俺はただうまぴょいしたかっただけなんだ   作:nyasu

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貴方、お金賭けてるのね!たーのーむーぞー、分かった!

「起きろー!」

『なんだお!?』

 

朝、遥の声で起こされた。

びっくりしたなぁ、もー。

馬は臆病な生き物なんだぞ、誰が臆病だボケ!

どうやら学校に行くらしい、遥よお前6日連続で行ってね?

土曜日も学校とかあるんだっけ、進学校かなんかなんか。

 

「行ってきまーす」

『うむ、二度寝するか』

 

って、寝れない。

じゃあ、スキル構成でも考えるかな。

と、備え付けられた鏡を見る。

 

【メジロレクサス】

 

【調子】好調 

 

【体力】80/105

 

【ステータス】スピード:C スタミナ:D パワー:D 根性:D 賢さ:C

 

【バ場適性】芝:A ダート:G

 

【距離適性】短距離:D マイル:B 中距離:A 長距離:B

 

【脚質適性】逃げ:D 先行:B 差し:S 追込:D

 

【スキル】

・スタミナグリード

レース中盤で後ろの方にいると前方の持久力をわずかに奪う<長距離>

・八方にらみ

レース終盤に他のウマ娘が動揺する<作戦・差し>

 

【スキルPt(226)】

 

・末脚 

 

ラストスパートで速度がわずかに上がる 170pt

 

・尻尾上がり 170pt

レース中盤にスキルを多く発動すると速度がわずかに上がる

 

・直線加速 170pt

直線で加速力がわずかに上がる

 

 

 

何かスキル増えてた。

最近気付いたんだが、いつ頃からかいらねと思ったスキルが見えなくなっていた。

適正合わんし絶対取らねと思ってたから消えたんかもしれない。

で、ヤネとか言われてた奴をぶっ飛ばしたとき。

今来てるスミもヤネとか呼ばれてるから、騎手のことかもしれんがぶっ飛ばした時。

テテーン、とスキルが生えた。

スキルが生えた感覚、よく分からんけど増えてた、なんか出来たって感じの、言葉で表現できないが天啓が降りてきた感じだ。

なるほど、人を倒せば経験値が貯まってスキルが手に入るのね!

 

そう思って、おっちゃんとかバイトとかテキとかに突っ込んで押し倒したけど増えなかった。

なんなんですの!もう、ボコボコですわ!違ってましたわ!

怒られるだけだったのでやめたが、何がきっかけでスキルが手に入るのか、俺は賢いから理解した。

 

レースに出たら理事長がくれるみたいにスキル増えるんじゃね?と。

どうも、最近調教が厳しくなってきたのでレースが近々あるのかもしれない。

まぁ、任せろって俺が勝たせてやるからよ。

そしてスキルも手に入るって寸法よ。

 

『問題はスキル構成だよなぁ』

 

俺の言葉がアイツらの努力が足らんので分からないから考えないといけない。

マイルだと!?やってみせろよ、なんとでもなるはずだ!で、なるわけがない。

何、適正はマイルじゃないのか?お前はマイルじゃない、になるわけ。

俺の適性は中距離とか長距離、それでも勝たないといけないときが来るかもしれない。

距離限定スキルは発動せんからなぁ。

 

『取るならやはり、汎用性のあるものがいいよな』

 

今までの俺はスキルなしで走ってる訳である。

ゴリ押しができるのは序盤までって、負けた時にスキル足らないからってタヅナさんも言ってた。

なんでや、タヅナさんの予想じゃ勝てるって話だったじゃん!そう思ったことは数知れずである。

この世界に目覚まし時計はない、つまり夢だったかとはいかない。

俺もそろそろ、クラシック期になるんじゃないか、最近寒いし、年が終わるとかそんなんやろ。

今ってジュニアの後半なんじゃないの、知らんけど。

 

『今取れるが、うーんヒントとか貰えたりしないか?』

 

ゲームだと、他のウマ娘から貰えてたが現実だとどうだろう。

ウチの牧場にサポカになるような有名な馬がいるわけないんだよなぁ。

どうしたらいいんだ、なんかそのままのスキル取ると損した気分になるしなぁ。

 

「おはようレクサス、身体拭いてやるぞ」

『うん?おう、バイト君やんけ。おう、そこそこ拭いてくれや』

「頑張るんだぞ、そろそろレースだからな。俺もお前のことガンガン投稿するからな」

『おっ、なに?写メるの?動画?そういえば今ってまだガラケーなんだ、遅れてるぅー』

 

好きなだけ撮るが良い、未来の三冠馬だぞ、三冠とか余裕でしょ。

しょっちゅう取ってたし、初心者ではないからな。

まぁ、サポカ充実してないけどなんとかなるやろってな。

 

「おしおし、当日は単複で応援馬券買うからな。一万円も賭けるから頼むぞー!」

『なんか、お祈りしてるな。さては馬券買う予定だろ、任せろってばよ!』

「おぉ、頷いてる。なんか伝わってる感じか、俺達マブだな!流石だぜ!」

『なんか知らんけど喜んでるし、あってるぽいな』

 

任せろって、俺よりステータス高いやついないっしょ!

 

 

 

トラックに乗って出荷よー!

トラックに乗るってことはな、移動するってことでな、つまりはレースだってことだな!

今回は長距離なのかもしれない、前より長く走らされたからな。

どのくらいの距離を走るのかは分からんが、一つ分かってることはスミって奴のゴーサインだ。

俺がそろそろかなって力を抜いたら、パンパンパンと軽く叩かれたからアレはもっと走れって意味だろ。

でもって、走ろうとすると邪魔することもしてくるようになってた、アレは飛ばすなって意味だろ。

たぶん、コイツは差しで走らせてくれるんだろう。

もう完璧だな。

 

 

 

会場に着いた。

今日はパドックで大人しくしてるよ、怒られたくないからな。

ステータスチェック!どうだ、俺より強いやつはいーーーーない!

勝ったな、ガハハ!

 

「機嫌が良いじゃねぇか、頼むぞレクサス」

『バイト、俺に任せろって』

「マジで頼むぞ、デート代増やしてくれよ」

 

流石にちょっと勝ってる馬なのか、パドックでビビってる奴は少ない。

 

『とにかくまっすぐ走るんや』

『うるせぇぞ、俺のほうが速い、お前は遅い』

『舐めんなぁ、やってやるですぅ!』

『走るの?まだなの?もういいの?』

 

パドックで落ち着きねぇやつもいるな、まったく子供っぽいやつだぜ。

おっ、ヤネやんけ!ほな、乗りな!

 

「おーしおしおし、行くぞレクサス」

『おうよ、勝ってやるからよ』

「これからゲートだ、ビビるなよ。頼むぞー」

『そうだな、油断せずに行こうな!』

 

調子に乗るな、みたいなこと言ってそうだったし反省した。

そうだよな、俺は馬だから狩りをするときも全力で……馬って狩られる側では?

うん?ううん?まぁ、細かいことはええやろ。

 

 

 

京都2歳ステークス

芝右2000m / 天候 : 晴 / 芝 : 良

 

【さぁ、始まりました京都2歳ステークス、各馬入りまして……ゲートが開いた!ここで一番に駆け出したのはメジロレクサスだ!今日も大逃げか!おっと控えるようです。ダノンイサオ、外からピースキーパーが先頭争い、3番手グループ内を通ってランチボックス、ロスペトリュスとアルカザン】

 

ゲートが開いて、開くと同時にムチが来る。

まずまずのスタート、俺が一番速い。

こっちだな、と指示通りの位置に行く。

 

『ッ!?』

 

行き過ぎたか、この位置だな。

 

『行くぜぇぇぇぇ!』

『んんなぁぁぁ!負けるかァァァ!』

 

逃げ馬共が先頭争いしてやがる。

その後ろで何も言わず、呼吸を整えながらランニングするように規則的に息を吐いてる奴らがいる。

そんな奴らの後ろで陣取る。

 

『邪魔だ!どけよ、どけよ!』

『えっと、こっちかな、違った?』

 

後ろで何か言われるが無視だ、無視。

よしコーナーだぞ、もういいだろ。

 

『ッ!?おい!』

 

まだダメなのか、長距離だから早いってことか。

分かった、次のコーナーからだな、ぐるっと2周くらいするのかもしれない。

だが、すこし早めってことだなムチがあるから分かったぞ。

 

【徐々にバラけてきました、先手を取ったのはホッコビクトリー、リードは1馬身。ダノンイサオ、三番手からピースキーパーで向正面に入ってきました。その後ろからランチボックス、ほぼ差がなくアルカザン、ロスペトリュス、その後2馬身離れましてセンノカゼ、スタミナ切れか最後方にメジロレクサスです】

 

馬群が一列になってくる。

コーナーを終えて、一直線だ。

次のコーナーが見えてくる、ちょっと走りやすくなってきた、手綱が緩んだということはそろそろか。

一番先頭の馬がコーナーに入る。

 

『見えた、うぉぉぉぉ!』

『く、苦しい、もうやだぁぁぁ!』

『垂れたな、行くぞ!』

『今だな、行くぞ!』

 

前の奴ら加速していく、あのコーナーがラストだな!

おし、行く……行かせろや!なんなんだ、お前、ブッ殺すぞ!

 

「まだだ!コーナー前じゃない!」

『良いってことだな、行くぞ!おい、邪魔すんな!』

 

走り辛いけど、首を前に突き出して加速していく。

 

『むーりー』

『むーりー』

『むーりー』

 

【前が固まってきました、直線に入ってきた。最後方から上がってきた、メジロレクサス凄い足だ!大外からメジロレクサス!ダノンイサオが外から2番手やってくるか、これを躱すかピースキーパー!外からアルカザン!メジロレクサスも来る!】

 

ムチが来る!良いんだな、行くぞおぉぉぉ!

隣に馬がいる、コイツも加速してきやがった。

 

『ここで走れば良いんだな!分かった!』

『抜かせてやるもんか、うぉぉぉぉ!』

『うるせぇ、邪魔だどけぇ!やっと俺が走れるんだよ!どけどけ!』

 

俺の怒声にビビったのか、前の奴らが失速する。

いやちがう、八方睨みか!レース終盤ってことだな!

 

【外から来た、メジロレクサス!アルカザンが逃げる、そしてピースキーパー!いや、ダノンイサオだ!大接戦ですがメジロレクサス!メジロレクサスが勝利!メジロレクサス、アルカザン、ダノンイサオです】

【そうですね、あのーしぶとくピースキーパーが残ってましたね、アルカザンは抜かせられなかった】

【あーはい】

【どうかなと思ったんですけど、メジロレクサス思ったよりも強かったですね、差し切りましたね】

【なるほどー】

 

走り抜けると、手綱が引っ張られる。

どうやら終わったらしい、どうなった!俺は勝ったのか!

 

「よっしゃぁぁぁ!」

『なんか勝ったぽい!うまぴょいだぁぁぁ!』

 

これがうまぴょいってことね、これからLIVEが……あるわけないやん、俺はウマ娘やない、馬やった。

見てるかバイト、あと遥とマッマと、えっと、そうだオッチャン!ワイ、勝ったで!

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