スーパー戦隊が大好きなので、デカマスターを目指そうと思います   作:ペペック

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特撮ファンとアラクネ

『キュアアアアアアア!!』

 

アラクネの咆哮が洞窟内に鳴り響き、クルーガーに向けて斬糸を伸ばす。

先ほどの斬糸の切れ味から推測するに、剣でいなせば破壊されてしまう可能性が高いだろうと考えたクルーガーは、迫る糸を寸でで躱すも横から無数の白い糸を浴びてしまった。

攻撃力のないそれはシルクスパイダーが放つAGIデバフの糸で、糸が絡まれば絡まるほどに自身の動きが遅くなっていく。それだけでも十分厄介だというのに、次いで繰り出される粘液弾が雨の如くクルーガーに当たる。

五色のカラフルフロッグが放つ色とりどりの粘液弾によって、クルーガーに状態異常が重ねがけされてしまう。スキルとアイテムの効果でクルーガーのVITは100を超えているので、毒と炎上によるダメージはそれほど強くはない。しかし麻痺と凍結と睡眠のせいで動きが鈍くなり、岩壁を背に膝をつく彼に向けてモンスター達が次々と攻撃していく。

 

「ガハッ!!」

 

アラクネの斬糸に身を切られ、HPバーを見てみれば20ほど削られていた。

 

(攻撃力がさほど無いのが救いか……!)

 

クルーガーの現在のHPは675。アラクネのみを相手にするならば、単純計算で30回までは攻撃に耐えられる。しかし毒と炎上の経過ダメージがあるので、ペース配分を間違えれば死に至るだろう。

闇雲に攻撃しても勝てないと判断し、毒と炎上のダメージに苦しみながらも、クルーガーはどのモンスターを倒すべきか考える。

 

まずアラクネだが、こんな最悪のコンディションで挑んでも返り討ちになりかねない。それに批ダメージが20程度であれば倒すのを急ぐ必要はないと思われる。

 

次にシルクスパイダー。洞窟の序盤で受けて気づいたのだが、糸のAGIデバフは最大50%まで下がる。しかしもともとクルーガーのAGIは【物理特化】の効果で2倍になっていたので、いわば±0の状態である。白い糸にダメージはなく、デバフに限度があるならばシルクスパイダーを倒すのは後回しにしてもいい。

 

となると残るはカラフルフロッグだ。

継続ダメージの毒・炎上はポーションで回復出来るが、動けなくなる麻痺・氷結・睡眠は厄介である。なのでクルーガーはまず、黄色と白と青のカラフルフロッグを倒すことに決めた。

 

クルーガーは一度ポーションでHPを回復させてから、カラフルフロッグの攻撃直後の僅かな溜めを見計らって動き出す。いつもより動きが遅く感じるものの、彼の素のAGIは30越えなので敵に接近するだけならばそれほど苦にはならない。

 

『ゲゲゲゲ!!』

 

色とりどりの粘液弾が彼に放たれるも、クルーガーは剣を構えてその内の黄色と白と青のみを弾く。黒と赤は敢えてその身で受けた。

 

「うおお!!」

 

目先の黄色いカエルを一太刀で倒し、次にその隣の青と白のカエルも斬る。その間にも黒と赤の粘液弾とアラクネの斬糸がクルーガーに当たるが、それに見向きもせず三色のカエルのみを次々に倒していく。徐々にダメージが半分を削り、HPが一割になる瞬間にポーションを砕いて回復する。これを五回ほど繰り返した頃だった。

 

『スキル【毒耐性・小】が【毒耐性・中】に進化しました』

『スキル【炎上耐性・小】が【炎上耐性・中】に進化しました』

 

何度も毒と炎上を受けたおかげか、ここで一部の耐性スキルが進化したのだ。このタイミングでのスキル進化はクルーガーとしてもありがたく、改めてカエル討伐に専念する。

 

やがて視界に映る黄色と青と白のカエルを全て倒したのを確認し、次に黒と赤に狙いを定め始めた。

繰り出される粘液弾を剣で弾いていくと、

 

『スキル【パリィ】を取得しました』

 

またしてもスキル取得通知が鳴り響くが、クルーガーはそれどころではないため一旦聞き流す。

やがて周囲のカエルが全て倒され、今度はシルクスパイダーに向かう。白い糸が一斉に纏まりつくも、すでにデバフ状態だから糸を躱す必要はないため、そのまま真正面から挑む。

 

『シュルルルル!!』

 

「はあっ!!」

 

横一閃に凪ぎ払えばそれだけで蜘蛛達の三割が倒される。こちらも攻撃直後の僅かな隙を見抜いて次々倒していけば、ほどなくシルクスパイダーは全滅するのだった。

 

「よしっ………これで!」

 

絡まる糸を剣で切り裂きポーションで体力を回復させてから、クルーガーは改めてアラクネに向き直った。

 

『キュアアアアアアア!!』

 

なおも甲高い叫びを上げて斬糸攻撃を放つアラクネだったが、AGIデバフと状態異常攻撃を使うお供達がいない今、万全のステータスに戻ったクルーガーに避けれないはずがなかった。

 

「【跳躍】!」

 

スキルを使って糸を躱し、両脇の壁を蹴って真上に飛んだ。

 

『キュアアアアアアア!!』

 

なおもアラクネはクルーガーを追うように糸を放つも、彼はなんと向かってくる斬糸を足場にしてジャンプしながらアラクネに迫る。糸を踏むごとに足裏からダメージエフェクトが散るも、クルーガーは構わずアラクネの頭部に向けて剣を振りかざす。

 

「うおおおお!!」

 

ついに親玉に一矢報いるかと思いきや、

 

 

 

 

カッ!!

 

 

 

 

「ぐっ!?」

 

アラクネの背後から突然白い光が輝き、暗闇に目が慣れていたクルーガーは眩しさから思わず目を伏せてしまった。そのせいでアラクネの至近距離での攻撃をモロに受けてしまい、壁に叩きつけられた。

 

「うあっ!?」

 

なんとか壁に手をついて体勢を立て直して再びアラクネに視線を向ければ、その背後にはカラフルフロッグ達より一回り大きく、銀色に輝く皮膚を持ったカエルのモンスターが二体控えていた。

 

『ゲゴゴ!』

 

『ゲゴゲゴ!』

 

(さっきのカエル達と違う………上位種というやつか!)

 

銀色カエル達がクルーガーに向けて口を大きく開くと、その口腔が眩く光りクルーガーの視界を再び塞ぎ、その隙にアラクネの攻撃が彼に襲いかかった。

 

「うわあ!!」

 

どうやらあのカエルは粘液弾を出さない代わりに光を放つことでプレイヤーの視覚を潰し、アラクネのサポートをするモンスターのようだ。せっかく面倒なお供達を倒したというのに、また違った方向性の邪魔者が入ったことにクルーガーは思わず舌打ちしてしまう。

 

(視覚が戻る瞬間を見計らうように再び閃光を放ってくるな。どうすれば……!)

 

目を伏せては敵の居場所などわからない。モンスターの鳴き声と糸の風切り音しか耳には入らず、攻撃も身体が受ける痛みでしかわからない。これでは反撃する前に自分が力尽きてしまうとなんとか視覚を回復させる方法を考えるが、クルーガーはふと気づく。

 

(………いや、待てよ)

 

視覚が使えないならば、それ以外の感覚を使って敵を探せばいい。その発想に至った瞬間、クルーガーは目を伏せたまま五感を研ぎ澄まし、聴覚で音を、触覚で空気の流れと攻撃の間隔を探る。

 

身を斬る糸が次に来るまでの時間と音の来る方向と距離を脳内で素早く計算し、踏み込むタイミングを狙う。

 

『キュアアアアア!!』

 

「今だ!!」

 

瞬間、アラクネの糸をものともせずに右のカエルに向かって走るクルーガーは、そのまま剣を振りかざした。

 

「グゲッ!?」

 

カエルの断末魔の叫びと手応えから、確実に仕留めたと確信した。

 

 

『スキル【心眼】を取得しました』

 

 

再びのスキル取得通知。構わずクルーガーは音と気配を頼りにもう一匹も攻撃する。

 

『ゲゲ!!』

 

「よしっ!!」

 

最後のお供を倒し、今度こそアラクネに向き直る

 

「おおおおおおおお!!」

 

真正面から挑み縦一文字に切ればアラクネのHPが半分まで削られる

 

『キュアアアアア!!』

 

悪足掻きのつもりなのか先ほどよりも見境なく糸を繰り出すアラクネに、クルーガーは自身のHPが残り一割を切ったのにも構わず追撃するように女の首を斬った。




今気づいたけど……このカエル達、配色がガオレンジャーとおんなじだ;

もしクルーガーがギルドを設立した場合、ギルド名は何がいいですか?(候補名はコメントからのものです)

  • シンプルに『スーパー戦隊』
  • 上位互換の『ハイパー戦隊』
  • 隠来員(おんらいん)戦隊プレイジャー
  • かっこいいのを思い付いた(コメントにて)
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