オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
砕けた口調のシルさんと話す男主人公みたい…………見たくない?
「それが新しい装備か。新人の作品にしては、良く出来ている」
ベルの装備を見てそう評価したヴァルド。己が選んだ装備が師に褒められ嬉しそうだ。
「むむむ、女の子と買いに行ったのはすこ〜し納得いかないけど、これで更に深い階層を目指せるね!」
「はい!」
「キラーアントは直ぐに殺すな。仲間を呼ばせ、素材と魔石を集めるのに使えるし、目に頼らず己の周囲を把握する訓練になる」
「え、あの……エイナさんはキラーアントは直ぐに倒せって」
「ベル、お前の成長速度は俺やアイズより早い。ならば戦いの数も増やしておけ……とはいえ、ランクアップするにはまだアビリティも低い。今はまだ無茶をする時期じゃない、か」
要するにアビリティを極めてからランクアップしろということだろう。アビリティの伸び具合を見るに、そう遠くない未来。
ヘスティアからすれば気が気でない、なんてレベルじゃない。ベルの成長速度がこのままなら、一体どれだけの間隔で危険を冒さねばならぬのか。
「冒険者とは冒険をするものだ。冒険をせずランクアップしても、たかが知れている。半端な偉業をするなよ?」
期待から出たであろうその言葉に、ベルは「はい!」と叫びグッと拳を握りしめた。
この人の弟子として、恥じない冒険者になろう。そう心に決め、ふと気になることを思い出す。
「あの、師匠には、アイズさんの他にも弟子が居たんですよね……その、【ロキ・ファミリア】に…………」
「ああ」
「…………なんで、僕なんですか?」
彼に選ばれる、それだけで自分が特別なのだと勘違いしそうになるほど、ベルにとってヴァルドは特別な存在だ。というかLv.8の時点で……さらには
それに対して、自分はどうだ。彼と義母に鍛えられ、それでもミノタウロス相手に殺されそうになり怯え、助けてくれた相手に惚れて何もせず何時か道が交わるなどと妄想した矮小な夢見がちな子供だ。
「今だから言うが、俺はお前を見た時弟子にする気はなかった」
「──え?」
「あの女も居た……さっさと秘境にでも向かおうと思っていた。育てる気などなかった」
「………………」
ヘスティアが何も言わぬあたり、それは全て本音なのだろう。
ベルは泣きそうになった。悔しいからではなく、悲しいから。義母がいて、祖父が居て………そこに彼が居ない未来はあったのかもしれないが、居た事実を知るベルには想像だけだって耐えられない。
「だが5年前、暫くの滞在に使おうと立ち寄り、あの女に何を聞かされたのかお前は俺の弟子になりたいと言った」
本来であれば、ヴァルドにとって喜ばしいことだった。だがただの村人として過ごしていたベルを知っていたから、躊躇った。
「お前は言ったな? 「何時かお義母さんや貴方を守れるような英雄になりたい」と………」
自分より遥かに強い相手を守りたいと言ったのだ。曲がりなりにもその強さの一端を知っているのは何度も吹き飛ばされた形跡のある家の周りの地面と丁度地面にめり込んでいた祖父を慣れたように引き抜こうとしていたのを見て明らかだろうに。
「誰だって強い奴に頼る。だがお前は、大切な相手が強いのなら自分がそいつを守るためにもっと強くなる、そう考える奴だ。だから選んだ」
「で、でもそれは………子供の頃の話で………」
「確かに、あの頃に比べると、随分夢を見なくなった………人類は変化する。夢を見なくなった奴が再び夢を見ることもあるだろう」
「ち、ちなみに師匠は自分より強い人が怪物にやられたら、どうするんですか?」
「その怪物が多くの命を奪おうとするなら、どのみち俺には戦い倒す以外の選択肢はない」
アイズがベルを意識している。いい傾向だ。
仲間以外で誰かに興味を向けるのは、5年間の空白があるとはいえ初めてだ。アイズが年相応の顔を
(完全に嫌っている、というわけではなさそうだが。やはり置いていかれるのは堪えるか)
それを知りながら
だが、あの時より危なげがなく、それでいてやる気に満ちていた。
(好かれたいベルには悪いがもう少し負けん気を保ってもらうとするか)
(師匠は、やっぱり僕よりアイズさんみたいに凄い人達を鍛えるべきじゃないのかな……)
師の期待と裏腹に、ベルはそんなことを考えていた。
ミノタウロスに圧倒され、武器を失い死の恐怖で動けなくなった自分。そして、たとえ己より強い誰かがやられてもその怪物に挑むと言い切った師。
自分にはきっとできない。その時が来ても、情けなく逃げ出すだろう。
(アイズさんなんかLv.5だし………)
ヴァルドや義母が聞けば
「っ!」
パン、と両頬を叩く。駄目だ、思考が悪い方向にばっかり行ってる。期待されたんだ、それに応えれるよう努力することを考えよう!
というわけで、ベルにとっての未踏破領域を広げより強いモンスター、より過酷な戦場に………。
でも、モンスターの数も増えて魔石とか回収しにくい。このままでは稼ぎを師に任せきりになるのでは? と………
「お兄さんお兄さん、白い髪のお兄さん」
「ん?」
「昨日はどうも、お兄さん」
振り返ると大きなバックパックを背負った、昨日出会った
「君は昨日の。あの後大丈夫だった?」
「はい。団長にも報告しておいたので、諸々対応されるといいな〜と言ったところですね」
「? 対応、してくれないの?」
「他派閥のサポーターに何しようと謝る冒険者なんていませんよ。ましてやリリみたいな
「とはいえ、同派閥の連中と組むのも嫌なので…………お兄さんは優しそうですし、よろしければリリを雇いませんか?」
「え、でも………その、僕なんかよりもっと強い人と組んだほうが良いんじゃ」
「その結果昨日みたいな事になったらたまりません。その点お兄さんはあの【アストレア・ファミリア】のお知り合い。お金を払わなかったり、払うように言って暴力を振るうなんてこともしなさそうですし! 逆もまた然り、彼の派閥のお知り合いからお金をちょろまかそうとする者は居ませんよ!」
信頼されている、ということだろうか? なんとなく照れくさい。
「それでお兄さん、どうします?」
「あ、うん。じゃあ、お願いしようかな」
「ヴァルド、ヴァルド。じゃ〜ん! これ、な〜んだ!」
「
「はい、正解です!」
帰り道、待ち伏せしていたのかシルが
ちなみにヴァルドの【ジュピター】はLv.2になった際少しでも生存率を上げるために、【サートゥルナーリア】はLv.5になった記念に、どちらもリヴェリアが渡した
あれも高品質だったがこれも中々。
「これをベルさんに届けてほしいの」
「自分で渡さないのか?」
「ふっふっふ。私はほら、陰から支える系の女子ですから」
「………だが、お前はこんなにしてあげたのだから自分のことを好きになってと思いそうだ」
「そんなことないよ! 私のことなんだと思ってるの!?」
「……………ストーカー?」
「む〜〜!!」
真剣に考え真面目な顔で言ってきたヴァルドをシルが
「ふん。ヴァルドは本当に意地悪なんだから! いいもん、じゃあ誰かの落とし物ってことにするもん! 優しいベルさんなら罪悪感に苛まれるかもしれないけど!」
と、
「あ、もう! 返して!」
「渡しておく。それでいいだろう? ベルに強くなって欲しいのは、俺も同じだ」
「最初からそういえばいいのに、ヴァルドは素直じゃないよね。そんなふうだから嫌う人にはとことん嫌われるし、色んな人を拗らせちゃうんだよ。沢山の人を誑かして、何時か刺されても………いひゃいいひゃい! ほおをひっはらにゃいれ〜!」
赤くなった頬を擦り涙目でヴァルドを睨むシル。
「もう、ベルさんに内出血がキスマークと勘違いされたら責任取ってもらうからね!」
「手加減はした。それに、内出血になったとしてもベルにその手の知識はない。ガキの生まれ方すら知らん」
「え………ヴァルド、ちょっと過保護すぎて気持ち悪いよ?」
「母親の教育方針だ。俺は何方かといえば、その手のことには寛容な方だ」
「それは…………確かに」
何せランクアップの記念だと……つまり12歳の時にノアールとダインに歓楽街へ連れて行かれたのだ。なお、翌日二人は氷漬けになった。
「間違いを起こさぬように逆に知っておくべきだとは思うが、教えたら教えたで彼奴が飛んできそうだからな」
「う〜ん…………それは、確かに困るね」
ヴァルドのベルくん感想
初対面→ただの村人。恩恵もない………祖父が居なくなっても、この村で義母と平穏を過ごす選択肢があるのでは?
弟子入り→まさか何度も家をふっ飛ばす母親を守れるぐらい強くなりたいと言い出すとは。夢見がち、で切り捨てるのは簡単だが………良いだろう、鍛えてやろう
現在→あの頃に比べると僕なんかが、と思うようになってしまったが、もう少し様子を見よう
なんか思ったより筆が進んでヒロインも増えたので聖夜祭デート再アンケート
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