デスゲームに巻き込まれました   作:神さまぶっ飛ばし隊

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神さまの言うとおりの小説増えてくれ…!


そこをギュッと

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…、何だったんだ?何が起こった?」

 

理科室に戻ってきて開口一番、アフロが息を切らしながら困惑気味に呟いた。

 

「本当に5匹目の鬼なんて本当にいた?」

「私は見えなかった…」

 

芽衣ちゃんや涙ちゃんも肩で息しながらそんなことを言う。

でも、

 

「居たな。俺は殴った」

「ああ、俺は見たよ。5匹目の鬼」

 

手に残る金棒越しの感触。

殺せちゃいないだろう。ただ殴った。その事実だけは確かだ。

 

「俺は見れなかったけど見た目はどんな感じだったよ」

「大きい口で羽も生えてた。蜂と同じくらいの大きさと動きだったと思う」

 

……そこまで鮮明に見えてたのあなた?驚きだよ。マサイ族か何かかな?

 

「マジか…」

「詳しく!!」

「俺の見た限りだとあの大きなアゴ。アレで体内を食い破って貫通する"ちいさ〜い"鬼だよ」

 

……やっぱりか。殺虫剤とか効かないもんかね。

 

「……っ、その話本当か?嘘ついてないよな?」

「マジなの?」

「本当だって!!!こんなとこで嘘ついても意味ないだろ!!」

「んだ!本当だっペ!!」

「「「!?」」」

 

メガネの訛り少女が声を張り上げた。

……俺近くにいたからびっくりしたよ。やめてくれ、心臓に悪い。

 

「あ、また訛ってしまった」

 

訛りはなかなか取れないからね、しょうがないね。

 

「……そーいやなんでアンタ初めにそんな大事なこと言わなかったのよ」

「キャラ作りとかそーゆー設定とかなワケ?」

 

芽衣ちゃんとハラカイが睨みを聞かせて言う。

あまり責めてやらんとき。

 

「ち、違ぇ…。わ、わだす訛りがひっでぇもんで恥ずかしくて今まで喋れねがったんだぁ…。ホントはずっと言おうとはしてたけんども、言えねぐてすまね、許してけろ…」

「「「……」」」

「ま、この場の誰も死んでねーから気にすんなよ」

「うぅ、ありがとうな…」

 

肩を叩きながら励ましてやる。しょうがないよな。訛り恥ずかしいもんな。分かるよ。

俺も夏休みとか東北の爺ちゃん家に遊びに行って帰ってきたらめちゃめちゃ訛ってることあって恥ずかったもん。気持ちはわかるで。

 

「わ、わだす山ん中で育ったもんだからすんげぇ目が良いんだ。だからちっせえ鬼も見えた。本当だ。んだが、よすぎるもんで近くのものさ見てるとすぐに目が疲れるから勉強の時とかは眼鏡をかけてんだ。信じてけれ」

 

山育ちか。これは強い(確信)

 

「私より目がいいんだねー。てか、メガネ取った方が可愛い!」

 

分かる!涙ちゃん、やはり君とは気が合うようだな。

 

「……あ、じゃああの時の死体!」

「え?何が?」

 

ミツバちゃんが何かに気づいたように声を上げた。

 

「ほら、最初に体育館に行った時に見た死体だよ。首とかに穴とか空いてたしアレも"ちいさ〜い"鬼の仕業だよ!きっと!」

「そうやろな。俺もそう思うで」

「くっ…!ここまで来たのに!そんなの豆も無しにどうやって倒すんだよ!!!」

 

落ち着けアフロ。まだ慌てるようなあわわわわわ。

 

……とりあえずは豆探さなきゃな。もしかしたら金棒で10回くらい殴りゃいけるかもだけどそんな当てられる自信が無い。

 

そんな時だった。

 

「あ、あの!」

「「「ん?」」」

「ま、豆ってこれのことですか?「ちょ、萌美!」」

 

あの時"あったか〜い"鬼に追いかけられてた女子3人組の一人が豆カプセルを手にしていた。

 

「あ、持ってんだ?」

「え?あ、はい。意味は分からなかったから一応持ち歩いてたんですけど…」

「こんなのどーやってぶつける気だ?「へ?きゃ…!」蜂みたいに飛び回り、思考能力もあるだろう鬼に豆を当てるなんて、不可能に近い(インポッシボー)だろ」

 

萌美ちゃんの後ろに回りこみ腰を抱きながらカプセルを奪いそう言う丑三。

言ってることは正しいけどやってる行動はクソだな。萌美ちゃんもやめてくださいゆーてるし。

とりあえず、

 

「セクハラ魔神が、やめろ」

 

金棒を振り下ろす。

 

「おっと」

 

避けんじゃねー。

 

「……とにかくあの鬼を倒す方法を考えよう。みんな何かアイディアはあるかな?」

 

タンクマンの言葉に頭をひねる。倒し方か。

蜂っぽいらしいから蜂の退治の仕方……殺虫剤とかしかねーじゃん。

 

「ち、ちっちゃいなら捕まえちゃえばいいんじゃないの?握りつぶせば簡単に倒せるかも……」

「ダァホ!んな事してみろ、手のひら食い破られて中に入ってきよるで」

「あぅ…」

 

厄介なのは小さな体と人体を食い破る程の強力なアゴ。そのふたつを克服した策か……、わがんね。

 

「こんなこと考えてる間にも隙間から入ってくるかもしんねーよな?このままじゃ全員死ぬぞ…!」

「やだ、ちょっと…!」

「ガムテか何かで隙間を埋めとく方がいいだろうね、ハハハ」

「もうヤダ!芽衣死にたくない!」

「家に帰りたいです…」

「よしよし」

 

悪い想像を1度すると伝染する。まずいな。

タンクマンや明石、涙ちゃん辺りの冷静になれる人中心で何とかしたいもんだが、

 

「あ、待って待って待って。思いついちゃったかも、名案!」

 

お?涙ちゃんになにか閃が舞い降りたらしい。これは期待。

 

「その豆すり潰して撒けばいんじゃない?きな粉みたいにしてさ。粉なら当たりやすいでしょ?」

 

なるほど、粉か。柔軟な発想だ。確かにそれなら倒せる確率は格段に上がる。

 

「ほら1粒でもあんなに威力があったんだし小さいなら粉状でも倒せそうじゃない?理科室(ここ)にならすりつぶすものもありそうだし。名付けて"きな粉作戦"!!!

 

確かに確かに。可能性を感じる案だな。

でもなぁ、

 

「……ムズいかもなぁ」

「え?」

「豆1粒となると粉にしたら射程がかなりの短さになるでしょ。確実に当たる距離まで引き付け無きゃだし。そうなると外したら死はほぼ確。粒じゃないから回収も無理。……厳しいな」

「あ……そっか」

 

だからと言って何か案があるかと言われたらないんだが。

 

「……お前やれよ肥満児(ヒマンジー)

 

ヒマンジー?……ああ、ハラカイのことね。丑三の付けるあだ名はよくわからんな。

 

「え?ダメダメムリムリ!だって俺手汗がすごいから、粉だと手に付いちゃって飛んでかないよ!!!」

「……っ」

 

手のひらを見せるハラカイ。すげぇ手汗。目に見えてわかるほどに汗かいてるやん。

うーん、じゃあどうするが。

 

「……いっそゴギブリホイホイ見たいに鬼を誘い込んで捕まえられりゃ楽なのに」

「っ!神崎!」

「ん?」

 

唐突に声を上げた明石。

こちらに向けた視線。その目は何かを閃いた時の目をしていた。

 

「丑三、豆貸して」

「ん?ほい」

 

豆を受け取る明石。手にした豆を見つめ、そして、

 

「……っ」

 

おもむろに齧り付いていた。……腹減ったんかな?

 

「え?ちょ、何やってんの?」

「おま…!爆発とかしたら…!」

「あ、食べた!ずるい!」

 

と思ったら齧った分を手に吐き出してた。何しとん?バッチィ!

 

「明石?」

「……っ」

 

あ、次は走り出した。向かう先は……理科準備室?

一体、何を思いついたんだあいつは。

 

「……?」

 

そうして頭を傾げていると姿を現した明石。手には何かものを持っているようだった。

 

「丑三はこれ!」

「!……ドライバー?」

「涙ちゃんと芽衣ちゃんはこれ!後の皆はこれ!」

「「「……は?」」」

 

涙ちゃん達に出したものはすり鉢、俺たちにはガムテ。これで何をしろと?

 

「メガネのキミ、名前は!?」

「ふぇ?あ……、柘植、柘植まさみ」

「OK、つげちゃん。キミは俺と一緒に来て!」

「は、はひ?」

 

ふぇとか、はひとか、アンタ可愛いなおい。

てか、明石が怒涛に話を進めてるけど、

 

「そろそろ説明が欲しいぞ明石くん」

「あぁ、話が見えねぇ」

「何のつもり?明石くん」

「思いついたんだ!」

 

何が?……いや、流れ的に鬼の倒し方か。

 

「あの"ちいさ〜い"鬼を倒す方法!名付けて、"ホイホイきな粉作戦"!!」

 

うーん、作戦名がダサい。けど、なんかカッケー。

 

「今から説明する!心聞いて欲しい。まずは━━」

 

▽▼▽▼▽

 

準備完了。

後は明石のつげちゃんの帰りを待つだけとなった訳だが。

 

「ハラカイ頼んだぞ」

「う、うん」

「……取り逃しても俺が金棒で滅多打ちにしたるから、気張りすぎずにいけよ」

「うん…!」

 

俺の言葉に頷くハラカイ。

この作戦はハラカイが肝になってくる。頑張ってもらいたいが"アガって"空回りしたら怖いからな。

 

俺やハラカイの後ろには息を殺した面々。

さて、作戦が順調に行けば明石とつげちゃんがそろそろ戻ってきてもいい頃なんだが、

 

━━ガラッ!

 

「こっちだ!早く!はいって!」

「好き!」

 

この声は……明石とつげちゃん。隣の部屋に入ったか。順調にことは進んでるということだな。

……でも、なんだそれ?下手くそな演技。バレるんじゃね?セリフが安直すぎるやろ!

 

なんてことを思っていると俺達のいる部屋のドアが開いた。

そこに現れたのは、

 

「「はぁ…はぁ…!」」

 

明石とつげちゃん。

うむ、生還したかお二人さん。

 

「調子は?」

「上々。ちゃんと追いかけてきたよ」

「そかそか」

 

後はいつ来てもいいように構えるだけ。最後の正念場。ここが決め時だ。

 

「た、助がった」

「流石にここまでは入って来れないよ」

 

つげちゃんと明石の演技が始まった。ちょっと棒読み感がすごいな。

 

「ここにいれば狙われることは無い。もう一度言う。愛してる……」

「わ、わだすも愛してるっべ……」

 

……反応に困るんだが?

てか芽衣ちゃんの視線がすごい。視線じゃなくてもう死線やんけ。怖いわ。

 

そんなことを思っていると、

 

━━ブブブブ…!

 

聞こえた!

 

「ハラカイ!」

「ゥラァァァァァイ!!!」

 

気合いの籠った声とともに出された手。直後そこに飛び込む小さな影。

ハラカイは即座に握り、潰さんばかりの力を込め始めた。

 

「取った!?取れたか!?」

「うぐ…!ぐぐぐ…!ふん、ぬ…!」

「……」

 

恐る恐る開けられる手。それをのぞき込むと、

 

「ミッションコンプリートってところだな。ハラカイ」

 

血みどろに潰れた鬼がいた。

 

「……っしゃぁぁあッ!!」

「やった!」

「倒した!」

 

金棒の出番がなかったのは残念だが、誰も死なずに終われたのはよかったよかった。まずは喜んでおこう。

 

作戦としては、まず鬼を捉えることが出来ていたつげちゃんと明石がこの理科室に鬼を連れてくる。

理科室はガムテなどにより隙間を一切なくしカーテンを閉め、真っ暗の空間にする。

その後、理科室内にある理科準備室へと逃げこみ、待ち構える。

 

理科準備室と理科室を分けた壁に虫が通れるような小さな穴を1つ開けることで理科準備室内の電気が真っ暗な理科室へ漏れ出ると。

そうすると鬼はそこを通って来ようとするから、そこを手汗で張り付いた豆の粉を装備したハラカイが握りつぶす。

 

「……よう考えたよ、こんな作戦」

「まあ皆のアイディアをまとめただけだし。あ、でも強いて言えばこの鬼の顎の強さを予想出来たのが大きいかな。体の中に入る時や出る時は決まって柔らかい部分からだったし、首や胸とか。骨を避けてたんだ。噛み砕けないから。つまり、部屋の壁を食い破ってくることはないってこと。そうなるとこいつは小さな隙間を狙ってくる。それを1つに限定してやれば動きは読める。そこをギュッとね」

 

流石やで。流石明石。さすあか。

柔軟な発想、俺には無理な頭の使い方だな。

 

「アカッシーすごい」

 

そう言って背中から明石に抱きついてた芽衣ちゃん。

……何故だろう。鬼はもういないのに殺意が。

 

ひとまず、一難は去ったな。

そうして皆喜び、安堵していると、

 

━━ピンポンパンポーン

 

校内放送が始まった。




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