ダンまち×FGO ~ 許されよ 我らが罪を~   作:はしゅまる

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いずれ出すキャラの設定や世界観設定など考えてたら投稿するのがかなり遅れました。





3話

 

 

ギルドから出た僕達は雑談をしながらホームを目指す。

 

メインストリートを抜け、細い裏道を進み角を幾度も曲がる。

そしてその先にうらぶれた教会が見えたあれが僕たちの拠点(ホーム)だ。扉のない玄関口を潜り、教会の中へと入る。

 

 

「......ボロボロですね」

 

 

「.......そうだね」

 

 

中は外見と同じく半壊模様、廃墟と言われても反論できない有様だ。かろうじて原型を留めている祭壇の先にある小部屋へと向かい、部屋の中には本が収まっていない本棚が連なっている。1番奥の棚の裏に地下へと続く階段がある。

 

階段を下り、光が漏れているドアを開く。

 

 

「「ただいま帰りました!」」

 

 

声を張り上げて部屋へと入る。ソファーの上に寝転がりながら仰向けの姿勢で本を読んでいた彼女は、ばっと起きて立ち上がる。外見だけ見れば幼女……と少女の半ばという感じ。僕より身長は低くく、幼い顔に笑みを浮かべるその女の子は、漆黒の髪のツインテールと服の上からでもわかるくらい豊かに成熟している胸元を揺らし、トトトトと音を立てて僕達の目の前までやって来た。

 

 

「おっかえりー!今日はいつもより早かったね?」

 

 

「ちょっとダンジョンで危険な目に...」

 

 

「おいおい、大丈夫だったかい?どこか怪我は?」

 

 

小さい両手が忙しなくパタパタと僕達の体に触れて、怪我はないか確かめてくる。少しくすぐったい。

 

 

「大丈夫です。神様を路頭に迷わせることはしませんから」

 

 

「あっ、言ったなー?なら大船に乗ったつもりでいるから、覚悟しておいてくれよ?」

 

 

「なんか変な言い方ですね……」 

 

上から僕、神様、トネリコだ

3人して笑みを漏らし、部屋の奥に進む。部屋の中は正方形と長方形をくっつけた、「P」の字のような形。正方形の部分にあたる出入り口前で、置いてある二つのソファーに僕とトネリコ、そして神様はそれぞれ座る。

 

神様と呼んだ通りこの人は神様だ。()の女神──ヘスティア。天界から下界に降り立った。超越存在(デウスデア)なのだ。

 

 

「それじゃあ、今日の稼ぎはあまり見込めないのかな?」

 

 

「いつもより少ないですね。神ヘスティアの方は?」

 

 

ちなみに僕は神様、トネリコは神ヘスティアと呼んでいる。

 

 

「ふっふーん!、これを見るんだ! デデン!!」

 

 

神様の手には大量の「ジャガ丸くん」があった

 

 

「そ、それは!?」

 

 

「露店の売上げに貢献したということで、頂戴したんだ!夕飯はこれでパーティーだ! ふふっ、ベル君、トネリコくん、今夜は君達を寝かせないぜ?」

 

 

「神様すごい!」 

 

 

そんなスゴイ御方は、ヒューマンのお店で普通にアルバイトをしてしまっているわけだけど。 勿論、お金を稼いで明日を生き抜くためだ。

 

 

「...本当は売れ残りを貰ってきたんじゃないんですか?」

 

 

「ギクッ!!??」

 

 

トネリコが言い放った言葉は、神様に突き刺さる。

 

 

「神様...」

 

 

「うぐっ!?...そんな目で見ないでおくれよベル君!ちょっと見栄を張っただけじゃないか!」

 

 

プク~と聞こえてきそうになるぐらい頬を膨らませそっぽを向く神様、そんな彼女を揶揄った僕達は互いに顔を見合わせ...

 

 

「............ふふ」「............ぷぷ」

 

 

「............んふふ」

 

 

「「「あはははははははは!」」」

 

 

笑い声が部屋に響く。

これが僕の家族『 ヘスティア・ファミリア 』だ。

 

 

「よし!少し早いけど夕飯にしようか!」

 

 

パンっと手を叩き、ジャガ丸くんをお皿に並べる神様。

 

 

「ジャガ丸くんパーティーでも、流石にそれだけじゃ物足りないですよね?」

 

 

「うん、ベル君に任せるよ」

 

 

「はい!」 

 

 

にこっと笑う神様に背を向けてキッチンへ歩む。簡単な料理しかできないけど、ちなみにキッチンは僕とトネリコで交代制だ。そして今日の担当は僕なのだ。背中で神様達の視線を感じつつ、調理を始める。

 

━━━━━━━━

 

「それじゃあベル君、トネリコくん、今日もダンジョン攻略お疲れ様、カンパーイ!」

 

 

「「カンパーイ!」」

 

 

グラスを鳴らし、一気に水を喫する。そして夕飯に手をつけながら今日の出来事を話す。

 

 

「そういえば危険な目にあったと言っていたけど、何があったのか、聞いてもいいかい?」

 

 

「実は...」

 

 

神様に5層まで降りたこと、それからミノタウロスに追いかけ回され絶体絶命の時「ロキ・ファミリア」のアイズ・ヴァレンタインさんに助けてもらったことを話す。

 

ちなみに神様には『 嘘』が通じない。原理はわからないけど、なんでも嘘をついたら‪”‬‪わかる”‬らしい。すごいなぁ神様。

 

 

「そんなことがあったのかい…」

 

 

僕の話に、食事の手を止めて真剣に聞いてくれた神様。

 

 

「言いたいことはあるけれどまずは...」

 

 

そう言ってソファーから立ち上がり、

 

 

「よく帰ってきてくれたね。」

 

 

僕達を優しく抱きしめる。

 

 

「君達に死なれたらボクはかなりショックだよ。柄にもなく悲しんでしまう...いや絶対泣くね、それはもうすっごく」

 

 

僕達の頭を撫でながら言う神様。

 

その告げられた言葉に頰を染めて照れてしまう。

 

 

「ゆっくりでいいんだ...ゆっくり堅実に強くなっていけばいい」

 

 

「「はい」」

 

 

「じゃあこれでこの話は終わりだ」

 

 

神様が元の位置に戻り、食事の手を再開させる。

 

━━━━━━━━

 

「さてと...じゃあステイタスの更新をしようかベル君からでいいかい?」

 

 

「わかりました!」

 

 

「じゃあ私は隣で魔導具(・・・)を作ってますね」

 

 

夕飯を食べ終え、それぞれ行動する。

 

トネリコは部屋を出て隣の小部屋へと向かう。そこでは『 魔導具』を作ってるらしいんだけど、その魔導具がとてもすごいのだ。爆発するものや、煙を出すものなど色々とダンジョンで使えるものを作ってくれている。(作り方は教えてくれなかったけど)

 

 

「お~いベル君、準備できたからこっちに来ていつものように服を脱いで寝っ転がってくれるかい」

 

 

「は~い」 

 

 

神様に呼ばれ、部屋の奥にあるベッドへ向かい、インナーを脱ぐ。

上半身を包むものが一切無くなったところで、僕はちらと後ろを振り返った。

 

後ろの壁に取りつけられた姿見。そこに映るのは、老人のような白髪と少し色素の薄い肌を持つ僕の後ろ姿で、特筆すべきは背中にびっしりと刻まれた黒の文字群だ。 

 

これ全部、ヘスティア様が僕に刻み込んだもので、これこそが神様達の『恩恵』──『神の恩恵』。

 

 

「はいはい、寝た寝た」 

 

 

神様に促されるままベッドに体を沈める。 

 

うつ伏せでいると神様はぴょんっと飛び乗り、僕のお尻の辺りに座り込んだ。

 

 

「じゃあ始めるよ」

 

 

チャリという金属の音が鳴った。神様が針を取り出したのだ。

 

神様は自分の指先に針を刺し、滲み出るその血を、そっと僕の背へと滴り落とす。 

 

皮膚に落下した赤い滴は波紋を広げ、僕の背中へと染み込んでいく。

 

神様は血を落とした場所を中心に指でなぞり始め、左端からゆっくりと刻印を施していった。 

 

今、僕の背中に刻まれているのが【ステイタス】──『神の恩恵(ファルナ)』。 

 

神様達が扱う【神聖文字(ヒエログリフ)】を、神血(イコル)を媒介にして刻むことで対象の能力を引き上げる、神様達のみに許された力。【⠀経験値(エクセリア)】というものがある。

 

『モンスターを倒した』という軌跡を引き抜いて、成長の糧へと変化させる。 

 

なし遂げたことの質と量の値、それが【経験値】。 神様にはそれが見えて、更に料理することができるのだ。敵に打ち勝った偉業を称えて祝福する、っていう古代の仕来りに似ているのかもしれない。

 

背中の【神聖文字】を塗り替えては付け足して、レベルアップ、能力向上。 この力によって神様達は下界の者達に持ち上げられる。

 

 

「はいっ終わり!」

 

 

ポンポンっと背中を優しく叩かれる

 

僕が着替えを行っている最中、神様は準備した用紙に更新した【ステイタス】を書き写していた。

 

僕は【神聖文字】なんて読めないから、神様が下界で用いられている共通語に書き換えて【ステイタス】の詳細を教えてくれる。

 

そもそも、背中に書き込まれた文字というのはちょっと見えにくい。

 

 

「ほら、君の新しい【ステイタス】」 

 

 

ありがとうございます、と差し出された用紙を手に取る。僕はそれに視線を落とした。 

 

 

 

ベル・クラネル 

 

Lv.1 

 

力:I77→I80

 

耐久:I10

 

器用:I93→I95

 

敏捷:H120→H135

 

魔力:I0

 

《魔法》【 】

 

《スキル》【 】

 

 

 

これが僕の背中に記されている【ステイタス】の概要だ。

 

基本アビリティ──『力』『耐久』『器用』『敏捷』『魔力』の諸項目──は五つあって、更にSからA、B、C、D、E、F、G、H、Iの十段階で能力の高低が示される。

 

この段階が高ければ高いほど僕達の能力は強化される。

 

Iに隣接する数字は熟練度。0~99がI、100~199がH、という風に基本アビリティの能力段階と連動している。

 

ちなみに999が上限値。その分野の能力を酷使すればするほど熟練度は上昇するけど、最大値の999──アビリティ評価Sに近付くにつれ伸びは悪くなっていくらしい。 

 

Lv.は一番重要。これが一つ上がるだけで基本アビリティ補正以上の強化が執行され。Lv.1とLv.2の間には途方もない力の差が生まれることになる。

 

Lv.1の僕達が、Lv.2にカテゴライズされるミノタウロスに大敗を喫したように。 

詰まるところ、Lv.が上がればめちゃくちゃ強くなるっていうこと。

 

神様はこれを【ランクアップ】と呼んでいた。

 

僕は敏捷が1番高く、モンスターの攻撃を避けてばかりだから耐久はほとんどない。防具や武器で防御しても上昇するらしいけど、どうしても咄嗟に回避してしまう。

 

 

「……神様。僕はいつになったらトネリコのみたいに魔法が使えるようになると思いますか?」

 

 

「それはボクにもわからないなぁ。主に知識に関わる【経験値】が反映されるみたいだけど……ベル君、本とか読まないでしょ?」

 

 

「....はい」

 

 

神様達が下界に来る前は、魔法はエルフの専売特許に過ぎなかった。けれど、神様達の『恩恵』はいかなる者でも魔法を発現させることを可能としたのだ。 

 

最低一つ、最高三つと、魔法が発現する数は決まっている。一つ使用できるのが一般的で。魔法を二種類扱えるだけでその人は仲間内で引っ張りだこになると聞いたことがある。 

それだけ魔法の存在は肝要なのだ。

 

 

「それにトネリコくんの魔法(あれ)はまた特殊だからなぁ」(ボソッ)

 

 

「.....?なにか言いましたか?」

 

 

「ううん なんでもないよ」

 

 

「そうですか...」

 

 

いかなる相手でも形勢を逆転させるだけの必殺になりうる力。 まぁ、炎の海とか目にも止まらない光を出しちゃう相手に剣を持って挑んでも勝てる気がしないから、つまりそういうことなんだろう。

 

【ステイタス】を確認しても僕の魔法スロットは一つしかないから、使えるようになる魔法は一種類だけなのだ……そして僕の目はその下に向かう

 

 

「スキルも発現してないですね」

 

 

「そうだねぇ」

 

 

『スキル』というのは【ステイタス】の数値とは別に、一定条件の特殊効果や作用を肉体にもたらす能力のことだ。

 

 魔法のように目に見えた派手さはないが、発現して損なものは極めて少ないとのこと。……ゼロではないようだ。 

 

神様が壁に設置されてある時計を見上げ、それから僕の方に振り向いた。

 

 

「それじゃあベル君、トネリコくんを呼んできてもらえるかい?」

 

 

「わかりました」

 

 

ステイタス更新を終えた僕は、小部屋へと向かう。

 

 

「ベル君」

 

 

突然呼ばれて、神様の方を振り向く

 

 

「君は冒険者になったばかりだ。これから色んな体験して、数多の困難にぶつかり、乗り越え、成長をしていくだろう。それをボクは応援しているし君達の為に出来ることならなんだってする。」

 

 

「神様...」

 

 

「だから...1人で抱え込まないで欲しい。ボクは君達の無事を祈ることしかできないけれど、進み続け、変わり続ける君達の手伝いがしたいんだ。」

 

 

その言葉は...

 

 

「今ここで話せなんて言わないよ、君が答えを出せた時にでも教えてくれればいい。でも本当に行き詰まってしまってどうしようもない時は、トネリコくんでもアドバイザーくんでもいい、誰かに相談してくれ、君はひとりじゃないんだ。」

 

 

紛れもない神様からのお願い(・・・)

 

 

「でも最初はボクを頼ってくれると嬉しいな!」

 

 

「.....はいっ...」

 

 

とても温かくて僕を想っての言葉が身にしみる。心の底から思う。このヒトの眷属(こども)になれて僕は幸せ者だ。

 

 

━━━━━━━━━

ヘスティアSide

 

申し訳なそうな、泣き出してしまいそうな、嬉しそうなそんな顔をした彼は、少しだけ吹っ切れたような顔をしてもう1人の眷属(かぞく)を呼びに行った。

 

帰って来た時から気づいていた。顔に出やすい子だ。わからないわけが無い。

 

でも彼から言わないということは、なにか後ろめたいことがあるのだろう。

 

ベル君の悩みは、嘘がわかる(ボク)でも内容まではわからない、けれど彼がよく気にしている魔法やスキル等のステイタスのことではないのだろう。

 

静かに視線を落とし、彼の背中に刻まれた神の恩恵(ファルナ)を写した【ステイタス】の用紙を見る。

 

まだ彼には魔法もスキル(・・・)も発現していない。

 

子供達は本当に変わりやすい……不変のボク達とは違って些細なことでもすぐさま影響が肉体に、精神に(あらわ)れる。 

 

欲望でも文化でもなく、その『変質』こそ、彼等下界の住人の本質なのかもしれない。グシャグシャグシャと両手で思いっ切りその漆黒の髪をかき乱す。 

 

 

「ちくしょー....」

 

 

ベル君の抱えるものが晴れた時、それはスキルとして目に見えるようになるかもしれない。それが少し楽しみで、その手助けが今すぐできないのが少し悔しい。

それでもボクはベル君を信じてる。どれだけ時間をかけようときっと答えを必ず出せると、愛する眷属(こども)を信じるのは当然だ

 

だって

 

「ボクは君の主神(おや)なんだぜ?」

 

そんな独り言をつぶやく。

 

コンコン

 

「神ヘスティア、いいですか?」

 

 

扉がノックされる。どうやら来たみたいだ。

 

 

「あぁ、入ってきていいよ」

 

 

「失礼します」

 

 

彼女が部屋に入ってくる。ベル君と同じくらい大切な眷属(かぞく)だ。

 

 

「さぁ!ここに横になってくれ、トネリコくん!!」

 

 

こうしてボク達の一日は終わるのだ。

 




この回で原作との大きな違いが明らかになったね。

ここからの君の成長が私も楽しみだよ

ん?トネリコのステイタスはどうしたのかって?

ふふふっそれはまだ秘密さ





ちなみに

(魔導具は誤字ではありません)
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