金剛杖物語~雄鬼のまつりの章~   作:仲村大輝

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ちなみに、そのおじいさんとは仲は良いです。
(なにかと気にかけてくださってます。)
また、シン仮面ライダーは同級生と見たのですが、おじいさん誘ったら断られてます。
今度は、もっと分かりやすいドラえもんを誘おうと思います。


第7章 第五部 芭蕉扇

「吸血鬼?」

「はい。今から、17年前、政治の体制が変わり、尊正さんも国政で仕事をなさり始めた頃、吸血鬼がこのマントを着て、尊正さんの前に現れたそうです。

なんでも、なんでも、我々が人間界に現れることを許してもらえないか?という交渉だったそうです。

人間界や、一政治家としてはそのようなことは無理だとおっしゃられたらしいですが、「父親になる人間が、そんな逃げるようなことを言ってどうする?」

と、言われたそうです。

その時、尊正さんは父親になれると分かっていなかったらしく、激しく動揺され、国会にその吸血鬼を招待されて、今のように妖しもこの日本で生活するようになったのです。

そのお礼と出産祝いとして、贈られたのがこのマントと聞いております。」

 

…叶わなかった世界。

この世界の吸血鬼は、心臓を刺されず、地獄のモノに頼らず、吸血鬼も、人間も、モノも、私も幸せに暮らしている世界。

 

「どうぞ。この芭蕉扇を使って。」

綺麗な絵を閉じると、銀色に輝く棒状のものになり、それをしずかに差し出す。

「…どうして、こうならなかったんだろう?」

しずかはゆっくり受け取る。

「えっ?」

「その吸血鬼は、人間と楽しく過ごしているの?」

「妖しは、見た目は怖いけど、優しい方ばかりで、最初、怖がっていたり、偏見を持っていた人たちも、今はごく少数らしいよ。」

「私は…「まただ!」」

私はうまくいかなかった世界から来たんだ。

そう言ったのに、お手伝いさんの耳に入る前にまた近くに爆発が起きてしまった。

 

急いで2人は建物の外に向かう。

しかし、広いし、爆発に巻き込まれて、封鎖されてしまっていたりする場所もある。

「なんで、こうめんどくさい設計なんだこの家は!もっと小さい家に住めばいいのに!」

お手伝いさんが言う。

「とにかく、一階に降りないと、どこからでも出られないよ。」

「たしかに!」

2人で階段を目指す。

「階段よりこっちはどうだ?」

床が抜けて、一階が見える。

なるほど。さっきまでお父さんとしゃべっていた部屋だ。

テーブルがあるからあそこに降りれば、痛くなく降りれそうだ。

「じゃあ、私から。」

「ちょっと待って。なんで、お嬢様が先なの?」

「いや、危ないかどうか見てくる。」

「それは私の仕事なの。まだ、怪我すれば、労災降りるし。」

そう言うと、お手伝いさんは飛び降りた。

テーブルじゃなく、床に降りた。

「別に大丈夫だと思うけど。」

「私は、テーブルに降りようと思ってたんだけど…」

「その方が足が痛くなさそうね。」

お手伝いさんはテーブルを真下まで引っ張って来てくれた。

「伏せて!また爆発が来る!」

「えっ!?」

今度はもっと上の方で爆発が聞こえた。

天井に大きなヒビが入る。

「危ない!崩れる!飛べ!」

「死ぬ!」

しずかはその場にしゃがみ込んでしまった。

天井が落ちる。

その時不思議なことが起こった。

しずかが抱き抱えていた芭蕉扇が、しずかの腕をすり抜け、しずかの頭の上に飛び出したかと思うと、バッと広がり、しずかを覆った。

天井がドカドカ落ちてくるがしずかには当たらない。

芭蕉扇が全て受け止めていく。

天井が崩れるのが止む。

芭蕉扇が閉じて、しずかの背中にくっついた。

刀を背負っているような感じだとしずかは思った。

「大丈夫?」

お手伝いさんは、崩れる天井から身を隠すため、テーブルの下に入ったのか、テーブルから出てきた。

「うん。よっと!」

しずかはテーブルに降りた。

天井が崩れたのが溜まっているので、楽に降りられた。

「足を怪我するよ。」

「そんなこと気にしてたら頭が潰れちゃう。早く外に出ないと。」

お手伝いさんの言うことも聞かず、出口を探そうとする。

「待って。」

お手伝いさんが、しずかの腕を持ち、割れたガラス戸を杖で指しながら言う。

「あそこからぶっ壊して出ちゃおう。」

たしかに、この建物はもう復旧不可能なぐらい壊れているし、わざわざ玄関まで行くのも危険だし、もうガラスも割れているんなら…と言うことで、2人はヒビの入ったガラス戸を大きく割り、外に出た。

「ところで、お手伝いさん、あなたのお名前は?」

「…やっと聴いてくれた。いつ言われるのか気になっていたけど、こんなタイミングで聞くのね。私はアヤ。よ。」

「アヤ…」

あの人ではない…アヤは、もっと小さくて、大八車に乗っているのだ。

こんな大きいわけ…いや、私だってこんなお嬢様だと思わなかった。

まさか、アヤも時代が時代ならここにいてもおかしくないんじゃないか?

そう思いながら外に出た。

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