悪の科学者を超える転生者   作:ヘルスパイダー

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前回の感想が多かったのでやる気が継続して早めに書き上げることができました。
これからも感想と評価次第で早く投稿できるからドンドン送ってきてやぁ~♪


サイヤ人強襲IFその1

 今朝方、宇宙からこの地球に迫ってくる2つのアタックボールが確認できた。

 このままの調子でいけば昼頃には地球へ着陸するだろう。

 

 折角の機会だからと、本来ならトレーニングの時間に入っているラディッツを呼び出し、今回のサイヤ人VSZ戦士達の戦闘を共に観賞し、現在の主人公達の力の差の確認と本職の戦士の意見を聞くことにする。

 

「よもやただの観賞部屋にここまでの装備を用意するとはな……」

 

 部屋に設置されている大型モニターはまだいいだろう。その両隣に設置されてある高性能スピーカーも戦闘の音をよく聞くのにも必要だろうしな。

 

 しかし、部屋の後ろに設置されてあるドリンクバーやポップコーン製造機に加えて、自動AIロボット3体の配置に最高級ソファーやイスは明らかに要らないだろう? 

 

「折角の観賞なんだ、どうせなら菓子や飲み物を飲みながら優雅に見たいだろう? まあ、君が嫌だというのならばそこで立って見ていればいい」

 

「…………俺もポップコーンとコーラを1つ」

 

「了解シマシタ」

 

 散々言ってはいたが、ここでの生活の娯楽にどっぷりハマったラディッツは立って観賞はせず、ソファーに身を沈めて気恥ずかしそうにAIロボットに菓子とジュースを要求した。

 

「これじゃまるで映画の観賞会だな」

 

「はっはっは、あながち否定は出来んしその通りだろう。それに、もしいざとなれば、君が横から助太刀に入れば事は問題なく終わるのだからな」

 

 実際問題、別に今のベジータ達程度ならばラディッツがその場に行けばものの数秒も経たぬうちに片をつけることが出来るのだから、今回の戦いは映画感覚で見ていても問題は無いだろう。

 

 おっと、ベジータ達が地球に着陸したな。そしてそのまま、原作通り街1つ滅ぼした後にピッコロ達の元に飛んでいった。

 

「君は今回の戦いの結果はどうなると予想している?」

 

「……以前、俺との戦いで見せたあの実力のままでは万が一にも勝ち目はないだろうな。だが、もしも俺のように大きく実力を伸ばせたのならば、あるいは……」

 

「なるほど。まあ、結果はこの目で確認するとしよう」

 

 さて、ラディッツを助けた結果で今後の展開がどう転ぶのか? 

 是非とも心躍るような闘いを見せて欲しいものだ……。

 

 

 ♦︎

 

 何もない荒野で地球のZ戦士達が集結していた。

 

 本来の歴史ならベジータが来る前に合流するのはクリリンだけの筈なのだが、歴史が変わった影響のせいかZ戦士達がベジータ達が来るよりも前に既に全員集まっていたのだ。

 

「来やがったぞぉ! サイヤ人共だ!!」

 

 そんなZ戦士達の中で一番の実力者であるピッコロがいち早くサイヤ人の襲来に気が付き声をあげる。

 

「へっへっへ、どうやらオレ達を歓迎する準備は既に出来てたようだぜ……」

 

「どうやらその通りのようだな」

 

 現れたサイヤ人から放たれる気は物凄く、鬼気迫るような圧迫感が襲い掛かってくる。

 クリリンや悟飯らはそのプレッシャーに押されて身体が震えてすらいた。

 

「…………もう1人お仲間のサイヤ人は来ないのか?」

 

「もう1人だと……?」

 

 キョロキョロと辺りを見渡し、やって来るだろうと思っていた男がいないことに疑問に持ったピッコロはベジータ達に問いかけた。

 

「あのラディッツとかいう男だ。どうやら俺の詰めが甘く生き延びたようだったから。てっきり復讐へはお前らと一緒になって仕掛けてくるものだとばかり思っていたが……」

 

「ほぉ~う……」

 

「だぁ~っはっはっは、なんだあの弱虫ラディッツの奴め、死んだと思っていたがしぶとく生きていやがったのか」

 

 

 この様子では奴らも生存していたのは知らなかったようだ。

 まあ、今となってはあの程度の奴が割って入ったところで苦戦することもないだろう。

 

「だが、生きているとなるとこの場に姿を現さない理由はまだオレ達の存在に気がついてないからか、もしくは……」

 

「ビビって何処かに隠れ潜んでるのかもな!」

 

 まるでラディッツの心配をせずにほくそ笑んでいる2人のサイヤ人に画面越しに見ているラディッツが小さく舌打ちを鳴らす。

 

「ちっ、奴らめ……。ちょっくら行ってぶっ飛ばしてきてもいいか?」

 

「やめなさい。私はお前を弱い者イジメさせるために強くしたんじゃないぞ」

 

「はっ、かつては弱虫ラディッツと呼ばれたこの俺がベジータ達を相手に弱い者イジメとはな」

 

 愉快そうに笑ってから、立ち上がりかけた姿勢を戻してソファーに再び身を沈め、画面の先で戦うZ戦士達の活躍をポップコーン片手に観戦する。

 

「そういえばナッパよ、サイバイマンがあと6粒ほどあったはずだ。それで奴らの相手をしてやれ」

 

「サイバイマンをか? へへへ……、相変わらずゲームが好きだなベジータ」

 

 持っていたサイバイマンの種を地面に植えると、1分もしないうちに6体のサイバイマンが姿を現した。

 

 それを見てラディッツがふと疑問に思い口を開く。

 

「ん? サイバイマンはあれほどに弱かったか……?」

 

「馬鹿を言うな……、今日までお前のサンドバッグになっていたサイバイマンは全て私が強化して育て上げた品種だ。それこそ、最近のサイバイマンは戦闘力10000超えの強化種だぞ。あの程度の戦闘力1200と比べては可哀想というものだ……」

 

「ああ、そういえばそうだな」

 

 疑問が晴れ納得したラディッツはポップコーンを口に放り込んで現在戦っている天津飯とサイバイマンの1戦に目を向けるも、戦闘力1万以下の両者の戦いはラディッツからすれば蟻んこ同士が争っているようにしか見えず退屈な様子だった。

 

 決着は原作よりも早く、サイバイマンの溶解液を避けることなく逆に弾き返してトドメを刺した。

 次に戦うヤムチャも互角以上の力でサイバイマンを押していた。これはラディッツが生き返ったことで修業のランクをアップさせたことによるせいなのだろうか? 

 

 ここ1年はZ戦士達の修業よりもラディッツの魔改造と世界近未来観測システム(ワールド・エピタフ)の開発に力を入れて取り組んでいた為にスパイカメラで修業風景なんぞ見ていなかったので正確なことは分からんが、いい影響なのは確かなことだ。

 

 おっと、少し考えごとをしていたらヤムチャがサイバイマンにかめはめ波でトドメを刺しに入った。ここは原作通りなのだな……、そしてそのかめはめ波を喰らったサイバイマンもまだかろうじて息をしている。

 いくらヤムチャが強くなったとはいえこの流れは流石に変わらんか……。

 

「おまえたち思っているほどこの化け物どもは強くなかったようだな。残り全部も俺がカタをつけてやるぜ!」

 

「くっくっく……、今度はおまえたちの方が甘くみていたようだな」

 

「なにっ……!?」

 

 地面に倒れ伏していたサイバイマンの手がほんのわずかだがピクリと動きをみせ、油断していたヤムチャの体にしがみついた。

 

「なっ!!?」

 

「ニヤ……」

 

 抱き着いたサイバイマンが薄気味悪い笑みを浮かべ体が発光し出したその瞬間、ピッコロがいち早く気がつき、カッ! と目から怪光線を放ちサイバイマンを貫いた。

 

「グゲェッ!?」

 

「「なっ……!?」」

 

「へっ、こっちも甘くみてもらっちゃ困るぜ。ソイツが生きていたことくらいお見通しだ……」

 

 なんと、まさかピッコロがサイバイマンを倒すとは……。死体のフリをしたサイバイマンの演技を見破れたのは、やはりラディッツのトドメを完璧に決め切れていなかった過去の教訓で学んだからか。

 将来、セル戦でお手本のような舐めプで父親を死なせ、後の魔人ブウ戦でも舐めプでゴテンクスとピッコロを吸収された悟飯の師匠とは思えん学習能力だな。

 

「た……助かったぜ、ピッコロ……」

 

「ふん、キサマごときの礼なぞ不要だ。油断しやがって、もういい! 残りの奴らは全員俺がカタづけてやる! お前らは手を出すな!!」

 

 重いターバンとマントを脱ぎ捨て身軽になると、Z戦士達を下がらせて残り4体のサイバイマンの相手を買って出る。

 それを聞いた悟飯やクリリンはやめるように言うがピッコロは聞く耳を持たず、さっさとかかってこいとばかしに手招きして挑発を煽る。

 

「けっ、ちょっとばかしサイバイマンをぶっ殺したからといって調子に乗りやがって! ナメック星人のクセに身の程をわきまえねぇ野郎だぜ!」

 

「まあそう怒るなナッパ。丁度いい、ここでサイバイマン共に奴をイタめつけさせ、ドラゴンボールのありかを吐かせてやるとしよう」

 

「おお! そいつは名案だぜベジータ。よし、お前ら! あのナメック星人を死なねぇ程度に痛めつけろ。間違っても殺すんじゃねぇぞ!!」

 

「「「「キキィッ!!!」」」」

 

 ナッパの命令を受けて残りのサイバイマンが一斉にピッコロに飛び掛かりにいった。

 流石のピッコロといえど、サイバイマンを4体同時に相手するのは少々苦戦するかと思いきや、真っ先に飛び掛かりにいったサイバイマンの懐に入り込み、腹部へ重い一撃を喰らわせ悶絶したところを、次に向かってくる2体目の方へ吹き飛ばし重なったところを気弾の一撃で2体まとめて粉々に破壊した。

 

「「キィッ……」」

 

 残る2体はそれを見て怯えて足を止めたが、後ろに控えているナッパの「テメェら!! なにをビビってやがる!! そのナメック星人の代わりにオレがぶっ殺してやろうかぁ!!!」という脅迫に背を押され、左右からの同時攻撃に打って出た。

 

「「キキャキャキャッ!!」」

 

「同時にかかれば倒せるとでも思ったか?」

 

「ハキャッ!?」

 

 左右から繰り出される拳の攻撃を引っ掴まえると、そのまま地面に叩きつける。

 

「こんな雑魚共を相手にオレがやれると思ったのか?」

 

「やれやれ、あの地球人と同じ失敗を繰り返すとはな……」

 

「なに……?」

 

 地面に目をやると叩きつけられ絶命したと思われていたサイバイマンのうちの片方が起きあがり、ピッコロにヤムチャの胴体にしがみついたサイバイマンとまったく同じ手法をとってきた。

 

「「「「「あっ!!」」」」」

 

「何度も言わせるな。この程度の雑魚ではオレはやれん!! クワッ!!!」

 

 抱き着いたサイバイマンの頭部を魔口砲の一撃で消し飛ばし、死体となったサイバイマンの拘束をふん! とバラバラに破壊して自由となる。

 

「す……すげえ……」

 

「さ……流石はピッコロだな。いずれまた敵となると思うとゾッとするぜ……」

 

「こ……こりゃ、ひょっとして悟空の到着を待たなくても決着が付くんじゃないか?」

 

 サイバイマンを圧倒したピッコロの強さに希望を見出したZ戦士達は騒ぐが、敵であるサイヤ人の2人は焦る様子もなく、死んだサイバイマンの体たらくに眉をひそめていた。

 

「ちっ、情けないサイバイマン共だぜ。6体もいやがったというのに虫1匹殺せちゃいねえんだからよ!!」

 

「まあいいだろう。どうせナッパ、おまえがやれば全員始末できるだろう?」

 

「そりゃそうだけどよ……。ちぇ、せっかく金を出して買ったのに無駄金だったぜ! こうなったおまえら全員の命でオレ様の怒りを発散させてくれよ……」

 

 怒りの感情を剝き出しにしたナッパがZ戦士達を殺すべく前に出る。

 

「あ……あのデカブツが動きだしたぞ!」

 

「さ……流石にアイツは全員でかかったほうがよくないか?」

 

 ナッパの迫力に押されてヤムチャとクリリンが及び腰になっているが、肝心のピッコロは怯えた様子は一切見せず、逆に敵の殺意にあてられてやる気満々といった感じだった。

 

「下がっていろ! キサマらでは足手まといでしかならん。それに言ったはずだぞ。残りの奴らは全員このオレがカタづけるとな……」

 

「ぐっへっへ……、調子に乗るなよナメック星人風情が、サイバイマンとオレ達サイヤ人を同格に見てるなら死ぬほど後悔する目にあうぜ!」

 

 バチバチと視線が火花を飛ばし、強者の激突を予感して大地が震えあがるように唸りを上げている。

 

 果たして、原作通りナッパがピッコロを圧倒するのか? それとも、予想を覆しピッコロがナッパを倒すのか? 

 

 一体この勝負の行方はどう転んでしまうのかぁ!!? 

 

 




次回!ヤムチャ死すをまさかのピッコロさんが助けることになるとは……。
原作バタフライエフェクトしようと考えたらヤムチャ生存が脳裏にチラついたんで救助しちゃいました。

ですが、いつかの未来でヤムチャが自爆で死す場面を作るつもりです。

奴は運命から逃れられない!次次回『栽培マン暁には散る』乞うご期待!

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