デスゲームに巻き込まれました   作:神さまぶっ飛ばし隊

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5んべ

 

 

 

 

 

「「「……」」」

 

鬼が死んだのを確認する面々。

頭は潰れた、体はピクリとも動かない。これはもう勝ちだろ。……とは思うが"もし"が怖いな。

……ま、大丈夫か!

 

「さ、サンキュー丑三…!!危ないとこだった……」

 

遅れて登場丑三に安堵の表情でそう言う明石。

それに対して丑三、変なポーズをしながら口を開いた。

 

「例には及ばない。どうやら俺はお前の行動原理とアイデンティティに恋にも似たような興味を抱いた。ここで散ってしまっては困ると切に願う。丑三清志郎は明石を好きになってもいいですか?

「「「……」」」

 

……何言ってだコイツ?やっぱりホモじゃないか!

 

「え?……は?ちょっと何言ってるか分かんない」

 

うん、そらそうよ。ここで『ええよ』なんて答えてたら俺は明石と絶交してた。

 

そんな変な空気が場に漂う中、

 

「おい、明石!」

「いたぞ!こっちだ!」

 

お?みんなもご到着のようだ。

俺達の登ってきた階段を上がってくるいつもの面々。

 

「バカか、お前ら!!勝手に…!」

「あ、倒してる…鬼」

「……」

「凄い!これアカッシーが!?」

 

続々とくるな。タンクマン、アフロ、涙ちゃん、芽衣ちゃん。みんなそんな心配せんでもいいのに。

 

「あ、いや、それは丑「あぁ、明石がやった」 …!?」

「俺が証人だ。そりゃもうめちゃかっこよかった」

「マジか!?スゲェな!!!」

「やっぱかっこいい!!」

「いや、そんな…!」

「……」

 

おーい、俺も頑張ったよー。おーい。……空気ですねこれ。俺見えてないよこれ。まじかよコレ。

……ま、誰も死んでないならいいか。

そうして明石とみんなのやり取りを眺めていると、

 

「っ!」

 

頬に痛みが!こ、これは…!

 

「なんで勝手に行っちゃうの!!一緒にいるって言ったじゃん!!」

「まっひゃくもっへそのひょーりれふ、はひ」

「次やったら許さいないからね!!」

「……ひゃい」

「明石くんもだよ!!」

「うぇ!?は、はい……」

 

可愛い。けど痛い。でも可愛い。

 

「全く、危険なことはダメって言ったじゃん」

「……ひゃい」

 

俺を見てくれるのは涙ちゃんだけだよ。頬は痛いけどその心遣いはとても嬉しい。我がオアシスです。ありがとう。

あ、離してくれた。

 

「まぁ、何はともあれ……鬼は全部倒せたんだよな、俺達」

 

倒れた鬼の死体に目を向けそう言うタンクマン。

まあ、そのはずなんだが。

 

「え?じゃあクリアなんじゃない!?もしかして帰れる…!?」

「帰れる!?オォラァァァイッ!!!」

「やった!」

 

喜ぶハラカイと芽衣ちゃん。

でも、そこで伊集院君が口を挟んだ。

 

「帰れるって……どうやってだい?」

「「え?」」

「カミはオーディションと言っていた。これで終わりだとは思えないね」

「……そうだな。俺も彼の言うことと同意見だ」

 

アフロもそうだと言っています。

だが、そうだな……2人の意見を聞いてみて確かにと思う部分もある。まだまだ気は抜けんな。

 

ひとまず俺と明石が来るまで鬼から逃げていた3人の女子も新たに仲間に加え、体育館に戻るような流れになった。

金棒は……一応持っておくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナハハハハッ!!!そーかそーか、鬼は全滅したのか!!!やはり我々ティームガゼルの読みは正しかったのだぁ!!!」

 

戻ってきてそうそうに聞くこの声。

 

「……殴っていい?」

 

金棒を構えつつ明石に聞く。

 

「やめとけ…」

「……あたしはやっちゃってもいいと思う」

「私も」

「俺も」

「……やっちゃえ」

 

意外と賛成が多かった。

でもタンクマンに苦々しい顔で肩を抑えられたからやめとく。あの人の胃に負担はかけられまい。

 

「『戦わずして勝つ!』この哲学が証明された時だ!!」

 

……戦わずして勝つってそれ意味が違うと思うのですがそれは。

 

「うおぉぉお!生きた!俺たちは生きた!」

「戦いは終わったんだ!!!」

 

あ、もういいです。はい。

 

「言ってらぁ」

「勝手なヤツらだな、おい…」

「まあ気持ちは分かるかも。鬼はもう居ないんだし…」

 

イラつくアフロとタンクマン。ミツバと呼ばれていた女子は苦笑いで2人にそう言った。

 

「……一件落着?」

「だと思うけど…」

 

隣の明石に聞くが煮え切らない反応だ。

確かに鬼を全滅させたのにカミに動きがない。どうすりゃええんだろ。

 

「あんの……まんだ……」

「え?」

「ん?」

「……っ」

 

今のってあのメガネの子?

喋ったよな?今喋ったよな?

微かに聞こえた声。訛っててよく分からなかったが…。

 

「それではガゼルの皆さん。これよりティームガゼルの生き残りを祝しましてこれより1本締めといきましょう!!あ、お手を拝借!!」

「ぃよっ!キング!!」

「いいねー!」

 

ノリノリで手を出すガゼルたち。

それを見て呆れた表情を浮かべつつも鬼という驚異の去った環境にあんどしたような雰囲気のこちらの面々。

 

……なんだろう。よく分からないし、確証もないけどなんだか嫌な予感がする。

メガネちゃんの言葉がずっと頭に残ってる。

 

━━あんの……まんだ……

 

まんだ、まんだ……訛ってたからそう聞こえただけでもしかして"まだ"って言ってた?まだ終わってない、ってこと?

……それなら不味くね?

 

「いよぉ〜〜〜ぉっ!!……お゛?」

 

そんなことを考えていると今まさに手を叩こうとしていた首領ガゼル。彼の口から唐突に吹き出した赤い液体。

 

「「「!?」」」

「う、うわっ!?」

「キング!?キング!?え、何!?嘘だろ…!死んだ…!」

 

突如のことに慌てる皆。

そんな中俺は見えた。ちゃんと見た。

 

"首から出てた"。何かは分からないけど小さな虫ほどのサイズの何かが首領ガゼルの首から飛び出していた。

 

「へ?え?……何で?」

「おいおいふざけんなよ…!もう終わったんじゃねーのかよ!!」

「鉄砲かなんかか!?どっかから狙っとるんか!?」

 

困惑する涙ちゃん、焦るアフロ、辺りを見渡す大阪人。

とりあえず今はあの虫を早く見つけないと。次に誰かが死ぬ前に!

 

「落ち着け皆!!とりあえずここを一旦離れよう!!ひとまず体育館の外に━━」

 

タンクマンの声が響いた、

そんな中微かに聞こえてきた音。

 

━━ぷぅーーん……ブブブ……

 

これは……羽音か!?

ただの虫の可能性。でも、首領ガゼルを殺したやつの可能性だってある。場所は……っ!?

 

「タンクマン!伏せろ!」

「え?」

 

タンクマンの反応が間に合わない!

俺は咄嗟に彼の元へ飛び出した。

 

手荒になるけどごめんよ。

頭を掴み、そのまま力ずくで地面に倒す。

 

「あぐッ…!!??」

「おい神崎!何やって「ちょっと静かに!!」っ!」

 

明石の声に荒々しげに返した。すまんな。でも、静かにしてもらわなは音が聞こえんのよ。

 

「神崎くん…!?」

 

戸惑う涙ちゃん。その時だった。

 

「5んべいる!」

 

メガネの子。彼女の声が聞こえた。

 

「え?なに?」

「ごんべ…?」

「鬼は4匹でねぐ、5んべ……あ、5匹。5匹いるってことだっペ!」

「いや何言って…!鬼は4匹だろ!?」

「違ぇ!わだす見だ!あのくす玉から鬼さ出てきた時、おめぇらが見た4匹の他にもう1匹……あの1番でっけぇ鬼の肩に小せぇ鬼が!!!」

 

……なるほど。つまるところ"ちいさ〜い"鬼ってところか。ならば納得だ。

だがそれ中々に絶望的じゃね?だってその小さな的に小さい豆当てんだろ?無理ゲーだろそんなん。

 

とりあえず離れないと。

タンクマンごめんな。

胸ぐらを掴み地面を引きずりながら走り出す。少し我慢してけろ。

 

「うぐっ…!」

「タンクマンちょっと我慢してて!」

 

後ろでガゼルの皆さんが血を流しているのを尻目にその場を離脱。

助けるにしてもどうすればいいんだって。

 

「どういうことだよ!?鬼が5匹って…!」

「小さいのって…!?」

「ほらいるっべ!おすこに!」

 

メガネちゃんの指さす方向。そちらを見ても目に映るのは身体の一点から血を吹き出し絶命するガゼルさん達ばかり。

 

どこだ?どこにいる?

 

「ぅく、か、神崎くんだったね。ありがとう」

「おうどいたま。立てる?」

「あぁ、大丈夫だ。早く逃げよう」

 

タンクマンも復活。みんなの元へはしりだすが、

 

「……っ、何してる!?早く!」

 

立ち止まりメガネちゃんの指さしてた方向を凝視してみる。が、見つからない。

どこだ、どこにいる。

 

「……見えるか、神崎」

「明石か、俺は見えん。お前は?」

 

いつの間にか隣に来ていた明石。2人で見つめてみるが、

 

「何してんの2人とも!?いくよ!早く逃げるよ!!」

 

涙ちゃんの急かす声が耳に入る。

だが、ダメだ。

 

「神崎くん!?明石くん!?」

「……見えた」

 

叫ぶ涙ちゃんの声に紛れて聞こえた明石の声。

 

「マジ?どの辺」

「あっちだ」

 

指差す方向。俺には分からないがそれでもガゼルさんの体から血が吹き出した。

あそこら辺にいるのは確定か。でも小さすぎて……、

 

━━……ブブブブ…、

 

「っ!神崎!後ろだ!」

「おう、聞こえた…!」

 

いつの間にか後ろから聞こえた羽音。距離が近い。狙いは俺か。

音を頼りに振り向きざまに金棒を振るった。

 

ガンッと何かに当たった感覚。

そのまま引っ張るように振り抜く。

 

「明石、俺の金棒当たってた?」

「……ああ、クリティカルヒットだった」

「うし」

 

姿は捕えられなかったがそれでも一撃浴びせられたのならそれで良しとしよう。とりあえずさっさと移動だ。明石が見えたのなら俺も無理してみる必要も無いし。

 

そうして、明石と涙ちゃんとタンクマンと共に体育館を脱出した。




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