オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
近隣で行方不明者が出て、調査対象になった廃城。
事前調査では怪しいところは発見できず、しかし『何か』を感じた者と、『何も』感じなかった者達に分かれた。
判断に迷ったギルドは再調査にギルド職員を同行させたのだ。
感じた者と感じなかった者、その差が分からぬのでなるべく複数。その結果………
「…………………」
「…………………」
【
フィルヴィスの噂を知っているソフィは、派閥内でもこうなのか、と少しだけ辟易とした。
「ディオニュソス様の右腕を気取っているかと思えば、今度はかの英雄に縋りますか」
「アウラ………私は………」
「英雄になったつもりはない」
と、フィルヴィスを庇いながら言うヴァルド。
「だが縋る相手を振り解かない程度には、英雄の真似事はできるつもりだ」
「………………」
フィルヴィスがヴァルドの陰に隠れるのを見て眉間にシワを寄せるアウラ。ふぅ、と息を吐いて気を落ち着かせる。
「失礼…………お久しぶりですね、【
「ワインを買いに行って酔っ払いに絡まれていたエルフか。ディオニュソスの眷属だったか」
「はい、あの時はありがとうございました」
「あの頃はまだ幼かったが、綺麗になったな」
「!!?!?」
尚、他意は一切ない本音である。
「そ、そう言っていただけると…………その………」
「まあ、今は依頼に集中しよう」
「……………はい」
そして、
担当教科は魔法料理。後魔法剣学の教諭補佐。フルネームはボルトルド・クラストン………らしい。
そしてやたら挑発的なソフィがセフィアで、男勝りなアウラがアクトという
「妙な世界に紛れ込んだものだ。何より、この気配は…………? ノイズ掛かっているが、まさか………」
「早く外にでろ。上を目指せ」
と、不意に聞こえた声に振り返ると小さな少女………というか幼女がいた。ノエルより幼い見た目だ。
「『創造主』は待っている。故に上だ。上しかない。上なのだ」
「『創造主』?」
「この箱庭を作りし、悪夢の元凶。神々の支配より脱却せし世界の意志達」
「なるほど、ここは複数の精霊の集合体が作った夢の世界。3つの起点を破壊し脱出するのか」
「…………我らを遮る言葉に壁はない」
「喋り方が妙なのもこの世界の影響か………ん? ああ、案ずるな。お前の言いたいことは解る」
「夜を待て………我が力を振るえる時は、静かに、必ず」
「解った。こういったことは、お前に任せる」
幼女の言葉に頷き、夜を待つ。
昼は普通に授業を行った。
「せ〜んせ、今日の授業終わりでしょ? あたしと良いことしようよ〜」
「それが素面のお前からなら、俺は断るつもりはないが今は駄目だ」
「おい! セフィアから離れやがれ!」
アクトはセフィアが好きらしい。
で、このセフィアは一見遊んでいるように見えて、その実男子と手を繋いだことがない。
初恋の相手である引っ越してしまったお兄さんの気を引くために手を出しやすいキャラを演じてるらしい。いる? この設定………。
「では、向かおう。『大回廊』の奥へ」
「それは構わないが…………あちらはどうする?」
「好かれるのもまた宿命、か」
「まあ、成績優秀者だし問題ないだろう」
二人が振り返ると2つの影が慌てて隠れる。
「出て来い、ソ……セフィア、アクト」
「「………………」」
名を呼ばれ大人しく出てくるセフィアとアクト。セフィアはチラチラ幼女を見る。
「先生…………その………その子は? まさか、娘!?」
「こいつはフェルズ。こんなナリではあるが俺の友人だ。娘ではない、娘は別にいる」
「な、なぁんだ………え、娘はいるの!?」
「あんた結婚してたのか!?」
「いや、未婚だ。今のところ誰かと結婚する気もない」
それは本音。地上に進出したモンスターを全て排除するとは流石に言えないが、黒竜を倒し天秤を人間に傾け終えてからでなければ誰かと結ばれるなどできようはずもない。
まあ、特定の誰かと結ばれるのが一番困難な気もするが…………。
「未婚で父!? えっと、どういう!?」
「養子だ」
「な、なるほど?」
「戯れはそこまでだ」
「……この幼女なんか発言がいちいち偉そうだな」
「私は余興に付き合う気はない」
そう言ってスタスタ歩き出す幼女。3人もその後に続く。
「それにしても『大回廊』………俺達まで良いのか? 立入禁止のはずだろ?」
「教師の俺がいる」
「学院の七不思議が関係してんの?」
「七不思議?」
「知らないのかよ。あんたら教師がそこに行くなって言ってるくせに」
「『湖畔の古城』、『13番めの部屋』と並ぶ学院七不思議じゃん」
七不思議………この世界にもその手の噂があるようだ。
「『魔竜』、『悪狼』……『大蛇』……恐ろしい魔物が住み着いているって聞いた」
「恐ろしい魔物、か……」
『獣王の毒牙』は手元にはなく、代わりに学院支給の安い剣を持たされている。どの程度の強さが知らないが、この剣が壊れぬ程度の力で戦えるといいのだが……。
「実は教師達の秘密のお宝でもあるんじゃねえの?」
「あったとしても俺は知らん。で、残りの4つは?」
「「知らない」」
「…………七不思議とは?」
「所詮は虚構………箱庭に蔓延る噂の数など、数える道理もない」
「………ほんと偉そうだなこのガキ」
「私の理解者は彼を措いて他にいない」
「それは聞き捨てならんな、小娘!」
と、不意に声が響いた。
「私こそが! ボルト先生の一番の理解者なのだから!」
教室の外からヴァルドを覗いているフィルヴィスだ。教室に入ってこないし会話もないから彼女の設定の詳細を知らない。
「お前は………誰だ?」
「え、忘れたの先生!?」
言葉を考え思いつかなかったので、割と失礼な聞き方をするヴァルド。
「はぅん!! まさかの、他人のふり!?」
なんか、悦んだ。
「ふ、ふふ………忘れているなら教えてやる。私はフィリウス・アスタロス! 悪の魔法使い! そして、愛しのボルト先生のストーカーだ!!」
「……………………」
ヴァルドは思わず言葉を失った。
「ボルトに付き纏うこと週7日! 週休なにソレ美味しいの? と言わんばかりの現代社会が生み出した闇そのもの!」
「先生の入浴を何度も覗いて、宿直室のシーツや下着を何度も盗んだ魔法学院のモンスター! 因みにあたしの秘蔵写真と交か………ゲフンゲフン!!」
どうやらセフィアはフィリウスと取引しているらしい。早く正気に戻してやらないと、悲惨な結果に………いや、もう十分悲惨だ。
「さあボルト先生! 早くお風呂に入ってベッドで横になるんだ! 私は残り湯を堪能し、先生が起きた後のベッドで温もりに包まれよう!!」
「…………流石に、キツイな」
「!? はぁ〜〜ん! 幸せぇ〜〜〜〜!!」
もっと悦んだ。
「悪いが『大回廊』の先に用がある。どいてくれ」
「よし、ならば私もついていく」
「………………そうか」
『大回廊』の先に辿り着くと、広い部屋に出る。
そして………来た。
「下がれ、お前達」
「先生?」
ズン、と地面が揺れる。突然気配が現れた。
「グオオオオオオ!!」
「な、竜!? まさか、あれが魔竜!?」
「おい悪の魔法使い! あれなんとかしろ!!」
「ふっ、私は爬虫類恐怖症なのだ」
「「使えねぇーーーー!!」
そんなやり取りをしている間に魔竜が叫び、周りからもモンスターが現れる。
「………ん?」
と、更に現れた強大な気配。眼の前の魔竜や、周りのモンスター達を合わせてもまるで追いつかない巨大な気配が…………
ズドォォォォォン!!
「うわあああ!? こ、今度はなんだ!?」
「更にでかい爬虫類なら、私は気絶する」
「自信満々に言うなぁ!」
現れた巨大な
「…………………………」
「…………………」
「!? 何だ、この怪物は!!」
幼女も困惑している。彼女もこのモンスターについては知らないのだろう。ただしヴァルドは知っている。
「俺の剣だ」
「は、剣? この怪物が? 何処をどう見たら剣に見えるんだ!!」
「先生、混乱してんの!?」
「ふぅ、よく見たら哺乳類っぽいな。うん、良かった良かった」
と、三者三様の反応を見せる。幼女は何かを察したように怪物を見上げる。
「俺を探していたのか? 苦労をかけ──」
「グオオオオオオオオオオ!!!」
ズドォォォォン!!ブチッ
怪物はヴァルドを前足で踏み潰した。
「「「ええええええええええ!!?」」」
今回の幼女翻訳
◆「『創造主』は待っている。故に上だ。上しかない。上なのだ」
◇「この世界を創った者が居る。ソレをどうにかしなければ帰れん」
◆「この箱庭を作りし、悪夢の元凶。神々の支配より脱却せし世界の意志達」
◇「ここは夢のようなものだ。作り出したのは、墜ちた精霊達」
◆「…………我らを遮る言葉に壁はない」
◇「…………よく私の言っていることが解るな」
◆「夜を待て………我が力を振るえる時は、静かに、必ず」
◇「夜には少しだけ力が戻る。私の力が必要とは思えないが、動くなら夜だ」
◆「好かれるのもまた宿命、か」
◇「お前はどこに行っても好かれているな」
◆◇
なんか思ったより筆が進んでヒロインも増えたので聖夜祭デート再アンケート
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家族仲良く リヴェリア、アイズ
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一度実家へ アルフィア、ベル
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聖夜祭だろ シル、ノエル
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夫婦水入らず リヴェリア
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義母義父のみで アルフィア
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街娘と日常を シル
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最も美しい女神(ヴァルド評) アストレア
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聖夜と言ったら聖女 アミッド
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ツンデレ大和撫子 輝夜
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一人で過ごす男達の為に オッタル
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一人で過ごす男達の為に アレン
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あるいはこんな世界 ディース姉妹
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聖夜祭は店も大忙し 豊穣の女主人
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何やらおかしな実験に フェルズ
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ダンジョンデートだ 椿
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ドロドロ依存 フィルヴィス