賢者の冒険   作:賢者さん

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アランの冒険15

 

 

「そういえば…お前たちが戦うのに地上の人間どもが見ているだけというのは、些か不公平だとは思わんか?」

 

「…なに?」

 

「ククク…人間というのは愚かなものよ。今頃お前たちの国を襲っているのは人間なのだからな」

 

大魔王バーンによって語られたのは人間たちがカール王国を襲っているというものでした。アバンはそれを信じたくないという気持ちはあれど、それが決して口から出任せではないという事くらいは理解できます。

 

しかしだからと言って今から引き返すわけにもいきません。それを目の前の大魔王たちが許すとも思えませんし、アバンたちにできることはいち早く大魔王たちを倒す以外に選択肢などないのです。

 

「私たちは仲間を信じて、後ろを託してこの場にいます。たとえ地上がどうなっていようと、今できるのは残った仲間たちを信じて戦うのみ!」

 

「ふむ、戦意は衰えんか…それでこそ地上の勇者どもよ。ならばその意志に敬意を表して余が直接相手をしてやろう」

 

「…なに?」

 

「余はたとえ人間であっても強者に対しては敬意を持っておる。よってここまで抗った地上の勇者たちへの褒美として後ろの者には手を出させず、余が1人で相手をしてやろうというのだ」

 

突然宣言された大魔王の言葉はアバンたちにとっては破格の条件でした。しかし当然ながらこの条件は大魔王が自分1人だけでも、目の前にいる勇者たちを遊びながらでも倒せると判断しているからに他なりません。事実もし大魔王たちがパーティとして襲いかかってきたら非常に厄介だったでしょうが、どれだけ強者への敬意は持っていても『人間ごときへ持てる力を全て使って戦う』というのは大魔王にとっては敗北に等しいという思いがあるのかもしれません。

 

それでもその提案をされたアバンたちからすれば大魔王1人か部下を含めた4人か…そう考えればこの条件の間に大魔王を倒すしかないというのも事実なのでした。

 

「ならばその余裕のうちに倒させてもらうまで!行きますよ!」

 

「あいよっ!バイキルト!スクルト!ピオリム!」

 

アバンの開戦の号令を受けてアランは補助呪文を唱え、そしてマトリフを残し3人は飛び出しました。当然ながらアバンたちの狙いは大魔王バーンなのですが、ここでアランは大魔王の後ろを取るような動きで背後に回ったのかと思ったらそのまま狙いを変えてしまいました。

 

「なっ…!?」

 

「とりあえずこいつからだ!」

 

アランが狙っていたのは…1つ目ピエロのピロロでした。

 

大魔王バーンが1人で戦うという中で手出しせずその戦いを見守る立場だったはずのピロロたちだったのですが、まさかアランが自分を狙ってくるとは思っておらずそのまま攻撃を受けてしまったのです。通常ならば反応できたかもしれないその攻撃は、不意を突いた上に補助呪文で能力が引き上げられていた状態だったためまさに会心の一撃として炸裂したのでした。

 

このアランの行動には敵味方問わず瞠目する事になります。それもそのはず…勇者たちが倒すために目指していたのは大魔王であり、その大魔王が目の前にいて1人で相手をすると言っているのに他に目をくれる余裕などどこにあると思うでしょうか。

 

しかしアランの言い分は違います。アランからすれば、今の状況をゲーム風に表現するならば…

 

だいまおうバーン が あらわれた

ミストバーン が あらわれた

キルバーン が あらわれた

1つめピエロ が あらわれた

 

ミストバーン は ようすをみている

キルバーン は ようすをみている

1つめピエロ は ようすをみている

 

という状態でしかなかったのです。

 

そのためアランのゲーム脳の中の常識では「弱いやつから倒しておく」というのは当然のものであり、わざわざ様子を見ている敵を残しておくなどという考えはまったくありません。そしてこのアランの行動には仲間であるはずのアバンたちもビックリです。恐らく戦いの優先順位でいうとアバンたちの場合はこの1つ目ピエロは最後になるのでしょう。

 

「卑怯な…」

 

「ミストバーンよ。余は1人で相手をするとは言ったが、この者らに余しか狙うなとは言っておらん。つまり油断していたそやつが悪いのだ」

 

そして何やら今のアランの行動はミストバーンには不評で大魔王バーンには好意的に見られているようです。戦いが始まったばかりだというのにあまりにも突然のアランの奇行は、どうやら魔王軍の中であっても賛否ある行動のようでした。とはいえ大魔王がそれを良しとしている以上ミストバーンとしてもこれ以上文句を言うわけにもいきません。

 

「弱いヤツから先に倒しておくのは常識だろ?」

 

「ククッ…アランよ、やはり余のもとへ来ぬか?余が正々堂々1人で戦うと言っているにもかかわらず、お前はお構いなしに他の者を攻撃した。まさに勝者こそがすべてだという好ましい考え方だ」

 

「いや別に俺だけじゃないって」

 

恐らくこの世界中の誰に聞いても卑怯だと言うであろう不意打ちをしておいて胸を張るアランと、それを聞いて部下に欲しいと言う大魔王バーン。確かに地上を平和を守るために戦っている以上綺麗事ではやっていけないのかもしれません。そういう意味では卑怯とも取れるアランの行動は、クールな大魔道士であるマトリフなどには一定の理解を得られるものなのでしょう。

 

しかしこのアランの行動はその思惑とは違い、地上の勇者たちにとっては非常に意味のある行動だったのです。

 

それが正しかったと証明するように、1つ目ピエロが死んだ事で死神キルバーンは沈黙し動かなくなりました。それもそのはず、死神キルバーンとは1つ目ピエロが操る人形に過ぎなかったのです。これにより死神キルバーンは無力化されたと言ってもよく、残す敵は大魔王バーンとミストバーンだけとなっていたのでした。つまりアランは意図せずに敵の幹部を倒していたのです。

 

そしてこれを大魔王が気にしなかった事にも当然理由があります。

 

大魔王バーンにとって死神キルバーンとは冥竜王ヴェルザーから送られた刺客であり、最初から完全な味方ではなかったためアランの齎した結果は大魔王サイドにとって何も問題にはならなかったのです。

 

「まぁよい、では仕切り直しといこうか」

 

大魔王のその言葉で戦闘の空気へと戻り、アバンたちも一番弱そうな敵が1匹減っただけで本命はまだ目の前だと気を取り直して構え直しました。大魔王はその見た目から考えれば近接格闘でガンガン攻めてくるタイプではないのでしょう。

 

そしてその予想が正解しているとでも言うように、大魔王は掌に魔力を溜め始めました。それは炎となっていく様子からメラゾーマであることがわかります。そして大魔王はその力を徐々に開放しながら説明してくれました。

 

大魔王バーン曰く、そのメラゾーマは想像を絶する威力と優雅な姿をしている事から魔界では『カイザーフェニックス』と呼ばれているということです。メラゾーマなのに違う名前で呼ばれていることに違和感しかありませんが、つまりメラゾーマの更に上級呪文ということなのでしょうか。それとも魔界ではメラゾーマがカイザーフェニックスと呼ばれていて、マヒャドやイオナズンもまた違った呼び方があるということなのでしょうか。

 

無駄としか思えない複雑な形状である火の鳥が飛んできているという事実とその名前の意味がわからなくて混乱しているアランですが、しかし飛んでくる火の鳥を避けるくらい造作もありません。もし自分たちの後ろに傷ついた仲間がいて避けられないのならわかりませんが、ここにいる全員が無傷の状態で大魔王と戦えているので全員が全力戦闘が可能なのです。

 

補助呪文をかけられた状態のブロキーナとアランは地を這うように素早い動きで躱しており、アバンとマトリフはトベルーラで空中を高速移動することで大魔王の第2射のカイザーフェニックスを避けてます。

 

アバンたちに長期戦をする考えは一切ありません。

 

もしアランがどこかの街で『ぱふぱふ』をして自分がレベル99になったと勘違いしていたら、大魔王相手にあえて攻撃させてそれでも敵わないと思い知らせるような舐めプをしたでしょう。大魔王を相手にしても尚圧倒するだけの強さを手に入れて、逆に大魔王ムーブをするのが目的だったのですからそのゲーム脳はもう治らないのかもしれません。

 

しかし幸いなことにアランは『ぱふぱふ』することも『ひかりのたま』を手に入れることもできていないため、中途半端に余力を残して戦うよりも全力で攻撃することを選んだのでした。

 

「いくよブロキーナ!」

 

「もしかしてワシ過労死する?」

 

「大丈夫だよ!死んだら生き返らせてあげるからさ!」

 

ブロキーナの持病や寿命は誰にもわかりませんが、残念なことにそんなものはアランには通じません。そしてアバンたちは蘇生呪文を見たことがあるわけではないので、アランの「死んだら生き返らせる」を「死ぬ気で頑張れ」に脳内変換しているということをアランは未だに知りません。

 

しかしそんなアランとブロキーナという武神流の使い手2名による近接攻撃は大魔王にとって非常に厄介なものでした。常に至近距離から打撃を雨あられの如く受け続けるのは如何に大魔王といえど軽症ではいられません。そして距離を取ろうにも2人が前後左右から怒涛のように攻撃してくるためそのチャンスすらも見当たらないのです。

 

「マトリフ…今です!」

 

様子を伺っていたアバンからの号令のもと、アランとブロキーナが撹乱している間にマトリフが密かにチャンスを待って準備していたメドローアが放たれました。その大魔道士が編み出した極大魔法の一条の光は大魔王にとってはまさに千載一遇の好機となったのです。

 

その光は大魔王に向かって一直線…ではなく、武神流の動きの予測ができなかったのか少しズレていたのです。もし正面からその魔法が向かってきていたのなら、大魔王は間違いなく呪文返し(マホカンタ)によって跳ね返していたでしょう。

 

しかし今向かってきている光は大魔王ではなくアランへと向かっている形になってしまっていました。手元に欲しかった人間が一番最初に脱落するという事に少々の落胆を覚えつつも、余波を受けないように魔法力を噴出し距離を取ろうとする大魔王バーン…しかしおかしな事に自分の近くにいたはずのブロキーナが自分から距離を取っている事に気付き、それがどういう意味なのかすぐに知ることになります。

 

「…マホカンタ!」

 

なんとアランの使ったのは大魔王もこの地上には自分以外に使い手がいないと思っていたマホカンタだったのです。アランの前に現れた光の壁はそのままメドローアを跳ね返し大魔王へと向かい…大魔王を飲み込んでいきました。

 

これがアランの考えた大魔王対策の戦い方だったのです。

 

アランのこの世界での目的でもあったレベル99にしての圧倒…これが叶わなかったということは普通に戦うということになります。しかし倒すか倒されるかのギリギリの戦闘を楽しむような嗜好はアランの頭にはありません。低レベルクリアという縛りプレイではなく最大までステータスを上げるほうに楽しみを覚えるタイプのアランにとっては、きっとチェーンソーでもバニシュデスでも使えるものは何でも使うのでしょう。

 

そういった思考のもとで真正面から攻撃を与えようとして受けて立ってくれる相手などいないと考え、ならばと最大攻撃を確実に当てる方法を考えたのです。そうして大魔王に不意を付き最大のダメージを与えるためにどうすれば良いかと考えたのが『メドローア反射作戦』だったのでした。

 

武神流を使うアランとブロキーナが2人がかりで接近戦を行えば他に気を取られているような時間など皆無と言っていいでしょう。そしてそのまま隙があれば閃華裂光拳で攻撃するも良し、それでも手強いようであれば観察眼の優れたアバンが機会を伺い、マトリフがメドローアをアランに向かって撃ちそれを跳ね返す事を思いついたのです。

 

アランにとってマホカンタはあって当然の呪文であり、それをマトリフすら使えない事に疑問を持っていました。そして呪文が魔法陣による契約制というこの世界のシステムを鑑み、きっとその契約のための魔法陣が出回っていないのだと考えたのです。そのためヨミカイン遺跡の魔道図書の中を10年近くも調べ上げてようやく見つけることができたのでした。

 

しかし呪文を反射させるといっても、それは強力な呪文を味方に向かって撃つという事に他なりません。これには即席ではない長年によって培われたチームワークと信頼が必要であり、それは魔王を倒した勇者パーティでしか成し得ないものだったのです。

 

「バーン様…!!」

 

ミストバーンが今になって慄くもアランの考えたその作戦は見事に嵌まり、マトリフのメドローアによって大魔王は消滅してしまいました。残っているのはミストバーンと動かないキルバーンのみであり、勇者パーティの緻密な連携攻撃は大魔王を屠ることに成功したと思われたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

「まさかここまでやるとはな…余が強制的にこの身体に戻されるなど思ってもいなかったぞ」

 

 

 

しかしそんな喜びは束の間とばかりに大魔王の声が聞こえてきたのです。しかし周囲には大魔王の姿はなく、ミストバーンとキルバーンの姿しか見当たりません。大魔王の声の出先を慎重に伺うと、どうやら大魔王の声はミストバーンから聞こえてきているように思えたのです。

 

「おお…バーン様、ご無事でしたか」

 

「うむ、危うくベースの肉体のまま死ぬかと思ったが…ミストよ、今までご苦労だった」

 

「はっ!それではお預かりしていた大魔王様のお身体をお返しします」

 

なぜかミストバーンが一人二役を演じているようにしか思えない状況ですが、そんなミストバーンのローブが取り払われ出てきたのは……若い魔族の姿をした男だったのです。まさか…とアバンたちが今考えられる最悪の事態を想像し、そしてそれは的を射た予想でもありました。

 

その魔族の姿こそ大魔王バーンの真の姿であり、今まで相手をしていた老人の魔族の姿は大魔王にとって仮の姿でしかなかったのです。真の姿となった大魔王は『若さ』と『力』を凍れる時間の秘法で分離し、『叡智』と『魔力』を残した老人の姿をベースとすることで限りなく永遠に近い生命を得ていたのでした。

 

とはいえ大魔王のほうもこの結果については初めての経験でした。今まで誰も自身に迫るほどの戦いを繰り広げた者などおらず、当然の事ながらベースとなる老人の身体であろうと滅ぼされるなど考えたこともありません。そのため大魔王本人ですらメドローアの直撃によって死ぬと思ったという言葉が出てきたのですが、この結果は大魔王にとって新しく知ることができた事実であり九死に一生を得ることになったのです。

 

そして大魔王が真の姿になったことで、ミストバーンもまた真の姿を現すことになりました。大魔王のすぐ近くに漂っていた黒い霧のようなものが集まって形となり、影のモンスターとでも表現するような物体が現れたのです。それは暗黒闘気の集合体が意志を持っているようなものであり、即ち大魔王が真の姿になった上に物理攻撃の通用しないモンスターまで相手にしなければならないという事でもありました。

 

「ミストよ、どうやら人間たちは大事なものを守るために余の想像を超えた行動をしてくるようだ。ならばそれが無くなった時の表情も見てみたい…地上に向かいカールを滅ぼしてくるのだ」

 

「しかし地上には竜の騎士が…」

 

「心配いらぬ。ちょうどお前のためにお誂え向きの玩具が残っておるではないか」

 

2対4の戦いとなるのかと思っていたところ、大魔王は暗黒闘気の集合体となったミストと共に戦おうとは思っていません。確かに大魔王バーンは真の姿になったとはいえ、しかし決して万全の大魔王の姿でありませんでした。本来なら凍結されている若さと力の肉体と、叡智と魔力の肉体が合わさることで真の姿に戻れるのです。しかし叡智と魔力の肉体がメドローアによって消し飛ばされてしまったため、今の大魔王には叡智はそのままだとしても魔力が戻っていないのでした。

 

それでも大魔王の自信は揺るぎません。

 

真の姿となった以上先程と同じ攻撃など通じない事もわかっているため、ならば目の前で戦っている勇者たちが守ろうとしている国を余興として滅ぼしてみようとしたのでした。ミストが自身の単独ではカールを滅ぼせないと言うも、大魔王の叡智はそのための手段が残っていることを看破していました。

 

大魔王によって指された先には未だ動かない死神キルバーンが沈黙を保っており、そしてその死神の頭部にあるものも大魔王はわかっていました。冥竜王ヴェルザーが自分に送り込んできた刺客がただの魔物であるはずがありません。ヴェルザー本人並の実力があるのであれば納得できますが、そうでない以上機会を伺って大魔王を倒すというのであれば取られる選択など多くないのです。

 

その大魔王の言う通り、死神キルバーンの頭部にはヴェルザー自身がかつてバランとの戦いで使用し魔界の大陸を消し飛ばした黒の核晶が埋め込まれていました。死神キルバーンは大魔王バーンを爆殺するために冥竜王より遣わされた暗殺者だったのです。

 

しかしその大魔王を爆殺するための使者であったキルバーンはアランによって殺され、残された玩具はミストが乗り移ることによって地上を…カールを滅ぼすための道具となってしまったのです。

 

「さすがバーン様!…それでは私はコレをカールで使って参ります」

 

「うむ」

 

大魔王の指示通りミストがキルバーンの身体へと乗り移り、ミストバーンなのかキルバーンなのかよくわからないミスト(キルバーン)が誕生しました。メラゾーマをカイザーフェニックスと呼んでみたりミストなのかキルなのかわからなかったり、大魔王サイドは呼び方で混乱させることが得意なのかもしれません。

 

そしてミストはキルバーンに乗り移ることでキルバーンの正体と、それの内部にある物に気付くことになったのでした。大魔王はそれを使って眼下のカールを消し飛ばして来いという事だったのです。

 

つまり状況は非常に悪い状態となっており、アバンたちはミスト(キルバーン)を抑えつつ真の姿となった大魔王バーンを倒さないといけなくなってしまったのでした。

 

 

 






本作最大の独自設定部分

大魔王バーンは『凍れる時間の秘法』で若さと力を分けてて保っていますが、この分ける行為と保存は別として考えています。そして凍れる時間の秘法は保存のためのものであり、自身を分けたのは大魔王の超魔力で行っていると推測しました。鬼眼が老人バーンに付いているように見えるのと魔力と叡智が老人のほうにあるということ、そして大魔王本人は「この身体がベース」と発言していることから『大魔王は真の姿から自身の持つ超魔力で若さと力を抽出した』と考えられます。ミストが守っている時の若い身体のほうは額にミストが張り付いているため鬼眼があるのかわからなかったというのもあります。

ただ若さと力を分離させたと言っても自分の身体に変わりはないので完全に分離されたわけではなく、お互いの身体の影響は受け合っていると解釈しています。これは老人の身体になってから何千年経過しているのかわかりませんが、若さを保つために分離してベースの老人の身体が寿命で死んでは元も子もないからです。そして凍れる時間の秘法によって時間の止まった身体の影響を受け寿命というものもなく老人の身体ながら生き続けていると考えました。時間が止まっているほうの身体も老人の身体の影響は受けていると考えられます。ミストが守っている時間の止まった身体を、いくらミストが暗黒闘気の集合体で内部に入り込んで操っているとはいえ彫像状態の大魔王自身の魔法力を勝手に放出するなどはできないだろうという理由からです。

次に凍れる時間の秘法ですが、こちらは簡潔に書くと『アストロンの上位版』ではないかと考えています。原作のアストロンは身体は鋼鉄になると描写されていますが会話が可能で涙を流したりもできています。ミストが入り込んで操っているとはいえ若いバーンの身体で話している時などはなぜか口が動いていたりするのも鋼鉄にはなっていないまでもアストロンの時と似た光景というのもあります。

凍れる時間の秘法はアバンが使用した時はレベル不足という事も書かれていますが自身を巻き込んで彫像のようになってしまい、数百年に1度しか使えないにも関わらずそこからたった1年後には解除されています。アストロン自体も原作ダイくんは自身の力で破っていたり、獄炎の魔王のほうではアバンは敵の攻撃をアストロンで防いだ後すぐに解除していました。その戦いの際には「今度は私のターンだ」と言っていることからレベル不足で解除されたのではなく任意で解除していると見ることができます。

更に大魔王は老人の身体と凍れる時間の秘法で動けないはずの身体が合わさるだけで解除され真の姿となって動いています。アバンが約16年ほど前にハドラーに対して使用しているのに、いくらなんでも原作のあのタイミングが数百年に1度の皆既日食の日で凍れるの時間の秘法が解ける日だったとはいうのはあり得ません。そこで大魔王の場合は完全な凍れる時間の秘法を操れるだけのレベルに達していたということで、ある程度任意で解除できるだけの力があったと仮定しています。

しかし上記の仮定の場合ダイくんとの戦いと際にあった「様子見で死ぬところだった」というセリフに合わないのですが、これは『大魔王バーンの死』ではなく『老人バーンとしての死』ということではないかということにしています。

原作の設定をなるべく考慮し独自設定・独自解釈というタグのもと、なるべくそれっぽくなるように考えた結果今回の設定となりました。


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