悪の科学者を超える転生者 作:ヘルスパイダー
今後も励みになりますのでドンドン送ってください。
前回作ったスパイカメラの結果はゲロの居場所の把握と研究成果の盗み撮りには成功したが、残りの目標であったウィローの研究所は映画通り雪崩で埋まっており、小型スパイカメラでは到底侵入することが出来なかった。
そして、魔人ブウの方はそもそも発見することが出来ず、恐らくだが何らかの方法で封印状態のブウを隠していると思われる。
地球に住まう神の神殿にすら飛行機などの乗り物は近づけない結界を張っているというのに、そんな神よりも何段階も上の界王神を殺して回った魔神ブウをただ人間の手に届かない場所に放置するとは考えづらい。
そうした以下の理由によって、現状ではゲロの監視以外は役に立たないスパイカメラであったが、ようやっと他に出番が回ってきた。
それはつい先日の話だが、昼間だというのに空が夜のように真っ暗闇になったのだ。
これはきっとピラフ大王が神龍を呼び出したということなのだろう。
そうなってくると、次の天下一武道会で孫悟空やクリリン、そして変装した亀仙人であるジャッキーチュンが参加するということ。
未だ私が思い描く最強の人造人間プランはほぼ白紙の状態ではあるが、そもそも私は気という存在を把握出来ていないのだ。
現実世界には存在しない物質と呼べるのかどうかも分からない。まさに、ダークマターのような存在で、他の漫画では魔力、チャクラ、コスモ、闘気などと様々な呼び方をされており、私はこれを総じて不思議なパワーという意味を込めてFパワーと名付けることにした。
まずはFパワーが熱エネルギーなのか光エネルギーなのか電気エネルギーなのかを探るべく、天下一武道会で彼らの出すかめはめ波を始めとした戦闘シーンの研究をしようとスパイカメラの増大に加え、ハイスピードカメラやモーションキャプチャー等々、様々なカメラの性能面向上も追加するべく研究に取り掛かった。
結果、なんとか天下一武道会の開催前までに間に合わせることが出来た。
ついでに言えば、出来たスパイカメラを大きくなるよう改造してドローンのような形状にし、ドローンカメラとしてテレビ局や天体観測の研究者などカメラに関する職の者達に高値で売り払うことが出来た。
そして、スパイカメラによって一番大きい気を放ったジャッキーこと亀仙人が月を破壊したかめはめ波を観測して分かったことがいくつかあった。
Fパワーとは人間などのような生命体だけではなく、植物や海や大地などといった無機物にすら宿っているのだ。
思い返してみれば、悟空が元気玉を集めるセリフで海や大地に空と生き物でないものに語り掛けたり、草花からエネルギーのような光が集められるシーンが描写されていた。
つまり、Fパワーとは生物だけが持つ力ではないということだ。っとすると、無機物で構成された完全なロボットタイプである人造人間16号が気を扱えたのも、エネルギーコアが埋め込まれただけが理由ではない?
これはいくつか検証する事が必要が出てきた。流石に無機物に宿るFパワーは生物に比べて微々たるものだが、もし仮に無機物が持つFパワーを増幅させることに成功したならば、セルを超える人造人間の完成に大きく近づくことが出来る。
さっそく私は実験に取り掛かった。
今回の観測によってFパワーという概念を数値化し、ドクターゲロやドクターウィロー、その他原作には名前すら登場していなかった過去現在の名だたる科学者たちの役に立ちそうな研究成果を片っ端から読み漁り、それらを組み合わせ、改造して出来た機械によって気の再現化することに成功した。
更にそれを増幅させるエネルギー回路の開発を今回の実験を参考にして、奇跡的に自分1人の力で成功させたのだ。
「驚くほどに上手くいった。だが、ここまでくるのに早1年程度か……」
思い返してみれば光陰矢の如しといわんばかりに時間は過ぎ去っていた。
そして、私が研究に着手している間にレッドリボン軍は既に壊滅していた。今のドクターゲロは原作通りあの人造人間17号18号を造った研究所で孫悟空への復讐の為に研究に没頭しているのだろうか?
それとも、突然の軍の解散で今頃は茫然自失しているかもしれない。
だが、どちらにせよ未来では人造人間が暴れ回るのは確定しているだろう。
ならば私は、その人造人間を超える最強の人造人間開発に一分一秒でも早く完成へと近づけねばなるまい。
そう決意を新たに、次なる研究目標である素材回収の為にスパイカメラの強化を進めることにした。
まず手始めに行ったのが、金稼ぎの為にカメラ関係各所の者達に売り渡したドローンカメラの問題点や改善点などを定期的に書類で送ってもらい、簡単なものならば無料でアップデートし、多少手を加えて改良しなければならない場合は少しの金銭もしくは私の研究に役立ちそうな情報を対価に私自らがドローンカメラの手直しに向かった。
それが功を成して、今後私の役に立ちそうな情報が手に入った。それが光学迷彩機能だ。
動物保護を目的とする組織からの依頼で売り渡したドローンカメラだが、保護対象の動物たちに警戒されてストレスを与えていると苦情が入り、ならば普段はどのように保護対象を監視しているのかと尋ねると、自身の体を周りと同じ色の保護色で覆い隠していると答えた。
そこで私はピーン! ときた。レッドリボン軍が壊滅したということは、今後の悟空たちの監視をする際はドクターゲロのスパイカメラも付近に存在するということになる。
そうすれば、もしかすればあの天才科学者ゲロならばこちらのスパイカメラの存在に気づいてしまうのではないか?
そう考えた私は、彼らから迷彩関係の資料をドローンカメラの性能向上の為と半分噓をついて譲り渡してもらった。
それを元手に私はスパイカメラに光学迷彩機能の追加に成功し、ドローンカメラにもその光学迷彩機能を取り付けて組織の者に譲り渡した。
結果、次に送られた経過報告書では動物達はドローンカメラの存在に気付くことなくいつも通りの生活を送っていると返答が帰ってきた。
これならば次の天下一武道会にもスパイカメラを送りつけても問題はないだろう。
それに、その天下一武道会終了後には私の目的とする人物が登場する予定だ。この光学迷彩機能があれば通常よりも遥かに間近で観測することが出来る。
そして迎えた次の天下一武道会では、案の定ドクターゲロのスパイカメラと思わしき虫型ロボットを発見したが向こうはこちらの様子に気づいた様子は無く、リングの上で戦う悟空達をジッと監視していた。
「やはり何事も他者からの声と創意工夫というのは大事だな。これで安全にピッコロ大魔王の細胞を手に入れることが出来る」
ニヤリと笑みを浮かべて天下一武道会を映すモニターとは別のもう一つのモニターに映る復活したピッコロ大魔王を見つめるボゲの姿はどこからどう見ても悪の科学者以外の何者でもなかった。
だが、これは必要なことなのだ。Zの3大ボスキャラはフリーザを除くセルとブウは強力な再生能力を有しており、持久戦ともなれば再生能力の有無は戦況に大きく関わってくる。
故に、私の造り出す最強の人造人間開発の為には、ピッコロもといナメック星人の再生能力は必要不可欠なのだ。
それに、今このタイミングで入手するのにも訳がある。魔人ブウは再生するのに大してFパワーをほとんど消耗せずに済んでいるが、ナメック星人の再生はFパワーを大量に消耗する。
フリーザとの戦いでネイルが斬り落とされた腕を再生させた際、フリーザから戦闘力が大分落ちていると口にしている描写があった。
つまり、何が言いたいのかというとだ。私はピッコロ大魔王の細胞を手に入れ次第、すぐさま再生能力の改良に取り掛かりさえすれば、人造人間編までにはFパワーの消耗を魔人ブウ並に落とせるのではないかと思うのだ。
そうすれば、いくら強力な攻撃を喰らおうとも、即座に再生して戦うことが出来る筈だ。
「さて、細胞を採取したスパイカメラは帰ってきたが、これを検査機に入れて詳しく解剖するにも時間はかかる。それまでの間は、悟空と天津飯の戦いでも観戦させてもらうとするか」
パチン! と指を鳴らすと、部屋の壁の一部が忍者屋敷のどんでん返しのように回転し、奥からイスと飲み物が入ったカップがボゲの近くにやって来る。
「ふふ、気分はさながら裏で糸引く黒幕気分といったところか……」
カップに口をつけながら悪い笑みを零して悟空と天津飯のリアルな戦いを久方ぶりに純粋な子供心で楽しんだ。
今回はちょっと話が短い気もしますがどうだったでしょうか??
今話に登場したオリジナルのFパワーはファンタジー小説を考えている際によく作者が脳内で使っている単語で、せっかくだから科学者らしく新しい単語の1つとか使ったらカッコイイから折角なのでと思い使いました。
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