スーパー戦隊が大好きなので、デカマスターを目指そうと思います 作:ペペック
ついに『防振り』二期が公開されるそうなので、こちらもちょくちょくあげていきたいです。
「はあ……はあ……」
アラクネがポリゴンになっていくのを見届けたのち、緊張の糸が切れたのかクルーガーはその場にドサリと倒れた。
「つ、疲れた………現時点で一番キツイ戦いだった……」
仰向けになって息を上気させる彼だったが、数秒後にガシャリという何かが落下するような音が耳に入った。
「っ!?」
まだ敵がいるのかと慌てて上半身を起こすが、そこにあったのは木を組み上げて作った道具のみだった。アラクネが倒された場所に落ちていたのを見るに、ドロップアイテムと思われる。
アラクネの機織り機【レア】
【DEX +10】
野外機織り:工房以外でも糸系アイテムで布アイテムを作成できる。
拾い上げて調べてみれば、どうやら生産職向けのレアアイテムのようだ。
「……これは俺が持っててもしょうがないな。後でニードルにやるか」
アラクネ以外にもモンスターをたくさん倒したが、ほかにも何かドロップされていないだろうかと周囲を見渡すと
「これは……!」
一人洞窟からログアウトしたニードルは、再びログインし直して町に戻って来ていた。出入り口のそばを行ったり来たりして落ち着かない様子でウロウロする彼の胸中は心配で占められている。
(クルーガー、大丈夫かな………ちゃんと逃げれたのか?)
隙を見てすぐにログアウトすると言っていたが、あれから二十分経過したにも関わらず町に彼の姿は見当たらない。お互いにフレンド登録してあるからメッセージで連絡するという手もあったが、もし仮に彼がまだ戦っていた場合は邪魔になってしまうかもしれないと思い、なかなか画面を開く気にならなかったのだ。
(ああ、もし倒されたらどうしよう……せっかく出来たスーパー戦隊ファンのフレンドなのに……)
今回の失敗で失望され、絶交を言い渡されたらどうしようと涙目になって頭を抱える。ニードルにとってクルーガーはスーパー戦隊ファンとしても、ゲームで初めて出来たフレンドとしても今後仲良くしていきたい人物だ。こんな凡ミスで迷惑をかけ、嫌われたくないと不安でたまらなくなっていた時だった。
ピロンッ
「!?」
メッセージの通知音が鳴り響き、ニードルが慌てて差出人を確認してみればクルーガーからだった。
『勝ったぞ。今どこにいる?』
「え………勝った!?」
短く分かりやすいメッセージを理解し、ニードルは驚愕する。生産職の自分と違ってクルーガーは純粋な戦士職ではあるが、あれだけの数のモンスターに勝利したというのだ。戸惑いながらも今は町にいると返信すれば、ログインしなおして町に戻るというメッセージが送られてくる。
「お~い、ニードル!」
「!」
それから数分後、噴水広場のほうから駆けてくる姿が見えた。
「クルーガー、無事だったのか!」
「ああ、なんとか勝てたよ」
迷惑をかけて申し訳ないと頭を下げるニードルに、クルーガーは気にするなと笑って肩をポンと叩く。
「そうだニードル、ちょっとこれを見てくれ」
「?」
ステータス画面を開きアイテム一覧を見せた。
カラフルフロッグの赤い塗料【レア】
一部の素材・装備を赤く染められる。
カラフルフロッグの青い塗料【レア】
一部の素材・装備を青く染められる。
カラフルフロッグの黄色い塗料【レア】
一部の素材・装備を黄色く染められる。
カラフルフロッグの黒い塗料【レア】
一部の素材・装備を黒く染められる。
カラフルフロッグの白い塗料【レア】
一部の素材・装備を白く染められる。
煌めく塗料【レア】
一部の素材・装備に光沢を与える。
「こ、これは!?」
「どうやらカラフルフロッグがドロップするアイテムらしい」
さらにアラクネがドロップした機織り機も見せれば、ニードルは興味津々でそれらを眺める。
「こんなアイテムの情報、今までなかったぞ?」
それもそのはず。湿地帯にのみ出現するカラフルフロッグ自体が経験値をあまり多く取れないため、進んで倒すプレイヤーがいないうえに、これらの素材はアラクネの配下のカラフルフロッグからしかドロップされないのだ。なので現在この素材を入手できているのは、ゲーム内ではクルーガーのみとなっている。
「このアイテムはみんなお前にやるよ」
「え!?」
かなりの量のレア素材を全て譲渡しようとするクルーガーに、ニードルは驚愕の声を上げてしまう。クルーガー曰く、生産職のニードルが持っていたほうが有意義と判断したのだという。
「そんな! 一番苦労したのがクルーガーなのに、こんな貴重なアイテムを俺一人が貰ったら申し訳ないって!」
「でもなあ、ただ換金するのもそれはそれでもったいないし……」
「じ、じゃあせめて、装備を作るときの代金から差し引かせてくれ!」
今後作るだろうクルーガーの装備、それをある程度値引きすることを条件にすればクルーガーは納得したように頷いた。
「あと、モンスターを倒してる時に新しいスキルを取得したみたいなんだ」
今度はスキルの項目を開き、ニードルにも見せる。
【パリィ】
一部の飛び道具・射撃系魔法スキルの攻撃を武器で弾いて無効化する。使用するごとに武器の耐久値が通常より50%減る。
取得条件
一定回数、武器で攻撃を弾く。
【心眼】
眼を閉じている間、一定範囲内の敵の正確な位置が見えるようになる。効果持続時間は五分。
取得条件
眼を閉じた状態で敵を倒す。
「へ~、なかなか使えるスキルだな」
【パリィ】は遠距離攻撃を無効化できるが、その分通常より武器が壊れやすくなってしまうらしい。クルーガーはまだ初期装備の片手剣しかないため扱いに困るだろうが、今後質の良い装備を揃えればかなり使えるスキルに化けることだろう。
【心眼】は眼を閉じている五分間は幻覚系スキルを無視して敵を探し出すスキルで、こちらもかなり使える。
あとは毒耐性と炎上耐性のレベルが上がったりなどしており、着実にクルーガーが強くなっているのがよくわかった。
「良いスキルも手に入ったし、今回は本当に有意義な探索だったよ。ありがとうニードル」
「いや俺のほうこそ、貴重な素材をありがとう」
こうして互いの親睦を深めた二人は、次もゲームで会う約束してログアウトしたのだった。
もしクルーガーがギルドを設立した場合、ギルド名は何がいいですか?(候補名はコメントからのものです)
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