スーパー戦隊が大好きなので、デカマスターを目指そうと思います   作:ペペック

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地獄の番犬と成長

後日、再びレベリングのためにログインした一同。しかしこの日はブレイズが急な仕事で来れなくなったために、フェザーとショウを連れて探索することになった。この間やってきた森をさらに進み、ホブゴブリンの数がいっそう多いエリアでクルーガーは剣を振るう。

 

 

「【峰打ち】!」

 

 

HPが削られたモンスター達を後ろに控える二人が止めをさす。これらを繰り返すこと数十分後、ついにフェザーのレベルが20に達した。

 

 

 

『スキル【電光石火】を取得しました』

 

 

 

「あ、私も何かスキルを取れたみたいだ」

 

「どれどれ~?」

 

スキル取得通知を受けて確認するフェザーが二人にステータス画面を見せる。

 

 

【電光石火】

このスキル所有者の【AGI】を二倍にする。【STR】【VIT】【INT】を上げるのに必要なポイントが三倍になる。

取得条件

レベル20までにモンスターを規定体数、一撃で倒す。

要求【AGI】値百以上。

 

 

「また二倍って………ずいぶんぶっ壊れスキルを実装しているね。このゲーム」

 

「ああ……」

 

【物理特化】といい【魔法戦士】といい、果たしてこのゲームの開発者はバランスを考えているのだろうかと、クルーガーは疑問符を浮かべてしまう。だがここでフェザーがあることにきづく。

 

「……ん? ちょっと待て! ということは私は今後、【STR】と【VIT】と【INT】にはポイントを振れなくなるのか!?」

 

言われてみればそうだ。【DEX】は今後も上げていけるようだが、少なくともその他のステータス数値を1ポイント分上げるには、3ポイントも消費してしまうわけである。現在のフェザーのステータスは【STR】がやっと55になったところで、まだ【INT】と【VIT】にはポイントを振れていないのだ。

 

「一応【廃棄】という手段もあるが、どうする?」

 

「【廃棄】かあ……」

 

恐る恐るクルーガーが提案するも、フェザーがう~んと唸る。このゲームでは不要なスキルを【廃棄】するというシステムがある。一度取得したスキルであればゴールドを払うことで再び取り直すことができるものの、そのために必要な金額は50万ゴールドもする。二人の所持金は今回の探索でやっと2万ゴールド貯まったところで、買い直す場合は相当な時間がかかるだろうことは察せられる。

 

「………いや、今はやめておく」

 

ここで【廃棄】した場合、いざ必要になった時にゴールドが足りなくなるかもしれない。ひとまず様子見も兼ねてフェザーはそのスキルを持つことにしたのだった。

 

「ん~……僕もなんかスキル取得したいなあ…」

 

ショウのレベルは16になったところだが、現在持っているのは初期設定で選んだ【水魔法】のみである。フレンド二人が続けざまに珍しいスキルを取得したのを見て羨ましそうになるのも当然だろう。

 

 

とここでピピッと電子音が鳴り、フェザーが時間を確認する。

 

「ん、時間だな。私はそろそろログアウトするよ」

 

どうやらゲームの予定時間が迫ってきていたらしい。

 

「お疲れ~」

 

軽く会釈しながらフェザーがログアウトするのを見届けてから、残った二人は顔を見合わせる。

 

「ショウ、お前はどうする?」

 

「ん~、もうちょっと粘ってみてもいい?」

 

二人が取得したスキルを考えるに、もしかしたら20レベルで何かスキルを取得できるのではないかと、ショウは淡い希望に賭けてみたくなったのだ。もちろんクルーガーの答えは決まっている。

 

「構わないぞ」

 

 

 

 

 

ひとまずレベリングに専念するべきと判断し、また森を探索していく二人。そしてショウのレベルが20になった瞬間、その時はついに訪れた。

 

 

 

『スキル【星に願いを(ウィッシュ・アポナスター)】を取得しました』

 

 

 

「やったぁ! ついに初スキルゲット!」

 

待望のスキル取得に思わず跳び跳ねるショウにクルーガーも笑みを浮かべて軽く拍手を送る。二人は早速どんなスキルかを確認してみる。

 

 

星に願いを(ウィッシュ・アポナスター)

30秒間、全てのステータス数値が三倍になる。

使用可能回数は一日五回。

一時間後、再使用可。

取得条件

レベル20までの間、全てのステータスに振られた数値が同じであること。

 

 

三倍、ここにきてさらなるぶっ壊れスキルの発見である。さすがに【物理特化】等と違って回数と時間制限があるようだが、それでもとんでもない効果だ。

 

「【星に願いを】って、なんかリュウバイオレットの変身の掛け声に似てない!?」

 

はしゃぐショウにクルーガーはふむと考えこむ。確かに字はおろかルビまで似ているとなると、偶然とは考えられない。デカマスター装備といいやはりこのゲームはスーパー戦隊の小ネタをいくつか散りばめている。これはもしかしたら、もしかするかもしれない。

 

 

「クルーガー、今日は本当にありがとう」

 

「ん?」

 

ここでショウが改まった様子でクルーガーに向き直る。

 

「初期ステータスの設定に失敗して器用貧乏な数値にしちゃったから、正直キャラを作り直そうか悩んでいたんだけど……クルーガーのおかげでだいぶ強くなれたよ!」

 

実際ショウのステータスは均一すぎて与ダメージがかなり低かったが、クルーガーの助力の介あって大幅にレベルが上がったのだ。ショウとしては感謝してもし足りないことである。

 

「別に礼なんていいさ。同じ趣味のよしみだろ」

 

「でも、何かお礼をしないと申し訳ないし……」

 

「ふむ……だったら次に手伝いが必要なことになったら、頼まれてくれないか?」

 

「もちろん!」

 

兜越しに笑顔を見せるクルーガーは、その後ゲームからログアウトしてショウと別れたのだった。

 

 




その頃の運営

「大変だー! 『俺達の悪ふざけ』スキルが、二日続けて三つも取得された!!」

「え、ちなみにどれ?」

「【魔法戦士】と【電光石火】と【星に願いを】だ!!」

『なにいいいいいいいい!?;』

「バカな! あのスキル達はステータス数値を常に一定にした上で20レベル以内に条件を満たさないと取得できないはずだ!」

「クルーガーがレベリングに付き合ってたぞ!」

『またあいつかあああああああああ!!』

シラトリ(ほほう……?)(☆▽☆)キュピーン
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