俺はただうまぴょいしたかっただけなんだ   作:nyasu

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お前が俺の新しい騎手か、冷凍みかん美味い

畜生、ざけやがって!馬のエリート、レクサス様だぞ!

最近、ワイ、レクサスって呼ばれてることを自覚した。

なんでや、車の名前じゃねぇか!

なんか気分が乗らんからストライキかましてやった。

動かないと息苦しくなるんで、たまに歩くけど、はえー馬の体って血の巡りが悪いんじゃぁ。

笹針してくれねぇかな、痛いけどワンチャン、コーナー回復とか直線回復手に入るし、……って、いやいや、手に入るわけ無いだろ!

どういう原理で手に入るんだ、よく考えたら意味わからんわ。

 

もしかして、俺のやる気と比例してトレーニング効果が変わるんだろうか。

やる気が調子に比例している?うーん、難しいことは分からん。

最近はスキルについてずっと考えていた。

 

【スキルPt(485)】

 

・末脚 

 ラストスパートで速度がわずかに上がる 170pt

 

・尻尾上がり 170pt

 レース中盤にスキルを多く発動すると速度がわずかに上がる

 

・直線加速 170pt

 直線で加速力がわずかに上がる

 

・位置取り押上げ 180pt

 レース中盤で速度がわずかに上がる<作戦・差し>

 

・差し切り体勢 180pt

 レース終盤で加速力がわずかに上がる<作戦・差し>

 

増えてるぅぅぅ!

そろそろ負けたし、スキル取るか悩む。

騎手がクソでも、俺の力で勝てるはずだ。

勝てないのは俺がステータス高くてもスキルないからだな。

たづなさんが言っていた、スキルないからだよってな。

 

「レクサスー、なんだよー」

『腹減った、飯食いたい』

「あっ、こら、イヤホン引っ張るなって」

 

ふぉぉぉぉ!ローリング・ストーンズだ!お前、良い趣味してるやんけ!

俺でも知ってるわ、懐かしい。

 

「ど、どうした!?」

『ジョジョ好きで、ロックバンド聴いてたな。メタリカとか聴きたい』

「ヘッドバンギング!?馬なのに!?」

『おい、ジャンプ持ってるやんけ、寄越せ!』

「あっ、俺のジャンプ!」

 

おい、ボボボーボ・ボーボボが表紙じゃん。

まだ連載してたんか、くそ捲りずれぇ!よし、文字が分からんがどうせ内容は……分からんけど、ボボボーボ・ボーボボやな!

NARUTOもあるのか、懐かしい!D.Gray-manが週間で、ToLOVEるまであるやんけ!

 

「て、的確に一番最後のページを見てる!いや、適当に捲っただけか」

 

読めないけど、絵なら楽しいわ。

うん、表紙だけ見て満足したわ。

それより音楽聴かせろよ、おい!

 

「なんだよ、なに?どうしたの急に」

『音楽!音楽!』

「…………」

『何、音量下げてんだ!この野郎!』

「…………」

『いいぞ、音量上げてけ!フォォォォ!』

「ッ!?これだ!」

 

なんか最近、バイトが俺の前でジャンプ読むようになった。

馬房の前で座って読むから、部屋の隅から移動して覗くようにして見てる。

おい、お前仕事はいいのかよ。

次いでに何か音楽鳴らしてくれるようになった。

ドアーズとか、グレイトフル・デッドとか、ニルヴァーナだ!

コイツ、さては俺と同じジョジョからロックにハマった口かな。

ジミーヘンドリックスは渋いと思う。

そんな俺のステータス。

 

【メジロレクサス】

 

【調子】絶好調

 

【体力】100/110

 

【ステータス】スピード:C スタミナ:D パワー:C 根性:D 賢さ:C

 

【バ場適性】芝:A ダート:G

 

【距離適性】短距離:D マイル:B 中距離:A 長距離:B

 

【脚質適性】逃げ:D 先行:B 差し:S 追込:D

 

【スキル】

 

・スタミナグリード

 レース中盤で後ろの方にいると前方の持久力をわずかに奪う<長距離>

 

・八方にらみ

 

 レース終盤に他のウマ娘が動揺する<作戦・差し>

 

なんか、めっちゃ元気になった気がする。

やっぱ音楽聴くとテンション上がる。

というか、動悸がヤバい、馬の体ってやべぇ!

 

『なんや、急に来てどうした遥』

 

なんかバイトと遥が話してた。

はえー、小学生はチョロチョロ走り回って元気だぜ。

俺と一緒やな、走り回ってる。

走るの楽しい、馬だから当然だな。

人間も走るの楽しいんだろうか。

 

「レクサスー!」

『おう、呼んだ?』

「はいこれー、たべちゃダメだよ」

 

お前、何だこれ?ヴェノム?スパイダーマンか、これ?

黒いアメーバと、何だこのミミズ、まぁ貰っとくか。

おっ、コイツ……白いからソダシやな!はえー、ソダシのぬいぐるみくれるんか。

まぁ、枕にはなるやろ、貰っとくか。

 

 

 

雪が降ってた。

寒い、牧場あるし、たぶんここは北海道。

もしくは東北、雪が降るから寒い。

なんやこれ、外歩きたくねぇ。

 

「よーし、調教行くぞ」 

『あっ、あっ、やめろ、お前!馬具付けるってことは、調教だろ』

「こら、落ち着けって、ほら今日はみかんやるから」

『うま、うま、分かった。我慢してやろう』

 

どうせ今日もバイトが乗るんやろ、まぁええわ。

最近は坂路多いからな、俺の方針とも合ってるでな。

うん?そっちは違くね、どこ行くんだ、引っ張るなって!行くから行くから。

 

「ほら、挨拶しようなぁー」

『誰よ、アンタ!新しい、騎手か?』

「どうどう、落ち着け」

「あの、見ての通りなんで気性難ですから近づかない方が良いですよ」

 

オッチャンの横になんか若いのがいる。

何だオメェ、何見てんだよ!俺は気に入らなかったら振り落とすからな。

な、何だオメェ!めっちゃ見てくるじゃん、な、なんだお!くっ!

なんかジッと見てくるから思わず目を逸らしちまった。

 

「いい馬体してますね、ちょっと乗ってもいいですか」

「気を付けてくださいね、無理ならいいんで」

「たぶん、大丈夫ですよ。賢そうだ」

 

なんか知らん男が俺を撫でてくる。

うむ、まぁ、仲良くしないでやらんでもない。

今までのやつも撫でてきたからな、仲良くしたいのは伝わったぞ。

バイトに引っ張られて坂路に来た、たぶん乗るんやろ。

おう、乗せたるわ。

 

今日は俺一人、イメージするのはこないだのレース。

まずはゆっくり軽く流すように走る。

コイツ、下手くそか?なんか鞭、打ってこないな。

そろそろか、オラァァァァァ!

走り終わった。

なんだコイツ、手綱も引かないし叩いても来ないんだが、んー?

 

『お前、やる気あるのか?』

「いい馬ですね、体調も良さそうだし、動き出しが軽い」

「ちょっと前までガレてたんだが、ウチの若いのが色々やって良くなったんですわ。適正は追い込みと見てるんですがね」

「追い込みは得意なんでそういうことなら、今日は一通り走ってみますか」

 

また走るのか、おう、任せろ。

 

 

 

バイトと坂路をしてると、たまに若いのが来るようになった。

若いのが来た時は乗ってくるのだが、鞭で叩かないし手綱も引いてこないから違和感がすごい。

俺に全部任せるって、坂路なのに良いのか?

と思ってたんだが、今日は他の馬と走るみたいだ。

分かったわ、前みたいに追いかけるんだな。

 

「今日は追い切りですが、どうですかね」

「俺にも慣れてきた頃だろし、そろそろやってみようかなと。取り敢えず、強めで?」

「一杯だと機嫌を損ねるから、やるなら最後で。最初は強めでお願いします」

 

テキと若いの、ヌマが話してる。

作戦会議か?おう、無駄だぞ。

もうお前ら人間の言うことは聞かんからな、今までみたいに俺に任せとけよ。

 

『オッス、よろしくッス!』

『おい、馬鹿。すいません、コイツ調子乗ってて』

『挨拶は大事ッス!バクシンッス!』

『血筋だろ、今日は頼むな』

 

先に2頭が走り出した。

前みたいに追いかけるだろ、待たされてからスタートする。

 

『は、速い!流石っす』

『喋ってる場合か、走るんだよぉぉぉぉ!』

 

ステータス格差があるだけにすぐに追いつく。

邪魔だな、あおり運転は趣味じゃない。

抜かさせてもらうぜ!

 

『おっ!?急に叩くなよ!何やお前、気が散るな!叩くなら、叩けよ!』

『うおぉぉぉ』

『あっ、おい、この野郎!待てよオラァァァ!』

 

チラチラ叩くのか叩かないのか鞭を見せてくるのは鬱陶しいが、無視して馬群に突っ込んだ。

坂路は狭いからな、カーブじゃない直線じゃ突っ込むしかない。

オラァ、邪魔だ、どけぇ!

 

『お、俺が置いてかれる……バ、バクシィィィン!』

『刻め、血のビート!うぉぉぉぉ!』

『無駄無駄無駄!』

 

なんか俺が教えたジョジョネタ口走ってて草。

でも、勝つのはこのディ……メジロレクサス様だ!

 

 

 

調教を終えて、馬房に帰っていくメジロレクサスを見る。

いい馬だ、反応も良かったし見せ鞭で良い速度が出ていた。

 

「どうですか」

「良いですね。ただ、一回走っておきたいのはあります」

「弥生賞の前にですか……うーん、共同通信杯ならどうですかね」

「勝ちますよ、今のところ調教はいい」

 

問題は、レース本番。

調教では大人しくても、レースでは性格が変わるのが特徴だ。

ただ、試したいことはある。

負けるかもしれない、当然勝ちに行くが教えるためには必要なことだと思う。

 

「あぁ、そうだ。作戦なんですけど、差しとか先行もどうですか?」

「いやぁ、馬群を嫌うし気性が荒いので向いてないかと」

「今日、手応えを感じたんですよね。調教ではそうかもしれませんが、レース場で見たアイツは大丈夫かなと」

 

何度かレースで走ったことがある。

今までは別の騎手だったが、間近で見た直感から先行や差しでも行けそうであった。

一度だけだったが、馬群に突っ込んでも失速はしてないし嫌がる素振りもなかった。

むしろ、前に行こうという気概を感じた。

同じことをしようとすると嫌がったが、調教と本番で性格が変わるように向き不向きも変わるかもしれない。

内枠有利で瞬発力の求められるレース、差しでは間に合わないかもしれないが位置が最初からうまく行けば先行で勝ちきれる。

先行の競馬を教えるのもいいかもしれない、やはり実力が顕著に出しやすいからだ。

 

「沼添さんが言うなら、それで行ってみましょう」

「勝ちますよ、負ける気がしないんで」

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