なんだか筆が乗ったので続きました
「さて、方針が決まったとなるとこれからどうする?魔法あり、魔王ありの世界ならドラクエみたいに当然魔物だっているだろうし、肩慣らし程度に実力を試す?」
「そうだね、この世界全体で僕たちがどれだけの実力なのか、自分達が思った通りの力を出せるのか、そこら辺の適当な魔物でも的にして測るのも良いかもね…それと_
街の風景に似合わない風貌と姿をしている四人組は確かに視線を少なからず集めていたがチラチラと興味本位で見ている人たちではなく、この世界に転移してきたばかりの自分達を監視していた人物に対して安心院さんはピンポイントでその存在に知らせる。
「あちゃーやっぱりバレてたか、ごめんねージロジロと観察しちゃって」
近くの建物の影から現れたのは髪の白いショートヘアーの頬には刀傷が付いている華奢な体躯の少女だった。
「フ…隠れてコソコソせずとも、妾たちはお主を取って食おうとはせぬ。もっとも妾たちの格好が見慣れぬのだから警戒も納得じゃがのう」
至って普通の会話に聞こえるが羽衣狐の本来の原作を知っている仲間たちは「とって食おうとしない」という発言に内心少し肝を冷やした。
「そうそう、それと僕たちね、この街に来たのは良いけど右も左も分からなくてね、君がよかったらでいいんだけど…この街のことそれから魔法を使っても怒られないような場所を教えてくれると嬉しいなって思うんだけど、ちょっとした観察料としてどうかな?」
白蘭はあくまで柔和な態度をとっているがいかんせん言動から怪しさが滲み出ている。胡散臭い
胡散臭い集団に属して、胡散臭く話すので当然と言えば当然だろう
「へーやっぱり見慣れない格好してるから貴方達はこのアクセルの街に来たばかりなんだね、いいよ私も暇だったし。あっ、私はクリス、職業は盗賊をやってるよ」
しかし意外にもクリスと名乗った少女は何も気にせず名乗りまでこなしていた。
「女の子に先に名乗らせちゃった。僕は白蘭、職業は…気持ち自警団かな?ヨロシク」
「妾は羽衣狐じゃ、妾も職業は気持ち自警団かのう」
「僕の名前は安心院なじみ、僕のことは親しみを込めて安心院さんと呼んでおくれ。それと学生だったからまだ働いたことないんだヨロシクね」
「最後に私が藍染惣右介という。趣味は紅茶を淹れることだ、よろしく」
「うんうん、ビャクランにハゴロモにアンシンインさんにソウスケだね!ヨロシク」
◆◆◆
「ということで、このアクセルの街は魔王城から一番離れたところにあって、駆け出し冒険者の街なんて呼ばれたりするんだ」
商業区、居住区、からなるアクセルの町を散策し一通りの説明が済んだところで一同は一際大きく活気のある建物の前で立ち止まる
「最後にここが冒険者ギルド、冒険者になる場合はここで受付をする必要があるんだけど、君たちはもちろん冒険者になるんだよね。だったら駆け出し冒険者が利用する狩場に行くよりも先に受付を済ませちゃおうか!」
「いや、その必要はないよ。先に狩場まで案内してくれればいい」
藍染はクリスの提案を断る
「そう?冒険者になって冒険者カードを貰ってからの方が色々都合がいいと思ったんだけど」
「そうだね、いい機会だからここで宣言しておこう。私たちは冒険者になる気はない_これは決定事項だ、
「…ッ!!」
クリス_女神エリスは藍染の言葉に面食らっていた。彼女の中では一体いつから自分の正体がバレていたのか、どこまで自分の目的がバレているのか目まぐるしく頭の中でその思考を回転させ、その影響で一言も発せずにいる
「ハハハ、惣右介くんバラすのが早いよ〜」
「惣右介のことじゃからもっと引っ張ると思うておったんじゃがのう」
「僕はてっきり狩場とやらで力を見せつけてから、女神だとバラすのかと思ってたぜ」
藍染だけではなく他の面々も最初からクリスは女神であると看破していた。恐るべしラスボスもどき達
「…いつから私の存在に気づいたの?」
「いつからか_一体いつから、自分の正体がバレないと錯覚していた?_君が私たちに向けていた視線のそれは好奇心や興味でなく、警戒心や懐疑心だった。あの段階で私たちにあのような目を向けられるのは女神アクアの関係者_現地にいる別の女神というのは考えられることだろう」
「ここにいきなり転移してきて「あれ?こいつらいつのまにいたの?」って驚いたりびっくりすることはあっても「危険だ」って思わないもんね〜」
「だから妾は取って食おうとはせぬ_と言ったんじゃ」
「あれだけ警戒されてたらスキルを使わなくても嫌でも気づくぜ?」
「ふー、全部バレてるならしょうがないね。私は天界からのお知らせで、強すぎる力を持って転生してきた貴方達を観察しにきたの。それに魔王に成り代わるなんて言葉も聞こえたなら黙って見ているわけにはいかないよ」
クリスは女神アクアの尻拭いとして女神以上のスペックを持って転生してきた存在の観察を天界から任されており、彼らが転生してきた瞬間からその様子を窺っていた。不確定要素の塊どもなので当然と言えば同然だろう
「なるほど、それについては私たちの平穏さえ守られるなら心配する必要はないさ」
「平穏さえね…とてもじゃないけど信用できないわ」
クリスはピリついた視線を藍染へと向けた。
「信用か…何事も線引きというものがある様に、信頼関係というのはすぐ構築できないが、行動と結果でその信頼を稼ぐことはできる。その行動を見てもらうぐらいでしか私たちは君を納得させることはできないがそれこそ信用してもらう他ないさ、それに話し合うことが知的生物の美学というものだろう?」
「それと魔王に成り代わるってのも本当に最後の手段だからそうそう起きることはないと安心してもらっていいぜ、安心院さんだけに」
「…それじゃこれだけは教えて、その大きすぎる力を持って冒険者をしないし魔王も討伐しない…それなら貴方たちはこれから何をなそうというの?」
「ふっ、私たちの目的は_」
藍染が口にした言葉を聞いたクリスは目を見開いた。
◆◆◆
「あの雰囲気を作ったのは私だが、まさかあのまま私たちと同行するとは思わなかったね」
一向はクリスの案内のもと駆け出し冒険者が利用する低レベルのモンスターがいる狩場へと案内された
「どうせ遠くから観察しても看破されるだろうから、近くで見ても遠くで見ても変わらないなら一緒に行動する方が効率的よ。それに貴方たちの目的が本当なら私に危害を加えることはないでしょうし」
「なんとも思いきりが良いというか、図太いというか流石に肝が据わっておるのう」
「確かに、でもそういうの嫌いじゃないぜ」
「おや?ねーねーあの大きなカエルがモンスターってやつ?」
一同は狩場に着くと白蘭は大きなカエルが数体ほど土の中からひょっこりと頭を出す場面を目撃する
「そうよ、あれはジャイアントトードと言って家畜を食い荒らす今の時期はよく見るモンスターね。ちなみにジャイアントトードの肉はなかなか美味しいわよ」
「なるほど、ちょうど人数分いるけどまず誰から行く?」
「そうじゃのう、では先に妾が行くとしよう。惣右介は斬魄刀を、白蘭はマーレリングと
「すぐ作れるけど確かに時間も勿体無いし最適だね」
「羽衣狐ちゃん頑張れ〜」
一同から前に出た羽衣狐はジャイアントトードに向けて歩を進める。
「尻尾でケリを付けるのは面白くないから、刀で切りつけるとするかのう」
羽衣狐はジャイアントトードに近づきながら何処かから現れたスクール鞄を左手に持ち、中に手を突っ込むとその鞄に入るはずのない2尺6寸(約78.8cm)ほどの抜き身の刀を取り出す。
「三尾の太刀」
太刀の間合いに入ると袈裟斬りにジャイアントトードを切り付けると振り返り一同の元に戻るため再び歩を進め、羽衣狐の背後からズシンと重たい物が落ちる音が聞こえた
哀れカエルさん、無惨にその体を斜めへと別れ絶命させた。
「フム…わかっておったが、問題なく能力が使えるのう」
「おおー」
「低レベルのモンスターらしいが流石だね」
「見たところやろうと思えば多分魔王って存在も羽衣狐ちゃん一人で倒せるんじゃないかな、そこんところどう思うんだい女神サマ?」
「…多分タイマンに持ち込んだら倒せると思う」
強いと聞かされて軽くではあるがその力の一端を目撃したクリスは戦慄した。確かに強いがこの羽衣狐より強く伸び代があるチート持ちの勇者候補は他にもいるが、それでもほんの一握りだったからだ
それに目撃したのはほんの一端でこの実力なのだからまだまだ力を隠しているのは明白だった
「じゃあ次は僕かな、出来立てほやほやのマーレリングと匣兵器をもらったしタイミングとしては順当でしょ」
次に名乗りを上げたのは白蘭だった。その指には楕円形の宝石に翼の生えた装飾が施された指輪をはめ、白色の豪奢な装飾が施されている穴の空いた正立方体の掌サイズの箱を反対の手で持っている
そして白蘭はマーレリングに死ぬ気の炎を灯すとその箱に死ぬ気の炎を流し込んだ
「
2mほどの真っ白な龍は匣から飛び飛び出し、白蘭の右腕に緩く巻き付くと真っ直ぐにジャイアントトードに飛び込んでいきその胴体を貫通させた
哀れカエルさん、その胴体に大穴を開け絶命させた。
「うんうん、マーレリング始めて使ったけどこの調子なら
クリスはまだこの中では人間らしい側面を持っていた白蘭に対して、彼はこの中では控えめだろうと心のどこかで決めつけていたが、そんなことはなかったと淡い希望を摘まれてしまい顔を引き攣らせた
「お安い御用さ、僕もスキルを使う経験にもなったし。ただ、惣右介のほうは浅打でよかったのかい?僕なら鏡花水月をそのまま出せたけど」
「構わないよ、浅打から慣らしておかなければいざという時に斬魄刀に臍を曲げられてしまいかねないからね」
藍染は安心院さんから受け取った刀を腰に刺し、さすりながら安心院さんに答えた
「残るは私と安心院さんだけになってしまったが、なんとなく…いやきっと私から行った方がいいだろう」
何かを察した藍染はその場から一歩進み遠くに見えるジャイアントトードの一体に向けて人差し指を向けた
「
その瞬間、ジャイアントトードに突き刺さる様に光の板が六枚現れジャイアントトードの動きを封じた
「
そして藍染の人差し指から迸る雷が一閃するとジャイアントトードに直撃し、その身を黒く染め上げた
哀れカエルさん、身動きも取らせてもらえず真っ黒焦げにされ絶命させた。
「おーやっぱりオサレだ」
「フム…オサレじゃのう」
「黒棺を使わなくてよかったのかい?」
「黒棺の安売りは好ましくないよ、使うべき盤面で存分に使わせてもらうさ」
クリスは唖然としていた。この世界の魔法ではない別の技術の別の技のそれは、この世界の上級魔法のそれと同じ威力を持ち、発生速度とナンバリングからその多様性を持ち得ていることを驚き、もはや一周回り興味さえ示した。
「さーて、最後は僕だね。低レベルのモンスターだけど非力な僕としてはせいぜいギリギリのバトルを繰り広げるのが精一杯かな」
安心院さんは軽く伸びをすると何かに身構えてクリスを除いた安心院さんの仲間たちはやや離れその行動にクリスは疑問を持ったが直後その疑問の正体がわかった
【火を司るスキル
「そして最後に『スキルを数えるスキル
哀れカエルさん、いったい前世でどんな悪行を積めばここまでの仕打ちをやられるのか…チリすら残らないオーバーキルによりその身を絶命させた。
「安心院さん、分かっておったがやはりやりすぎじゃろう」
「ハハ、これはもう笑えてくるよね〜」
「わかってもらえたかな、クリス。これが全知全能と呼ばれた安心院さんという存在だ…クリス?」
クリスは立ったまま失神していた。
お疲れ様でした。
カエルさん…多分前世は独裁者だったりしたのだろうか
やっぱこういうことできますというところを一度見せた方がいいよねって事でギャグテイストにチートを混ぜてみました。この中では一番白蘭が控えめな性能だと思いますね
ちなみに安心院さんのスキルは全部スマホで手打ちでした…疲れました