BLEACH The 3rd Phantom?何それ知らない。 作:九頭竜 胆平
アルトゥロとの戦いは激闘だった。藤丸は慣れぬ斬魄刀の能力をできるだけ考え、それを絶対の未来視だと思った。
「……………姉上」
一体の虚がこちらに飛び出したその時、藤丸のみていた未来は突如別のものに変わった。その結果、まつ梨はどこかに消え、伊花様は死んだ。過去に護廷十三隊を半壊に追い込んだ強敵との戦いで隊長格を一人も失わなかったのは奇跡というほかないが、それは藤丸の望みではなかった。
それからほどなくして征源の失踪、藤丸は何処に行ったのか、なぜ行ったのかを知っていたが誰にも言わなかったし聞かれなかった。寝て、起きて、飯を食べて、寝る。同じ行動を繰り返すだけの藤丸は誰がどう見ても心壊れた人形でそれが何か知っているとも思えなかったし、よしんば知っていたとしてもそれから何か聞くのは不可能だろう。
少女と少年が来た。霊術院に入ったという報告をして帰って行った。
青年と美女が来た。干し柿を置いて帰って行った。
少年と少女が来た。少年が少女に馬鹿と言っていた。
あれらも失うのだろうか。
俺のことはよく知っている。もともと斬術が得意ではなく、それを補うために鬼道、走術、白打に頼った。斬術が得意でない理由は明白だ。霊圧が足りない。斬鬼走拳を伸ばすことで霊圧は伸びていくが自身のそれはあまりにも伸びが悪かった。アルトゥロは自分と対極にいた。技も何もないバカみたいな霊圧頼りのゴミみたいな戦闘方法。しかしそれは俺の伸ばしてきたそれらを一蹴するかのようにやつは伊花様の命を奪いまつ梨を消し去った。誰にも奪われない強さは、自分よりも強い奴一人を殺すための強さじゃない。たとえ誰が来ようと、なんどでも、いつまでも勝ち続ける圧倒的な力だ。小さい頃はひたすら奪い続けたのに大きくなってからは理由や建前をつけ過度に人を傷付けることを恐れていた。愚かだ。俺は他者に分け与えられるほど強くない。俺は奪うしかない。罪ある奴からも、罪なき人からも。
「竜条丸。崩玉の作り方を教えろ。」
二番隊末席宮藤藤丸が流魂街の住人を推定一万人以上を虐殺後、虚圏へと失踪。またこれによって殺された住民の死体は見つからず正確な人数は不明。以後、宮能藤丸は大罪人として扱い、見つけ次第捕縛、または殺害せよ。
崩玉は長い時間をかけ藤丸の願いを満たすようその体を変質させ、とうとう藤丸は繭を破り姿を現す。背から生えた二対の羽根は四肢を保護するかのように巻き付き、さらにそれとは別に肩、背中、腹からそれぞれ一対の手が生え、それぞれの甲に口がついている。斬魄刀の姿はなく、その左目には二つの瞳孔が虚夜宮を見ていた。
「「「「「「「王虚の閃光」」」」」」」