オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
『PNただの街娘』
A.心当たりがあるでしょ?
Q.ヴァルド君はあまり関わってほしくないダンジョンのイレギュラーに関わってるんだが、どうにかやめさせられないか?
『PN羽帽子』
A.たとえ神であろうとやると決めた事を邪魔するなら斬ってくるので、何か役に立つことを滅茶苦茶して生かす価値を作っておこう。
Q.恋愛禁止にしたせいで子供達にも恋愛経験者がいない。誰に相談すればいいと思う?
『PN月の狩人』
A.アフロディーテ(笑)
Q.あの子が恋したってマジ!? どんなシュチエーションで恋に落ちたの!?
『PNこの世で一番ゴージャスでラグジュアリーで尊くてエモエモのエモな男も女も跪きたくなるような最強究極無敵な女神』
A.マジです。片腕片目失いながらも蠍の腸から引き摺り出して貰った時かな?
Q.じゃあ、今はあれかしら? 介護プレイ!?
『PN天界下界そして
A.その後ランクアップして得たアビリティのおかげで片目片腕も神経が千切れた脊髄も潰れた足も治ったので看護プレイは数日だけでしたね。
Q.………あんた何言ってんの?
『PNあらゆる美の神すら霞む美しいという言葉さえ足りない詩人が新たな言葉を作りたくなる超絶可憐優美な女神』
A.何って、英雄について?
『会うのは初めてだろ? ウチの店員のシルだ、店を時折手伝うってんなら仲良くしな』
『はじめまして、ヴァルドさん。シル・フローヴァです』
『…………街で見かけたことはあるが、ああ、なるほど。
彼は意外と人の本質を見ている。だから『私』に直ぐに気付いた。
『探しものか?』
『え〜っと……子猫? 風邪引いたりお腹空かせる前に見つけられると良いんだけど……』
『いらっしゃいヴァルド……あれ、その子は?』
『拾った。育てろ』
『え〜……まあ良いけど。こんばんは、
『私』が『
『………助けて、ヴァルド』
『解った』
大丈夫、解ってるよ。私は友達でいい。それ以上は、望まないから。
「あっち!」
片腕でシルを支えながら、シルの指示に従いダンジョンを駆けるヴァルド。シルはノエルの気配を『覚えた』。シルにはノエルの居場所が解るのだ。
「援軍は?」
「ミィシャさんに、豊穣の女主人の皆に伝えるよう言ってきた。【アストレア・ファミリア】の人達もいたし、あの人達ならきっと………」
戦力としては十分。に、見えるが。
「急ぐぞ、しっかり掴まれ」
「うん」
首に回した腕に力を込める。
自分という荷物を抱えて、ヴァルドは本気で走れていない。本当ならもうもうとっくに追いついている筈なのに。
「俺一人ではノエルを追えない。気を落とすな、顔を上げろ。
「………うん」
「…………あれ…………ここ…………え?」
目を覚まし、目の前に現れたのは酷く寂しげな森。葉のない白い枯れ木が薄暗い霧の世界の中に不気味に佇む。
ここは……
霧に包まれてるとか、薄暗いとか、枯れ木の森とか………人を不安にさせる要素が幾つもあることは関係ない。その場所そのものが恐ろしい。
大口を開けた怪物の中に飛び込んだかのような、言い知れぬ不安感。
「おや……起きましたか? ノエルさん?」
「えっ………? ここ、どこ………? だ、だれ?」
「混乱していますねぇ、そうですよねぇ。ですがご安心を。この私に全てを委ねれば何も煩うことはない」
優しげな言葉で語りかけてくるのは、ヴィトーだった。ノエルはしかし不安そうに辺りを見回す。
「喚かず、騒がず、暴れず、従順に。人形のように、考えることを止めてください。あるいは………奴隷のように」
「いや……やだっ………こわい、こわいよぉ!」
「ああ、泣かないでください。困りましたねぇ…………」
と、困ったような顔をして片腕を上げるヴィトー。そのままノエルの頬に振り下ろそうとして…………
「ノエルッ!!」
「っ!!」
「え、あ………おとう、さん?」
階層中に響き渡る声量の大声。ヴィトーは思わず動きを止め、ノエルが顔を上げる。
「ぁ………おと……」
「全く不躾な。あるべき場所へ、導こうとしているだけだというのに」
「か、かえらなきゃ…………おとうさん、むかえに………」
「おとうさん? くく、はは、ははははは!! いやはや、なんとも滑稽な茶番ですねぇ。貴方という存在が、
「ヴィトー様」
「ええ、ええ、このままでは追いつかれるでしょうね。躾の時間も惜しい………時間稼ぎ、おまかせしますよ?」
「っ!?」
ノエルを抱え上げ走り出すヴィトー。悲鳴を挙げられぬように首を締める。その背を追う数名と、その場に残る複数の影。その中の一人が、美しい顔に暗い笑みを浮かべた。
「英雄…………英雄かあ。フフ、嗚呼、また格上の【経験値】を頂いてしまうぅ〜〜」
「走った! ヴァルドなら、すぐ追い付ける!」
「子供を殴ろうとしていたんだな?」
「うん……」
「外道が」
漏れ出た怒りの気配に本来なら襲いかかる筈のモンスター達も慌てて道を空け、丁度地面から生まれるところだった
「っ! 魔力………シル!」
と、魔力の高ぶりを感じたヴァルドはシルを抱き締めながら『獣王の毒牙』を抜き放つ。
「【荒べ! 悪疫の
魔法、ではない。この禍々しい魔力は、
「【ハル・レシェフ】!!」
霧の向こうに見えた人影の目が怪しく輝く。見ることで発動する『視線の光線』。眩い黒紫の閃光が
「邪魔だ」
そして勝ち誇った笑みを浮かべながら毒刃を持った男達を切り捨てる。
「………ワルサの兵士?」
「は、はあぁ!?」
切り捨てた死体に混じった兵士の服装に見覚えがあり、目を細めるヴァルド。それに目を見開くのは不気味な入れ墨を施した痩躯の
妖精らしからぬ血の匂いが鼻に付く。
「何故、何故だ!? お前の目には、『最愛』が映っているはず!?」
エルフ……【ラシャプ・ファミリア】の団長シールの
「俺に
だがヴァルドには、呪いも毒も病も一切合切通じない。大地を殺す毒の王を相手に耐久戦をするという頭のおかしい【
「…………『最愛』?」
「────」
ポツリとシルが呟く。瞬間、シルを残しヴァルドの姿がその場から消える。
「は、え……………は?」
自己を最弱のLv.4であると自覚するシールは
「………気を遣わせちゃいましたね」
静かな、だがよく響く声にシールや残りの【ラシャプ・ファミリア】の団員達が振り返る。そのシルの美貌に、男達の顔が獣のように歪む。
「気を、遣わせた?」
「ええ、はい………ヴァルドは知らないふりをしてくれているんです。だから、今からすることを見られるのは駄目なんです」
耳朶を震わせる美しい声。先程までの恐怖も困惑を忘れさせる声に、距離を取っていたシールも無意識にシルへと近付いていく。
「みせ、られない………とは? 『最愛』の者達に、嬲られたい願望でもありましたかぁ?」
下劣な言葉に周りの男達も下卑た視線をシルの身体に送る。
「『最愛』の者達? いいえ、貴方達は不愉快です。とても、とても不愉快…………」
「は? 何を、そんなわけが………」
「五月蠅い」
「ッ!?」
言葉が詰まる。無力な少女を前に、男達は立ち尽くす。恐怖、ではない。威圧感ともまた違う、しかし覚えがあるような感覚。そんな『何か』を纏って少女は眉間に皺を刻む。
「不愉快……不愉快不愉快不愉快不愉快不愉快不愉快不愉快!! 嬲る? その人の姿で? その人の臭いで? その人の声で? 笑わせないで! その人が、私の『最愛』な訳がない! それは駄目なの、それだけは駄目なの………!」
「な、何を言って…………」
「だって………だって『私』が彼を求めてしまえば、この関係も終わりだもの。彼は『私』から逃げてしまうもの…………だから、ええ。彼を『最愛』と嘯くなら、私は貴方を、貴方達を許さない。絶対に」
彼女を知る者ならば想像もできない冷たい声。何か不味い。何かされる。解っているのに、体が動かない!?
『跪きなさい。その姿で、その目を私に向けることは許さない』
世界から音が消えたような錯覚に陥るほど、全ての感覚がシルを感じるために使用される。
【ラシャプ・ファミリア】の眷属達と彼等についていき欲望の限りを満たすことを選んだ者達が、シールすらもその場に跪く。
「私の愛が欲しい?」
それは笑みだが、氷のように冷たい。敵意を隠しもしない、嗜虐的な『魔女』の笑み。しかし今のシール達にとっては何よりも愛おしく、その質問は直ぐにでも答えなくてはならないものだった。顔を上げぬまま、恍惚とした顔を地に向けながら叫ぶ。
「はい! はい! ぜひ、どうかっ、貴方様のご寵愛を!!」
「嫌よ。だって、ええ………貴方達がその姿で生きているだけで、私の心は傷つくもの」
「ッ! ああ、ならば、どうか! この命を持って精算を!」
『惨劇』は一瞬。
【ラシャプ・ファミリア】の面々は各々の得物を己の首に突き刺す。シルを不快にする時間を少しでも減らすためにシールすら解呪の呪文を唱えず自害した。
「…………」
「終わったか?」
「ひゃ!? ヴァ、ヴァルド………」
血に染まった草原を無表情で見下ろしていたシルの背後に音もなく戻ってきたヴァルド。シルは申し訳無さそうに顔をふせた。
「………ごめん、余計な時間を………」
「………
「うん」
再びシルを抱え走り出すヴァルド。シルは今の顔を見せたくないのか、ヴァルドに額を押し付け黙り込み指だけで行き先を示す。
「まじかまじか〜。一気に死んだな〜、英雄ってやべぇ〜」
『扉』の前で少年神はゲラゲラ笑う。神が刻んだ『恩恵』が消えていくのを感じ、自身の眷属が殺されたことに特に気にした様子もなく、一頻り笑ったあとはぁ、と息を吐いた。
「自慢の眷属も失って、残るのはオラリオで勧誘した役立たず。うっは〜、これで僕パシリ決定じゃ〜ん。じゃあ、早速仕事しないとね☆」
「!? 『神威』………?」
ダンジョンで放たれた神の威光。まだ上層とはいえ、いや、だからこそ危険だ。
「グギャオオオオオオオ!!」
聞こえてくる敵意の籠もった怪物の咆哮。この辺りにいる冒険者達では、歯が立たない。
「先に塞がれた階層の出口を破壊するぞ」
「え、でも………」
ここで殺さなくては、冒険者に被害が。ヴァルドがそれを放置するなんて、と困惑するシルを抱えたまま走るヴァルド。
背後で大きな魔力が弾け、怪物の悲鳴が聞こえた。
「援軍が来た…」
下の階層に続く連絡路。岩で塞がった通路を前に、ヴァルドはシルを大きな岩の陰に避難させ、瓦礫を吹き飛ばした。
「びっくりしたわ! 何で上層に
「しかも黒光りして大きいのニャ!」
「いや、その言い方はどうかと」
「あらあら、何を想像したのですかねぇ?」
「黒くて大きいのはあれニャ! ゴキ──」
「おいくだらねえこと話してるんじゃねえよ」
話し声が聞こえてくる。駆け足が聞こえる。全員女………。
「爆音の場所は、ここね! 追い付いたわ、シルちゃ…………ヴァルド!?」
「説明はあとだ。行くぞ」
口数が少ないなんてものではない。
シンプルという言葉が可愛く思えるほど説明のせの字もないその言葉に。
「「「「了解!」」」」
【アストレア・ファミリア】とアーディは従う。だって、彼が自分達に力を借りるとしたら目的は誰かを救うこと。
「やってやるニャー!」
「ノエルを助けるってことでいいんだよね?」
「そうじゃないならシルが居る訳ねーニャ」
戦車の片割れ、賞金稼ぎ、暗殺者達も素直に従う。正義の派閥ほどではないが、ヴァルドという人間をよく知っている。
第一級、第二級、Lv.8。恩恵のないシルを入れても深層に容易く挑めそうなメンツが
因みに輝夜さんはヴァルドに抱えられているシルを時折チラ見します
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