スーパー戦隊が大好きなので、デカマスターを目指そうと思います 作:ペペック
「お、おい………なんだアレ?」
「犬人間……? モンスターか……?」
「町中にモンスターが出ることあるの!?」
「いやHPバーが出てるってことはプレイヤーじゃないか?」
「え、じゃあそういうデザインの装備ってこと?」
「よくできてるな~……」
一層の町を歩くクルーガーの姿を見たプレイヤー達は、彼の姿を思わず二度見してひそひそと小声で囁きあっていた。
(………やはり目立つか)
スキル【アヌビス】の効果で犬獣人の姿になってしまったクルーガーは、人間のプレイヤーばかりのこのゲーム内では一際目を引いてしまう。とはいえクルーガーの手持ちにはユニークシリーズ以外に顔を隠せる頭装備はなく、そのユニークシリーズもこれはこれでかなり目立ってしまう。なのでいっそのこと素顔で出歩いてみれば、何人かは珍しい装備を着ていると解釈してくれたらしい。注目されることには変わらないだろうが。
そうしてしばらくしてからニードルの工房へと到着したクルーガー。事前に来訪の連絡はしてあるのでそのまま店の扉を開けば、カウンター越しに作業するニードルの後ろ姿があった。
「待たせたなニードル」
「おお、いらっしゃいクルー……ガー……?」
声をかけられ笑顔で振り向くニードルだったが、クルーガーの姿を視界に入れた途端に目を見開いて固まってしまう。
「え………ボス?」
スーパー戦隊ファンである彼は、目の前に現れた犬獣人が幻覚か何かだろうかと思ってつい目を擦る。
「俺だよ俺」
「……え、クルーガーなのか!?」
しかしその口から出た聞き覚えのある声に、犬獣人の正体が誰なのかをようやく察したのだった。
「ど、どうしたんだそれ!? 装備!?」
「いや実は……」
ここで先のダンジョンで起こったことを説明し、クルーガーはニードルの目の前でユニークシリーズを装備する。そのまごうことなきデカマスターの姿を見たニードルは、ガンと頭を殴られたようなショックを受けてカウンターに突っ伏してしまった。
「なんてこった……! 俺が作る装備なんかより遥かに上等じゃないか!!」
同時にクルーガーから語られるダンジョンの難易度を考慮すれば、納得しかないクオリティの装備だ。まだ序盤のレベルとはいえ、ニードルにはこれを越える性能の装備を作成できる自信がなく、早くも心が折れそうな気持ちだった。
「な、なんかすまない……」
「いや、クルーガーが謝ることなんてない」
むしろそこまでデカマスターのスーツそっくりなのに、中途半端な性能のほうが許せなかったことだろう。しかしそんな装備を入手したというのに、なぜわざわざうちの店に来たのだろうか?
「実はその、これとは別にサブの装備が欲しいんだ」
クルーガーがどこか照れ臭そうな様子で装備作成の依頼をしだしニードルは驚く。
「どうしてだ? 自分で言うのもアレだけど、そっちのほうが性能が良さそうだろう」
装備全てにスキル付与、おまけにどれだけ戦っても損傷しない【破壊不可】つき。わざわざ新しい装備を作る必要はないように見える。クルーガーもその疑問を察してか、続けて理由を述べる。
「どうせならボスの署長服とか着てみたいし……なんなら若い頃の衣装とかも着れたらな~って思って……」
その理由になるほどとニードルは納得した。確かにせっかくドギーそっくりの姿になったなら、服も本家に合わせてみたいと思うのはファンとして当然の心理だろう。
「そういうことなら任せろ!」
もとよりクルーガーには大きな借りがある。それら返すにはこれはまたとないチャンスであると、ニードルは俄然やる気になったのだった。
【NWO】犬人間現る
名前:名無しの剣士
なんか一層の町を犬頭のプレイヤー?が歩いてた。
名前:名無しの斧使い
俺も見たぞ
名前:名無しの魔法使い
私も
名前:名無しの短剣使い
自分もだ
名前:名無しの剣士
ナニアレ?
名前:名無しの短剣使い
普通にそういうデザインの装備じゃね?
名前:名無しの剣士
俺は気になってちょっとそいつの後をつけてみたんだけどさ、生産職のとある店に入ったんだわ。
名前:名無しの魔法使い
店の名前は?
名前:名無しの剣士
『染物屋ニードル』
なんか布系装備の染物専門の店で、カラフルな布や糸のサンプルがたくさんあった。
ちな、店主は黒髪のイケメン。
名前:名無しの斧使い
チッ
名前:名無しの短剣使い
チッ
名前:名無しの魔法使い
滲み出る嫉妬www
名前:名無しの剣士
で、肝心の犬人間の姿は……
名前:名無しの短剣使い
もったいぶんなや
名前:名無しの斧使い
はよう
名前:名無しの魔法使い
はよう
名前:名無しの剣士
犬人間の身体の上に装備を着てた。
名前:名無しの短剣使い
………パードゥン?
名前:名無しの剣士
なんか犬人間が特撮ヒーローみたいな装備を着てたんだ。小脇に身体装備の統一デザインと思われる頭装備のヘルメット持ってたんだが、頭のサイズに対してヘルメットのサイズが小さすぎるよ。ドウナッテンノ
名前:名無しの魔法使い
ちょっと何言ってるのかわからない
名前:名無しの斧使い
もっとストレートに答えてくれ!
名前:名無しの剣士
頭装備かと思ったら素顔だったでござる。
名前:名無しの短剣使い
ごめん、過程も入れて?
名前:名無しの剣士
違和感に気づいたのは店主と会話していた時。犬人間の言葉と犬の口が完璧にシンクロしていて、決定的だったのは店主とカウンター越しに一緒にオヤツを食べだした時。犬の顔の口があいて、そこからオヤツ食べてた。
名前:名無しの斧使い
なん……だと……?
名前:名無しの魔法使い
つまり犬の顔の装備をしていたんじゃなくて、まんま素顔だったってこと?
名前:名無しの剣士
だからそう言ってるじゃないか
名前:名無しの短剣使い
マジな話、そんなことできんの?
名前:名無しの斧使い
確か種族がエルフになれるスキルがあるって掲示板に書いてあった気がする。
名前:名無しの剣士
そうなるとそいつもスキルで種族変わった可能性高いな。
名前:名無しの魔法使い
なにをどうすれば犬人間になれるんですかね……?
名前:名無しの短剣使い
会話の内容はなんて?
名前:名無しの剣士
扉越しだったからそこまではわからなかった。
なんか物凄く気になって仕方ない。だからもう少しそいつのこと調べてみたいから、情報提供に力を貸してくれ。
名前:名無しの短剣使い
ラジャ!
名前:名無しの魔法使い
ラジャ!
名前:名無しの斧使い
ラジャ!
掲示板の人々が誰だかわかるかな……?
クルーガーの普段着装備は……
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署長服
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若い頃のジャケットっぽいやつ
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和服