スーパー戦隊が大好きなので、デカマスターを目指そうと思います 作:ペペック
そんな一行が来たのは、ゴブリンが大量に発生する地帯だった。草むらから息を潜めて覗きこんでみれば、青いフードの小さなピエロのような姿の小人がたくさんいるのが見える。一般的なゴブリンとは大きくかけはなれた姿をしているが、このモンスター達こそがNWOにおけるゴブリンである。
「まずどう行く?」
「このパーティーには大盾がいないからなあ……」
自分達の構成は後衛が一人と前衛が三人とかなり偏っている。唯一の盾持ちはブレイズだけだが、大盾使いと比べればVITはどうにも心許ない。とここでクルーガーが名乗りを上げた。
「だったら俺がタンクをやる」
『え?』
呆気に取られる三人を他所に、クルーガーはインベントリからユニークシリーズを取り出し装備しだす。
『!?』
同じ特撮ファンの一同がその姿に驚愕しないわけがなかった。
「え……ちょ、クルーガー!? その装備は……!」
「すまんが説明は後だ。三人の中でAGI高いのは誰だ?」
「わ、私だ」
戸惑いながらフェザーが挙手するのを見てクルーガーは頷く。
「じゃあフェザー、これから俺がスキルでモンスターに状態異常をかけるから、その内の赤くなったやつだけを狙ってくれ」
「それは構わないが……私のSTRはそこまで高くないぞ?」
「問題ない」
草むらから駆け出すクルーガーにゴブリン達が気づき一斉に襲いかかってくるのに対して、ベガの神剣の切っ先を群れに向けて叫ぶ。
「【
剣に付与されたスキルを発動すればゴブリンの内半数が赤く発光し、残りは青く発光しだす。
「今だ!」
合図と同時にフェザーが草むらから飛び出せば、文字通り目にも止まらぬ速さで赤い敵を切り裂く。STRが低いという彼の攻撃は一回だったにも関わらず、ゴブリン達はポリゴンとなって死んでいく。
「え!?」
その結果に一番驚いたのはフェザーだ。彼の今のSTR数値では、少なくともたった一撃でゴブリンが死ぬはずがない。
「青い方はまだ攻撃するな!」
制止されて十秒経つとゴブリンから青い光がなくなり、同時にクルーガーの次のスキルが発動する。
「【ベガスラッシュ】!」
こちらは【アヌビス】に内包されている攻撃スキルである。地面を滑るようにゴブリン達に突進し、真横に構えた剣が全てを切り裂く。
「………よし、終わったな」
ゴブリンが全て倒されたのを確認してから剣を鞘に収めるクルーガーだったが、
『ちょっと待ったぁ!!』
「!?」
三人が突然叫びだしたかと思えば一斉にダッシュし、クルーガーにずいと詰め寄る。
「クルーガー! 今のスキルは……というかその装備はなんなんだ!?」
「生産職に作ってもらったのか!? それともどこかで入手したのか!?」
「あのスキルはデカマスターの技だよね!? どんなスキル取得したらあんな技できるの!?」
案の定というべきか三人は装備とスキルについてを矢継ぎ早に質問しだし、クルーガーはその勢いにたじろいでしまう。
「え、えっと……」
クルーガーの気持ちとしては正直な話、デカマスターに関することは物凄く自慢したい。でも珍しいスキルや装備に関する情報を簡単に話していいものかと思い悩んでしまう。
「………わかった! 俺のステータス見ていいから、そのデカマスター装備だけでもいいから教えてくれ!」
「え!?」
そんな彼の心中を察したのか、苦渋の決断と言わんばかりにブレイズがステータス画面を開いた。
ブレイズ
Lv8
HP 35/35
MP 500/500
【STR 24〈+15〉】
【VIT 24〈+10〉】
【AGI 24】
【DEX 0】
【INT 24】
装備
頭 【空欄】
身体 【空欄】
右手 【初心者の片手剣】
左手 【鉄の盾】
足 【空欄】
靴 【空欄】
装飾品
【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
無し
ブレイズのステータスはHPとDEX以外が均等で、初期装備が剣にも関わらずMPに振られている。曰く初期設定の際にウルザードファイヤーを意識して魔法剣士にしようと思い、DEXとHP以外に均等にポイントを振った結果らしい。
「ブレイズが見せるなら、私も見せないわけにはいかないな……」
そんなブレイズの行動に思うところがあったのか、続けてフェザーもステータス画面を開いた。
フェザー
Lv5
HP 35/35
MP 20/20
【STR 10〈+15〉】
【VIT 0】
【AGI 100】
【DEX 0】
【INT 0】
装備
頭 【空欄】
身体 【空欄】
右手 【初心者の片手剣】
左手 【空欄】
足 【空欄】
靴 【空欄】
装飾品
【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【無し】
フェザーのステータスはAGI100に対してSTR以外がほぼゼロ、いわゆるAGI極振りの数値である。
曰く、トリンが『閃光の勇者』という肩書きだったことから、素早い動きができるようになりたかったとのことだ。しかし最初に数値を入れなかったステータスが0なのは想定外だったようで、レベルが上がってからはSTRに振ったらしい。
「じゃあ僕も……」
二人が見せる以上自分だけというわけにはいかないと思ったのか、ショウもステータスを見せた。
ショウ
Lv4
HP 315/315
MP 400/400《+100》
【STR 14】
【VIT 14】
【AGI 14】
【DEX 14】
【INT 14(+20)】
装備
頭 【空欄】
体 【初心者のローブ】
右手 【初心者の杖】
左手 【空欄】
足 【空欄】
靴 【空欄】
装飾品
【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【水魔法Ⅰ】
こちらはフェザーとは逆に全て均一なステータス数値となっている。100から七等分したポイントを全てに振り、余った2ポイントはそれぞれHPとMPに振ったらしい。曰くショウ司令が狙撃と体術の両方を扱えていたのをイメージして均一にしたはいいが、4レベル以降経験値が上がらず伸び悩んでいるという。
まさかステータスを教えてくれるとは思わず、クルーガーは驚きから目を見開いてしまう。そこまで彼らはこのスキルと装備について知りたいということなのだろう。ここまでされて答えないのであれば、デカマスター装備を纏う者の名折れである。
「………わかった」
何より、同じ趣味の仲間に隠し事をしたくなかった。
ブレイズさんのステータス数値をどう振るべきかくっそ悩みました……;
計算むずい!