スーパー戦隊が大好きなので、デカマスターを目指そうと思います 作:ペペック
メッセージでニードルに呼び出されたクルーガーは、今日はショウを連れて店にきていた。
「へ~、この店がそうなの?」
「ああ」
ニードルとショウはスーパー戦隊ではキュウレンジャーが好きだと言っていた。ならばきっと共通の話題に会話が弾むだろうと考えて誘ってみたのだ。
カランカランとドアベルを鳴らして扉を開くと、前に来たときより店内の色見本のレパートリーが増えているのが見てとれる。
「来たぞニードル」
「いらっしゃい!」
パタパタと作業着姿のまま奥から出てきたニードルに、ショウはクルーガーの影から顔を覗かせる。
「えっと、君がニードル君?」
「はい、そうです! 貴方がショウさんですね? 話はクルーガーから聞いています」
クルーガー以外のスーパー戦隊ファン、それも自分と同じキュウレンジャーが好きなプレイヤーが来店してきたことにニードルは見ただけでもわかるほど嬉しそうに笑う。
「ショウでいいよ。敬語も必要ないから」
「じゃあ俺も呼び捨てで……」
最初から同じ趣味だとわかっているだけで二人は即座に打ち解けたらしく、しばらくはスーパー戦隊座談会に和気あいあいと弾んでからニードルは思い出したようにクルーガーに向き直る
「そうだクルーガー、例の物が出来てるぞ」
「本当か!?」
クルーガーの第一目的。それは彼がニードルに依頼した装備が完成したらしいので、その出来映えを確認しにきたのである。
『銀のチョーカー』
【AGI +40】
『黒の制服』
【VIT +40】
『五色のバッジ』
【DEX +40】
「おおおお………!」
「すごーい! ボスの署長服だ!」
早速装備した姿を鏡で見て、クルーガーは感極まって震えてしまう。黒い制服の模様や装飾、五色の石が嵌め込まれた金の階級章、チョーカーに刻まれたSPDの文字まで完璧に再現している。実にクオリティの高い一式だ。
「補正値がユニークシリーズよりも高いんだね」
「そりゃそうさ。クリアミスリルを初めレア度の高い糸系素材を惜しみ無く使い、【機織り】【染物】【色彩】【刺繍】さらには新しく取得した【塗装】で惜しみ無く補正値を上げた渾身の力作だ……妥協なんか一切許さない」
凄みのある目力からも彼の拘りが察せられる。生粋のクリエイター気質でなければここまでの完成度には至らないだろう。
【塗装Ⅰ】
スプレーガンで着色した際、補正値にボーナスが懸かる。
取得条件
スプレーガンで一定回数、一部の素材・装備を着色する。
『スプレーガン』
【DEX +8】
塗料を使うことで一部の素材・装備を着色できる。
このスプレーガンはNPCショップの生産職用コーナーで売っていたものらしい。一度に使える色は一種類のみであるものの、鉱物・木材・鱗・革などの素材に着色することができるという。
少し見ない内に生産職のスキルを一気に伸ばしたニードルに二人は思わず感嘆の息を漏らす。
「そういえば、あとの二人はまだきていないのか?」
ニードルが言う二人とはブレイズとフェザーのことで、実はクルーガーのもとにほぼ同時期に二人から連絡があったところだったのだ。ニードルに紹介するのも兼ねてここを待ち合わせ場所にしたが、先にショウとクルーガーが到着したらしい。
「そろそろ来るはずなんだが……」
と噂をすれば影。カランカランと扉が開かれてブレイズが入ってきた。
「待たせたなクルーガー」
ブレイズと続けてフェザーが入ってくると、二人はまずクルーガーの着ている服に目が行く。
「おお、ボスの署長服じゃないか!」
「階級章まで再現してあるのか!?」
目を輝かせる二人にクルーガーとニードルはついドヤ顔をする。
「それで二人とも、今日は一体どうしたんだ?」
「「実は……」」
「未発見のダンジョンに、隠しスキル。そして地図に記された謎のエリアか……」
一通り二人の話に耳を傾け、クルーガー達は出されたお茶を一口飲む。
特にフェザーの話が興味深かった。もしその地図の場所に未発見のダンジョンがあれば、運が良ければユニークシリーズを手に入れる可能性が高い。
「だがブレイズが見つけたダンジョンがなあ……」
対するブレイズに関しては、現在彼が取得しているスキルが三種類だけ。初見かつ単独でダンジョンをクリアするにはいささか無謀としか言いようがないだろう。しかしどんなボスモンスターがいるのかがわからない以上、なんの下準備もなしに攻略は難しい。一体どうすればいいのだろうかとう~んと唸る四人に、ふとニードルが軽く挙手した。
「なあ。そのユニークシリーズって、初見で単独じゃないと手に入らないんだよな?」
「? ああ」
「だったらさ、ブレイズ以外がパーティー組んでそのダンジョンに挑めばいいんじゃないか? そうすればクルーガー達がユニークシリーズを手に入れる心配もないと思う」
その提案に一同はぱちくりと目を瞬かせてから、その手があったかと互いを見合う。
「なるほど……確かにそれならボスモンスターの情報を得られるかもしれないな」
「よし、じゃあ早速試してみよう!」
名前:名無しの剣士
例の犬人間がパーティー組んでいるのを見かけた。
名前:名無しの短剣使い
人間?
名前:名無しの剣士
さすがに人間だよ。
片手剣使い二人と魔法使い一人だったな。
名前:名無しの斧使い
前衛に偏り過ぎじゃねえか。
名前:名無しの魔法使い
こっちは犬さんの名前がわかったよ~。
名前:名無しの短剣使い
kwsk
名前:名無しの魔法使い
名前は『クルーガー』。
例の染物屋さんで装備の色を染めてもらっていたところ、店主にそう呼ばれてたの立ち聞きしちゃった( =^ω^)
名前:名無しの斧使い
お前あの店入ったのか。
名前:名無しの短剣使い
俺も一回だけ入ってみたが、店に並んだ色の見本数がパネエ。青だけで何色あんだよあれ?
名前:名無しの魔法使い
NWOってプレイヤーメイドのアイテムの色は基本的に素材の色を反映するけど、このお店で塗装・染物してもらうと装備一つに対して一回だけなら好きな色に変えてもらえるんだって。
素材の色を問わずに好きな色にできるのはいいよね~(*´∀`*)
名前:名無しの斧使い
最近評判のイズって鍛冶師もかなりの腕前だが、こっちもこっちでやばいな。
名前:名無しの剣士
話戻すぞ。
実はそのパーティーの内の一人を【魔力水の泉】の近辺で見かけた。
名前:名無しの斧使い
例の【超加速】が取れる場所か
名前:名無しの剣士
多分クエストの最中だったと思うんだが、そいつはログハウスと泉を往30分でクリアしてた。
名前:名無しの短剣使い
Whats?
名前:名無しの剣士
向かい来るモンスターを目にも止まらぬ速さでヒョイヒョイと避けてたぜ……あの速度はやばい。
名前:名無しの魔法使い
一応聞くけど、人間だったんだよね?
名前:名無しの剣士
少なくとも見た目は人間だった。
見た目は……だが
名前:名無しの斧使い
無難に考えて、そいつはAGI特化ステータスか?
名前:名無しの短剣使い
待て待て待て
だとしても往復30分はおかしい
俺50分ギリギリだったんだぞ?
名前:名無しの魔法使い
これはあとの二人もやばい予感がいたします
名前:名無しの剣士
あと染物屋の店主も
あとで気づいたのですが【超加速】を取得できるようになるのは二層以降になるそうですが、もう修正しようがないのでこの作品では一層で【超加速】が取れるという設定でいきます(;´д`)