レースに負けた。
……という、夢を見たのさ。
『…………』
「落ち込んでますね」
「いつものか」
「フルーツに見る気もしないんですけど」
「こりゃ、重症だな」
敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。敗北した。
『あぁぁぁぁぁぁ』
ステータスは俺の方が高かった。
っていうかスタミナ十分あったでしょ、ゲームなら勝ってた!
ウオッカに負けたり、ディープスカイに負けるなら分かる。
誰だよアイツ、てか最後の方とか意識が朧気なんだけど。
いつの間にか終わってた、何を言ってるのか分からないと思う、俺も分からない。
超スピードとか超能力とかじゃ断じてねぇ、最も恐ろしい物の片鱗を味わったぜ。
っていうか、えっ、4着ってお前、嘘じゃん。
そもそも、なんで先行策なの?バカなの、死ぬの?
えっ、すごい騎手じゃないの、何でなの?
ファァァァァァ!もうダメだァァァ、おしまいだァァァ!
『ぴゃぁぁぁぁぁ、あばばばば』
「おーい、元気出せレクサス。掲示板だぞ、十分だぞ」
『……ハッ!?俺は一体何を、フルーツだ!』
「うおっ!?びっくりした、急に動くじゃん」
よく分からんから深く考えないことにする。
なんか理由があったんだろ、だから俺のせいじゃねぇ!
俺は悪くねぇ!悪かったのは折り合いだ!
脚質が違うとスタミナ消費が激しいんだ、たぶん。
なんか追い込みに近いとスタミナ消費が少なくなるみたいな噂を聞いたこと会ったような気がする。
いつの話かは、忘れた!もう迷わない、今はただ、フルーツさえ食えれば良い!
口を動かせ!噛み砕け、咀嚼しろ!果汁を振り絞れ!俺はメジロレクサスだろ!
『うおぉぉぉ!』
「じょ、情緒不安定……あぁ、寝ながら食べない」
「井上、今はほっとこう。もう何も見たくねぇ」
「藤井さ~ん」
「タンポポでも置いとくか、食うんじゃね?」
「別の馬でしょ、それ」
ええい!原因は分かってる。
俺、スタミナ回復スキルを持ってないんだもん!
ウオッカとかズルじゃん、好転一息とかズルじゃん!
贅沢言わないから、円弧のマエストロが欲しい!欲しいよぉ!
【メジロレクサス】
【調子】好調
【体力】60/120
【ステータス】スピード:A スタミナ:B パワー:C 根性:C 賢さ:C
【バ場適性】芝:S ダート:G
【距離適性】短距離:D マイル:B 中距離:A 長距離:B
【脚質適性】逃げ:D 先行:B 差し:S 追込:D
【スキル】
・アナタヲ・オイカケテ
レース後半に中団から 速度をちょっとずつ上げ前方のウマ娘を ほんのちょっと委縮させる
・差しコーナー○
コーナーで速度がわずかに上がる<作戦・差し>
・スタミナグリード
レース中盤で後ろの方にいると前方の持久力をわずかに奪う<長距離>
・位置取り押し上げ
レース中盤で速度がわずかに上がる<作戦・差し>
・八方にらみ
レース終盤に他のウマ娘が動揺する<作戦・差し>
・差し切り体勢
レース終盤で加速力がわずかに上がる<作戦・差し>
・臨機応変
レース終盤にコース取りが少しうまくなる
【スキルPt(67)】
・彼方、その先へ…… 200pt
落ち着いたまま、中盤の仕掛けどころまたは終盤の勝負どころのコーナーを中団で進むと奮い立ちわずかに加速力が上がる
・末脚 170pt
ラストスパートで速度がわずかに上がる
・尻尾の滝登り 180pt
レース中盤にスキルを多く発動すると速度が上がる
・尻尾上がり 100pt
レース中盤にスキルを多く発動すると速度がわずかに上がる
.乗り換え上手 180pt
レース終盤で加速力が上がる<作戦・差し>
・直線加速 170pt
直線で加速力がわずかに上がる
・アガってきた! 340pt
レース中盤に追い抜くと速度が上がる
・ペースアップ 170pt
レース中盤に追い抜くと速度がわずかに上がる
・差しコーナー◎ 140pt
コーナーで速度がわずかに上がる<作戦・差し>
・差し直線○ 130pt
直線で速度がわずかに上がる<作戦・差し>
・勢い任せ 180pt
上り坂でわずかに疲れにくくなる<作戦・逃げ>
・先頭プライド 180pt
レース序盤または中盤に追い抜きや競り合いにわずかに強くなる<作戦・逃げ>
ねぇぇぇぇぇぇ!違う、そうじゃない!
いらない、いらないよ、逃げ関係のスキルはぁぁぁ!
逃げだと賢さ補正で、バカになちゃうよぉぉぉぉ!
欲しいスキル生やして、生やしてよ!もう笹針しようぜ、ワンチャン!
イヤでも、痛いの嫌だァァァァ!
何で、スタミナBで1周で負けるんだよ。
2周してないから、中距離くらいでしょ、嘘じゃん。
『やはりスタミナ、スタミナ教こそが最強!坂路かプールするしかねぇ!』
「レクサス、調教行くぞ」
『おっ、行くぞ!オラァァァ!』
この後、メチャクチャ坂路を走った。
ある場所の、ある一室。
散らかった部屋の中で、何度もレースを見ている男が居た。
【スクリーンヒーローだぁ!ゴールイン!スクリーンヒーロー、スクリーンヒーローです!2着ディープスカイ!3着ウオッカ!銀幕の英雄が、ジャパンカップを征しましたぁ!】
「4着か」
今度は違う映像を見る男の目には違う馬が映っている。
たくさんの映像、たくさんの馬、そのレースを見ていた。
「お疲れ様です、あんみつ買ってきました」
「どっか置いといて」
「あぁ!?まだ2日くらいしか経ってないのに、どんだけ散らかしたんですか!」
「ほっといて」
パソコンで、もう一度映像を確認するかのように再生する。
次のレース、有馬記念に出走する全ての馬をチェックするためだ。
「ウオッカ、ディープスカイ、オウケンブルースリはジャパンカップの後に休養で回避。コスモバルクが出走を表明、パープルムーンも予備登録か。ジャパンカップ組は警戒が必要だ」
そして、注目すべきはダイワスカーレットとメジロレクサス。
ペースはどうなる、ハイペースか?
なら、好スタートを切れるように練習は必要だ。
脚をためて差し切る、そのためには良い位置が必要。
あの試すような先行策、あれはメジロレクサスの足を確認していたに違いない。
ジャパンカップを回避して、調整している。
有馬記念覇者のマツリダゴッホも、レースを見る限り、勝ち目もある。
恐らく、ダイワスカーレットが好スタートを切る。
もしかしたら、メジロレクサスも切るかもしれない。
カワカミプリンセス、メイショウサムソン、アサクサキングス、マツリダゴッホ、スクリーンヒーローあたりが先行集団か。
コーナーでダイワスカーレットとスクリーンヒーローが仕掛ける、俺ならここでメジロレクサスを動かす。
最後の直線、先行勢は崩れる。
後方の馬が走ってくるが、やっぱりダイワスカーレットはリードを維持しそうだ。
なんならメジロレクサスが横から並んですらある。
どこにドリームジャーニーを持ってくるか。
ダイワスカーレットは先頭を行くはず、そして直線で衰える。
そこを狙う、差し切っていく。
後は、メジロレクサスとドリームジャーニーの一騎打ち。
ジャパンカップから折り合いはイマイチ、なら勝てるかもしれない。
「作戦が決まった、この勝負、俺達の勝ちだ」
「決め打ちってどうなんですか?」
「うるさいよ」