このラスボスもどき達に祝福を!   作:山吹乙女

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 お疲れ様です

 飽き性なので色々と書いたりしていますがお付き合いお願いいたします。
 いつのまにか評価バーに色がつきました。赤色とか…頑張って目指したいですねぇ


店長!道端に女の子が!

 転生者四人組によって運営している喫茶店ラストエリアは、一階と二階は喫茶店のスペースとなっており、某名探偵なコナンが出てくる喫茶店ポアロのようなビルにはなっていないため、居住スペースは別の家となっている。

 そのため、ラスボスもどき四人組の朝は比較的早くに出勤して開店準備を行う

 

 そして朝早くにモンスターの討伐や遠征に出ることも多い冒険者のために喫茶店ラストエリアの開店時間を早くに設定し、モーニングを提供するため白蘭は日課である店先の清掃をしようと喫茶店裏手から箒とちりとりを持ち、鼻歌混じりでスキップしていた。

 

「Listen to the stereo tonight tonight_おや?」

 

 鼻歌と言っていいかわからない熱唱をしていた白蘭は、赤い服を着たエナンと呼ばれるとんがり帽子によく似た被り物を身につけた喫茶店の前でうつ伏せで倒れている少女を見つけた。

 

「藍染店長!店先で女の子が倒れてたけど飼っていい?」

 

 医学などの知識はないが、白蘭は倒れている人間をヘタに動かすのは悪手だと知っており、店内で開店準備をしている店長の藍染と死んでいなければ大体助けられる安心院さんを頼るため勢いよく店のドアを開けた。

 

「それは事案かな?」

「一人では面倒見きれないだろう?…まぁ、冗談はこのくらいにして僕が見てこよう」

 

 藍染が冷静にツッコミ、机を拭いていた安心院さんは白蘭の冗談に乗った後、店先で倒れている少女の容態を確認し、店内へと少女をお姫様抱っこで運んできた

 

「確認したところただの空腹で倒れているだけだね、もちろん命に別状はないぜ」

「なるほど、であれば意識が戻るまで店内で寝かせておこう」

 

 藍染が椅子を三つ並べたところに安心院さんが少女を下ろすと呻くように少女が声を出した。

 

「うぅ…何か食べ物をください…」

「おや、起きていたか。まだ仕込みの段階だがとりあえずは簡単なサンドイッチとすぐに出せるスープでいいかな?」

 

 少女は藍染の提案をこくりと頷くと、どこか安心した顔をして眠りについた

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

「このハンバーグ美味しいです、なんですかこのソース!!それにこちらのドリアもシーフードの旨味がすごいです!」

 

 空腹で倒れていた少女はすぐに厨房から運ばれたサンドイッチとスープを完食した後、新作の料理だと藍染が運んできた食べ物を次々と平らげていき、ついには普通にメニューから注文を始め今に至る。

 

「すごい食べっぷりだね」

「余程お腹が空いてたんだね、でもこの食べっぷりは見ていて気持ちが良くなるぜ」

 

「ホウ…開店前からお客とは、訳アリかのう?」

 

 藍染と安心院さんが少女の食べっぷりに見惚れていたところに、二階の清掃を終えて戻ってきた羽衣狐が初めて少女と対面した

 

「そうそう、白蘭が店先で倒れているところを見つけてね。何やら空腹だったらしく今たらふく食べさせているところさ」

「それでこの少女の名前はなんというのじゃ?」

 

 その時ガツガツと料理を食べ進めていた少女の手がピタリと止まり、待ってましたと言わんばかりにその口元に笑みを浮かべる

 

「ふっふっふっ、よくぞ聞いてくれました。我が名はめぐみん!紅魔族一のアークウィザードにして最強の爆裂魔法を操りし者!」

 

 持っていたドリアのスプーンを丁寧に置いて立ち上がった後、めぐみんは口元にドリアのお米をつけたまま高らかに名乗った

 

「なるほど、そういうことか…いいぜ、僕も乗ってあげよう」

 

 なぜかめぐみんに感化された安心院さんは両手を広げめぐみんに応えるように妖しくオーラを纏い名乗る

 

「僕の名前は安心院なじみ、この世界で一人だけの悪平等(ノットイコール)にして7932兆1354億4152万3222個の異常性(アブノーマル)と、4925兆9165億2611万0643個の過負荷(マイナス)、合わせて1京2858兆0519億6763万3865個のスキルを操りし人外、僕を呼ぶ時は親しみを込めて安心院さんと呼びなさい」

 

 その時、めぐみんに電流が走る!!!

 

「なっななな…なんなんですか!!そのかっこいい名乗りは!!!今、とてつもない衝撃が私の体を突き抜けました!」

 

 事実厨二病にとって安心院さんの名乗りは劇薬だった。こんな名乗りを聞いて仕舞えば普通の厨二病はおろか、一般人ですら厨二病に目覚めて感極まってしまうには十分すぎる事案だった

 

「ポイントはハッキリと、それでいて落ち着いて強者感を出す事だぜ?」

「師匠と呼ばせてください!アンシンインさん!」

「いいぜめぐみんちゃん、でも僕の鍛錬は厳しい物になる。君に耐えられるかな?」

「えぇ!もちろんです!不肖このめぐみん、最強の爆裂魔法を更なる高みに至らせるための余念は惜しみません!」

 

 怒涛の展開の末、めぐみんと安心院さんは固い握手をしてその意志と強さを表し、晴れてよりこのラストエリアにてバイトが追加された

 

「…一応店長は惣右介なんじゃが…良いのかえ?」

「構わないさ、マスコット枠というのはこのメンバーでは必要な要素だよ」

 

 羽衣狐は「そういう意味では」と口に出しそうになったが、多分他の要因よりこっちの方が面白くなりそうと言った単純な理由によるバイト採用なのだろうと、長年藍染の中身を知る友人の羽衣狐は考えた

 

 

 

◆◆◆

 

「いらっしゃいませ!二名様ですね!」

「いらっしゃい、今日も来てくれて嬉しい限りだよカズマくん、アクアちゃん」

 

 喫茶店ラストエリアにてとんがり帽子を被った少女、めぐみんがエプロンをつけ初日から白蘭の付き添いの元、店員として働いていた

 

「お?新入りですか?」

「確かに見ない顔ね」

 

 カズマとアクアは初入店してから三日間三食全てを喫茶店ラストエリアで済ませるほど味と料金を気に入っており、今日も今日とてモーニングを食べに来ていたわけだが、毎日通っている自分達が見た事ない店員さんが白蘭と一緒にいることに疑問を持った

 

「そうそう、彼女は今日初めて働くことになったんだ。さぁ、自己紹介と行こうか」

「はい!スゥー…我が名はめぐみん!紅魔族一のアークウィザードにして最強の爆裂魔法と最強の師匠を併せ持つ者!私を呼ぶ時は親しみを込めてめぐみんと呼びなさい」

 

 カズマとアクアがめぐみんの名乗りに圧倒され、静止しているところにパチパチと白蘭から拍手が聞こえて来る

 

「見事な名乗りだったよ、安心院さんに感銘を受けてアレンジしたところもグッドだね」

 

 白蘭に褒められ、満足した顔でフンッと鼻を鳴らし、両手を腰に当て胸を張るめぐみん

 

「あの…めぐみんって名前、本名なんすか?あだ名じゃなくて?」

「本名らしいよ、紅魔族って人はあだ名っぽい名前になる傾向があるらしいし、まぁガ○ダムでもマ・クベさんとかルペ・シノさんとかジュンコ・ジェンコさんなどなどいらっしゃるから、そこまで驚くことでもないよ?」

 

 カズマに答えたのは白蘭だが、明らかに比較対象の偏りがおかしかったりする

 

「…地球の認識って進んでるのね、こっちじゃ珍しいわよ?」

 

 やや疲れたと呆れながらアクアは呟いた

 

「おっと、そういえばめぐみんちゃんもうそろそろ特訓の時間じゃなかったかい?」

 

 白蘭は唐突にわざとらしく手のひらでパンッと手を叩く

 

「ああー!そうでした!でもこんなにもお客さんがいるのにアンシンインさんは私に構ってくれるのでしょうか!?」

「その点は抜かりないぜ、めぐみんちゃん」

 

 白蘭の後ろよりにゅっと効果音を出しながら唐突に現れる安心院さん、どこぞの背後に這い寄る混沌を彷彿とさせる

 

「でも今日もかなり繁盛してるぜ?それにここの人が誰か一人でも欠けると売り上げが落ちちゃうんじゃないか?」

「大丈夫だぜカズマくん、僕を何だと思っているんだい?全知全能の安心院さんだよ?_『分身することなんて朝飯前さ』」

 

 安心院さんはカズマと話しながらまるで細胞分裂かのように姿をブレさせていき五人に分身していた。この人外は何でもアリである

 

「そして最後に私が締めを行う。お客様、こちらにご注目ください」

 

 話を聞いていた藍染がカウンターからこちらに来て腰に刺していた刀を逆手に持ち抜き取ると刀を注視するように呼びかける

 

砕けろ 鏡花水月…さて行こう」

 

 パキッと刀から音がなると、藍染の解号を聞いた喫茶店ラストエリアの面々は持ち場を離れて店から出て行こうとする

 

「ちょっと待て!今の何だ!?」

「?…。」

「なんで「ちょっと何言ってるか分からない」って顔してるんだ!」

 

 カズマに突っ込まれ疑問そうに首を傾げる藍染とそれにつられてラスボスもどき共は首を傾げる

 

「何とは…ただ完全催眠に掛けただけだが?」

「もしかしてそうかもと思ったけど、なに平然と完全催眠に掛けてんだよッ!」

 

 藍染の持つ斬魄刀『鏡花水月』は鏡花水月の始解を見た者の五感を意のままに操ることが可能となり、沼地を花畑に、ハエを竜に見せることすら可能となる恐るべき斬魄刀であるが、この藍染の使い方は「自分も安心院さんがなにをするか気になるから見に行きたい」と言った単純な理由で完全催眠にわざわざ掛けた。使い方がしょうもなさすぎる

 

「せっかくだ、君たちも来るといい。いや、むしろそのために君たちを完全催眠から外したのだから来てもらわねば困るさ」

「え…俺たち朝ごはんまだ食べてないんですけど?」

「そうよそうよ!お弁当くらい準備してくれなきゃ行かないんだから!」

「お弁当くらい用意するさ、文句のつけようがない完璧でご機嫌な朝食をね?」

 

 カズマとアクアを宥める安心院さんだが、全知全能の彼女の完璧な朝食とは一体どんなものかと気になった二人はホイホイと付いていくこととなる

 

 

 

 

 




 お疲れ様でした。
 リボーンのOPを聞いてノスタルジーに危うく息の根を止められるところでした




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