オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
ダンジョン18階層『
ベートは不機嫌だしフィルヴィスはレミリアと話してから何も言わない。道中助けられ、お礼を言ったが無視された。
なんて空気の悪いパーティだろうか。気を遣って話しかけてくれるレミリアだけが唯一の救いだ。
そしてリヴィラに到着すれば、何やら冒険者達が楽しそうに酒を飲み交わしている。
「? これは、何があったのかな?」
「さ、さあ……」
レミリアの言葉にレフィーヤも困惑しながら返す。階層主討伐に成功した時の雰囲気に似ているが、まだ時期ではないはず。
「おい、何があった」
「ん? ああ、【ロキ・ファミリア】か………何がってそりゃあ、久々の冒険だからなあ、その生存祝だよ」
「こんな気分で酒を飲むのは久しぶりだなあ!」
「冒険者に乾杯! リヴィラに乾杯!」
ドッ、と笑い声があがり、あちらこちらで木製ジョッキがぶつかり合う音が響く。
「冒険だあ?」
「おうよ、24階層で起きたモンスターの大量発生………ん? 大移動だったか? まあ兎に角モンスターの群れと戦ってな……生き残ってみせた!」
「まあ元凶潰さない限り続くらしいから一度戻ってきたがな」
「その元凶ってのはなんだ?」
おそらくそこがアイズの向かった場所だろう。ベートがすぐに問いただすが冒険者はうーん、と唸る。
「いや、何処だったかな〜? 24階層のどっかだとは思うんだけどな…………」
「チッ、じゃあアイズを見てねえか?」
「【剣姫】か? いやあ、見かけた奴は居るって聞いたような……まあ師匠の後を追ってきたんだろうな」
「……………あの男もいんのか?」
だとしたらとっとと異変が収まっているだろうに、何をしているんだと眉根を寄せるベート。
ギルドと繋がってなにかしている可能性が高いとロキやフィンが言っていた。あの男に限ってオラリオを窮地に陥れるようなことはないと思うが、聞いた話だとLv.4のアイズを『
いや、下手したら死人が出ているかもしれない状況でその可能性は低い。ならば、やはり誰かの命令で行動を制限させられている?
「…………チッ。別にあんな奴知るかってんだ」
「は、はい?」
「なんでもねえ、行くぞ」
ベートが向かったのはボールスの貸し倉庫。
武器のスペアなど嵩張る物資を有料で預ける場所だ。街の顔であるボールスに尋ねたところ、買い物以外にも倉庫の方も利用したらしい。
下級冒険者向けの防具だ。第一級冒険者のアイズが何故こんなものを?
首を傾げるレフィーヤの横でベートがアイズの行き先を尋ねボールスが金をせびり胸ぐらを掴まれ大人しく教えた。
異変が起きたのは24階層、北の
「そ、それってLv.8でも危険、ってことですか?」
「んなわけねえだろ、雑魚どもに気を遣ったんだ」
「危険でも飛び込むのが師匠だからね」
「あ、はい」
どういう人なんだろう、ヴァルド・クリストフ。
レフィーヤの中では残念ながらアイズを捨てたクソ野郎というイメージしかない。後アイズに抱きつかれるの羨ましい。
「ところで、お前等『
「え?」
ボールスの視線の先にいるのは離れた場所で待機しているフィルヴィス。
「それってフィルヴィスさんの二つ名ですか?」
「いや、俺らが勝手に呼んでるだけだ。二つ名は別にある……あ! これヴァルドには言うなよ!」
「え、私が師匠に隠し事なんてするわけないじゃないですか」
しまったというように口止めするボールスにレミリアは即答で断った。
「というか人に聞かれたくない呼び名をするのは良くないんじゃないですか?」
「あー、いや…………だけどよぉ、不吉だろ?」
「不吉って、フィルヴィスさんがですか?」
ムッとボールスを睨むレフィーヤ。ボールスは言い訳するように話し始める。
曰く、フィルヴィスとパーティを組んだ者はたった一人を除き
都市に混乱招き死を振りまいた
地上にて邪神を討伐していた【ロキ・ファミリア】の一人、当時のヴァルド・クリストフが戦いを放り出して27階層に直行。それでも半数以上が命を落としたらしい。
「生き残りは何人かいてなあ、彼奴は発見が遅れた一人………」
階層主すら巻き込んだ混戦はヴァルド一人では荷が重く、遅れて到着した冒険者達が四肢が千切れかけた半死人のヴァルドを回収したらしい。その後隠れていた生き残りなどを保護し、フィルヴィスはその一人。
そしてその日から
判断を誤り、
「あのエルフと関わったら死ぬ」という噂が流れるのは早かった。そんな彼女に、悪夢の時救えなかった責任でも感じたのか手を差し伸べたのがヴァルドだ。
「救えなくたって仕方ねえとは思うがなあ。当時Lv.5って言っても、一人なんだぜ? でも、あの野郎は生き残っただけで憎まれた奴等のためにも奔走しててなあ、その最後があのエルフだ」
そして死ななかった。
「はん、要するに実力があんなら死なねえ………死んだそいつ等が雑魚だっただけじゃねえか」
「べ、ベートさん! そんな言い方しなくても………」
吐き捨てるようなベートの言葉にレフィーヤが非難するもベートは聞く耳持たずフィルヴィスの下まで歩く。
「詳しい話は知らねえけどな、要はてめえは仲間を見捨てて、おめおめ生き残っちまったわけだ。ざまーねえな、なんでまだ冒険者なんかやってんだ。そのままくたばっちまったら良かったのによ」
「ベートさん!!」
叫ぶようなレフィーヤの言葉に対して、言われた当人はふっと微笑む。
「お前の言うとおりだ。あの日、
言い返さない女を前にベートは舌打ちして踵を返す。
「てめぇみてえに達観してる奴が一番ムカつく」
「あ、べ、ベートさん!」
今なら絡んだ全員に喧嘩を売りかねない剣呑な気配に同じレベルのレミリアが慌てて追いかける。
残ったレフィーヤはかけていい言葉が見つからず、その場に佇む。
「レフィーヤ・ウィリディス」
「っ!」
「間違っても私に情を移すな、近付くな………わたしは汚れている」
己自身に言い聞かせるようなその言葉にレフィーヤは何か言わねばと思考するも言葉が出てこない。
ダメだ
ダメだダメだ
今言わなきゃ 止めなきゃ
この人のために
なにか言葉を
解らない
見つからない
浮かばない
言葉がない
「同胞を穢したくはない」
言葉──────なんて!
「…………なっ!?」
言葉が見つかるより先に行動に移る。歩き出そうとしたフィルヴィスの手を掴むレフィーヤに、フィルヴィスは直ぐにその手を払おうとする。
「離せ! 私は!」
「貴方は汚れてなんかいない!」
「っ!!」
「貴方は汚れてなんかいない!! 私なんかよりずっと美しくて、優しいエルフです!」
フィルヴィスの言葉を遮るように叫ぶレフィーヤ。その剣幕にフィルヴィスが思わず固まる。
「な、何故そんな事が解る! いい加減なことを言うな、私とお前はまだあって間もないはずだ!」
「こ、これからいっぱい見つけていきます!」
「──────!」
それは彼と出会った時の言葉だった。
突然現れ、パーティを組めと言ってきた時の英雄。
「お前は優しいな」
「何だ、いきなり」
「道中で十分解る。俺を心配している」
「…………私のせいでまた誰かが死ぬのが嫌なだけだ」
「そうか? まあ、とりあえず一つだ」
「……………何だ、その一つとは」
「お前が自分の嫌いなところを幾つもいうものだからな。お前の長所を一つでも多く見つけておけば、少しは自嘲しなくなると思ったのだが」
これから見つけていくとしよう、彼はそう言って………しかし勝手にいなくなった。
「…………お前ではない」
「え?」
「それは、お前の役目じゃない」
バッと乱暴に手をはらわれる。レフィーヤが何かを言う前に、ベートの怒号が聞こえてくる。
「エルフ共、何ちんたらしてんだ、速く来い!」
レフィーヤ、友情イベント失敗
まずはヴァルドへの好感度を下げてからヴァルドとの記憶に引っかからない言葉を選ぼう。
でも好感度その辺のエルフからまあ死なないように気を使ってやるかになったよ!
なお、ベートの怒号がなく役目を代わってみせますとか言ったら好感度最底辺まで(具体的には謎の仮面に命を積極的に狙われる)落ちた模様
なんか思ったより筆が進んでヒロインも増えたので聖夜祭デート再アンケート
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