オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
『PN普通の街娘』
A.あの中ならシル
Q.ヴァルド君は結構ただれた関係を沢山持ってるけど、最終的に落ち着くのかい?
『PNジャガ丸くんの神様』
A.相手がそれを望むなら。ただその場合戦争が起こる。彼の弟子もおそらくは………
Q.ヴァルドは神様やリヴェリア様を除いた人類の中で誰が一番綺麗と思ってるのかしら?
『PN
A.輝夜
Q.ならなら、一番可愛いと思ってる女の子は? 娘枠は抜きで!
『PN
A.輝夜
Q.ヴァルドはアレンのことをどう思ってるのかしら? それ、ちゃんと伝わってるの?『PN恋人探し中』
A.最初は競い合うライバルでお互い認め合っている………と、本人は思ってたが最近何故か嫌われていることに気付いた。伝わってたらこんなことにならなかったかなあ
「ミノタウロスの角から作られた短剣か」
「はい! 牛若丸っていうんです!」
赤い短刀を嬉しそうに見せてくるベル。そうなると新しい戦闘スタイルとして剣と短剣を使い分けるものになるのだろう。どちらも近接とはいえ、その戦い方は大きく異なる。敵の虚をつきやすくなるだろう。
「良い名だな」
「あ、はい。本当に…………」
ヴェルフがミノタウロスの角から生まれた短刀だから
「明日に備えてよく休め」
「はい!」
明日は初めての中層。体力も気力も万全にするべく休息を取る。ヴァルドはまだ日も沈んでいないので、もう一度ダンジョンに潜る事にした。
豊穣の女主人。もうすぐ開店のため、皆が慌ただしく動く。
「あ、誰かゴミを出しといて〜」
と、ゴミを出し忘れていたことを思い出したシルが言うと、生返事が返ってきた。これは後で自分で確認したほうが良さそうだ、といま手を付けている作業に戻る。
「………………うんっ。わたしが、やれば………おかあさん、よろこぶ!」
「よいしょ…………よいしょ…………」
裏口を開きゴミ袋を持って歩くノエル。ノエルの体躯には、少し重くて大きい。だけど、終わればシルが褒めてくれると思うと笑みが浮かぶ。
店に来てくれるヴァルドも、頭を撫でてくれるだろうか?
「……………ふふふっ。ほうじょうのおんなしゅじんは、やさしい。あったかい。ポカポカするの。だいすきっ」
もう、さみしくない…………。
………………………。
「さみ……しい? なに………? さみしい? しらないけど、しってる……」
しっている。それがとてもいやなこと。
しっている。それから、にげだしたかったこと、
「……なに? わたしは………うんと………わたしは………わたしは…………だれ?」
「ノエルさん………」
「…………え?」
「………あれ、ノエルは?」
開店準備も殆ど終え、シルはふとノエルの姿がないのに気付く。
「そういえば、裏口の方へ行ったの見たニャ〜。ゴミを抱えながら」
「止めろよ………」
「じゃあ私、呼んでくるね」
と、シルがノエルを呼びに裏口から外に出る。
「ノエルー? 勝手に出ていっちゃあ…………え?」
返事はなく、静寂が人気のない路地を支配していた。子供の影は一つもない。
「ノエル……? どこへ行ったの……?」
暫く辺りを見回して、顔色を変えて店の中に戻る。
「ねぇ! ノエルは本当にお店の中にいない!?」
「は、はぁ? いや、いない……けど
ゴミ出しに行ったんでしょ?」
「……………………」
「どうしたニャ? ノエルが居なくなったニャ?」
「私、探してくる!!」
シルはそう言うと店の外に飛び出した。
「…………………いた」
その背を見つけ、走る。歩いているその背に、追いつき、声をかける。
「待ってください!」
「………………」
「不思議ですね、最初から貴方を探していたわけじゃないのに……でも、走り出してすぐに貴方の背中を見かけてしまった」
シルの言葉に立ち止まった男は、そのまま黙ってシルの言葉を聞く。
「その時におかしいなって思ったんです。ううん、本当はもっと前から気付いていた……貴方が『嘘』しか言っていないことを………聞こえていますよね? 全部、貴方に言っているんですよ?」
返事をしない人影を睨みながら、シルはその名を呼ぶ。
「……ヴィトーさん」
「……ああ、私に話しかけていたとは。失敬失敬、気付きませんでした。それで、お美しい酒場の店員さん? どうなさったんです? 随分と走り回っていたようですね、そんなに息が上がっているとは。何か、あったのですか?」
「………ご存知ありませんか?」
「ええ、ええ。全く。見当も付きません」
「そうですか。それじゃあ、ヴィトーさん。随分と大きな鞄ですね」
そういってシルはヴィトーの持つ鞄に視線を向ける。ヴィトーはオラリオを発つことになったと残念そうに伝えた。
「私は根無し草の旅人。オラリオにも寄っていただけなのです。暫く滞在していましたが、そろそろ次の街に行こうかと。せっかく素晴らしいお店を見つけて、とても惜しくはありますが…………」
「荷物を持って、旅へ出ると?」
「ええ、もうじき執り行われるグランド・デイや神月祭には興味がありますが、だからこそそろそろ発たないと長居しすぎてしまいそうで……」
「嘘ですね」
「────………嘘、と?」
糸のように細い目を、微かに開き睨むようにシルを見つめる。シルは慌てることなく笑みを返した。
「はい、全くの嘘です。笑ってしまうくらい」
「……どうして嘘と断じられるのか、私にはよく…………」
「私に呼ばれていたのに気づかなかったのも嘘ですね? その鞄の中身が荷物というのも嘘ですね?」
「ははは、そう言いがかりをつけられては………」
「もっというと、うちの料理を美味しいと口にしたのも、お気に入りなのも嘘ですね?」
確認するようでありながら、しかしその言葉は確信に満ちている。ヴィトーの浮かべる笑みがどこか薄っぺらくなっていく。
「残念です、新しい常連さんが増えてくれなくて。それと、本当にいいお店なのに、貴方には伝わらなかったことも、とてもとても残念です」
「先程から何を言っているのでしょうか? 私の言動が嘘だという根拠はあるのですか?」
「いいえ、ありません」
「なら………」
「ですが、今は嘘だと確信できます。笑顔が消えていますよ? ヴィトーさん?」
「……………………」
「『嘘』をつくなら、もっと上手に『仮面』を被らないと」
「………嗚呼、不愉快だ。とてもとても不愉快だ。なんなのでしょうね、これは……まるで、私が忌み嫌っている神々と相対しているような………酒場のお嬢さん、貴方、その瞳の中に『何』を飼っているのです?」
言葉の通り不愉快そうにシルを睨むヴィトーは、自身に向けられる薄鈍色の瞳の奥を見据える。
「飼っているだなんて。私は私、それ以上でもそれ以下でもありません。ただ、そうですねぇ……化かし合いが上手くなりたいなら、貴方が嫌う神様たちと話すことをおすすめします。本当が嘘か、白か黒か……瞳を見るだけで解るようになりますから」
「………魔女めっ」
「ヴィトーさん、鞄の中を見せてください」
ちょうど、
「…………くっ。はははははははっ!!」
「……………」
「チェックと言ったところでしょうか? いやぁ、参った参った。化かし合いでこうも負かされるとは。この私が、
突如笑い出したヴィトーに何だ何だと視線が集まる。
「………貴方の一人舞台に付き合う気はありません。早く鞄を……」
「できないでしょう、お嬢さん? その細腕で鞄を取り上げることも、私を追い詰めることも」
「……………っ!」
冒険者なら或は、力尽くで奪えたかもしれない。しかしシルには手段がない。
「……不愉快な貴方に一つ忠告してあげましょう。これ以上関わるなら、後悔することになりますよ?」
「……どういう意味ですか?」
「我々は貴方が思っているよりも、面倒な連中なのです。自分で言って笑ってしまいますが……とても『残酷』な者共です」
「……ご忠告、ありがとうございます。ですが、大丈夫です。私達も、なかなか面倒だと思いますから」
結局ヴィトーの言葉に怯えることなく返すシルに、ヴィトーは不愉快そうに顔を歪めた。
「……最後までも不愉快なお嬢さんでしたね……まったく」
「………っ!」
ドガアアアァァァァン!!
不意に街に響く爆音が住民の鼓膜を揺さぶる。
「なんだいなんだい!? いきなり爆発したよっ!」
「このままだと火事になっちまうぞ! 早く消せ!」
周囲に混乱と恐怖が広がり、ヴィトーはその隙に走り出す。慌てて追おうにも身体能力の差と爆発騒ぎの混乱で人混みが行く手を遮る。
「ちっ、何が起こってやがる!?」
「これはまるで7年前の………!」
「ふええ〜!? は、早く消さないと〜!」
「落ち着いてミイシャちゃん。輝夜、住民の避難誘導、アーディは【ガネーシャ・ファミリア】に連絡を!」
「解りました!」
「う、うん!」
と、そこへ見知った顔を見つけるシル。
「すいません、さっきここに大きな鞄を持った男の人見ませんでしたか!?」
「え!? あ、さっきすれ違ったような…………」
「何処に行きました!?」
「何処って、あっちだけど………」
「………っっ!」
と、ミイシャが指さした方向はバベル。シルは直ぐに走り出した。
「あ、あれ………シルさ〜ん!?」
「………ミイシャちゃん、豊穣の女主人に行って店員の誰でも良いから今起きたことを伝えて」
「い、今起きたことって!? ええ!?」
「輝夜、ライラ、リュー……後、アーディも。【ガネーシャ・ファミリア】が到着次第私達もダンジョンに向かうわよ」
「アリーゼ? それは、どういう………」
「私の勘がビンビン反応してるの。これよりもっと、良くない事が起こるって」
「わーったよ団長様。久々のフルメンバーでのダンジョンだ」
「聞いたな? 言われたな? ならば疑問など挟むな、団長命令だ」
「わ、解っています!」
「私も?」
「だってアーディ回復魔法使えるし」
「わかった! 任せて!」
「はぁ………はぁ………はぁ………」
胸が苦しい。息がしづらい。
胸の痛みを無視しながら、懸命に走る。
『──何をやっているの?
『笑わせる。『お遊び』だったくせに。
頭の中に、自らを嘲笑う声が響く。愚かな行動をする体を、心が嘲笑う。
『でも………』
「しょうがないでしょ? 『嘘』じゃないんだから。この気持ちは、決して『嘘』なんかじゃないだから! こんなお別れは違う! 絶対に違う!」
何時か願ったずっとは、続かないことを知っていた。いつか別れる時が来るのを、目を背けながら気付いていた。でも、これは駄目だ。こんな別れ方は違う。
「はぁ、はぁ………今、迎えに行くから…………ノエル!」
「なんだったのでしょうかねぇ、彼女は。酷く癇に障って………無力な少女が、この私を………」
あの全てを見透かすがごとくの人成らざる異様な目。神を前にしたかのように、こちらの本質へと入り込んでくる薄鈍色の瞳を思い出し顔を歪めるヴィトー。
「神に言わせれば、これも下界、と言う奴ですか………くくく」
「ヴィトー様………」
と、そんなヴィトーに声をかける影。白いローブの男。
「おやおや! 出迎えご苦労様! 遅れてしまって申し訳ありません」
「何かあったのですか?」
「あったといえばありました。私の不手際です。全く不甲斐ない」
「………お言葉ですが、その割に、嬉しそうに見えるのは気の所為でしょうか?」
「嬉しそう? この私が!? はははははっ! ええ、正解かもしれません」
『『嘘』をつくなら、もっと上手に『仮面』を被らないと』
不愉快な女の笑みと言葉を思い出す。
「どうやら私も、『やり込められた』ままというのは気に食わないようです。人並みに、ね………」
「敵対しうる勢力が迫ってくると?」
「ええ。もしかしなくとも、またお会い出来ることでしょう。それが今なのか、あるいは全てが終わった後かは解りませんが。
「おぉ……!」
「嗚呼、年甲斐もなくはしゃいでしまいそうです。枕元に贈り物を見つけた、そんな朝の気分のよう………」
「我等の大願が、ついに………!」
感動で震える男を見ながらヴィトーもまた笑う。
「これが成就に至るかは解りませんが──きっと面白いことにはなるでしょう」
息を切らし、ダンジョンを駆ける。よくここまでモンスターに襲われなかったものだ。
「………シル?」
短い呼吸を繰り返し、走る足に力も入らなくなった頃、声がかかる。重い身体を動かし、相手を見上げる。
「ヴァルド………」
「ここで何をしている。今すぐ地上に戻れ」
ノエルが、攫われて………そんな説明しなきゃいけない言葉は沢山あるのに、口から出た言葉はなんの情報もない懇願。
「………助けて、ヴァルド」
「解った」
なんか思ったより筆が進んでヒロインも増えたので聖夜祭デート再アンケート
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