金剛杖物語~雄鬼のまつりの章~   作:仲村大輝

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なんとなく録画しておいた水星の魔女、めちゃくちゃ話題になった12話、撮れてなかった…


第5章 第十部 激戦

ことの経緯はこうだ。

まつりがアバジャとベットに向かった後、ナポレオンは大蛇を山に返しに村から外に出た。

そして、蛇を山に連れて行って、離すと、正門近くまで戻って来たのだが、トンネルから少し離れたところになにか人影が見えたので声をかけた。

「こんな時間に…」

そのとき、異常さに気がついた。

なにかその者は背負っている。

しかも髪の毛が長いから、女性だと思った。

そして、すぐ風車で攻撃を仕掛けた。

人間の言葉でない言葉で、

「ちくしょう。」

と言ったのがわかったからだ。

こいつがすばしっこい。

人を背負っているのにこちらに向かって走ってくる。

「このやろ!」

ナポレオンは慌てて伸ばした風車を巻き戻すと、今度は横に払った。

しかし今度はしゃがみ、ジャンプして、かわす。

あっという間に左手前1mぐらいまで詰められてしまった。

「ま…まずいか?」

ナポレオンはいつも太鼓を鳴らすのだが、今回は違う。

実は、獅子頭に日本刀が隠してあるのだ。

口から素早く逆手に抜くと、突き立てようとした。

襲ってくるモノはかわされる。

ただし、後ろの背負われている人は傷つけられたくないだろう。

と、攻撃を続けようとした。しかし、辞める。

まさか、モノのみに与えられた選挙制度を崩壊させて、今度はファミリーを殺そうとしている海美を殺せる人間などいない。

それが甘かった。

向かってくるモノは、ナポレオンの体重のかかった左足を引っ掛けると、ナポレオンを転ばせて、引っ掛けたのと逆の足で背中を蹴り上げた。

「ぐぇ!」

っと、ナポレオンが声を出す。

思わず前傾になる。

その顔面(この場合、獅子頭だが)に今度は膝蹴り。

獅子頭が吹っ飛び、獅子頭についている顔を隠す布もなくなり、ナポレオンの素顔が敵に見られる。

「強い…けれど!」

ナポレオンは刀を口で咥えると、そのモノに抱きついた。

顔を曲げて、口で咥える刀で斬りつけようとする。

「危ねえなぁ!」

このモノもなんとか首を曲げて刺されないようにする。

しかしそうもいかない。

剣先が口の中に入った。

(今だ!)

ナポレオンは無理矢理ぐっと刀を押し込む。

「あががが」

モノの右頬から刀が出てくる。

(背中の人を落とせ!)

「ぐごっ!」

驚くことが起きた。

右頬から刀が出てるから抜こうと逃げるのが普通だが、なんと向かって来た。

右頬から刀がジュリジュリ出てくる。

血もダクダク出る。

その時、頭同士がゴズっとぶつかる。

ナポレオンの歯が飛ぶ。

刀を咥えてるもんだから、根元からや、途中からかけて、歯が何本か飛ぶ。

「おぇっ…」

刀を上手く咥えられず、刀が右頬に刺さった状態でモノが奪う。

「あっぶねぇ」

モノが左下を大きく見る。

そうすれば右頬から出た刀がナポレオンの目のあたりを向く。

「危ねえ!」

ナポレオンが手を離した。

「馬ー鹿!」

ピョン!とモノが下がり、左手で刀を無理矢理引き抜こうとしている。

「ちくしょう…」

ナポレオンが倒れ込みながら風車を拾う。

そんなもんだから、一瞬モノから目を離してしまったのだ。

「あれ?」

モノが刀を抜いていたあたりに、海美が倒れ込んでいるだけだ。

「しまった!」

「もう遅い。」

背中から声をかけられる。

まるで耳に氷を押し付けられたようだ。

いや、本当に冷たいもの(刃)を左後ろに突きつけられたのだった。

ナポレオンの衣装の正面は防御出来ているが後ろは防御出来ていない。

「おま…」

「だが、お前に死なれては困る。」

モノがそう言うと、ナポレオンを突き飛ばし、足を踏んづけて、変な方向に向けた。

「お前は人質だ。」

そういうと、モノは大声で何かしら叫び始めた。

すると、すぐに暗闇から出るわ出るわのモノどもの群れ。

「お前を盾にして、入村させてもらう。悪く思うなよ。」

「ぐっ…」

ナポレオンはそれでも風車を構えようとした。

しかし、あっさり、餓鬼か阿修羅に止められてしまい、磔にされて、村の入り口に向かわされてしまった。

「ふぅ。」

モノは右頬を抑えながらゆっくりする。

「さて、ここで見ていても良いが…」

周囲を見渡し、さっきの女を探す。

しかしどこにもいない。

「モノに連れて行かれたか…まぁいいや。モノに捕まれば、助かる見込みもない。あぁ。」

口を大きく開けたり、閉じたりする。

「鉄みたいな味がするな。」

モノの先鋒がトンネルを進んでいくのを見る。

空を飛べるモノもレース場に回り込んで行く。

「まぁどっちにしろこれで、あの村の人間どももモノどもに攻められておしまいだ。ざまぁみろ。」

そう言うと、そのモ…いや、ファミリーはどこかへ行ってしまった。

これが、長男である。

ついさっき、郵便屋を襲い、自分達がどんな立場にいるのか分かっている。

しかし、海美を知らなかったのは最大の誤算だった。

まさかこんな綺麗な女の人が自分の家族を殺した人だと思わなかったのだ。

ただ、知っていればその場で海美は殺されていたはずだ。

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