ドラゴンボールZ RTA 孫悟飯爆発チャート 作:sesamer
ベジータや悟空が気円斬や太陽拳をパクリますしブロリーも同じことができるのを考えると純サイヤ人の強みは単純な腕っ節よりセンスの方にあるのかもしれません。
けどゴテンクスの戦術的センスのあるオリジナル技を考えると悟飯ちゃんが特別不器用なだけにも思えてきた…
「ピッコロさん!!!」
ベジータと戦っていた悟飯がまっすぐこちらへと向かってくる。横を見ると目を覚ましたレンズが俺の傍らに寄り添ってて彼女は不思議そうに俺へと呟く。
「なんでですか、貴方にとって私は敵だったはず……」
俺は全身を焼く痛みを堪えながらそれに答える。
「さてな、俺もどうやらお前らの甘さが移っちまったらしい……ぐうっ!」
「ピッコロさん!死なないで!」
悟飯が懸命に俺の手を握って死なないでと励ましてくる。全く、こんな甘っちょろいガキどもに囲まれて満足してるのが大魔王として情けないったらねぇぜ……
俺が大魔王の子として生を受けた時に最初に感じたものは大魔王の持っていた人間への悪意とそんな人間に父を殺された恨みだった。そして3年間、俺は人間共と父を殺した孫悟空という奴を殺す為に厳しい修行を積んでいた。その時には人間と関わるなど気持ち悪くて想像もしていなかった。
3年が過ぎ、次の天下一武道会に悟空を始めとした地球上の強者達が集うと知った俺はマジュニアという偽名を使って出場した。そこでレンズの体を借りた神や孫悟空と戦い、最終的に俺は敗北した。
敵討ちに失敗した俺は勿論死ぬつもりだったが、あの甘っちょろい悟空の奴はあろうことか仙豆を渡してまで俺を見逃したのだ。その時の俺は宿敵に情けを掛けられた悔しさと、神の死が迫っていて寿命の短い俺を生かすことに何の意味があるのか理解できないという感情に支配された。
とにかくそれらの感情から逃げるように捨て台詞を吐いて会場から飛び去った俺は、唯一生まれた理由である敵討ちに失敗した中で残りの人生何をすればいいのかという問題を前に途方に暮れた。気の迷いで人間界に出向いては魔族的な特徴から人々に恐怖され、俺は隠れるように山奥で半ば現実逃避のように自分を鍛えていた。
「なんでピッコロ大魔王を生かしたんですか!」
それは神が憑代にした少女が悟空に問い詰めた時の台詞だった。どうやらそいつは神が憑依した時の記憶が強く残っていたらしく、戦っていた時もしばしば俺への殺意を隠し切れていない様子だった。
だが俺にとってはそいつのことよりもそいつの言ったことの方が重要だった。
そんなことは俺の方が聞きたかった!残り少ない命では大魔王の悲願だった世界征服なんてできっこない!そして仇である悟空に情けを掛けられては奴を殺す気など全く湧かない!
……それでも俺は悟空を殺すと自分に言い聞かせ続け、自分を鍛えては悟空を殺す為の新技を作り始め、それを完成させる気も起きずに残りの寿命が来るのをひとり山奥で待っていた。
そうして5年が過ぎ、俺は途方もない巨大な気が宇宙から地球へと飛来したのを感じ、これが俺の死地になるかもしれないという予感に複雑な感情を抱きながらそこに向かった。
そんな俺を待ち受けていたのは悟空と協力しても全く手が出ないほどの恐ろしい敵と、それを諸共倒す為に俺が悟空を殺したという結果だった。
自らの悲願を達成したにも関わらず俺がまず第一に思ったのは仇を殺したことへの嬉しさではなく、殺した孫悟空に代わって地球を守らないといけないという使命感だった。一年後の戦場が今度こそ自らの死地になることを覚悟し、俺はこの戦いで戦いの才能を見せた悟空の息子を鍛えることにした。
「悟飯ちゃんの修行なら私にも手伝わせて下さい。お母さんであるチチさんにも許可は得ました」
レンズが俺の前に現れたのはそんな時だった。奴は5年前の苛烈さが嘘のように穏やかになっており、俺はその変貌ぶりに奴があの時の少女だとは気づきもしなかった。
俺は奴が悟飯を甘やかすだろうとは思いつつも、自分の修行を優先するという理由から奴が悟飯を見るのに反対しなかった。俺は悟飯の境遇に同情していたのだ。
勿論俺はあいつのような甘ったれではない。だが、偉大なる父の元に生まれその父を失った状況で自分が戦わないといけないという境遇は、自身のことを連想させるには十分すぎるほど似通っていた。
悟飯を厳しい環境に放り込んでから半年後、俺はレンズと話し合って悟飯を親元に帰しつつ並行して修行を行うようになった。その時に俺はレンズがあの時の少女だったことに気づき、その変わりように衝撃を受けた。
そして俺や神の存在がレンズの人生を歪めてしまったのだと痛感した。こうして親元から連れ去って戦わせている悟飯も含め、もし俺がいなければ今頃は平和な時間を過ごし、半年後のサイヤ人との戦いなど知りもせずに死んでいたのだと。
だから俺はその責任を果たさなければいけない。悟空を殺し、コイツらの人生を変えてしまった責任を。その為に俺はコイツらに生きてることを後悔するような厳しい修行をつけていたはずなのに……
「甘いぞ!そうやって倒れたからと敵が見逃すと思うな!」
「ダウンしたのなら相手の様子を見て、追撃を掛けられてるかを判断して対処をするの」
「はいっ!」
どうしてコイツらは心地よさそうにしているのだ?どうして俺はこんな環境も悪くないと思い始めているのだ?この大魔王ともあろう者が、ガキどもに囲まれて幸福を感じるなんて……
「悟飯ちゃんは悟空さんみたいにはなれません。彼には彼の、戦う意味が必要なんです」
それは悟飯について語った台詞だったが、俺の胸にも深く刺さったものだった。俺は父のような人間を侵略して世界を征服する大魔王にはなれない、きっとそれはこのガキどもがいなくても同じだっただろう。
だから俺は俺の持つ意味で戦うのだ。そしてそれは……
「死ぬ、なよ。ふた、りと、も……」
目の前がよく見えないのはきっと目蓋が重いせいで、決して涙が溢れるからじゃない。最期に2人の顔をよく見ようとしてボヤけた目を凝らそうとすると、2人の顔の向こうにあのサイヤ人が薄気味悪く笑って手を向けてるのが見えた。
「諸共死ねぇ!」
やめろ!!!そんな言葉が出ることもなく俺はその光に目を焼かれ、
「すまねぇピッコロ。間に合わなかった……これから先はオラに任せろ!」
最期に聞いた宿敵の声に安心の感情を抱いた。
やった!悟空さが来てくれました!サイヤ人編完!!!
原作の通り悟空の戦闘力は8000で界王拳によって更に2倍、3倍と上げられるため最終的には2万4000まで出せます。そしてピッコロの死によって3度目の激怒モードを発動した悟飯も戦闘力1万8000となり、戦力差で言えば完全に上回りました。
更にベジータは悟飯との戦いで2割ほどダメージを受けてるため、ここから戦闘力1万8000のベジータに勝ち目はありません。
「くそっ!この俺が最下級戦士達に手こずらされるなんて……貴様らはサイヤ人の本当の力でぶっ殺してやる!」
しかしそのような危機的状況ですらサイヤ人の王子であるベジータには逆転手段があります。彼は全ての気を手に集中すると、気が一点に凝縮して光り輝くエネルギー弾を作ります。
「レンズって言ったか?仙豆で傷を癒やしてクリリンと一緒に逃げるんだ!」
ここでの選択肢は3つです。まずクリリンと一緒に逃げるか、残って戦うかの2択ですが、これはそのまま前者のルートだと原作とほぼ同じでベジータ戦に参戦する戦闘力の条件を満たした戦士が悟空とベジータに戦いを挑みます。後者はクリリンも含めた4人でベジータに立ち向かうルートでRTAだとこちらが有力ですが、今回の悟飯チャートでは3択目の悟空が渡す仙豆を他のメンバーに渡すを選びます。
「い、いえ……その仙豆は悟飯ちゃんにあげて下さい」
「レ、レンズさん?だってその脚は……」
「今はベジータを倒すのが最優先です。それに飛ぶだけなら片脚無くても問題ありません。悟空さんも私の脚より悟飯ちゃんが生き残る方が重要でしょう?」
「すまねぇな、恩に着るぞ。悟飯」
「ありがとうございます、レンズさん……」
ここで悟飯が仙豆を食べた時点でサイヤ人編はほぼ終了です。終わり!閉廷!以上!皆解散!
ベジータがパワーボールの説明をしている間に解説と参りましょう。原作でベジータを倒した最後のダメージは何だったか皆様は覚えていますでしょうか?4倍かめはめ波?元気玉?いえいえ、最後は悟飯の大猿化によってベジータに止めを差しました。
しかし悟飯の尻尾はピッコロが切断したはずです。じゃあ何で生えてるかというとそれは……謎です(は?)
原作では元気玉を受けたベジータが立ち上がり、気合砲で悟飯達を吹っ飛ばすまで尻尾はありませんでした。つまりダメージを受けた衝撃で再生した?と、考えることもできます?しかしそうなるとそれまで受けたダメージで何故尻尾が再生しなかったのかの理由にはなりません。???
とりあえずこのゲームにおいては尻尾を切断して時間が経ってから仙豆やメディカルマシーンによって体力を完全回復した場合に幼年悟飯のみが尻尾を再生するようになってます。ドラゴンボールの7不思議ですね、探そうと思えばいくらでも出てきそう。
そして悟飯の尻尾が回復したということは悟飯が大猿になれるということですが、戦闘力1万8000のベジータと悟飯ではどちらも戦闘力18万となり一見拮抗しているように見えます。勿論悟空がいることで若干悟飯側が有利ですが、大した影響はないでしょう。
しかしベジータの現状を考えるとそうではありません。ただでさえ体力が減ってるのに加えてベジータの気はパワーボールの生成によって大きく減少しています。
原作では大猿化が解けた後のベジータは元気玉の準備をしている間、戦闘力3000もいかない悟飯とほぼ互角の戦いをしました。優勢だったのを考えると恐らくあの時点のベジータは戦闘力3000ほどになっており、それはそのまま大猿の戦闘力は3000の10倍である3万であると推測できます。
それに比べると体力を全快した悟飯は18万のままなのでオワオワリです。大猿と化したベジータでは気円斬のような細かい気のコントロールを必要とする技は撃てませんし、このまま大猿悟飯にボコボコにされて終了です。
え?悟空さいる?仙豆係として必須だからいる。ちなみに以前の話でベジータの大猿化はステータスが2倍になるとお話ししましたが、悟飯の大猿化はステータスが5倍になります。はぁ〜、あ ほ く さ。
「ははっ、すげぇな……オラもあんなに鍛えたのに、全く手がでねぇや」
目の前では大猿になった悟飯が同じく大猿になったベジータを一方的に殴り倒していた。ベジータが光り輝くエネルギー弾を空に打ち上げるとそれを見てベジータが大猿になったのは驚いたが、それ以上に隣にいた悟飯まで大猿になったのはもっと驚いた。
確かに言われてみれば自分も尻尾を神さまに消してもらうまで大猿になってたわけだし、その尻尾を受け継いだ悟飯には満月の夜には出歩かないようにと教えていた。しかしまさか悟飯がこんなに強くなってるとはさっぱり思ってなかったのだ。
確かにラディッツと戦った時に一瞬だけ見せた悟飯の強さには驚かされたし、隠し持ってるパワーはかなりのものだと親としての色眼鏡を抜きに評価していた。
だが、それでも1年前までは戦うことなんて全く知らない、むしろチチの教育のおかげで机に向かって勉強ばかりしているような子だったのだ。それには少しの物寂しさを感じたものだったが、確かに悟飯は戦うことを怖がってたしそれでも良いと考えていた。
だから、自分が死んでピッコロが悟飯を鍛えていると聞いた時には真っ先にチチに殺される(もう死んでるけど)って思ったし、それ以上に戦いを怖がってた悟飯を戦場に連れ出してしまった己の力不足を痛感した。
そしてこうやって帰って来た自分の元で待っていたのは、ただ強くなっただけではなく完全にひとりの戦士としての顔をした悟飯だった。子供の成長は早いというが、1年間見てなかっただけで自分はとんでもなく大事なものを見逃してしまった。
そしてベジータの作ったエネルギー弾が徐々に光を失い、完全に消えた時に残ったのは倒れ伏したベジータと、息を荒くして膝をついた悟飯だった。悟飯の元に駆け寄ると、力強く抱き締める。返ってくる力は記憶より間違いなく強くなっており、それも悟空にとっては喜ばしかった。
「よくやったな!悟飯!」
「お父さん!僕頑張ったよ!」
それからは悟飯の話を聞いた。ピッコロによって荒野のど真ん中に置いてけぼりにされたこと、そこから半年間自分ひとりで生きろと言われたこと、食べ物も飲み物も無い状況で途方に暮れたこと、レンズにどうやったらそれらを手に入れられるか教えてもらったこと、半年間が過ぎるとピッコロとレンズとたくさん組手をしたこと。
サイヤ人の2人によって皆が殺されたこと、ピッコロがレンズを庇って死んでしまったこと、自分がベジータと戦ったこと。
それに頷きながら悟飯の頭を撫でる。そうして戦場に似つかわしくない穏やかな時間を過ごしていると、倒れたはずのベジータが宇宙船を呼んで脱出しようとしていた。そこをそれまで隠れていたヤジロベーが刀を構えて斬りかかんとする。
「逃げられると思うなよ!」
「く、くそ!体が!」
あんなに強い奴と戦えなくなるのはとても残念だったが、ベジータと戦っていない自分が口出しすることでもないだろう。そう思ってたら立ち上がった悟飯がヤジロベーを呼び止める。
「待ってください!その人を殺さないでください!」
「あぁ!?なんでだ?コイツにみんな殺されたんだぞ!お前が好きだったらしいピッコロもだ!」
自分も悟飯の言ったことに驚いた。2度と戦えなくなるのが嫌だから殺したくない自分ならともかく、悟飯にはベジータを殺さない理由なんてないと思ってたのだが。
「ここで殺してしまったら、僕達も同じになってしまいます。ベジータさん!もう2度とこのようなことをしないと約束してください!」
「く、くそぉ……」
「ベジータさん!」
「わ、分かった……もう2度と地球は攻めん……」
ベジータはそう言うと宇宙船に乗り込んで地球を離れてしまった。その宇宙船が描く光の軌跡を見ながら悟飯の様子を見る。
「これで良かったんか?ピッコロの仇なんだろ?」
悟飯は涙を流しながらコクコクと頷いていた。暫くして悟飯は涙混じりに答える。
「レンズさんに誓ったんです、僕は僕だけのヒーローになるって。だから、ピッコロさんを殺したからあの人を殺すってヒーローらしくないことはいけないんです」
「そっか。正直オラも嬉しかったぞ!これで今度はオラがベジータと戦える!」
「そう、ですね。死んでしまったら戦うこともできませんから」
「……悟飯、おめぇは凄ぇヤツだ。オラよりもずっとずっと、おめぇは強くなれる」
「僕は、お父さんやみんながいるなら強くなくても……」
自分と目を合わせなかった悟飯に対して、悟飯がこのような戦いはしたくないと思ってるのだと理解した自分は、今まで受けてきた亀仙流の教えを教える。
「悟飯、オラが教わってきた亀仙流はな、敵を倒すために習うものじゃねぇんだ」
「敵を倒すものじゃない?」
「これは小さい頃のオラは分からなかったんだけどさ、体を鍛えるっていうのは自分に負けないように心も鍛えることでもあるんだ。心を鍛えれば人生も楽しくなるんだ。それを振るうのは今回みたいに悪いヤツが出てきた時だけでいいんだ」
「オラが10歳の時じゃ分からなかったことだけど、頭の良いおめぇなら分かるだろ?」
「はい」
まだ5歳のはずなのに悟飯は本当に頭が良い。この調子ならチチがいつも言ってる偉い学者さんも夢じゃないなと思いつつ、自分の言いたいことを伝える。
「だからさ、オメェがヒーローになるなら今みたいに自分に負けたらいけないだろ?それならもっともっと鍛えて、強くなるんだ。そうすればオメェは自分にだって負けはしねぇ!」
「……僕、やってみます!」
「ああ!オメェはオラの息子なんだ!頑張れば誰にも負けねぇ!」
まだこんなに小さいのに、自分は悟飯が自分を超えると確信している。
ただ、その為には2人で最強の敵を越えなきゃならねぇ……
「その為には、チチを説得しなきゃな……」
「はい……」
せっかく生き返ったのにすぐに死にたくはないと、クリリン達が帰ったカメハウスに2人で向かうことにした……
というわけでサイヤ人編完です。
完走した感想ですが...(早漏)
実際一区切りついたし、フリーザ編は更に登場人物が多くて動かし切れる気がしないので書く気がね...
とりあえず感想が来たら返信してモチベを上げるので気が向いたらご評価やご感想をお願いします。