俺はただうまぴょいしたかっただけなんだ   作:nyasu

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いいですか、落ち着いて聞いて下さい

お馬さんライフ、はーじまーるよー!

前回のあらすじ、勝った……以上!

なんかオッサンが身振り手振りで怒ってる感じしてたけど、俺知らないもーん!めっちゃ叩いてくるし、態度悪いテキが悪いんだもーん!

 

それにちても疲れたので、帰りは爆睡である。

で、起きたら牧場って、わけ。

帰ったら出迎えてくれる、遥とマッマとバイト。

おう、勝ってきたでハグか、いいともさー!

 

「がんばったねー、えらいえらい」

「男嫌いなのか、そうなのか、めっちゃくちゃ怒られたんだぞ……」

「貴方、ご苦労様でした。良かったですね、勝ってくれて」

「うん、東田さんが気にしてないって言ってくれたけどヒヤヒヤだったよ。下手したら出走停止だし、去勢するとこだった。普段が大人しかったから納得してもらえたけど……」

 

おい、どうした悩み事か?おら、変顔してやるから元気だせよ。

あともう、俺ってば超エリート馬。

もうちょっと生活のさぁ、改善とかしてもらっていいですかね。

フルーツとか食べたいんですわ。

 

「分かってんのかな、反省しろよな……」

 

 

 

実家である佐藤牧場に帰ってきてから俺はずっと食っちゃ寝してた。

そしたら、また何か連れられた。

おぉ、馬がいるやんけ、レースするんか?

違うらしい、どういうことなんだ、まるで意味が分からんぞ。

 

『誰だお前、なにここに寝ればいいの?おっちゃんは、バイトは?』

 

知らない人間さんに部屋に押し込まれた、藁があるし多分だけど俺の部屋だ。

うーん、生まれの故郷でもないし、ほんとにどこだろう。

売られたんだろうか、そういうことってあるんだろうか。

まぁ、なんとかなるやろ。

おっ、鏡があるやんけ!

 

 

【メジロレクサス】

 

【調子】普通 太り気味 なまけ癖

 

【体力】60/100

 

【ステータス】スピード:C スタミナ:D パワー:D 根性:D 賢さ:D

 

【バ場適性】芝:A ダート:G

 

【距離適性】短距離:D マイル:B 中距離:A 長距離:B

 

【脚質適性】逃げ:D 先行:B 差し:S 追込:D

 

【スキル】

 

・スタミナグリード レース中盤で後ろの方にいると前方の持久力をわずかに奪う<長距離>

 

・八方にらみ    レース終盤に他のウマ娘が動揺する<作戦・差し>

 

【スキルPt(183)】

・末脚 

ラストスパートで速度がわずかに上がる 170pt

 

・先頭プライド 

レース序盤にわずかに追い抜かれにくくなる<作戦・逃げ> 180pt

 

・勢い任せ 

上り坂で疲れにくくなる<作戦・逃げ> 180pt

 

・負けん気

追い抜きがわずかに成功しやすくなる<マイル> 120pt

 

『なぁにこれぇ……』

 

なんか新しい項目できてるやんけ、スキル取得ですか。

ということは4月にはなんか親の因子もらえるんですか。

困ったな、どういう方針で行くか悩む。

 

負けてられないから都度、スキルを取るか。

それとも効率を求めて最後のほうで取るか。

ってか適正あってないの多すぎ、サポカないのにどうやって手に入れたねん。

うーん、暫くは様子見かな。後で良いやつとかもらえるし、ヒントとかでポイント少なくなるかもだし。

 

 

 

俺の朝は遅い。

知らない人間が起こしに来るまで寝ている。

どうやらやっぱり俺は売られたらしい、餌やりの人間が違うからだ。

それにしても、干し草の味が違うんだよ!チャーハンと白米くらい違うわ!ぺっ、ぺっ!

 

「うーん、食欲がないなぁ。どんどん食べなくなってる」

「異常はないはずなんだが、色々試してみるか」

 

うおっ、人参やんけ!人参って馬がよく食べるイメージだよな。

……生で食うもんじゃねぇわ、ぺっ!

 

「ダメか、頼むよ食べてくれよー」

「フルーツならどうだ」

 

バナナ!俺、バナナ好きー!うま、うま、おらもっと寄越せ!

 

「食べた!食べたけど、我儘っすね」

「あれ見ちゃなぁ、気性難だろ。まぁ、疲労が取れるまでの間だし許してやろうぜ」

 

俺、ここ好き、気に入った。

 

 

 

俺がここに来て、そこそこ暮らした気がする。

新しい牧場はトレーニングルームの多い場所だった。

あと、温泉があるんです!プールもあるんです!

そこで俺は気づいた、これ、あれだ、トレセンって奴ね。

俺もシティーボーイになっちまったな。

 

「こら、そっちじゃない!こっちだって!」

「言う事聞けって」

 

いやいや、朝シャンするの!俺はお風呂はいらないと、ほら、アレだから、低血圧だからむーりー!

 

「毎日入るもんじゃないの、今日は坂道やるぞ!フルーツ上げるから」

「いやいやって首振るなって、言う事聞けって」

 

なに言ってるか分かんねぇけど、そっちは風呂場じゃねぇだろ!

人畜生どもと徹底抗戦、長く苦しい戦いの果てに、諦めたのか風呂場にいけるようになった。

馬の風呂場は、なんかベルトコンベアみたいなのに乗る、上からシャワーが掛かる、ぬくい、以上だ。

たまに馬がいるけど、だいたい傷モノのヤクザみてぇな馬ばっかりだ。

 

『うるせぇぞ!ガキィ、何騒いどんじゃ』

『チッ、うっせぇーなぁ!さっさと出ろよ』

『調子こいてんじゃねぇーぞ!目上を敬えや』

『粋がんなよジジイ、馬刺しにすっぞ?おっ?』

 

さっそく人畜生どもを引っ張って風呂に来たら、なんか知らん馬に絡まれた。

俺よりデカいから、たぶん2年以上生きてるんだろう。

だからどうした、馬より人間の方が偉い。俺は馬と人間だから、馬よりも人畜生よりも上、証明完了しちまったな。

そんな最上級の俺に、最下級の馬が調子に乗るな。

フン、サラブレットのエリート、メジロレクサス様だ。

いつか、貧相な血の奴が静かな怒りで覚醒してスーパーウッマになってボコボコにしてきそうだから、あんま調子乗らんとこ。

 

『はえー、気持ちいいんじゃぁー』

 

さて、今日はどうしようかな。

やっぱ、太り気味のバットステータスはスピードが増えないから、それ以外の訓練やろうなぁ。

エナドリかタヅナさんを呼んでくれ、もしくはお祈りしよう。

とりま、プールだな。プールならスタミナと根性が鍛えられるし。

 

『おし、行くぞ。おい、何してる。もう風呂は良いぞ?』

「なに、出るの?おーい、出るみたいだ」

「いやいや、よく分かりますね。了解」

 

よし、はいはい身体拭いてねー!

じゃあ、プール行くぞお前らー!

 

「あっ、こら、そっちはプール」

「まさか、プールに行きたいのか?嘘だろ」

 

おい、人の話を聞けよ!そっちは坂道、意味ないの!

根性育成するタイプじゃないし、スピードは上がらないの!

 

「頼むから言う事聞いてくれって!人懐っこくて指示通り動くんじゃなかったのか」

「我儘なの血筋だけにしとけって」

 

勝った。

俺はプールを勝ち取った、プールずっと泳ぐんじゃぁ!

ヒャッホー!

 

 

 

その日、佐藤の家に一本の電話が掛かってきた。

 

「もしもし、あぁ!この度はどうも、えっ?あっ、はい……いや、そんなはずは……あぁ、そういうのもあるんですかね。お、折り返し掛けますね」

 

内容は、中央に向けて疲労を回復させるための函館競馬場に送ったメジロレクサスのことだった。

何でも言うことを聞かないらしく、一度様子を見に来てほしいとのこと。

一週間も経たずに、保護者呼び出しである、ハゲそう。

 

「なんでアイツは……」

 

浩一の深い溜息が、その深刻さを物語る。

父と調教師の藤井さんが息を荒くして次のレースを決めていたが、新潟競馬場から帰ってきた時にテレビの前で目を覆っていたというのは聞いていた。

手のひら返しした結果がこれだよ、である。

 

中央、なんて大言壮語の末に目標を年末のラジオNIKKEI杯2歳ステークス(現在は、ホープフルステークス)に決定。

その出場のためのステップレースとして札幌2歳ステークスに向けて函館競馬場で休養することになった。

あと、ついでに調教の方もやってもらうことになったのだが。

 

「ステイゴールドかよ」

 

幼い頃は大人しかったのに、調教が始まったら嫌なことはやらないくらい気性難になってるそうだ。

好き嫌いもするし、毎朝シャワーとプールをやらないと調教をサボるし、なんならやる気はあるけどやりたい調教しかやろうとしないとか。

聞いてた話と違うと苦情が来ている。

もしかしたら、寂しくて機嫌が悪いのかもなんて馬鹿みたいな話で、呼び出しである。

絶対、直接苦情とか遠回しに持って帰れと言うつもりだろう、憂鬱だ。

 

「とりあえず、一回行くかぁ……」

 

強いかもしれないけど、フロックでないことを祈るばかりだ。

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