デスゲームに巻き込まれました 作:神さまぶっ飛ばし隊
━━ピンポンパンポーン
この音は……校内放送がのやつか。
鬼を倒した直後に流れた放送。果たしてその正体とは。
『皆さんどーも、セイン・カミです』
もちろんカミだよ。
『たった今、最初のオーディションが終了しました。現在生存されてる方々は次の
給食?……なんてええ響きやろうな。腹減ってたからちょうどいいな。うん。
それにしても"最初の"オーディションなんだなやっぱ。
憂鬱だなぁ。
「よし、とりあえずみんな移動しよう」
「せやな。東棟ゆーてたから…」
「あっちだな」
タンクマンや大阪人を始めとした数人が先導して俺たちは理科室を後にした。
▽▼▽▼▽
「俺のちくわ天あげるよ。お前頑張ってたし」
「あ…りがと」
アフロとハラカイのそんなやり取りをぼんやりと眺めながら箸を口へと運ぶ。
食堂に移動した俺たち。『給食』の名の通りまさに俺たちは今給食を食べていた。うん、おいし。
それにしても、こう見てみると生き残りがだいぶ多い。食堂が普通に埋まる人数、やっぱり皆どこかに隠れてたんだな。
「じゃあ私は明石くんにヨーグルトあげるぅ♪頑張ってたもんね!はい♪」
「あ、ありがと…」
涙ちゃんが明石にヨーグルトあげてた。俺も頑張ったよ?ねぇねぇ、頑張ったよ。……いや、よく考えたら特に何もしてなくね?俺。
「神崎くんは約束破ったのでダメです」
「……っ、……」(しゅん)
ですよね。分かりますとも。えぇ…。
「え、あ……う、嘘だよ!頑張ったもんね!ちくわ天あげる!」
「……っ!」(パァー!)
「……すごく分かりやすい…!」
やったぜ!成し遂げたぜ!
涙ちゃんから貰うちくわ天、格別です。
そんなことよりこんなことしてる場合なのか?腹が減りすぎて思考が鈍ってたけどこんな呑気にしてていい状況じゃないよな、これ。
と、そんな時だった。
『ブブ…、そろそろ全員揃った頃ですね』
「「「!?」」」
またもや流れてきた校内放送。
この放送で気を抜いてた皆に未だデスゲームの最中だということを思い出させた。
『まーまー、楽に聞いてください。YOU達は「なんでこんな目にあっているのか」とお思いでしょうが、その問いの前にまず自分たちが学校を休んだクズだということをお忘れなく。出席者たちはもっと頑張っていますから。YOU達は
そのセリフとともに食堂の壁に設置された液晶に電源がついた。
砂嵐の流れる画面。次の瞬間、そこに映し出されたのは、
「っ!?青山ァ!!!」
縄跳びを飛ぶ"青山"の姿だった。
青山……、明石と同じく幼馴染の彼。青山仙一。
やっぱりあいつも巻き込まれてたのか。それにしても縄跳び?どういうゲームをしてるんだ?
「どうしたの?知り合い?」
「あ……うん」
明石の声に反応した涙ちゃん。
まあ、明石の気持ちも分かる。俺も驚いたし。
「おいおい、なんだあれ……何やってんだ?」
「……こけしだね」
人間大のこけしが回す縄。それを飛ぶ青山ともう1人の人。
『映像の彼らはきちんと学校に行った人達です。いわばYOU達とは逆の存在。しかし、彼らもまたこちらと同じようにある者にふるいにかけられているのです。そのある者とはこちら、ハイドン!!!』
カミのその言葉に映された人物。
死んだ目と言うより何も映さぬほどに濁った目に長髪の爪を異様に伸ばした一人の男の顔が映し出された。
不潔だ…!
『彼の名は"神小路かみまろ"。彼は試験を受ける者たちを『神の子』と呼び、彼のやり方で選別を行なっています。それに対して僕は学校へ行かなかった者たち……、つまりYOU達のオーディションを担当しています。YOU達はこのセイン・カミに選別される者達、"カミーズ.Jr"なのです。ここまではよろしいですか?』
カミーズ.Jrねぇ。アホらし。
……でも、腹立つくらいに給食は美味い。ちくしょうめ!
「……あれ縄跳びやんな?」
「みたいだね、ハハハ…」
映像に反応する皆。
一見楽そうに見えるが……、
「あ、引っかかった…」
涙ちゃんの言葉が聞こえた。
その言葉通り青山とは違う別の人が縄に引っかかったようだ。
瞬間に足が吹き飛んだ。
「ファッ!?なんだあの縄跳び!?」
「……引っかかったところから切断されるってことか」
「うぅ…!」
「足が…!」
……グロいな。飯が喉を通っていかねーよ。
この後も俺達もああいう目に合うってなると腹にものは詰めておきたいのに。
その後、足が飛び、飛べなくなったその人は縄が当たる度に少しずつスライスされていき、ついには体の原型が無くなるほどまでにミンチになってしまった。
……ヤバい、出てきそう。
つか、青山もあれやばいだろ。
「あぁ、青山……あぶ…!」
明石も顔面蒼白だ。
でも俺たちが何か出来る訳でもない。見守ることしか出来んのが苛立たしい。
『あちらで数名、こちらで数名選別した後にですね、デビューイベントとして"神の子"vs"カミーズ.Jr"を予定してますので、YOU達戦っちゃいなよ!!!』
……マジかよ。
つまり、神の選別を乗りきったとして、その後は人間同士で殺し合いしろってことだろ?馬鹿じゃね?
『要は学校行ってる奴と行ってない奴、どっちがえらいってこってす♪以上で説明は終わりです。
その言葉ともに放送が終わり映像も途切れた。
嫌に静かになった食堂。
そんな中、
「ふ、ふざんけんじゃねぇよ!!!何で映像切ってんすか!?まだ青山が戦ってるでしょうが!!!」
「ちょ、明石くん…!」
「映せ、映せよ…!」
「おいどーした!落ち着け!」
取り乱す明石にため息がこぼれる。
いやまあ気持ちはわからなくもないよ。そりゃね。明石がここまでにならなかったら俺がこうなってた自信があるし。あれだ。周りが過剰にとりみだしてたら一周まわって冷静になるだろ?それだよ。
とにかく、
「おい」
「っ!?」
テーブルに立てかけてた金棒を手にし先を明石の額に当てる。
え?持ってきてたのかって?そりゃね。これはもう俺の護身用武器ですからね。
「慌てるのもわかるし、不安になるのもわかる。なにか事情もあるんだろうが、でもそれはお前だけじゃないだろ?まずは落ち着け。生きて会うなら冷静に行こう。慌てて足元すくわれちゃ死んじゃうぞ?」
「あ、う……そうだな、悪ぃ…」
「いいってことよ」
明石から金棒を離し、テーブルに立てかける。
ま、偉そうなこと言ってはいるけどこの先どうすればいいのか俺も分からないんだぜ。死にたくねぇぜ。帰って寝たいぜ。
「やっぱり終わりじゃなかったんですね…」
「てゆーか、数名を選ぶって事はここにいるほとんどは死ぬってことだよね?」
「せっかく仲間になったのに、全員生きては帰れねーのかよ…!」
「あぁぁぁぁもう嫌だ!!!芽衣もう帰りたい!!お風呂入りたい!!ベッドで寝たい!!」
顔を手で押え嘆く芽衣ちゃん。
全くもって同感だ。
「芽衣ちゃん、泣かないの!!」
そんな時だった。
━━シャン…シャン…シャン…シャン…
「……何の音だ?」
「「「?」」」
この音は……鈴?
鈴の音が唐突に耳に入ってきた。
『それではそろそろ次のオーディションに移りたいと思います。心地のいい鈴の音が聞こえてきましたねー』
そうですね。それと同時に不愉快な自称神のガキボイスも聞こえてきたね。
『慌てないで!次に何が起こるのかワクワクする気持ちも分かりますが、ゲーム性と遊び後を高めるために少しシンキングタイムといきましょう!僕が先程"しりとり"と言ったのを覚えてますか?あれはオーディションの順番にはついてのキーワードを含む何ですが…、お気づきの方はいらっしゃいますか?』
「……あ、言ってたね」
確かに、豆まきスタート直後に確かに言ってた気がする。
『YOU達の身に訪れた事をよく思い出してください。"二宮金次郎尊徳"の突然の来訪。"くす玉"によるオーディションの幕開け。鬼を退治するための"豆まき"。そして、"給食"。これらは次を示唆するためのおおきなヒントなのでこの鈴の音が意味するものも……』
「あ、しりとりになってるんだ!」
にのみやきんじろうそんと"く"
"く"すだ"ま"
"ま"めま"き"
"き"ゅうしょ"く"
なるほどな。俺でも理解出来たわ。完全にな。となれば、
「次は"く"か…」
『……どうやら着いたようですね』
「おい!外だ!」
「おい見てみろ!」
外?外に何かが来たのか。思えば鈴の音も大きくなってる気がする。
言われたように窓の外に目を向ける。そこに居たのは、
「ほほほーい!メリークリスマス!!!」
空から舞い降りてきたサンタークロースだった。
サンタさんだとぅ!?やっぱり実在してたんだ!子供の夢は終わらない!
『それでは皆さん外へ出て確かめてください。グッドラック。……ブ』
カミの霊圧が消えた。
ひとまず外に出てみるか。そう思いつつ味噌汁を喉へ流し込み腰を上げた。
「学校をさぼった悪い子にプレゼントを届けに来たぞ」
外に出て、開口一番、そりから降りながらサンタがそう切り出した。
「3つの中から1つ選びなさ━━」
そこまで言うと阿修羅のように3つの顔がある頭が回転。気のいいおじさんのような顔から怒り顔のおじさんへと顔が変わった。
「とか何とか言われても選べないだろう。説明してやろうではないか」
「「「!?」」」
「まず第一にプレゼントの中身は『受験票』也。お主ラは3つの受験票の中から1つを選ぶべし。今この場におるのは全部で98名、それがそれぞれ36・32・30の3チームに別れる
そして、また変わる顔。次は穏やかそうなおじいちゃん顔になった。
「ヨーホホ、別れた3つの場所で試験内容は違うのです。であるからして……クリア出来る人数も違うから注意してください。ソレでは3つの違いを紹介致します、ホホホ」
3つの試験。その内容を要約すると、
音楽質と3-Bの教室と体育館で行われる。
音楽室では『いすとり』、3-Bでは『すなとり』、体育館では『あやとり』をやるらしい。
いすとりの定員は36人で最大のクリア数は18人。
すなとりは定員32人で最大クリア数は24人。
最後、あやとりの定員は30人で最大クリア数は10人、と。
「これはお前らの運命を変える選択だ。袂を分かつ三択になるだろう」
「さぁ選んだ選んだチョチョいのチョイス」
「早い者勝ち、売切れ御免」
「「「三択ロースの"ク"リスマスプレゼントだよーん」」」
「……」
最………っ悪のクリスマスプレゼントですね!いらねぇー!!!
と言っても逃げられるわけもなし。やるしかないのかぁ。……はぁ。
「と言ってももう夜は深い。二次試験開始は明朝10時。それ迄は宿泊棟で休むといいよ〜ん。時間を守らない子は……殺っちゃうよん?」
怖…。子供泣かせる系サンタじゃねーか。夢も希望もなかったわ。
「まぁ、受験票は早い者勝ちだけど明日の10時までなら変更してもよし、誰かと交換してもよし……ま、気楽に決めろや」
思わず頭を抑える。
兎にも角にも明日にはまたデスゲームということなんだ。腹を決めるしかないか。
ただ、
「……今回、出番はないかもな」
手にしてる金棒に目を落とす。
鬼みたいにナニカを倒す系じゃなさそうだからな。頭使う系なら今回俺は足でまといになりそうだなぁ。
そんなことを思いながらため息をこぼした。
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