俺はただうまぴょいしたかっただけなんだ   作:nyasu

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違うそうじゃない、そうじゃないんだが

ワイ、よく分からんけど記念撮影する。

なんか布掛けられて歩かされた。

ここに止まればええんか?メッチャ、カシャカシャされとる。

どんだけ連射するねん、人間さん。

と思ったら、途中でスミが乗ってきた。

なんか、前に勝った時もこんなんやった気がする、知らんけど。

昔のこととか忘れた、いつまで俺はここにいればいいんだ?

 

「おーしおし、よくやったぞ!マジでガチ神ってるわテンアゲっしょ」

『こっちか、こっち行けばええんか?』

「スミさん、勝利インタビューだからレクサスはこっちなぁー」

『あってるかもー』

 

バイトと一緒に帰り支度、あれ、みんな帰らんの?

 

 

 

一方その頃、墨田は勝利者インタビューを受けていた。

 

「悲願の勝利となりました、メジロレクサス。墨田光一選手です、おめでとうございます」

「ありがとう、ございます」

「最後はもう、素晴らしい足でしたが」

「あぁ、あの、悲願ではないです!これからなんで」

「なるほど、最後の直線の手応えはどうですか」

「この馬の、えぇ、パワフルな走りを見せれたかなと」

 

大勢のカメラの前で、アナウンサーの質問に答えていく。

 

「そして、今日は中団から差し切るという、何か意図がありましたら教えて頂けますか」

「えー、以前からですね。差しか追い込みで、あの、決めてましてね。調教から関わらせて頂いてましてね、こういう走りができるってことが証明できたのが一番嬉しい限りですね」

「墨田騎手とは初の騎乗でしたが、こう、乗っているごとに良くなってきているんでしょうか」

「まだですね、お互いの息といいますか走りが噛み合っていない所はあります。ありますけどね、それもよくなっているので、これからもっと強くなるポテンシャルがありますね」

「ラジオNIKKEI杯2歳ステークスに向けてお願いします」

「まだ、決まってないですが、もう一段階ですね。強くなって、実力だということを証明したいなと、思います」

「墨田ジョッキーでした、ありがとうございます!」

 

拍手と共にアナウンサーが帰っていく。

ふぅ、と一息、インタビューを終えて息を吐く。

終わった、長いようで短いレースが終わったのである。

 

今後の課題の見えてくるレースだった。

差しか追い込み、その作戦で今回は走っていた。

スタートは実に好調、位置取りも指示通りで完璧な仕上がりだった。

問題は中盤、馬群に近付いていくメジロレクサスを落ち着かせるのに手間取った。

 

スパートを掛けるには早すぎて、しかし前に行くには行き過ぎだった。

馬の走りに任せて走らせれば、早々に馬群に飲み込まれて砂まみれになっていただろう。

もしそうなっていたら、砂を浴びるのを嫌がるであろうメジロレクサスの動きは予想できなかった。

 

そして最後、抑え続けた反動か。

最後にコチラの制御を離れて好き勝手走ってしまった。

コチラのコントロールを振り切って、追い込みではなく差しでの決着。

横並びの展開であったから良かったものの。

……もし、後ろに控えてからの展開なら失速もあり得た。

 

メジロレクサスの足なら、大外から抜くことは出来るはず。

やはり、馬群を嫌うことや砂を浴びるのが苦手なことを考慮して、差しよりも追込。

最後の勝負根性もあるし、プライドの高さからすると合ってるはずだ。

もっと、俺がしっかりしてればアイツに理想的な走りをさせれたはず。

 

「待ってろよ、レクサス」

 

墨田は決意を新たにし、今日のレースを振り返るのだった。

 

 

 

帰ってきたでー、ただいまー!

 

「レクサスおかえりー!」

「あうあー」

 

ただい……誰だお前!?なんや、このベビー!

はえー、たまげたな。

マッマいないと思ってたら、子供おるやんけ!

マッマ久しぶり!赤さんもこんちは!

 

「レクサスあたまさげたー」

「新しい家族だって分かるのかしらね、でも病気が怖いから近付いちゃダメよ」

「レクサスは綺麗好きだよ」

「遥にはまだ早いかー」

 

俺が稼いでやるからよ……だからよ、成長止めるんじゃねぇぞ……

うー、うまだっち!うー、好きだっち!してたんやね、オッチャン。

やるやんけ、ワイも……いやいや待て待て何故恋愛対象が馬なんだ!

俺は人間……人間じゃない?いや、俺はガンダムだァ!(錯乱)

 

 

 

ベイビーがやってきたが俺の生活は変わらん。

ステータスをチェックして、鍛えるのみ。

寒いし、なんか写真撮影しておったし、もしかしたらホープフルステークスでも出たかもしれない。

うんうん、G1馬ってやつね!

そんな俺のステータスがこれ。

 

【メジロレクサス】

 

【調子】普通 

 

【体力】50/110

 

【ステータス】スピード:C スタミナ:D パワー:D 根性:D 賢さ:C

 

【バ場適性】芝:A ダート:G

 

【距離適性】短距離:D マイル:B 中距離:A 長距離:B

 

【脚質適性】逃げ:D 先行:B 差し:S 追込:D

 

【スキル】

 

・スタミナグリード

 

レース中盤で後ろの方にいると前方の持久力をわずかに奪う<長距離>

 

・八方にらみ

 

レース終盤に他のウマ娘が動揺する<作戦・差し>

 

【スキルPt(378)】

 

・末脚 

 

ラストスパートで速度がわずかに上がる 170pt

 

・尻尾上がり 170pt

 

レース中盤にスキルを多く発動すると速度がわずかに上がる

 

・直線加速 170pt

 

直線で加速力がわずかに上がる

 

・伏兵○ 90pt

 

4番人気以下のレースで能力を少し発揮しやすい

 

・早仕掛け 180pt

 

レース中盤に後方にいるとしばらくの間速度がちょっと上がる<作戦・追込>

 

 

 

ステータス、上がっとらんやんけ!

あと、レースに出るとスキルが増えるのね!

芝ばっか走ってた子供の頃、当時を振り返るとたぶんそれでスピードはCまで行ったんやろうな。

えっ、数ヶ月前?馬鹿野郎!馬の一生で考えたら昔なんだよ!

それにしても、なんで追い込みスキルがあるんでしょうかねぇ!

何より、伏兵だよ!おい、スキルが英雄の宝具みたいな仕組みで生えてくるとしたら、ワイ人気なかったんか!?

徹底マークやろ、自分を徹底マークさせろや!もしくは良馬場とか根幹距離とか非根幹距離とかあるやろがい!

 

「おーレクサス、今日もよろしくなぁ」

『おうバイト!お前、厩務員やったんやな!フルーツ最高だぜ!』

「よーしよし、こないだ勝ってくれたからな。梨だぞ、みんなには内緒な」

『おい、これなんか美味いからもっと寄越せ!おい、もうないぞ!どこ行った!』

「よしもう満足したな、よし行くぞ」

『おい、もっと寄越せ!引っ張んな、もっと寄越せ!』

 

なんなんですの!触らないで下さいまし!私、もっと食べたいですわ!バクバクですわ!

ほら、俺の中のリトルメジロもそう言ってる、はよ、はよ!

 

「どうだ井上くん、レクサスの調子の方は」

『さっさと出せや!おい、おいコラ!聞いてんのかい!』

「もう絶好調っすよ、気分上々って感じっすね。見てくださいよ、やる気満々でじゃれてきてます」

『ボコすぞテメェ!持ってんだろ!飛んでみろや!』

「そうか、すごい唸ってるけどやる気の表れなのか」

 

チッ、なんか持ってなさそうだな。

おう、トレーニングの時間か!

うーん、今日は坂路や!パワーが足らんのじゃ、パワーが!

 

「こら、そっちは坂路だろ!まったく言う事聞かないんだから」

「そんなことないっすよ、俺に任せて下さいって」

『なんや、こっちや!今日は坂路や!』

「レクサス、頼むよ!芝で頼むよー!オナシャス!シャス、シャス!」

 

厩務員の野郎がなんか拝んでる。

いや、頼んでるのか?

なんだよ、坂路は嫌なのか。

 

『なんか頼んでんなぁ、嫌や!』

「オナシャス!オナシャス!」

『…………』

「やっぱり無理だよ、今日は坂路にしようか。芝の坂路なら、まぁ」

『……わぁーたぁよ!ちょっとだけな、パワーが足らんからな!』

 

こっちは芝の直線やな。

ったく、スピードはもう足りてるんや、パワーは上がるけどスピード練習よりパワー練習のほうがええやろがい!

 

「おーしおし、こっちだぞ。ねぇ、社長!ねっ!」

「な、なんで!?」

「ボーナス、オナシャス!」

「う、うーん。釈然としない……」

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