デスゲームに巻き込まれました 作:神さまぶっ飛ばし隊
━━キーンコーンカーンコーン
聞きなれたチャイムの音が鳴り響く
明石も涙ちゃんも戸惑う中、誰かが叫んだ。
「あ、見ろあそこ!朝礼台に誰かいる!」
指さす男子の先、朝礼台の方を見るとそこには1人の少年が立っていた。
『アーアー、マイクテスマイクテス……えー、ご入学おめでとうございます!今!この瞬間から!YOU達は我がごみ箱学苑の生徒になりました!ボクはこの学苑の理事長を務めます。"セイン・カミ"と申します』
……子供だ。どっからどう見ても子供。圧倒的に子供。揺るぎなく子供ですね。まあ、こんな状況だから“普通の子供“じゃないことは分かるが。
『YOU達は学校をサボった
カミキュラム……なんだっけ?確かカリキュラムだっけ?それをもじった感じか。……不覚にも上手いなと思ってしまったじゃないか!
名前もカミだし、ホントの神さま?いやいやいや、ないないない。
『全ての決定権は理事長であるボクにあります。YOU達の中から無事、卒業するものが現れたらその時は……神の力、与えちゃいマスので♡』
……ホシイ!(脳死)
とと、まてまてまずは落ち着こう。怒涛の展開で着いてけないぞ?にのに拉致されて、通行人殺されて、果てには神を名乗って、神の力貰う?わけわかめやぞ。
つかどいつもこいつも説明が足りないっての!ただでさえ馬鹿な俺に説明不足で理解出来るわけないだろ!いい加減にしろ!
ただなんかこう言う映画見た事あるな。
今から君たちに殺し合いをしてもらいます的な。殺し合いして生き残って卒業したら神の力くれるん?
「こ、子供じゃねーか!?」
「お前誰だよ!?」
「保護者呼べよ!保護者!」
「てか何人だよ!」
「国に帰れよ!」
てかすごいな周りの人達。あの子が神だろうが普通の人だろうがなかなかの暴言やで。やめておき。……いやまあ怒りたいのもわかるけども。
『あれ?信じてないみたいですね、神の力。じゃあねー……キミ』
「……あ?」
カミが指さした人物。世の中に中指立ててそうなTheヤンキーの見た目の男。
『特に不満顔してるYOU。こっち来ちゃいなよ』
「あ゛ぁ゛?」
溢れる言葉に濁点が付いた。怒りが有頂天ってか?
カミに指名された彼は眉をひそめ怒りをその身に表しながらもしぶしぶと朝礼台へと上がっていた。
「……何起きんだろな?」
「……さあ?」
「……っ」
隣にいる涙ちゃんや明石にも聞いてみるが当然分からない。ただイヤーな予感はする。アニメやゲーム、映画とかだったらおそらくこの後、彼は見せしめとして神の力とやらを使い殺したりする展開はよくあるが。……てか、もうそれじゃね?それ以外ないよねこれは。だからといって俺がなにかできる訳もなく。
カミをぶっとばすぜーとかなんとか言っていた彼だが、カミに肩を叩かれ振り返り、戸惑いを見せながらカミの口元へと耳を近づけていた。そして、
『歌ァ〜〜唱ォ〜〜力ィ〜〜〜ッ!!!』
「「「…っ!?」」」
たまらず耳を塞ぐほどの声。
明石と涙ちゃんを見てみると2人も耳を抑えていた。
なんつー声だよ。
そんなことを思っていると、朝礼台。そこに登っていた男の体が歪み、そして……弾け飛んだ。
「……は?」
さすがに驚く。体の原型はなく、見えるのは吹き出した赤黒い血。
「う、うわぁぁぁあ!」
「きゃあぁぁぁぁあ!」
周りの人達の叫び声を耳に入れながら足元まで飛んできた血が目に映った。
「……マジ?」
あれが神の力というものなのか。そうでなくともチート能力であることは間違いない。
喧嘩を売っても勝てない相手だな。……今は。
とりあえずはアイツの言うことには従ってた方がいいらしい。
『これが神の力!ララ〜〜〜♬さぁ、始めましょうか!』
カミの言葉に周りに控えていた俺たちを連れてきた銅像が隣の銅像の背負ったゴミ箱を叩き出した。
太鼓のような音色。祭りの光景が浮かんできそうなほどの演奏が始まりそして、カミの背後に現れた巨大な物体。
「……くす玉?」
"くすだま"と大きく書かれた特大級のくす玉がひとつ。
それを背にしてカミは口を開いた。
『それではYOU達に……最初の
そうして、くす玉から垂れた紐を持つ。引っ張ったらくす玉が割れて始まるわけか。……カミキュラムってのが。
『さぁ、始めましょうか。最初の
と、いざ始まるその瞬間に聞こえてきた声。
声のした方を向くと長身な目が死んだガッチリした身体の男が手を挙げていた。
「この状況とその話がマジなら、神の力って何ですか?超能力…?
『……ははっ。ヘイYOU。やる気マンパワーですね』
「……卒業の条件はなんですか?生き残るってこと?だとしたら……」
そうしてポケットから取り出した何か。光が反射して煌めくそれを近くにいた男へと突きつけた。
「ここにいるヤツら全員殺せば俺は神になれるのですか?」
「!?」
……ナイフやん。折りたたみナイフやんけ。持ち込みOKなのかよ。てか、こんな状況になるって話なら俺も持ってきてたよ。
……てか全員殺す?俺も?……ほう、面白いこと言うね。
『……それは困ります。さっき言いましたよね?全ての決定権はボクにあると。その態度も含めてYOU達の一挙手一投足が卒業までの成績に反映されると思ってください。それにYOUだけが生き残るとソロデビューになっちゃう……。僕としては4、5人のユニットを考えてますから』
ソロデビュー、ユニット……あれ?アイドルグループ作ろうとかしてるの?もう分かんねーよ!俺、もうカミのこと分からない!頭をこんがらがらせんな!
『でもその
え?なんか気にいられてるやん。マジ?
「"丑三清志郎"。世界が滅べばいいと星に願うくだらない人間……」
え?なに?なんだって?……もしかして痛い子なの?だからナイフとか持ってる感じ?ペロッて刃先とか舐めるタイプ?
封印されし左手とかある?
『GOOD GUY……!』
あれ?好感触?マジで?……たまげたなぁ(遠い目)
「ねぇねぇ」
「おん?」
カミと厨二病の会話を見てて世界は広いナと感じていたとこで肩を引かれた。涙ちゃんだ。
「どうかした?」
「神崎君、私も一緒にいていい?」
「え?まあ、俺はいいけど……あ、明石」
「え?どうした」
少し離れたところにいた明石を呼び寄せる。
「涙ちゃんも一緒にいたいって。いいよな?」
「え?まあ、うん。……あ、確かにこんな状況だと女の子1人だと怖いよね「別にそーゆー事じゃなくて」……え?」
「キミたちといると楽しそうじゃん。『にの』にもおかしな乗り方してたし、明石君はいちいち驚いた反応面白いし、神崎君も変人って感じするし……私、バカみたいな人好きなの」
……いい趣味してなさるな嬢ちゃん。
バカ、バカ……まあ、うん、否定はしないよ。うん。
『さて、他に質問はありませんか?無ければ最後に
そう言って改めてくす玉の紐へと手をかけた。
ついに始まる。
『YOU達は試されているのです。これは人生を賭すべきカミのオーディション。さぁ始めましょう! ……"しりとり"!スタートです!』
その声とともに引かれた紐。直後に真っ二つに割れるくす玉。
煙が流れ出し、そこに浮かぶ巨大な影。
「……何かいる?」
やがて煙が晴れてくると見えてくる正体。
そこに居たのは、
「何じゃありゃ…」
「鬼…か?」
大小様々な鬼が4体。
胸元に文字が書いてある。あ、"あったか〜い"?
「お?キミ達かわうぃ〜ね♪俺らとちょっと遊ばな〜い?」
うわ、ふつうに陽気に話しかけてきやがった。
ホラゲとかホラー映画とかだと何気に怖いタイプのやつだ。
「アハハハハ!人間なら誰でもいいのかよ!」
「粗相の無きように振る舞われたし」
「
チビ、デブ、しゃくれの鬼。個性豊かすぎ。トンデモフレンズやん。
「こんなHOTな状況で?ムリムリムリ〜!……HOTけないよ〜〜〜♪」
「……解せんな」
そうしてこちらに走り迫ってくる"あったか〜い" 鬼。
「うわっ!?」
「こ、こっちに来た!」
「キモっ!」
「ちょ……どけっ!」
散り散りに逃げ惑う他の人たち。俺達も早く逃げないと。
「神崎!」
「分かってる!涙ちゃんも「
「「!」」
明石に呼ばれ涙ちゃんもつれていこうとしたその時に耳に入ってきた声。この声はさっき聞いた。厨二病ナイフ小僧の丑三だった。
「あいつの口ぶりじゃ生き残るのは4、5人。……
「へ?」
……コイツ…!厨二病をこじらせすぎだろ!?
こんな公開セクハラしてんなよ!馬鹿か!?馬鹿なんだろうなー!
「セクハラはまた今度!今は逃げる!行くよ涙ちゃん!」
「え?あ、うん!」
「……」
背中に感じる丑三の視線が突き刺さりながら涙ちゃんの手を引きその場を後にした。
「なんだ、あの変態!?」
「……丑三だっけ?さっきカミになんか言ってた」
「厨二病なのはいいが、現実と妄想は区別して欲しいもんだぜぃ……」
「ねぇ、2人とも……あれ」
「「え?」」
涙ちゃんが示した場所。俺達のさっきまでいた場所。
丑三がいるその場所で今まさに鬼に捕まった人がいた。
てか丑三のあの体勢、もしかして。
「あのヤロー、もしかしてあの人蹴り飛ばして鬼につかまらせたんじゃねーの?」
「「え?」」
足を前後に軽く開いた状態で少し腰が落ちてる。
あれは誰かに蹴りを入れた後に取ってしまう体勢だ。つまり、丑三は蹴ったんだ。鬼に向かって、今捕まった人を。
だからといって距離も遠い、今から何か出来る訳でもない。
そして、鬼は手にしていた金棒をせ中に差し、捉えた人間に抱きつくように腕を回した。そして、
「超あぢいぃぃぃぃぃぃぃッ!!!」
燃えた。一瞬で。黒焦げになる程に。体がボロボロと崩れるレベルで。
「コゲぽよ〜〜♪」
あったか〜いどころの話じゃねーぞ!
とりあえずアレだ。デスゲームに巻き込まれたらしいな、俺たちは。