BLEACH The 3rd Phantom?何それ知らない。 作:九頭竜 胆平
初日に首席に突っかかった。何故なら首席は試験でマヌケ面を晒して目立っていた弱そうな顔をした青年だったのだ。その男を見てより一層怒りが込みあがる。自分がこんなやつに負けるなどありえない。しかし本人はこちらが馬鹿にしたような態度をとっても女の影に隠れるばかりのなんとも情けない奴だった。
格の違いを思い知らせてやろうなどとも思ったがこの程度の相手に時間を取られることすら苦痛である。そう思った志童は次席であった女の方に狙いを定め挑発した。
次の瞬間、自分は倒れ伏していた。
志童は知らない。この男がソウルソサエティの天才に育てられたことを。
志童は知らない。この男が
この日青年ははじめて敗北を経験する。
この敗北を糧に特訓をし、まつ梨と並んで今期の院生の優秀者の中でも抜きん出た強者として名を連ねた。
もうそこに驕りはなく、あるのは純粋な高みへの渇望。
秀才は死に物狂いの努力で、天才へと至った。
そして今日院生同士の模擬戦闘で天才は初めて自分を下した
叢雲志童、初日に俺に突っかかってきた相手であり、最近はまつ梨とともに今期のあたり枠として数えられている男。まさかランダムで選ばれた対戦相手がこいつとは、つくづく縁があるな。いや神が俺にチャンスをくれたのか、ハハッ…
知っているぞ貴様ぁ!(豹変)おまえいっっっっつもまつりと組手してるよなぁ!?図書館で調べものしてる時に視界の端にちらっとまつ梨と一緒に本借りていったの見てたぞぉ!!お前まつ梨が荷物運んでた時に自然に荷物奪ってったよなぁ!?俺がさっそうと現れて助けてあげようと思ってたのに蛮族みたいな真似しやがって!
俺がまつ梨を攻略する学園ラブコメが始まるはずだったんだぞ!!!(妄想)なに俺のまつ梨を攻略しようとしてんだゴミがぁ!!!(お前のではない)俺が仲直りの方法考えている間にまつ梨の好感度上げに行くなんて許せねぇ。(逆切れ)
「久しぶり。前は不意打ちみたいな真似しちゃってごめんね?今日は正々堂々やろうか。」
「俺の方こそ悪かった。こちらが礼節をかけた態度だったのが原因だったし、前回の敗北はどう言い繕っても俺の完敗だ。今日こそは一泡吹かせてやる。」
何キャラ変してんだよ!?前回あんなかませみたいだったのに冷静沈着キャラみたいになりやがって、先手でぼこぼこにして泣かす。
「皆、位置についたな。それでは、試合、始め「破道の四十『雷光扇(らいこうせん)』」*1」
俺式兵法その1!最初はグーで相手の横っ面を殴りつけるだぁ!範囲も広いし、速度も速い、勝ったながはh「縛道の三十九『円閘扇(えんこうせん)』!」ダニィ!?
「鬼道も得意と聞いていたが、どうやら本当のようだな。」
「いやいや、そっちも『円閘扇』詠唱破棄で使ってるじゃん。流石。(今ので仕留めるはずだったんだが、やけに反応が早かったな。)」
「お世辞はよせ、傷つけないように気を付けているだけでもっと高位の鬼道も使えるだろう。それに俺は防御力が足りないと思ったから三十番台で『円閘扇』だけ練習してやっと使えるようになったんだ。縛道の八『斥(せき)』」
強いなこいつ。初日とは技量も何もかも段違いだろ。相手の刀を受け止めたが重い、まだ入院して一年目だぞ?もう霊術院卒業できるぐらい霊圧込めるのうまいだろ。しかも手の甲に出した『斥』を盾みたいな運用してきて攻め込みづらい。斬撃に力込めすぎて相手の腕ごと斬り飛ばしましたとかやだぞ。
やっぱ俺の戦闘スタイルならヒット&アウェイか。ひとまず体勢を立て直しt「縛道の二十三『鉄縄(てつじょう)』*2」くっそ!お互いの手首に巻き付けてきやがった!これ断ち切るにはなかなかに面倒「その魂 鋼となりて 編み込み・紡ぎ 強固なる道筋となる」…おいおいどんだけ驚かされればいいんだ。後述詠唱なんて高等技術がなんでここで見れるんだよ。
「…つええじゃん。」
「ふふっ。どうやら、一泡吹かせることには成功したらしい。」
半強制的に東洋決闘スタイルに持ち込まれてからは防戦一方だった。相手の剣戟はこちらも剣で対応し、反撃に繋がれている方の手で白打を打ち込もうとするも、縄が重くて行動が阻害されるし、相手が縄を引くだけで白打がずらされる為、掠ることぐらいしかない。まあこの勝負、俺の勝ちなんだけど。
「くっ、はっ!縛道の三十九『円閘扇』…すぅぅぅ、はぁぁぁぁ」
「『円閘扇』唱えてまで深呼吸するなんて、スタミナ切れてますから次の応酬で最後にしますって宣言するようなもんだぜ。」
「…確かにな。だがこの戦い俺自身には値千金の価値があった。あなたの素も見れたことだしな。」
(ゾゾゾッ)うおっ、気色わりぃ。こっち攻略しようとすんなてめえは蝶々とでもよろしくやってろ。
しかし鍛え抜かれた顔面強化外骨格が剥がされるは、IQ180(自称)の俺をここまで見事に出し抜く手腕、こいつもしかして真っ当な強者だったんか。片手剣でもしっかりと相手を斬れる斬術にダンベ*3を混ぜたみたいな戦闘方法は攻守ともに隙らしい隙も無く、『鉄縄』で強制的にあっちの土俵に持ち込むことができるこの戦法は凶悪極まりない。まあだとしてもこんだけしてやられたのは絶対に、情報を売ったやつがいる。誰かは予想つくけど、ちょっと悲しくなるな。
志童が踏み込み渾身の斬撃をふるう。俺はそれを
ピタッ
首元で寸止め。
「またしても、完敗だな。」
「今回はほんとに冷や冷やしたよ。」
「なあ、この戦いでお前を追い詰めた褒美に一つ頼みごとを聞いてほしいんだが。」
「…願いによる(実際俺の血肉になったのは確かだしな)。いってみろ。」
「俺を、弟子にしてほしい。」
………………………マ?
14日目1戦1勝0敗0引き分け
報酬、攻守バランスの取れた弟子。