オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
原作キャラも己が理想を押し付けている事も止められるべきことをしているのも自覚があるので挫折や己を止めること自体には失望しません。膝を折ることを許しても立ち止まるのは許しません。なので
因みに膝を折るのは何もかもやりきった後じゃないと許さないし認めないしそれが押し付けとは自覚してるがそれはそれの破綻者。
あと折れたくせに理想を語ったり誰かに折れた責任を押し付けるのはNG。ただし自分に押し付けるのは問題ないやっぱり破綻者。
ヴァルドの声優イメージは梅原裕一郎さんにすることにしました
「触れるな」
男も女も問わず魅了するであろう熱に浮かされたリヴェリアに、ヴァルドは肩に手を置き肢体を押しのけ拒絶を叩きつける。
その瞳はリヴェリアではなく、もっと奥へと向けられていて。
「何度も叱られている。何度も止められている。聞き入れる気はないが、俺は俺が異質であることを理解している。俺がまだ人でいられる理由があるとしたら、偏にリヴェリアのおかげだろう」
もし誰も止めずに走り続けていたなら、道を間違えていたかもしれない。ヴァルド・クリストフは英雄ではない。英傑ではない。
道を間違えることもあるだろう。間違いだと気付くことなく進んでしまっていた未来もあったかもしれない。
「引き止めたのはリヴェリア達だ。正してくれたのはリヴェリア達だ。俺を見捨てず、叱り、道を示したのは他でもないリヴェリアだ。リヴェリアが俺に止まれというのなら、受諾はしないがその言葉を聞こう。リヴェリアが折れ、膝をつくというのなら、共に戦う者ではなく庇護すべき存在として守ろう」
「な、なら………」
「だがそこまでだ。今の
名ではなくお前という呼び方に急に変わり、滲み出る敵意が増す。
「リヴェリアが俺を止めるために体を差し出すわけがないだろう。拳や魔法が先に出る。そうでなくとも、彼奴は何時だって言葉を紡ぐ」
言うべき言葉を聞かせるために拳骨が飛んでくるが、言うことを聞かせるために体を使うなどありえない。それがリヴェリア・リヨス・アールヴだ。
「未練があるなら晴らしてやる。願いがあるなら叶えてやる。望みがあるなら果たしてやる。だから、大人しくしていろ」
「なに、を………?」
「お前達ごときがリヴェリア・リヨス・アールヴを穢すな。リヴェリアは俺が知る最も高潔で美しいエルフだ……!」
「っ!!」
怯えるようにリヴェリアを包んでいた瘴気が内に引っ込むのを確認し、ヴァルドは肩に添えていた手を放す。
「…………」
「戻ったようだが、どうかしたか?」
「どうかしたか、ではない!」
耳まで赤くなりヴァルドを睨むリヴェリア。自分の何がそこまで彼女を怒らせたのか、と先程の台詞を思い出す。
──リヴェリアは俺が知る最も高潔で美しいエルフだ
「………言われ慣れた言葉だろう?」
「それは、そうだが………ええい! もういい!」
「それと、どうやら今のやり取りが『強引な彼に迫られる』を達成したらしい」
どうやらヴァルドに怯え引っ込んだものの、満足していたらしい。これで4つ、あと2つだ。
「さて次は…………『聖夜祭を抜け出して、二人で人気のないところで愛を語る』…………か」
「人気のないところ………恋人としたいこと、ということは………まあ路地裏では駄目なのだろうな」
実際今のところ反応はない。となれば、人気がなくかついわゆるロマンチックな場所となると……。
「森、か………」
「月明かりでもあれば、もう少しいい雰囲気になれたのだろうがな」
セオロの密林。オラリオの近くに存在する森だ。市壁を飛び越え、その中に存在する泉までやってきた。
「よくこの場所を知っていたな」
「以前
銀の少女を思い浮かべ疲れた顔をするヴァルド。まさかここに来た理由が料理の材料集めで、しかもモンスターの卵を使うとか思わなかった。
まあ前方不注意で彼女が持っていた材料をぶちまけてしまった自分が悪いのだが………試食させられた後『耐異常』がワンランクあがっていた。
「その際ここの泉を知った………あの時はまだ暖かったから、あいつははしゃいでいたな」
あとこっそり監視してる猫が鬱陶しかった。
「そうか………本は?」
「反応している。ここで愛とやらを語れということだろう」
「…………愛、か………そ、それはその………ああ、愛していると言えば良いのか?」
「恐らく」
森の奥で2人きり、その上愛を語るとなればそれこそエルフの少女が夢見るそれだが、相手はヒューマン。親友に人と結婚したエルフがいるのだからそれを否定する気はサラサラないが寿命という覆しようのない種族を考えると、やはり相手は同種のほうがいいだろう
(いや、だがヴァルドはLv.5のランクアップで『不老』というアビリティが発現していたな)
発現したのはヴァルドが初なため詳細は不明だが、まあ名前からして歳を取りにくくなるのだろう。だとするなら、別に自分とも……
(って、何を考えている!? ただヴァルドにはエルフと添い遂げるという未来もあるというだけだ。私には関係ない!)
それよりも愛について語る。愛、愛か………とリヴェリアは考え込む。愛とはなんだろうか?
この場合恋愛なのだろうが、考えたこともない。里にいた頃は王族たる自分は何時かハイエルフに近い血筋の、所謂高貴な血筋と子を成させられるのだろうと考えていたし、里を出た後も恋愛について考えたことはない。アイナが年下の男性と付き合ったのを知った時は驚いたものだ。
母親代わりはしても、夫が居るわけではない。ノアールやダイン、ラウルが未亡人だなどと好き勝手言っていたな………。
「お、お前はどうだ? 愛について、なにか知っているか?」
「…………愛、ね。そういう意味でなら、俺には嘗て恋人がいた。お前達と出会う以前だが」
それはつまり12歳より前?
ませていたんだな。
「まあ浮気されて相手に………殴られたが」
「…………は?」
「それとも俺が浮気相手だったのか。今となってはもう解らんが………そうだな、俺は彼女を愛していたよ」
「…………そうか」
「だが愛についてそれで知ったかと言われると、自信をなくす」
「…………は?」
恋人がいたのに? と困惑するリヴェリア。
「………好きだの何だのは、結局その時にしか解らん。過去の記憶は過去のもの、今それを感じ取れるかと言われれば………やはり解らない」
「………つまり?」
「今誰かに恋をしていない俺には解らんということだ」
と、肩をすくめるヴァルド。恋をしたことのない90代に、恋はしたことがあるが解らない20代。話は終わりだ。
「だから、これだけは言える。もし仮に彼奴が俺の前に現れようと、お前やアイズに向ける以上の感情を向けることはないだろう。それを愛というのなら、俺はかつての恋人よりお前達を愛している」
「 〜〜!?」
再びボッ、と耳まで赤く染まるリヴェリア。確かに今の発言は誤解を生む、と理解したのかヴァルドは慌てて訂正する。
「今のは誤解を招くな。忘れてくれ」
「誤解……? 嘘、なのか?」
「……………嘘では、ない」
悶えていたリヴェリアが顔を上げ見つめると、必然的に上目遣いになる。ヴァルドは息を呑みながら、なんとかその言葉を口にした。
「っ………今ので、良かったらしい。呪いは最後の一つだ」
「あ、ああ……そうか。最後は…………」
妙な空気を誤魔化すように、リヴェリアは呪いの書を開き、固まる。
「…………『キス』」
また何やら様々な欲望が見え隠れ……隠れてないわ、欲望丸出しのシチュエーションを綴られていたが、要約するとキスをしろというものだ。
「よし、死のう。【終末の──」
「はやまるな!?」
「ええい離せ! キスだと!? 70年以上歳の離れた子供と!? できるかぁ! だがしなければ誰かれ構わず口説くというのなら、私はここで死を選ぶ!」
「だから落ち着けぇ!? フレイヤも似たようなことをしているが讃えられてるだろう?」
「神だからな! ハイエルフの私がそのようなことをしてみろ、都市の………世界中のエルフが発狂する!」
「お前が死んでも同じだ! あと【ロキ・ファミリア】のメンバーもな!」
杖を喉に当てながら詠唱を唱え始めるリヴェリアを慌てて止めるヴァルド。Lv.6と5とはいえ、前衛職のヴァルドの方がリヴェリアより『力』がある。
「【サータン】!」
「アイズはどうする。お前が死ねば、あの子の心にまた傷をつけるぞ」
「っ!!」
娘のように可愛がっているアイズの名を出され固まるリヴェリア。
「だが………だが! それでも、キ……キスをせねばならんのだろう!? しなければ誰彼構わず口説き、しかしするとなると………お前と!?」
「そうだな。せめて歳の近い………とは言わずとも、お前がキスしてもいいと思える相手を見繕うべきか………」
「……………」
「【
「本気で言っているのか?」
「まあ確かに彼奴はフレイヤを敬愛しているが………」
「そうではなく、お前は私が誰かと口付けをしてもいいと、そう言ってるのか!?」
リヴェリアの叫びにヴァルドは黙り込む。
ヴァルドにとってはこの世界における第二の……『記憶』が戻る前の記憶が曖昧なことを考えるなら、この世界における親であるリヴェリアが誰かとキス………それは、まあ面白くない。ないが……
「それでお前がこれ以上恥辱を味わわずに済むというのなら、是非も無し」
「…………そうか。だが私が嫌だ………他の誰かと、キスなどと。せめてお前が…………いいや、お前がいい」
「っ………その言い方は、卑怯だ」
「ふっ。だが、今日ほどヒューマンや獣人に老婆扱いされる年齢に感謝することはないだろうな」
「?」
唐突な自嘲じみた言葉に首を傾げるヴァルド。
「私のような年齢の者に、ヒューマンのお前では欲情すまい? ふふ、とはいえ年齢が近かったら私の方がお前に恋をしていたかもしれんな?」
「…………やめろ」
「なに?」
リヴェリアがヴァルドの言葉に首を傾げるとヴァルドが、リヴェリアの肩を掴む。
「先程迫られて、興奮しなかったと言えば嘘になる。ああ、あの呪いがお前の体で余計なことを言わなければ我慢できなかったかもしれん。お前はそれほど魅力的だ。だから、そういう言葉を軽々しく言うな。お前にとっては子供かもしれんが、俺だって男だ」
「………はい」
思わず敬語で返すリヴェリア。顔が熱い。
鼓動が五月蝿い。
頭の中がぐるぐるする。
興奮した? 自分に? 我慢出来なかったかも? 我慢してなかったらどうなった!?
「………それで? 俺はこのとおり、お前を女と意識してしまうが今からでも別の相手を探すか?」
「あ、え……………あぅ……うう!!? や、やはり無理だ!」
バッ! と距離を取るリヴェリア。赤くなった顔を少しでも隠そうと両手で顔を覆う。
無理だ、とにかく無理だ。男、そう男だ。育てた子供とかそう言うの抜きにして男なのだ。そんな彼と、キス!? 無理だ!
「うっ!?」
と、バクバク鼓動を打っていた心臓に不意にズッグンと別の痛みが走り、リヴェリアの体から黒い何かが溢れ出てくる。
「リヴェリア!?」
『あ、あああ…………あああああ!! 後、少し……後少しだったのにいいい!? このヘタレ妖精!』
怒声と共にリヴェリアの体から飛び出してきたのは、一言で形容するならドレスを纏った黒いミイラ。痩せ細った不気味な痩躯が煌びやかなドレスに包まれているというアンバランスさが、不吉さを際立たせる。
一目で理解する。あれこそが、今回の
「【我が名はアールヴ】!」
『遥か年上を女としてみてくれるのよ!? 何でキス………なんて?』
「【ウィン・フィンブルヴェトル】!!」
『あああああああ!?』
純白に輝く光が天へと登っていく。怨念の塊を一瞬にして消し去るほどの怒りという感情がこもっている吹雪は
冷やされた雲が雪となって降り注ぎ始めた。
「よし、ヴァルド。このことは私達だけの秘密だ。いいな?」
「ああ…」
ヴァルドは頷くことしか出来なかったという。
「リヴェリア! 師匠!」
「おーう、二人共帰り遅かったやん。二人揃って朝まで帰ってこんのかと心配したで〜?」
「そんなわけあるか!」
ロキの言葉にリヴェリアが叫ぶ。駆け寄ってきたアイズはリヴェリアとヴァルドの手を掴む。
「せーやさい、何でしょ? 一緒に周ろう?」
「…………ああ、そうだな」
「俺も周るのは初めてだ。まずは、聖夜限定ジャガ丸くんでも買いに行こう」
Fin.
間違った道の例
「いいぞ本気か、覚醒したか? 限界点をいくつ超えたよ!!」
「アルゴノゥトなら出来だぞ? アルゴノゥトなら出来たぞ? アルゴノゥトなら出来たぞ?」
追記
ヴァルドはリヴェリアと組むと一切後ろに攻撃を通さないことから神々に通り名で『
なんか思ったより筆が進んでヒロインも増えたので聖夜祭デート再アンケート
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