金剛杖物語~雄鬼のまつりの章~   作:仲村大輝

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いまこれは、m-1の録画を見ながら書いてます。
音符で戦う音楽家をつくるか


第五章 第五部 激戦

「あっ!」

ルッコラは、また三階を見ていた。

アバジャが旗を上下に振っている。

「突破される可能性がある。まつりちゃん、ナポレオン。すぐ脱いで。…ナポレオン!」

ナポレオンは狂ったように匂いを追いかけている。

ルッコラがナポレオンの鼻を摘み、匂いを嗅がせないようにした。

すると、

「あれ?」

すぐ元に戻った。

慌てて花笠を外し、そこに置いた。

途中、絡まった紐はナポレオンが素早く懐の刀で切ってくれた。

三人は大慌てで建物に逃げる。

「こっちに来てみろ!」

まつりは奥に逃げようとしたが、ルッコラに2階に上がるよう言われる。

「なんでですか?」

「まつりちゃん、すまないが、この後の展開で突破されたかここで食い止めるぞ。」

「…はい。」

花笠を置いたコンクリートの庭から、半円になっている建物に入った訳だが、コンクリートの庭を向くかたちで、いすがずらっと並び、段々の観客席になっている。

その観客席から建物の内側に入るには、階段を使うわけだが、その階段の前にはコンクリートで塀が出来て、正面から直進出来ないようになっている。

元々、なにかから階段を防ぐように造られていると思うが、それがなにかは分からない。

ルッコラは半円の建物に一番近いところにあったコンクリートに隠れて、まつりとナポレオンもそのコンクリートに隠れた。

「モノどもら、あの花笠に集まるから、おやっつぁんがなんとかしてくれるだろう。」

そうルッコラが言った瞬間、チャチャチャチャチャチャチャーン!と音楽が鳴った。

「あのトンネルのところの退去命令だ。来るぞ。」

5秒もしないうちに、モノどもが走って花笠に到達し始める。

人間を襲うわけではなく、ナポレオンのように匂いを嗅いでいる。

ナポレオンが獅子頭を元の頭の上に戻しながらしゃべる。

「あれはもうサザラを鳴らしてないのだから、まさに残り香を楽しんでいる訳だ。」

「………。」

「……。」

まつりはまさにその通りだと思っていたが、ルッコラはお前が言うな。と思いつつ、ナポレオンの鼻を摘んだ人差し指、中指、親指を擦り合わせた。

ボーン!

太く、腹に響く鈍い音が聞こえたと思うと、軽い「カーン!」という音と共に、花笠に群がるモノどもの真上でなにか爆発した。

その爆発したものは、無数の線になり、花笠に群がるモノどもに降り注ぐ。

「なに?」

まつりは肩をすくめて驚いた。

しかし、すぐ腹に響く音が鳴り出す。

その音は絶え間なく、連続して音を出している。

まつりはコンクリートの裏側に隠れているのでなにが起きたのか分かっていない。

「まつり!」

ナポレオンに呼ばれる。

「これは?」

「銃で反撃してるんだ。この音を立ててるのは味方だ。」

「味方。」

まつりはコンクリートからグラウンド方向を見ているルッコラを見る。

ルッコラの後ろから覗き込むようにグラウンドの方向を見る。

すると、グラウンド側を向いていた座席のありとあらゆるところから、花笠のところにいるモノどもに向かって、明るい光が吸い込まれている。

「おやっつぁんが、またあれを撃つぞ。」

ルッコラがグラウンドを見つつ、左手でまつりを隠そうとした。

また腹に響く音。

そして、その爆発したものは、花笠の牛ではなく、入口付近で、また白い線が降り注いでいる。

その線に触れるモノは動きを止めたり、逆にこちらに向かってきているモノもいる。

「あれは?」

「あれは、おやっつぁんの最終兵器、爆発すると、ねばねばした紐状の状態になる爆誕だ。

あれを浴びるとネバネバして自由に動けなくなる。

そこを、おやっつぁんの部下たちが攻撃するっていう戦法だ。」

「うん。」

「二発目は、逃げそうだったから逃げないようにしたんだ。今回はおやっつぁんは、ご機嫌だな。」

まつりは左の、椅子の下に隠れている2人を見る。

傘に見える銃を構えている。

狙いを定めて撃つ。

2人一組らしく、片方に撃った傘を渡して、もう1人が持っていた傘を借りて撃つ。

またその繰り返し。

敵がいても強いが、敵がいなかったら飽きそうだと思った。

そうこう考えている間に、さっきまで流れなかった爽やかな曲が聴こえてきた。

「どうも危険が去ったようだ。」

ルッコラがつぶやくと、まつりはあたりが暗くなり始めて、花笠が夕日でオレンジなのか、モノの血なのか分からなくなっていた。

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