲村大輝

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この巻物は、信濃善光寺で見た地獄絵図が頭に浮かんでいました。
みなさんもぜひ地獄絵図を見てから、お読みください。
あるいは、進撃の巨人のエンディング、「夕暮れの鳥」もイメージしています。
ゆっくりお楽しみください。


第五章 第三部 ファミリーの秘密①(人間道から畜生道へ)と、戦闘準備

「昔々、ある人間の家族の兄妹が恋に落ちた。」

男と女が手を繋いでいる絵だ。

シュルシュルっとまた30cmぐらい出す。

「どうしても結婚したかった2人は家を飛び出すと捕まらないように途方もない距離を離れつつ結婚した。」

また30cm出す。

二人の周りに2人子どもが増えた。

男の子と女の子に見える。

「するとまぁ、起こることがある。子どもが生まれる。」

「だが、」

また、30cいや、60cm出す。

神々しい、後光が指す仏様と、その家族の手足や頭に動物の耳や角がついた絵が出てきた。

「それを仏様は許さなかった。『身内同士で子供をつくるなど、動物のやることだ。』と、生きているのに畜生道に落とされたのだ。」

60cmを巻き取ると、続きの30cmを出した。

今度は子どもがたくさんになっている。

「ただ、畜生道に落ちたからといって、家族は反省もしなければ、仏様に助けを求めることもしなかった。それどころか、親の真似を子どもがして、親子でもそんなことをするようになった。」

また巻物が進むと思ったとき、

「ここからはグロいぞ。」

と言った。

その瞬間、なにかピコン!ピコン!ピコン!と音が鳴った。

 

「ひっ!」

完全に巻物語に入り込んでいたまつりは悲鳴を上げた。

「おや?どうやらここまでか。」

机の周りの空気が変わる。

みんなグググッと上を見て耳をすませている感じだ。

「来たな。」

仮面の男は素早く巻物を巻き、ロッカーにしまう。

そして、傘のような物を取り出した。

また、頭、いやおでこにある木のお面を下に下げて、目を覆った。

目や眉毛を守るぐらいで、鼻や口は見えている。

「みんな。状況は?」

「………」

誰も返事しない。

まつりも別に自分に言われたと思ってないから返事しない。

「なるほど。馬鹿正直に真正面からか。」

薄い、いや、古ぼけて色の抜けた膝ぐらいまである布を羽織る。

紐で腰あたりを巻いて、布を暴れないようにしながらまだ指示を出している。

「さっきの大蛇のようにやれば大丈夫だ。なに?人影が見える?」

 

 

ピロリン!ピロリン!

また音が鳴り、今度はさっきの音楽のスピードが上がった。

「だいぶ迫ってるな。アバジャ。」

「うん?」

赤い組紐と赤いヘッドバンドを口と右手を使い、器用に結び直している人?は答える。

「悪いが指揮所に行ってくれ。」

「私よりあなたのほうが指揮に向いてるんじゃ?」

「全体を見渡して、適所への連絡はあんたのほうが向いている。俺は自分の部下を直接鼓舞するほうが向いてる。」

「はいはい。」

赤いヘッドバンドを外しながら答えた。

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