大きさは全然違いますが…
フラフープは戦国BASARAの毛利元就です。
「足が…足が…」
また、杖が動く。
杖の頭、いや、今は地面についてるので尻かな。
尻についている赤い玉から、なにかどす黒く光るものが飛び出したかと思うと、猿面を斬り裂いた。
猿面が脳天から顎へ見事に斬られて、中の人の顔が現れた。
子どもに見えた。
「「あっ!」」
「「おぉ!」」
「チャレンジャーか猿面を割ったぞ!」
「あれはチャレンジャーが割ったのでいいのか?」
「自分で転んで割れた場合も敵の点なんだからいいじゃないか」
観客が騒ぐ。
ただ、静かな一団が一つ。猪の親分と、子分とまつりは固唾を飲む。
「なんてこった…あの杖は自我があるようだ…」
「あんな、自分で動くようなことの出来る杖を扱っていたのか…」
子分たちはまるで、さっき詰め寄った時、自分達があの杖の餌食になっていたのではないかと思ったら、背筋が凍る思いだった。
「嘘だ…」
1人、子分と違う意味で冷や水を被ったような表情のがいる。
「あの子…さっき…」
まつりである。
「子ども…まつり…」
竹馬の上から猿面が割れるのを見ていた海美も目を張った。
まさか、あのまつりと遊んでた子どもたちがこんなことをする羽目になっていたとは…
「だから、未練ある感じで帰ってったんだ…」
「どけ!」
海美は下を見る。仮面を取ろうと、猫の面の手が伸びている。
「まずい…」
慌てて、猫の面の手を払い除ける。
けど、よくよく考えたら、首に飛びついているのだから、猫の面が目の前にあった。
「そうだ!」
慌てて、猫の面を掴むと、そのまま竹馬から飛び降りる。
竹馬が派手に倒れる。
猫面も倒れる。
海美は綺麗に着地する。
ただ、驚くことに、猫の面が顔から外れない。
手から伝わる、とても重い感覚。
海美が猫の面を引きずっているように周りからは見える。
猫の面が慌てて立ちあがろうとする。
「…まつり、ごめん。」
立ちあがろうとする足を海美は蹴り、立ち上がらせない。
足を変な方向に踏みつけるということもする。
「「チャレンジャー!いいぞ!そのまま攻めろ!」」
「いいぞ!いいぞ!」
「負けるな!猫面、犬面!まだ勝てるぞ!」
観客が熱狂する。
その時、まつりの声が聞こえた気がした。
「海美!前!」
「犬面!いまだ!」
前を見る。
犬面がヨーヨーを振り回して、まさにこちらに投げる瞬間だった。
「行け!」
伸ばしきったヨーヨーが左側から飛んでくる。
糸が長すぎてかわし切れない。
バキン!
と人に当たったというより、なにか重いものに当たった音がした。
ヨーヨーが止まり、その場に落ちる。
海美は慌てて、猫の面の足からそのヨーヨーに踏みつけるものを変えた。
猫の面はというと、面が割れている。
観客がさっきの熱狂はどこへやら…シーンと静まり返った。
ぼそっと誰かしゃべる。
「…猫の面で受け止めた。」
「すげえ…」
「…まつりに顔向けできない。」
海美は、出来れば子どもたちだと分かっているのだから、子どもたちをこんな使い方はしたくなかった。
だけどあのヨーヨー、そのまま食うと猫の面か自分どっちかは確実に死ぬと分かった。
だから、やった。
当たる瞬間に、盾代わりにヨーヨーに面をぶつけた。
ほぼ勘の位置だった。
しかしありがたいことに猫の面がパッカリ割れて、ヨーヨーも顔を傷つけることなくその場にボタっと落ちた。
ヨーヨーは足で押さえてるけど、犬の面から目線を外さず、ゆっくり猫の面だった女の子をゆっくり横にした。
一瞬下を見る。
猫の面の内側と猫の面だった女の子の顔を見る。
海美は嫌な予感はしたが、やっぱりな。と思う事があった。
猫の面の内側に突起がついていた。
そして、女の子の輪郭に沿って何かが食い込んでいたような跡がついていた。
「あのお面、外れないように顔に食い込んでたんだ…」