金剛杖物語~雄鬼のまつりの章~   作:仲村大輝

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つまり、ここはほぼ空想です。
小説らしくなってきました。


第7章 第九部 条約

まだ、昼前だというのにあたりが静かになった。

昼になったため、尊正と知り合いの新聞記者達は別荘に戻るかという話になった。

すると今度は鯨がみんなを別荘まで送る。

と言った。

あの得体の知れない船員達に会うのは恐ろしかったが、逆らったら逆らったで日本国がなにされるか分からない。

尊正は、それでも乗りたいという記者と共に鯨の背中に乗った。

驚くことだらけだ。

頭の上には都市があった。

船の不安定な砲台かと思ったら、備え付けの大砲ほど足場がしっかりしていた。

しかもその大砲専用の爆薬貯蔵施設は、日本の全ての爆薬、いや、軍の貯蔵品、食料、そして軍事車両全てが格納出来るほど大きいものだった。

しかし、なぜそんなに大きな倉庫があの小さな屋敷分しか身体がない鯨に乗っているのだろうか?

「訳の分からないことは多いだろ?尊正さん。」

夢の中で聞いたことある声だ。

振り返ると吸血鬼が今度はきちんと足で立っていた。

「あなたは…」

「律儀だな。どうしても夢の中で会ったことにしたいんだな。」

そう言うと、吸血鬼は襟を正し、ネクタイを正しく付け直した。

「初めまして。大炊御門尊正氏。私は、表世界から参りました、吸血鬼○○○。この国と国交を結ぶために使者をお送りしました。」

「…お名前を聞き直しても良いですか?」

「○○○と申します。難しければ、吸血鬼とお呼びください。」

名前をなんと言ったのかよく分からない。

「申し訳ないが吸血鬼と呼ばせていただく。ミスター吸血鬼。使者を送ったにしては、私の屋敷を壊すとは、使者のすることとは思えませんが。」

「たしかに、あなたの住処を壊したことはお詫びします。ですが、我々がその前にも多くの使者を送っていたのです。

一昔前前…明治に維新する前は交渉どころではなく、我々を神のようにもてなしてくれました。

ただ、維新したら、我々の存在は否定され、それても我々を信じてくれる人間はおかしな人だとされた。

このまま海上に現れただけで、この日本国が我々のことをきちんと考えてくれるのか疑問だったのですよ。」

「…そうか。なら、補償もしっかりするのだな。」

「ご安心ください。我々の力で集落の方々の家や畑は元通りにします。ただ、あなたは別です。」

「なんです?」

「あなたは政府の人間。やすやすあなたが困っているところに漬け込まないバカはいないでしょう。」

「要求は?」

「…おそらく今日のことで、陸海軍は手が出せないと言うことが分かるはずなので、閣議で素早く国交を結ぶよう尽力しなさい。国交を結べたら、ここを船は去ります。」

「…ほぼ脅しか。ペルリと変わらないぞ。」

「彼は使節で、上の命令を実行したまで。私もそう。あなたも政治家なら分かるでしょう?それでもあなたは部下に迷惑をかけていないと言い切れるのですか?」

「………。」

「誘導だって、避難指示だってあなた一人でやりましたか?」

「分かった。なんとか、議会には今日の話と、使者の手紙を出そう。」

「そう言ってくれると思っていました。ささっ、もう別荘の上空ですよ。」

船は、別荘の上空にたどり着いた。輿が庭に出ている。

輿の中の藤乃が見える。

なにか白いものを抱えている。

巻き貝もある。

「おやおや、人の親になれたようですね。尊正さん。」

その時、吸血鬼が尊正の腕を掴んだ。

 

 

 

恐怖

 

 

 

 

なんだ、この恐怖は。

血の気が引き、サッと鳥肌が立つ。

触られただけなのに、無数の恐怖や怖さが襲いかかる。

「さぁ、お父さん。子どもを守るためビシバシ仕事をしましょうね。」

藤乃は静かにこの船を見上げている。

巻き貝が言う。

「ママ!パパ!」

藤乃の手の中で眠る赤ちゃん。

もちろん、大炊御門静

 

 

次の日、帝国議会は大荒れになった。

というか、陸海軍が撤退したというニュースが午後に報道されてから、議会は荒れていた。

とにかく、手紙が到着している以上、そして陸海軍が撤退した以上、取り扱わなければならない問題であったが、物事はあっさり、次の日の午後には決まりかけていた。

なぜならば、議員の大半が外国の脅威から国を守るため外国を選択した議員なものだから、外交は小村寿太郎や陸奥宗光に任せれば、また不平等条約を結ばれてもなんとかなると深層心理が働いていた。

次の日の議会の夕方には、国交を結ぶことが承認された。

そして即日公布になった。

なぜなら、吸血鬼が議会の傍聴席に、鯨船が国会議事堂上空にいたのだから。

 

半年後、施行

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