金剛杖物語~雄鬼のまつりの章~   作:仲村大輝

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この間にあった出来事は、ゲームにハマったことと、シン仮面ライダーを見たということでしょう。
あるおじいさんとしゃべって、
「いまの若い人はなにを映画で見るんだ?」
と言われて、
「この間、…ウルトラマン見て、今度仮面ライダー見に行きます。」
と言って
「それは子どもが見るもんじゃないのか?」
と言われたのが懐かしい


第7章 第三部 また夢の世界へ

まつりは元来たところに戻ると、宇宙から渡された睡眠薬でまた寝てしまった。

ちなみに、宇宙のほうが先に寝た。

カタカタカタカタとうるさい風車の音がしばらく響いていたら、意識を失い、また目が覚めた。

今度も寝てる天井からだった。

しかし、天井が違う。

「しずか。」

また、あの男の人の声だ。

「お父さん?」

「どうしたんだい?ソファで寝て。」

「いえ、別に…疲れただけで。」

「そりゃそうだな。あんな大きな声を出して倒れたんだからな。」

「えっ?…わたし…」

「?…ここじゃ疲れも取れないだろうから自分の部屋に戻ったらどう?」

「う、はい。」

しずかは立ちあがろうと足をソファから下ろす。

ただ、いまは誰もいないから、この男の人のことを詳しく聞けるんじゃないかと思った。

「お父さん。」

「なに?」

「わたし…」

「ちょっと。」

そう言うと、近くの椅子を持ってきて、目の前に座った。

「なんだい?」

「…わたし、……変わった夢を見て…それが、あまりにもリアルで…」

「ほぅ。どんな?」

「…私には、お父さんもお母さんもいなくて、長い刀と赤い毛布しか持っていなくて、駅の屋根裏に住んでるの。」

「駅の屋根裏に…」

「そんな私を、ある人が助けてくれて…その人はたしか…青い髪の毛で…赤い杖を持っているんだけど、杖から刀が出て、めっちゃ強くて、私を守ってくれるの…」

よくよく考えてみれば、こんなことを信じるわけがない。

「…ひとつ、嘘みたいな話をしようか。」

いや、この男は違う。

「お父さんも夢を見る。恐ろしい夢だ。片田舎で斬り殺される夢だ。」

「えっ?」

「しずかは生きているだけいいかもしれないが、お父さんは殺されてしまう。」

「それは、誰に?」

まさかモノ?

モノだったら、話は早いんだけど…

「いや、人だ。同じ人間だ。」

それは残念。

「どうも…その記憶の私は20代前半で、しずかのおじいさんに言われて、その片田舎へやってくるのだ。

今、お父さんは貴族院議員だが、ちょうど、しずかが生まれる頃までは、ほぼ独裁のような幕藩体制を敷いていた。

平民も、貴族も政治に参加できないから、平民の苦労も、貴族の大変さもあまり伝わりづらい政治だった。

それに反対した新政府が戦争をしていたのだが、その片田舎の藩は、幕府の中心的な藩。まぁ、殿様だな。

片田舎の殿様は、将軍様に忠誠を誓っていたから、田舎とはいえ、めちゃくちゃ強かった。

「これは、内部から崩壊させるしかない。」

「新政府の人間とはいえ、平民。我々貴族はまた政治に参画出来なくなるぞ。」

ありがたいことに、この世界は平民も、我ら爵位の人間も一緒に政治を行えているが、そうにはならないんじゃないかという恐ろしさがあった。

しずかのおじいさんもそう考えた一人だ。

だから、お父さんをその殿様の治める土地に派遣して内部から崩壊させようとした。

お父さんもお父さんなりに頑張ったのだが、どうしてもうまくいかなかった。

その片田舎では、まさかそんな高貴な方が来ると思っていなかったんだ。

「あれは偽物だ。」

そういう噂が流れて、自分に不利になる分子の排除を殿様も命じて…

お父さんの記憶は雪の中突っ伏しているところで無くなっている記憶がある。

まるで一度死んだようだ。」

「………。」

しずかは驚いた。

まさかお父さんが信じてくれると思っていなかったし、まさかお父さんも違う記憶がある。

違う記憶どころか、まるで一度殺されているではないか。

「あの…「しかし。」

二人はしゃべり始めが被った。

「なんだい?」

「あの、記憶は、たまに鮮明に思い出すの?」

思いだませればもしかすると大事な人も思い出すかも…

「…私の場合は、思い出す。従って、その片田舎まで来てくれた人全員な。」

「なら、私も。」

「ゆっくりになるかもしれないけど、待ってみるのもいいかもしれないよ。」

「う、はい。」

お父さんは足を組んでみせた。

「あの…お父さん。」

「なに?」

「さっき。なに言いかけたの?」

「?あれか。…実は、その記憶でも、お母さんと会っているんだ。」

「えっ?」

「しかも、ちゃんと結婚してた。」

「……。」

「もっと言うと、この世界でお母さんを見つけた時、震えた。まさか生きていると思わなかった。だけど、どうもお母さんはお父さんを知らなかった。記憶がある人とない人がいるみたいだ。」

「…そうなんだ。」

残念だ。もし、自分がお母さんのように大事な人を思い出せなかったらどうしよう…

「もし、自分がお母さんのように大事な人を思い出せなかったらとても悲しい。だから、今のしずかの気持ちが分かる。」

お父さんは時計を見た。

立派な時計だ。

時間になると人形がくるくる踊る。

「もう寝るね。」

しずかは立ち上がった。

「…あぁ。」

お父さんは足をつけて立ち上がろうとした。

だけどやめた。

「しずか。」

「なに?…いや、なんですか?」

「いや、別に、おやすみ。と言おうとしただけだよ。」

「お、おやすみなさい。」

「おやすみ。」

そう言って、しずかは廊下に出ると、青いスーツを着た男の人と、白衣を着た女の人3人が立っていた。

「あっ!忘れてた。しずか、すまん。ちょっとこっちへ。」

お父さんが慌てて椅子から立ち上がり、しずかはお父さんが座っていた椅子に座らされた。

「そんなに慌てなくても大丈夫ですよ。尊正さん。」

「いえ、寝ようとしていたものですから…」

そんな話と、お父さんと、一番背の高い女の人が話す。

「しずかさん。いつもの検診ですよ。」

残りの2人になにかされる。

目の前の女の人が耳にチューブを入れて、その先端に丸い金属の板がついていて、お腹に押し付けられた。

変な感じだ。

お腹の中が動いているみたいだ。

今度は口に入るぐらいの金属の板を持ち出すと、

「口を開けて、『アーン』としゃべってください。」

と言われる。

「あー!」

と言うと、金属の板を口に入れられた。

「おえっ!」

元の世界でなら良いかもしれないが、この場にはふさわしくない声が出てしまった。

なにせこの身体は慣れているかもしれないが、私は初めてなのだ。

「!…じゃあ、次は採血をします。」

これは参った。

まさか痛い目に遭うとは思わなかった。

大刀を持っていなくて良かったと思った。

持っていたら、この白衣の3人を斬り伏せているところだった。

「今日は…しずかさん、ちょっと…」

「しずかは、今日出かけたので疲れているんです。」

お父さんが話に割って入ってくれた。

「そうでしたか…」

「もうしずかは大丈夫ですか?」

「はい…どっちかと言いますと、本日は尊正さんに話がありましたので…」

「分かりました。しずか、もう部屋に戻っていいよ。」

「…はい。」

しずかは3人の動きが見えるような不思議な動きをしながら、外に出た。

外に出ても用心しなければならない。

なにかあって追いかけてくるかもしれない。

また血を取られては大変だから。

部屋の中の音を伺う。

扉が厚いのか音はあまり聞こえない。

「まぁ、本当にお父さんに用事があったのかな?」

そう思いながら、まつりいや、しずかは部屋に戻った。

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