悪の科学者を超える転生者   作:ヘルスパイダー

10 / 14
ピッコロがナッパに勝利したバタフライエフェクト考えなくちゃ!(使命感)


サイヤ人強襲IFその3

 スパイカメラでサイヤ人との戦いを観戦していたボゲとラディッツは、ピッコロの奮闘にほぉ! っと感心したような声を上げる。

 原作以上の戦闘力を持っていたとはいえ、ナッパの戦闘力と比べれば10:7と明らかに格下であったのは確かだった。

 その差を戦術と技量で見事に埋めてきたのは天晴なものだった。

 

 しかし、その代償は決して小さくはなく、悟飯を庇ったとはいえ、ベジータと戦うだけの体力は尽きていた。

 

 だが、ちょうどいいタイミングであの世から悟空が地球へと帰還した。

 残す問題は残りのZ戦士達だけでベジータを足止めできるかどうかということか……。

 

「まさかあのナメック星人がナッパを倒してしまうとはな……。オレが言えたことではないが、たったの1年で強くなりすぎではないか?」

 

「いいや違うな。たった1年ではない、1年もあったというべきだろう。しかるべき環境と修業の内容次第で人は大きく成長することが出来る。それを今までお前たちがしてこなかっただけということだ……」

 

「なるほどな……」

 

 ボゲの言い分に頷き返し、もしサイヤ人全員が強くなる修業をしていればフリーザに勝つ未来もあったのではないかと思いながら、ようやく出番の訪れたベジータの戦いに意識を戻す。

 

 

 ♦

 

 

「なるほど……、確かにスカウターからもここへ向かってくる反応が1つ。それも戦闘力5000以上の奴ときたか……」

 

 ピッコロ達が悟空が来たと騒ぎ立てるからわざわざスカウターで探ってみると、遠くの方からこちらに向かってくる存在の反応をキャッチした。

 これが奴らが悟空と呼ぶカカロットならば、どんな願いをも叶えるドラゴンボールの力が本物だという証明になる。

 

「とはいえ、まとめてこられると面倒だ! カカロットがここへ来る前に貴様ら全員を殺しておくとしよう!」

 

「ついに俺達の出番がきたって訳か……」

 

「な……なに……、悟空が来るまでの時間稼ぎくらいどうってことないさ、なんなら俺達全員でかかればあんなチビ1人くらいはなんとかなるってもんよ……!」

 

「相変わらずの自信だな、ヤムチャ。だが、今はそれが心強いぜ」

 

「「「「いくぞ!!!」」」」

 

 悟空の存在により士気が上がったZ戦士達はベジータと戦う覚悟を決め、それぞれがベジータに向けて渾身の技を放つ。

 しかし、ナッパ以上の戦闘力を持つベジータにとってはその程度の攻撃は土煙を上げるお遊び程度でしかなかった。

 

「やはりな、所詮ナッパを仕留めたナメック星人が1番の実力者の集まり程度じゃ、このレベルか……ガッカリだぜ!」

 

「「「「なっ……!?」」」」

 

「そういえばキサマ、さっきこの俺に対してチビと言ったあげく、全員でかかれば倒せると言っていたな……?」

 

「いっ……!! 聞かれちゃってたのね……」

 

「随分と面白い冗談だ──―っな!」

 

「っごふ!」

 

 ベジータの姿が一瞬搔き消えたかと思えば、いつの間にかヤムチャの傍へと接近しており、鋭い一撃がヤムチャの鳩尾に決まり悶絶して倒れる。

 まだ死んではいないようだが、とてもすぐには戦闘に戻れそうな様子では無かった。

 

「っがぁ……はぁ……??!」

 

「キサマは最後に殺してやる。せいぜいそこでお仲間が死ぬところでも見て絶望するんだな」

 

「な……なんて邪悪な野郎だ! これじゃまだピッコロの奴が可愛く見えるぜ……」

 

「まったくだ……、だがやるしかないぞ!」

 

 ヤムチャが倒れ戦力が減ったZ戦士達はそれでもまだ戦う意思を鈍らすことはなく、戦う構えを取る。

 

 だが、そんなZ戦士達の必死の抵抗をまるで子犬がじゃれついてくるかのように軽くあしらうベジータの圧倒的な強さに絶望を覚える。

 この絶望にせめて一矢抗わんと天津飯が覚悟を決めた表情で決死の技を放つ。

 

「っく、いくぞ! この俺の持つ最高の技を味わってみろ! この俺の……気功砲を!!!!」

 

「むぅっ……!」

 

 天津飯の三角に組んだ手から強烈な光が発射され、ベジータも流石に驚きの声を上げる。

 一瞬のうちにベジータを覆い隠す程の強烈な気功砲の一撃が直撃する。

 

 これにはZ戦士達全員がやったか! と内心で歓喜する……っが、現実は容易くその希望をへし折って絶望に突き落とす。

 

「ッッ!!?」

 

「……まったく、無駄な抵抗をしやがって。少し驚きはしたが大した攻撃ではなかったようだな……」

 

「そ……そんな……、俺の渾身の気功砲を喰らって無傷だなんて。あ……悪夢だぜ……」

 

 体内の生命力を大きく使用しての気功砲は天津飯にとっても負担はデカく、精神的ショックも合わさって片膝をついて地面に崩れ落ちる。

 それを見たベジータがもう遊べないと判断し、トドメとして右手に溜めたエネルギー波で仕留めに来た。

 

「さ……させない……!!」

 

「ほぉ……」

 

 咄嗟に超能力でベジータの動きを止めに入る餃子(チャオズ)だったが、実力差があり過ぎるせいか、動きを止めることが出来たのは一瞬だけで、ベジータの意識が天津飯から餃子に移り変わる。

 

「ひぃ……」

 

「キサマだな? さっきの小賢しい超能力をこの俺に使ったのは……」

 

 攻撃対象を天津飯から餃子へと変えたベジータは即座に餃子を殺しにかかってみせた。

 

「俺はテメェみたいな超能力でコソコソする奴が大嫌いなんだ!!」

 

「や……やめろぉぉ……!!!」

 

「テ……天さん……」

 

 ピッ!! ドゴ──ン!!! 

 

「……チャ……オ……ズ、餃子──―っ!!!」

 

 強力なエネルギーを餃子にぶつけることで体内から爆発させ、あっという間に餃子を木っ端微塵に吹き飛ばしてしまった。

 ここに来て初めての死者、それも一度ドラゴンボールで甦りもう二度と復活することが出来ない餃子が死んだショックはZ戦士達全員の心を叩き折るには充分なものだった。

 その中で、天津飯だけが餃子を殺された怒りに震え復讐の炎を燃やす。

 

「お……おのれぇ……、餃子は一度ドラゴンボールで蘇っているかもう二度と復活することは出来ないんだぞ! こうなったら、俺も一緒に逝ってやる!!」

 

 先程よりも更に強力なエネルギーを手に込め、絶命することすら覚悟の上の気功砲を放つことを決めた。

 餃子を殺したことで油断したベジータの背後を狙いすました天津飯は自身の命を賭した気功砲をぶつける。

 

「っ! はああぁぁっ!!!」

 

「っっ!!?」

 

 天津飯の気功砲に気づいたベジータは今度は真っ向から受けることもなく、気合いの咆哮だけで消し飛ばしてしまった。

 

「そんな、む……無念……」

 

 餃子の敵討ちどころかかすり傷1つ負わすことなく倒れることに未練を残して、餃子に続いて天津飯までが倒れた。

 次々と圧倒的なベジータの実力に倒れていく仲間の姿を見てクリリンが未だここに到着しない悟空に助けを求める声を木霊する。

 

「早く来てくれぇぇ! 悟空ぅぅぅ!!!」

 

 まさに絶望的な状況を前にしても未だ悟空は遥か遠くの距離にいる。このままのスピードでいけば、悟空が到着するよりも早くこの場にいる全員が全滅する方が早いだろう。

 そんな状況だからか、クリリンは破れかぶれの大技である気円斬をベジータに向けて投げつけた。

 

「なるほど! 中々面白い技だ……。だが!! はああぁぁ!!!!」

 

 両手にエネルギーを集中させ、真っ向から迫りくる気円斬をベジータはなんと掴み取り、そのまま地面を削りながら後退しながらも、やがて力任せに気円斬を握力で粉々に砕き壊した。

 

「なっ、そんな、噓だろ……。俺の気円斬が全く通用しないだなんて……」

 

 見れば多少手に焦げ目のようなものが出来ただけで、傷1つ無いベジータに驚愕するクリリン。

 もはや打つ手なしかと諦めベジータの最後のトドメに抵抗することなく受け入れようとしたのを止める者がいた。

 

「やめろぉぉ!!!」

 

「っぬ!」

 

 今まで静観していた悟飯が動きをみせた。その動きはZ戦士達よりも速く、力強いものだった。

 それは、今までZ戦士達の攻撃を余裕を持って対処してみせたベジータさえも一歩間違えば怪我を負いかねないパワーとスピードといえばその脅威を分かってもらえるだろうか? 

 

「ご……悟飯、お前……」

 

「クリリンさんはヤムチャさんを連れて下がってください。もう……もう誰も殺させやしない!」

 

「ほう……、この俺を相手に殺させやしないときたか。確かに、サイヤ人の血を引いているだけあって子供ながらに中々の戦闘力だ。しかし、このベジータ様を相手にするには少々実力不足じゃないか……?」

 

 事実、悟飯とベジータの一騎打ちは最初こそ善戦したものの、次第にスタミナ差で押し切られてきており、そのまま岩山に叩き付けられる。

 

「ぎゃふっ!!!」

 

「……悟飯!!!!」

 

「ふっ、ガキとはいえここまで楽しませてくれるとはな。とはいえ、所詮はガキの戦いだな。大した技もなければ戦闘の駆け引きがまるで浅い!」

 

 これでトドメだ! と未だ岩山に打ち付けられた痛みで硬直している悟飯に最後の一撃を刺そうとしたタイミングで、後ろから強力なエネルギーを感じて振り返ると、そこには倒れていた筈のピッコロが魔貫光殺法の構えでこちらを狙っていたのだ。

 

「調子に乗り過ぎだ! これで終いだサイヤ人!!」

 

「っちぃ! ぜぇあああぁぁぁ!!!」

 

 悟飯に向けて投げつけようとしたエネルギー波を、迎撃の為にとっさの判断でピッコロの魔貫光殺法にぶつけて相殺を試みる。

 その結果、貫通タイプのピッコロの技の方が僅かに勝っており、ベジータのエネルギー波を貫通していった。

 

「なっ!? クソォ!!」

 

 なんとかギリギリのタイミングで自身の顔に向かって飛んでくる魔貫光殺法を避けることには成功した。

 とはいえ、完全に避けることは出来ずに頬の辺りを僅か程度であるがかすり傷がついていた。

 

「なるほど……、これがあのラディッツを倒した技というわけか。スピードと貫通力は目を見張るものがあるが、直線的過ぎて油断しなければ避けるのは容易な……」

 

 ん……? ふと頬の部分に違和感を感じて手の甲で拭ってみせるとそこには紛れもない自分の血が付着していた。

 ば……馬鹿な!? この俺が、あんな死に掛けのナメック星人ごときに、この気高き血を流すだと……!? 

 

「ち、ちくしょうがぁ!! キサマはドラゴンボールのことを聞き出す為に生かしていたが、もう面倒だぁ!」

 

 ブチ切れたベジータは一息のうちにピッコロの目の前にまで接近し、その速度を落とすことなく片膝をついているピッコロの体に飛び蹴りを決める。

 あまりにも一瞬のことだったので誰も反応することが出来ず、気がつけば蹴り飛ばされていたピッコロ自身も地面を転がってようやく自分が攻撃されたのだと理解するレベルの速度だった。

 

 そして、地面を転がり数回転しようやく止まったと同時に、ベジータが地面に横たわるピッコロを踏みつける。

 踏みつける足に体重をかけると、ミシミシとピッコロの体から嫌な音が聞こえてくる。それは空耳ではなく、その証拠として踏みつけられているピッコロが痛みのあまりに悲鳴を上げている。

 

「ぐおわあぁぁぁあ!!」

 

「このままじっくりといたぶってやるのも面白いが、あともう少しすればカカロットの野郎がやって来るからな。ここは一思いに首を刎ねてやろう!」

 

「っんな! や……やめろぉ……!! ピッコロはドラゴンボールを作った神様の半身なんだ! もしピッコロを殺せば神様も死んで、二度とドラゴンボールは使用できなくなるんだぞ!!」

 

「っなに!?」

 

 ピッコロを殺そうとするベジータの発言に焦ったクリリンがドラゴンボールの秘密をバラす。

 これにはベジータもピッコロを殺そうとする手を止めてしばらく熟考する。この星に来たのは何も侵略目的やラディッツの敵討ちではなく、どんな願いをも叶えることが出来るドラゴンボールを手に入れるためだ。

 それを自らの手で不意にするのはあまりにも勿体無いことだ。

 

 しかし、とある噂話を思い出したベジータは警告を飛ばしたクリリンの方を向いてニヤリと口角を上げる。

 

「いいことを聞かせてもらった礼として、俺からも1ついい事を教えてやろう。このナメック星人の故郷であるナメック星にはなんでも願いを叶える不思議に球が存在するという噂話がある。ただのホラ話だと思っていたが、カカロットが生き返ったというのならば、それもあながち噓ではないのだろう。つまり、ここでこのナメック星人を殺したところで、ナメック星へ行けばより強力なドラゴンボールを手に入れられるということだ……!」

 

「そ、そんな……」

 

「そういう訳だ。くっくっく……、当てが外れたな。とはいえ、いい情報を得られたのはコチラとしても好都合だ。ナメック星へ行ってもなるべく無駄な殺しはしないでおこう。ドラゴンボールを手に入れるまではな……」

 

 話すべきことは全て話したベジータは、ピッコロの頭を潰すべく右手にエネルギーを集中させ振り落とす。

 

「ピッコロさんから離れろぉぉ!!!!」

 

「っぬおぉ!」

 

 ピッコロにトドメを決めるその瞬間に、横から悟飯の蹴りがベジータに命中し吹き飛ばす。

 

「大丈夫ですか、ピッコロさん?」

 

「ば、バカ野郎! オレを心配する余裕があるなら、奴に追撃の1つでも与えやがれ!」

 

「で、でも……」

 

 おずおずとピッコロの叱責に困る悟飯をよそに、蹴り飛ばされたベジータが起き上がる。

 その形相は修羅を思わす程に怒りで歪み、既にその右手には悟飯を消し飛ばすのに充分なエネルギーが集まっていた。

 

「こ、このクソガキがぁ!! よくもこの俺様を足蹴にしてくれたな!! そんなにも死にたいのなら、そのナメック星人共々粉微塵に消し飛ばしてくれる!!!」

 

「っ、まずい! 地面に伏せろ悟飯!!!」

 

「うわっぶ!?」

 

「死ねぇ!!」

 

 咄嗟に悟飯の頭を無理矢理掴んで地面に押し倒し、最後の力を振り絞ってピッコロは我が身を盾にしてベジータの攻撃から悟飯を守った。

 

「ぐおわぁ!!!」

 

「あ……あぁ……、そんな、ピッコロさん……」

 

 だがその対価として、その身を盾にして悟飯を守ったピッコロは断末魔の声を上げたのを最後に、全身が真っ黒焦げの焼死体となって絶命してしまった。

 

「ははは……、ガキ諸共消し飛ばすつもりだったが、虫ケラのナメック星人にしてはよく頑張った方だと褒めておいてやろう。ま、もう聞こえてはいないだろうがな。カカロットのガキもすぐにあの世でそのナメック星人に会わせてやる! この俺に感謝して死ぬんだな!!」

 

 再び悟飯を消し飛ばす為のエネルギー波を投げ飛ばしたベジータ。

 

 これで今度こそカカロットのガキは死んだ。そう思ったのも束の間、悟飯に命中すると確信していたエネルギー波が、その悟飯によっていとも容易く片手で弾き飛ばされてしまった。

 

「な、なんだと!?」

 

 その事実に驚くベジータをよそに、静かに怒りに震える悟飯はキッ! と睨みあげた目でベジータの方へ視線を向ける。

 

「訂正しろ……。ピッコロさんを虫ケラと呼んだことを訂正しろ!」

 

「……っは! なんだそのことか、そこの焼け焦げて死んだカスを虫ケラと呼んで何が悪い?」

 

 本当に悪びれる様子もないベジータのその発言に、ついに悟飯の怒りが頂点に達する。

 

「ゆ……許さない……!」

 

 ざわざわと悟飯の頭髪が逆立ち、周りの大地が恐怖で怯えているかのごとく震え始め、空に浮かぶ雲が逃げるように散っていく。

 

「な……なんだ……!? 何が起こっていやがる!!」

 

 突如として変わりだした悟飯の変化を感じ取ったベジータは、無意識のうちにスカウターを起動させ、悟飯の戦闘力を計測してみせた。

 

「戦闘力2000……3000……5000……8000!? バカな、まだ上がり続けていやがるだと!!?」

 

 とっくにナッパの戦闘力を上回り、自身に迫る勢いで急上昇し続ける悟飯の戦闘力に驚愕の声を出す。

 これにはベジータだけでなく、生き残っていたクリリンとヤムチャが驚きに目を見開いていた。

 

「ご……悟飯の奴……、なんてパワーをしてるんだ!? ピッコロが言ってた悟空をも上回る力ってのは噓じゃなかったんだ……」

 

「情けないな……、大の大人があんな子供に全てを任すことになるなんて……」

 

 もはや自分達では介入することの出来ない次元の戦いに歯嚙みしながら、クリリンとヤムチャは悟飯の勝利を願ってただ見ていることしか出来ないでいた。

 

「こ……こんな馬鹿なことがあるか! こんなものスカウターの故障に決まっている!!」

 

 乱暴にスカウターを外して地面に叩きつける。その衝撃でスカウターは破損し、ボン! という爆発音と共に砕け散った。

 

 そんな取り乱したベジータをよそに、気を極限までに高めきった悟飯は、その逆立つ頭髪がほんの一瞬だけ金髪に変化したように見えたと同時に、地面を蹴ってベジータをへと肉薄する。

 

「でりやぁ!!!」

 

「っな!? ごほぉあ!!?」

 

 ベジータも反応が遅れてしまう程の超スピードで迫った悟飯から、この戦いで初めてのクリーンヒットを顔面に当てられた。

 

 その威力は凄まじく、今までどんな攻撃も通用しなかったベジータがタタラを踏んで後退する。

 

「うりゃりゃりゃ!!!」

 

 そこを間髪入れず悟飯が左右の拳を目一杯握り締め、ガラ空きとなったベジータの胴体にラッシュ攻撃を決め込み、反撃がくる前に蹴りでぶっ飛ばして追撃の魔閃光を叩き込んだ。

 

「お前なんか……お前なんか……、死んじゃえぇぇぇ!!!」

 

「っ、ぐおおわぁぁぁ!!!?」

 

 怒りで理性がぶっ飛んだ悟飯の攻撃は凄まじく、蹴り飛ばされたベジータは岩山を3つ貫通してようやく止まり、そこに撃ち込まれた魔閃光は巨大なキノコ雲を作り出した。

 

 それだけやってようやく悟飯の理性が戻ってゆき、全身の力が抜けたのか、その場でへたり込んで動けなくなっていた。

 だがあれだけの猛攻を受けたのだ、いくらあの化け物みたいに強いサイヤ人といえどもう立ってはこれまいと確信していた。

 

「やったな、悟飯!!」

 

「本当によくやったぜ! 流石は悟空の息子だな!!」

 

 倒れる悟飯に抱きつくクリリンと、乱暴に頭を撫で回して褒めるヤムチャの2人に困ったような笑みを浮かべながら、ピッコロの敵を討てたと満足そうにしている悟飯。

 

 だが、そんな平穏な時間はすぐさま終わりを告げた。

 

「き……キサマら! この俺様があの程度でくたばったと思ったか!?」

 

「「「なっ!?」」」

 

 倒したと思われたベジータが悠然とした歩みで再び姿を現した。

 

 ボロボロになった戦闘服に口から垂れ流している血がそのダメージのデカさを物語っているが、手足にふらつきはなく、感じられる気の大きさからして戦闘不能には程遠い状態といえる。

 

「とはいえ、さっきの攻撃は随分と効いたぞ! このベジータ様が一瞬だけとはいえ敗北を覚悟してしまうくらいにな!!」

 

 あのクソガキめ! さっきの一瞬だけとはいえ、この俺様を上回るスピードとパワーをみせやがった!?

 まだガキだからか、怒りでブチ切れた時しか本来の実力を発揮することが出来ないのだろう。

 

 現に、今の奴からは先ほどの恐ろしいまでの気迫といえるものは感じられず、ただのガキに成り下がっている。

 

「ドラゴンボールを手に入れら為に地球に来たが、運が良かったぜ! もしそのガキが成長して力を自由にコントロール出来ていれば、この俺様でさえ手に負えない怪物になっていたかもしれんからな!」

 

ギロッ!と腰を抜かして倒れている悟飯のことを睨みつけながら、ベジータはゆっくりと悟飯を殺そうと近寄っていく。

 

「さ、させるか!」

 

「子供ばかりに任せてられるかってんだ!!」

 

「邪魔だぁ!!」

 

「「ぐわぁ!?」」

 

 クリリンとヤムチャが悟飯を守らんとその身を盾にして立ちはだかるが、ベジータの腕の一振りで放たれた強力なエネルギーの爆風に呆気なく吹き飛ばされてしまう。

 

 残されたのはもう動く体力も残っていない悟飯のみだった。

 

「さあ、これでお前を守ってくれる盾はいなくなったぞ?」

 

「っ! た……例えボクがやられたって、お父さんがきっとお前を倒してくれる!!」

 

「なるほど、素晴らしい親子の絆だな。なら、あの世で一緒になれるようにキサマの死体のそばにカカロットの死体をそえてやる!!」

 

「っぐ!!」

 

 ベジータが悟飯を殺そうと右手に込めたエネルギー弾を投げつけようとしたその瞬間だった。

 遠くの方からこっちに急速に近づく者がいた。

 

『3倍界王拳!!!』

 

「っ!? ぐおわぁ!!?」

 

 途轍もないスピードで飛んできた男の拳がベジータに突き刺さり、悟飯のピンチを救った。

 倒れる悟飯を背にし、戦場に降り立ったのは──ー、

 

「ずいぶんと待たせたな!」

 

「「「悟空(お父さん)!!!」」」

 

 ヒュオオオッッ! とはためく風を背に、ついに皆んなの希望の救世主である孫悟空が登場した。

 

 




悟飯ちゃんが軽くスーパー化しかけた。
ナメック星編では悟空より先にスーパーサイヤ人化のルートも微レ存かも?

ナメック星IFをスキップ

  • する
  • しない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。