悪の科学者を超える転生者 作:ヘルスパイダー
最近は暑くて執筆どころじゃない日々が続きますが、皆さんも熱中症には気を付けてください。
無事に何事もなくガーリックjrを始末したラディッツは、相も変わらずボゲに課された修行をひたすらこなしていると、緊急でボゲに呼び出され、地球からついにカカロットがナメック星へと宇宙船に乗って向かったと報告を受けた。
「それで、俺にどうしろというんだ?俺もナメック星に向かってフリーザを倒すのを手伝えと言うのか?」
「いや、フリーザ退治はもう少し後で頼むとしよう。それよりもこれだ……」
「ふっ、フリーザ退治などと気軽に言える奴など、この宇宙全土を探しても貴様ぐらいなものだぞ。それで、俺への用事は……。ああ、なるほど、ついにお前の求める頭脳を手に入れるということか……」
ボゲに提示されたマップの目標地点が、かつて自身の父であるDrゲロの最高傑作であるセルを倒すのにどうしても必要な頭脳であると言わしめた劇場版ボスの1人であるDrウィローの研究所だった。
ここは現在、永久凍土と言われる分厚い氷の壁で覆われており、中にある研究所には侵入不可能になっている。
それこそ、神龍の力をもってしなければその氷は溶けることはなかったのだが……。
ボゲからの任務を受け、その現場にラディッツが向かう。
「ここが永久凍土か、話通り凄まじい寒さだ。それにこの分厚い氷の壁、地球の科学力では砕くことは無理だろう。ただ1人アイツを除いてな……」
脳裏に思い浮かべるのはバグレベルの科学力を持つあの男の姿。
そんな男に任されたからには、この程度の任務で失敗などしていられない。
「はああぁぁぁ……!!」
永久凍土に手を当てて自身の気を熱エネルギーに変化させて注ぎ込む。
ジュワァァッ……という音と共に溶けることのなかった永久凍土はラディッツの触れた箇所を中心に解凍されていく。
やがて永久凍土の大部分が溶けていき、充分に研究所に入れるスペースを確保することが出来た。
そこから研究所内部へ侵入すると、突然の警報音と共に謎の男の声が辺りから響き渡った。
『何者だ?このDrウィローの研究所に無断で侵入してきたのは……』
「そいつは悪かった。だが、ここの研究所を覆っていた氷を溶かしてやったんだ。それで充分にここへ入る権利はあると思うんだが!?」
『なにっ!?あの氷を溶かしたのは貴様だったのか……』
こちらを監視していたカメラがジーっと音を立てて更に警戒の色を強くする。
いや、それだけではないのだろう。先程までのただ監視されるような視線とは別に、値踏みされるような視線が増えた気がする。
『なるほど、その肉体の完成度。内に秘められた莫大なエネルギー。どうやら噓ではないらしい』
「それで、俺は研究所内に足を踏み入れる許可は出たのか?」
『ああ、いいだろう。ただし、客人としてではなく、私の新たな肉体としてだがな!!!』
ガシャン!ガシャン!と研究所の入り口が封鎖され閉じ込められてしまったラディッツ。
しかし閉じ込められた当の本人はまるで慌てる様子もなく、そのまま研究所の奥へと足を踏み入れる。
それもその筈、この程度の防壁ではラディッツの攻撃を防ぐことなど出来るはずもなく、気弾一発で破壊することなど容易いからだ。
そうして研究所の奥に向かって歩を進めていると、ラディッツの不意を突こうとしている3つの影が上空から襲い掛かってきた。
「「「シャアァァァッッ!!!」」」
「……それで奇襲のつもりか?」
上から襲い掛かってきたキシーメ、エビフリャー、ミソカッツンの3体だったが、ラディッツは始めから3体の気配に気づいており、それを軽くあしらうと順番に拳を叩き込んでいく。
「「ガッ!?」」
「グヒッ!」
「あん?」
キシーメとエビフリャーはラディッツの一撃を受けて爆散し戦闘不能に陥ったが、ミソカッツンだけはその自慢の軟体ボディでラディッツの攻撃を受け止めた。だが、所詮は受け止めただけに過ぎない。
「しゃらくせぇ!!」
ラディッツは攻撃が効かなかったのはその柔軟性にあると見抜き、即座に貫通性のある気弾をミソカッツンの腹に撃ち込んだ。
「──―っ、グッボォォォ!!!」
気弾を跳ね返そうと必死に耐えるも、一瞬で限界まで伸びきった体はその攻撃に耐えられず見事に貫通してみせた。
パンパンとゴミの掃除が終わったとばかりに手を叩くラディッツに、またもや辺りからDrウィローの声が響き渡る。
『流石だ。まさかバイオテクノロジーで作り上げた三体の凶暴戦士をこうもあっさりと始末するとは……』
「どんだゴミ掃除を押し付けられたもんだ。この程度の相手ならば百体二百体揃えたところで、俺の相手はつとまらんぞ!」
『どうやらその通りのようだ。だが、こちらもそう容易く引き下がることはできぬのでな……』
ウィーンと今まで閉じていた扉が勝手に開いた。恐らくはこっちへ来いと誘っているのだろう。
別にこれが罠であろうとも、ラディッツからしてみればあの程度の刺客しか寄こしてこない連中を警戒する必要はないと判断して素直にその誘いに乗った。
そして案の定、ラディッツが扉を抜けて部屋に入ると床に仕掛けられていた電撃式の拘束装置が作動した。
「っ、ぐぉっ──―!?」
バチィッ!!という激しい音と共に全身に高圧電流が流れる。並みの者では身動きする間もなく絶命するほどの電力ではあるのだが……。
「ふぅ~、むん!!」
バチン!とラディッツは呆気ないほどに床に仕掛けられていた電撃式の拘束装置を破壊してみせた。
この程度の仕掛けではラディッツの足を止めることは出来ず、容易く突破され、そのまま奥に鎮座していた巨大な脳のロボットに成り果てたDrウィローの元へ辿り着いた。
「まさか、あれが貴様の切り札だったのか?なら申し訳ないことをしたな。もう少し苦しんだ末になんとかギリギリ破ってみせたと演出してみせた方が良かったか?」
『いや、あの程度で貴様を止められるとは微塵も思ってはいない。ただ確かめたかっただけだ』
「なにを……?」
『この私の力が通じるような存在かどうかをな……』
ゴゴゴゴゴゴ……!!!とDrウィローが動き出した。
見上げるような巨体を誇るDrウィローだが、ラディッツは未だなお余裕の笑みを崩さずに眺めていた。
「まさか、あれで俺が貴様よりも弱いと判断したのか?」
『いいや、その逆だ。貴様は強い。この私のボディに相応し過ぎる程に強大な肉体である。だからこそ、1つの疑問が残るのだ?貴様は一体何の目的で私の研究所にやって来たのか?』
当然の疑問だろう。戦士であるラディッツがどういう目的で氷に閉じ込められていたこの研究所を解放したのか?
そこには必ずラディッツの背後に黒幕と呼べる何者かの存在がいることぐらいは容易に想像できる。
しかし、その人物の正体と目的までは分からない。
「まったく、本当にアイツの言う通りの展開になったな」
『アイツだと?』
ラディッツが懐からホイポイカプセルを投げて何かの機械を床に設置する。
その機械は設置されると同時に空中に映像を浮かび上がらせる。
ここが遠く離れた凍土だからなのだろうか、最初はジジジ……とノイズばかりが走っていたが、数十秒待つと映像は綺麗になり始め、そこにはボゲの姿が映し出される。
「ご機嫌よう、Drウィロー。私の名はDrボゲ、貴殿の協力者になりたいと願う者だ……」
「Drボゲだと……?」
この研究所に閉じ込められて外界からの情報を一切入手出来ないDrウィローからしてみればDrボゲなどという名前は聞いた事がない。
だが、その顔には見覚えがある。というより、知っている科学者の顔の面影がある。
『そうか、貴様!?もしや、あのDrゲロの息子か!?』
「いかにも、私の父の名はDrゲロ。どうやら、あまり詳しい身の上話しをせずに済みそうで助かりそうだ……」
どうやら、私の事は知らずとも父の事は知っていてくれたようだ。
「ならば早速これを見てもらおうか。私が貴殿の協力者になりえるという証のようなものだ」
それから私は映像越しに今考えている共同研究のプレゼンを行なう。
そこいらの自称天才科学者程度では一切理解出来ないであろう、現代科学を優に超える数式や図面を流しながら説明を行っていくと、Drウィローの態度がドンドンと変わっていくのが手に取るように分かる。
「ほう……、なんと!?そんな発想が……!?」
「更にここから……、この研究を元に……、貴殿の望む……」
私の研究内容に興味津々といった様子のDrウィローだが、私は敢えてここで一呼吸入れてみる。
ここまで興味を惹く話題を出しておきながらも、そこで一旦切ることで相手の反応を見る。
すると、案の定、Drウィローは話の続きを聞きたくて仕方ない様子だった。
やはり、悪の科学者といえどこの男もまた研究者なのだ。
自身のまだ知らぬ未知の科学には興味を惹かれてしまうのは無理からぬこと。
だからこそ、彼が興味を持ったこのタイミングで私は協力関係を築かないかと提案する。
「どうだろうか?私は貴殿と手を組みたいと願っている。勿論、世界征服なんてものは止めさせてもらうが、それでも貴殿の研究には最大限協力はさせてもらう」
「…………。1つ聞きたい。何故私なのだ?確かに、私はそこいらの科学者よりも優れた頭脳を有していると自負しているが、これ程までの頭脳を持つ貴様であれば時間と金さえかければいずれは自力で成し遂げられるだろうに?」
「……確かに、Drウィロー。貴殿の言う通りだ。しかし、私には時間がない。これから私が話す内容は荒唐無稽かもしれないが、真実であると信用してもらった上で聞いてもらいたい」
それから私はDrウィローにこの先の未来で起きることや、父であるDrゲロの野望を止めたいということ。
そして、最終的に私が造り上げようとしている最強の人造人間開発の計画を全て話した。
「なるほど、ほぼ確定された未来。その来たるべき時までに独力では間に合わないと判断したが故の協力関係の提案か……」
脳みそだけしかないので表情からその心情は察せられないが、その声色からして半信半疑なのだと察せられる。
それから数秒、沈黙が場を支配する。
そして、たっぷり考え込んだのだろう。
「いいだろう。君の計画に協力させてもらおうじゃないか!」
「やはり、貴殿ならばこの提案に乗ってくれると思っていたよ。その上で、この計画を貴殿にプレゼントしよう」
一度映像を切り替えて、前々から私が考案していた人造人間プランを画面に映し出すと、興奮したのかゴボゴボと脳みそが入った培養液が泡を立てる。
どうやら、案の定気に入ってくれたようだ。
「ふはははは!!!これは確かに、私の理想を実現させるのに最高のプランだ!!」
ふっ、これで人造人間編に突入するまでに成し遂げたい目的の1つが完了した。
「Drウィロー!!!」
突然の乱入者がこの部屋に入ってきた。
その人物はDrウィローの助手であるDrコーチンだった。
どうやら、この研究所の氷が突然溶けたのを知って慌てて駆けつけたようだ。
そして、ラディッツによって破壊されたバイオ戦士の亡骸を見て血相を変えてここへやって来たという経緯だろう。
「っ!?貴様らDrウィローから離れろ!!!」
ガトリングへと変形させた左腕で脅しかけてくるが、そんな現代兵器程度ではコケ脅しにもならないことを教えてやるために、私がプレゼン中退屈そうに壁に寄りかかっていたラディッツが一瞬の隙にDrコーチンの前に接近し、そのガトリングに変形した左腕を無造作に引きちぎった。
「っっな!!?」
「さて、おい!この爺は殺してもいいのか?」
「いや待て、コーチンは私の優秀な助手だ。出来る事なら、殺すことなく私と一緒に協力関係を結ばせたい」
そんなDrウィローの答えに、そうかと淡白な返答で引きちぎった左腕をコーチンの目の前に捨てて距離を取った。
それから私はコーチンも交えてDrウィローとの会話を再開させる。
先程のプレゼンをもう一度最初から行ない直し、Drウィローと私で作り上げる人造人間の素晴らしさを説いていく。
その話を黙って聞いていたコーチンだったが、突如笑い出した。
「素晴らしい!素晴らしいですぞ!!」
どうやら、感極まったようで感情が爆発してしまったようだ。
まさかここまで感涙にむせぶとは思っておらず、内心で若干引くがここまで喜んでいるのなら、計画にも積極的に協力してくれるだろう。
実はサイヤ人編IFみたいに、ラディッツが全く介入しないナメック星編IFをやるかスキップするか悩んでいるのでアンケート取ります。
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