スーパー戦隊が大好きなので、デカマスターを目指そうと思います   作:ペペック

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初心者装備の数値の基準ってどのくらいが妥当なんでしょう?


特撮ファンと初期設定

それから数日後、発売日を迎えたと同時に透の自宅に『NWO』のソフトと専用ハードが届いた。早速中身を開けてハードの電源を入れた透は、理沙からもらったメモを参考に初期設定をしていく。

 

「こんなもんか? じゃあやってみるか」

 

一応最終チェックをしてからVR用のグローブとヘッドギアを装着すれば、電子音と共に視界が明るくなっていき思わず目を伏せてしまう。しばらくすると五感に変化があり、おそるおそる瞼を開けば水色の広大な電脳風景が目の前に広がっていた。先ほどまで自室の椅子に座っていたとは思えないほどのリアルさに、透は思わず感嘆の息を漏らす。

 

「これがVRの中か………っと、まずは名前を決めないとな」

 

目の前には『名前設定』と書かれたウィンドウが開かれており、あいうえおとアルファベット順に入力文字がある。おそらくここで入力するのがゲームでの名前になるのだろう。

 

「理沙ちゃんのメモによると、本名はダメだっていうしな………何にしよう」

 

『久我透』の名前をアナグラムにするというのはどうか。いや、それはそれでありきたりすぎる。どうせならもっとかっこいい名前にしてみたい。

 

「………『ドギー』とか?」

 

かっこいい名前ときて透の脳内を過ったのは、彼が大好きなヒーロー『デカマスター』の名前だった。だがふと我に帰って頭を振った。

 

「いやいやいやいや、さすがにボスの名前を名乗るのは恐れ多いというか……」

 

だが透にとって一番かっこいい名前というと、これしか思い浮かばない。ウンウン唸りながら悩みに悩んだすえ、透は自ら妥協案を下した。

 

「『クルーガー』。これならまだいいよな?」

 

そう言い聞かせるように『ドギー・クルーガー』の名字の方を入力し、決定ボタンを押せば今度は透を囲むように半透明の武器が浮かび上がり、彼の周囲をゆっくりと周り始める。

 

「次は初期装備か。大剣、片手剣、メイス、杖、弓、斧、槍、大槌………へえ、大盾なんかもあるのか」

 

どうやら武器ごとにステータス補正が変わるらしく、武器の説明文を一つ一つ読んでから透は再び考える。

 

「ん~、こういう動き回るゲーム自体初めてだが………ここはどれにするべきか」

 

ちらりともう一度武器を見渡していると、透の目に剣が止まる。

 

(剣か………)

 

一番オーソドックスな武器という点もあるが、『デカマスター』のメイン武器が剣だったことに惹かれたのだ。

 

「よし! まあどうせ初めてだし、ここはボスと同じく剣でいくか」

 

刀剣類の武器は『大剣』『片手剣』『短剣』があるが、『デカマスター』の愛剣『ディー・ソード・ベガ』は片手で使用していたので、この中では片手剣が一番近いだろうと判断してそれを選択した。

 

次の項目はステータスポイントの振り分けだ。振れる数値は全部で100あるが、どこにいくつ振るべきか再び透は悩む。

 

「理沙ちゃんによると、STRが物理攻撃力でVITは防御力。AGIが素早さでDEXが器用度で、クリティカル率とモンスターを倒した際のアイテムを落とす確率が上がるんだったか。INTは知力、つまり魔法攻撃力。HPとMPはそれぞれ体力と魔力で、魔力は魔法を使うのに必要なんだっけか」

 

透はしばし考えてから、ひとまずINTとMPには振らないことに決めた。

 

「ボスは魔法なんて使わないしな。ここはやっぱり攻撃力とかに振ったほうがいいだろう」

 

そして他のステータスに振ろうとしてあることに気付いた。

 

「ん? これもしかして、20ポイントずつ振れるんじゃないか?」

 

INTとMPを除外して残ったのはHPとSTRとVITとAGIとDEXの五つ。ステータスポイント100に対して、五つそれぞれに20ポイントずつ均等に振ることができるようになっている。だが熟練ゲーマーの視点から見ると、この振り方は器用貧乏になりやすいためあまり良いやり方ではない。

 

「よし決まりだな。じゃあ始めるぞ!」

 

そうとは知らず全ての設定を終えれば、透の身体が光に包まれる。再び目を開けば、彼の目の前にはファンタジーな風景が広がっていた。

 

 

 

 

「おお………!」

 

巨大な噴水がある広場にレンガ作りの町並みと、映画の撮影場所ぐらいでしか見たことがない町並みに思わずクルーガーは息を呑む。周囲には自分と同じくゲームのプレイヤーと思われる人々がまばらに歩いているが、まだ発売して間もないせいかそんなに人はいない。

 

「これがVRの世界か……とてもゲームの世界とは思えないくらいリアルだな」

 

試しに自分の顔を触ってみるが、現実とさして変わらない触覚がする。科学技術の進歩に改めて感動しつつ、クルーガーは自分の身体を見てみる。服装は他のプレイヤー達と全く同じデザインで、腰には粗末なデザインの片手剣が下がっているのみ。おそらくこれがこのゲームでの初期装備なのだろう。

 

「そうだ、ステータスは………」

 

ステータスウィンドウを開いてみれば現在のクルーガーのステータスが記されていた。

 

 

 

 

 

 

クルーガー

Lv1

HP 435/435

MP 20/20

 

【STR 20〈+15〉】

【VIT 20】

【AGI 20】

【DEX 20】

【INT 0】

 

装備

頭 【空欄】

身体 【空欄】

右手 【初心者の片手剣】

左手 【空欄】

足 【空欄】

靴 【空欄】

 

装飾品

【空欄】

【空欄】

【空欄】

 

スキル

無し

 

 

 

「ん~、まあこんなものか」

 

ゲーム初心者のクルーガーには、正直ステータスの基本的な数値がどのくらいなのかは知らない。これを普通のゲーマーが見れば、キャラを作り直すことを進めたであろうが、あいにくこの場にそんなお人好しな人間はいない。

 

「じゃあひとまず、モンスターと戦ってみるか」




今更なんですが、DEXって具体的にどういった効果があるんでしょうか?


※後から二巻を読み返したんですが、『NWO』ではHPMPは1ポイントで20上がると書いてあったので、急遽修正いたしました。
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