金剛杖物語~雄鬼のまつりの章~   作:仲村大輝

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お久しぶりです。
また溜まりましたので投稿します。
よろしくお願いします。


第6章 第一部 夢の世界

謎のでかい音と不規則に光る地面、その地面は、赤、紫、黄色という自然界にない色。

まつりはアバジャに言われたように後ろを見ずに夢中で走る。

大体、建物の位置が分かるので大きく迂回して自分達の来た森に向かおうとした。

幸い、モノに遭遇することもなく、森に入れた。

蛇に乗っていたときのルートで森に入れたから、道はある。

道を歩い…いや走っている。

出来るだけ早く海美に会わないと殺されるというのが彼女を動かしていた。

今の彼女は、いつもの大太刀を足の間に挟み、顔はアバジャからもらった額当てをつけ、マントもなく、肩から、ここに来る時持っていた風呂敷を巻き付けている。

中には、まつりの必要最低限のものが入っているだけで、地図も、食糧も水も持ってなかった。

それは海美が持っている係だったのだ。

「はやく海美に会いたい。」

それだけで走っていくが、人間限界はある。

水でも飲めばまだ違うかもしれないが、水はない。

まつりは全速力からジョギングになり、歩き…歩き、四つん這いになってしまいました。

そのまま数歩歩くと、仰向けにひっくり返ってしまった。

ひっくり返った場所が悪かった。

森は森でも平坦な場所ではなく山道のようなところであった。

正面三方向が山になり、正面の山にはトンネルが抜いてある。

歩いてきた道から脇道に逸れて、急坂を50mぐらい上がったところにお寺があるが、今は廃寺になりお坊さんや仏様もいない。

実は、このトンネルを抜けた先には寺があるのだが、まつりは知らないし、いま、寺のすぐ手前で人が倒れていることをそのお坊さんが知るわけもない。

「………。」

「………。」

「はぁ、はぁ、はぁ。」

「………。」

まつりの呼吸音だけが周囲に響くほかはは、音はしない。

一つポッと光がついた。

左側の山の中腹あたりだ。

一つの小さい小さい蝋燭の火のようなものだ。

蝋燭みたいで綺麗だねという感じだ。

またもう一つ灯がついた。

今度は右側の山の中腹からだ。

また同じぐらいの明るさだ。

すると、もう一つ、もう一つとどんどんどんどん、灯が増えていく。

もうすぐ夜が明けるのか、それともこの灯が増えているから明るいのか分からないぐらい周囲が明るくなっていく。

まつりは見えてないのか、見えていても疲れて動けないのか。動きもせず、丸くなっている。

カチャリ。

竹みたいな乾いた音がした。

その竹みたいな音もまた、あちらこちらから聞こえて来る。

その音がだんだん早くなり、花笠のサザラというより、カタカタカタと高速で竹と竹が当たる音になる。

夜が開けてくる。

この場所が段々と分かってくる。

なんと、この三方向の山、中腹まで全部お地蔵様が祀られている。

お地蔵様の前には、蝋燭と風車が供えてあり、その蝋燭が灯り、風車が回っていたのだ。

まつりに見えていたかは分からない。

まつりは寝込んでいる。

そのまつりを蝋燭の火と風車の音が包み込んでいた。

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

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