スーパー戦隊が大好きなので、デカマスターを目指そうと思います 作:ペペック
「ドンブラがあんなストーリー運びだったのに次もカオス系だったら身がもたないよ……。せめてゼンカイジャーレベルの分かりやすいストーリー運びにしてくれ……(;´д`)」
キングオージャー一話視聴後
「よかった! ちゃんと分かりやすい内容だ!!(゜▽゜」
「遅いな……」
ダンジョンの入り口の前で待つクルーガーは、電子時計を眺めながらため息をつく。
もしダンジョン攻略に失敗した場合は連絡を寄越すように言ってあるが、ブレイズがダンジョンに入ってからかれこれ一時間近く経っても一向に連絡が来ない。
「一度様子を見てみる?」
入り口の奥を覗きながらショウが心配そうにフェザーに聞くが、彼はやや苦い表情を浮かべながらも首を振る。
「いやダメだ。もしまだ攻略中に我々が入ってしまえば、ユニークシリーズ取得を邪魔してしまうかもしれない」
きっとボスモンスターを倒すのに手いっぱいで連絡する暇がないのかもしれない。ならばこちらからメッセージを送るのもブレイズの気を散らしてしまうリスクが高いだろう。
「信じよう、ブレイズならきっと大丈夫だ」
腕を組んで入り口の前に立つクルーガーに、一同はグッと堪えて頷くのだった。
「うっ………」
ゴウゴウという音を遠くに聴きながら、ブレイズの意識が覚醒した。
「あれ、生きてる?」
ゴツゴツした岩肌の感触が腹に伝わり、顔を上げてみればまだボス部屋の中にいたことに気づく。自分は確かに火の海に落ちたはずだったが、ボスモンスターを倒したことで消えていたのだろうか?
「てことは……初見攻略成功か?」
死んでいないのであればそうなるが、今一実感が持てない。ひとまずステータス画面を見てみると、最後に使った時はカラだったMPが満タンになっており、ふと自分の視界に入った両手を見てブレイズは目を見開いた。
「これは……!」
褐色というものではない。正真正銘、文字通りの赤い肌。首から下の皮膚も同じ色で、恐る恐る髪を触れば逆立ってうねる質感は毛髪のそれではない。
もしかしたらと取得スキルを調べてみると、見慣れないスキルが二つ追加されていた。
【猛る烈火】
ダメージを与えた際、MPが1%回復する。
炎系以外の魔法を取得できなくなる。
取得条件
【燃える炎】を取得した状態で炎狼を炎系攻撃のみで倒す。
【
炎属性攻撃によるダメージを無効化する。種族が人間でなくなり、水系攻撃による被ダメージが二倍になる。
取得条件
【炎上無効】を取得した状態で炎狼を倒す。
効果と取得条件を確認したブレイズは確信する。間違いない、このスキルはクルーガーの【アヌビス】と同じ種族変化系のスキルだ。全くの偶然が重なって珍しいスキルを取得できたことにブレイズは歓喜する。
「そうだ、報酬は!?」
周囲を見やれば部屋の中央に深紅の石を切り出して作った宝箱が鎮座してある。恐る恐る蓋を開けてみれば……
【ユニークシリーズ】
単独でかつボスを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者に贈られる攻略者だけの為の唯一無二の装備。
一ダンジョンに一つきり。取得した者はこの装備を譲渡出来ない。
『炎神の兜』
【AGI +30】【INT +15】
【破壊不可】
スキル【
『炎獣の甲冑』
【VIT +15】【MP +50】
【破壊不可】
スキル【溢れる勇気】
『焔皇のサーベル』
【STR +30】【INT +15】
【破壊不可】
スキル【
『灼眼の盾』
【VIT +15】【MP +50】
【破壊不可】
スキル【
炎のように赤い兜、銀色の狼の頭部の形をした肩当ての深紅の鎧、同じく深紅の片手剣と盾。ところどころにアルファベットのWの意匠がデザインされたそれらの装備は、ウルザードファイヤーのスーツそのものだ。
「おお………!」
感激に討ち震えながら、ブレイズは装備に付与されているスキルも確認してみる。
【
モンスター、プレイヤーを倒した際にMPが最大MPの一割回復する。
【溢れる勇気】
攻撃によるダメージを受けた際にMPを3%回復する。
【
魔法を使った際、消費したMPの三分の一のMPを回復する。
【
炎狼の力を意のままに扱うことができる。
クルーガーのユニークシリーズと同じく【破壊不可】付き、そのうえスキルのほとんどはMP回復系のものばかりだ。【魔法戦士】の効果でMPの消費量が多いブレイズとしては、ポーションに頼らずに回復できる手段は実にありがたい。
「よかった……【火魔法】破棄しなくて……」
やはり自身の判断に狂いはなかった。好きなヒーローと同じ装備とスキルを取得したという達成感に、ブレイズは宝箱を背もたれがわりに地べたに座りこんだ。
「うおー! ウルザードファイヤーだー!!」
あれからやきもきする一同のもとに、ようやくブレイズからメッセージが送られてきた。町の宿屋で合流すれば、ウルザードファイヤーの装備を纏ったブレイズの姿を見てショウが興奮する。
「初めてのダンジョン攻略でいきなり引き当てるとは、なかなかついてるな」
「全くだよ」
兜をしているために表情は見えないが、雰囲気からするにブレイズはやや得意げな顔をしていると察せられる。
「そうだ、クルーガー達は鏡とか持ってないか?」
「鏡?」
なんでも新しいスキルの効果で種族が変わったそうなので、今の自分がどんな姿になっているのかを知りたいのだという。装備一式を外し異形の姿を晒せば、一同はギョッとする。
「え!? まさか……!」
フェザーがインベントリから鏡を出してブレイズに手渡し、改めて自身の顔を見る。映っていたのは真っ赤な肌をした悪魔のような姿で、頭部からは燃え盛る炎が靡き、輝く金色の目に対し口にあたる部分はない。
「まんまブレイジェルじゃん! 天空聖者じゃん!!」
ウルザードファイヤーの装備に加えブレイジェルそっくりの見た目にまでなれるとは、これは運営も狙って作ったとしか考えられない。
デメリットとしては水系スキルに弱くなることと炎系以外のスキルを取得できなくなるくらいだが、それでも十分すぎるほど優秀だ。
「デカマスターにウルザードとか、メチャクチャ豪華な組み合わせじゃん……」
「この光景を見れただけでも、このゲームを初めた甲斐があったな……」
その後ニードルも呼び、せっかくだからとユニークシリーズを装備した状態で、クルーガーとブレイズによる撮影会が開催されたのだった。
名前:名無しの剣士
クルーガーが炎モンスターを引き連れてた。
名前:名無しの斧使い
あの頭が燃えてる真っ赤な悪魔みたいなやつ?
名前:名無しの短剣使い
やっぱりあいつクルーガーの仲間か……
名前:名無しの魔法使い
え、なにそれ知らない。
名前:名無しの剣士。
街中を歩いてたらクルーガー+αを見かけたんだが、その内の一人がそんな見た目だった。多分プレイヤーだとは思うけど……
名前:名無しの短剣使い
俺が店で食事していた時にその炎魔人が一人で入店してきたんだが、店内にいたプレイヤー達がざわついてたな。一緒にいた連れが吹き出して二度見してたよ。
名前:名無しの斧使い
お前もあの場にいたのか……。
見た感じ口がないのに普通にメシ食ってたぞ。
名前:名無しの魔法使い
どんな身体構造よ。
名前:名無しの剣士
そういえばいつぞやのメンツに盾と剣の赤毛プレイヤーが見当たらなかったな。
名前:名無しの斧使い
方向性の違いで別れたか?
名前:名無しの剣士
ちなみにその炎魔人の装備は剣と盾と甲冑。
名前:名無しの短剣使い
絶対そいつじゃねえか!!
これで違ったら逆にビックリだわ!!
名前:名無しの斧使い
いつの間にか人間辞めてやがった。
名前:名無しの魔法使い
そんな簡単に人間て辞めれるものなの?
名前:名無しの剣士
これは残りのメンツが人間辞めるのも時間の問題だな。これからの彼らの近況報告のために、せっかくだから俺の情報晒すわ。
取り敢えず俺はペインって名前でやってる。
もしフレンド登録してくれるなら、明日の22時頃に広場の噴水前に来てくれると嬉しい。
名前:名無しの斧使い
情報サンクスってゆうかお前ペインかよ!?
バリッバリのトッププレイヤーじゃねーか!
名前:名無しの魔法使い
有名人過ぎてウケるw
名前:名無しの短剣使い
なら俺も晒しとこ、緑バンダナのドレッドでやらせてもらってる。
名前:名無しの剣士
神速のドレッド!?
お前も人のこと言えないじゃないか!!
名前:名無しの魔法使い
なにやってんのアンタ達www
名前:名無しの斧使い
こんな有名人がいるなら俺の名を晒しても霞んじまうだろうな……
名前:名無しの剣士
お前誰だよ
名前:名無しの斧使い
通りすがりの斧使いドラグです
名前:名無しの短剣使い
地割れまでいんのかよ!?
名前:名無しの魔法使い
もー!
これじゃ一般人の私なんて存在理由ないじゃん!
サイドテールがかわいいフレデリカちゃんです♪
名前:名無しの斧使い
そんでお前はフレデリカかよ!?
名前:名無しの剣士
この板有名人集まりすぎだろ!!
「おい! 【炎人】を取得したプレイヤーが出たぞ!」
「え、てことは炎系スキルだけで勝てたってことか?」
「よく勝てたなそいつ……」
「炎系ならミイか?」
「いや、ブレイズってやつだ」
「誰だそれ?」
「【魔法戦士】を取得したやつです」
『あいつかあああああああ!!』
「しかもユニークシリーズも取ってます!」
『マジかよおおおおおお!!』
シラトリ「へえ………?」(☆▽☆)キュピーン