BLEACH The 3rd Phantom?何それ知らない。 作:九頭竜 胆平
先生との組手は藤丸が言ったように隙を見極めるいい機会となった。堂円先生は、藤丸とよく組み手をしていて私の話や征源様、伊花様、浦原さんの話もしたらしい。
藤丸は私が求めたような兄さんじゃないけど、どこまでも私のことを愛してくれた。あの後調べた話だが、風久利の治安は藤丸が暗躍し始めたころからよくなっているらしい。食料と人数の差が多くて食料が分け与えられないのなら、人数を減らしてあとはゴミ掃除でもすれば完璧だと藤丸は言っていた。
私はきっと藤丸のことが理解できない。どうして私を愛してくれるのかもわからない。でもね、私はやっぱり藤丸のことが…
「まつ梨、だいぶ動きがよくなってきたな。もう問題もないんじゃないか。」
「そうですね。たぶんここぞというときに踏み込めると思います。そろそろ藤丸にも見てもらいたいんですけど、先生何処にいるか知らされてませんか?」
藤丸はきっと私を心配させるようなことをしているのだろう。ならば止めてあげなきゃいけない。
「うーん。誰もつれてこないように言われてるんだけど、まあ鍛錬の邪魔しないならいいんじゃないか?」
ごめんなさい先生。きっと私は藤丸の鍛錬を止めます。
「そうですね。レモンのはちみつ漬けでも持って行ってあげます。」
そうして先生の先導の元、森を進んだ。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
(藤丸は私のために誰かを傷つけないことを選択した。)
大きな虫の羽音のような音が聞こえる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
(私は藤丸に誰も傷つけないでほしいとお願いした。)
近づくにつれてそれは地獄の住人の叫びにも聞こえて、
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
(でも、でもね藤丸。私は貴方に誰かを傷つけないでほしかったわけじゃなくて)
その姿を見て、呼吸が止まった。しばらくしてそれを正しく認識した私の目から涙が流れた。
「ふじ、まる?」
(誰にも傷ついてほしくなかっただけだったんだ。)
そこには、地面をのたうち回りながら、潰れたのどでなお叫び続ける藤丸の姿があった。
What!?まつ梨たん!?ナズェミテルンディス!!ぜってえばれたくなかったから一人でやってたのになんでいる…、
おめぇか堂円っ!!!気まずそうに顔そらしやがって、俺の信頼を返せてめぇこのやろっ!!
「ふじ、まる?」
君には笑っててほしいのになんで俺はこの子を泣かせることしかできないんだ。
「ぁ、っり」
やっばい、掠れて死にかけみたいな声しか出ない。
「だいじょ「どけぇ!おい、藤丸お前何してるんだ!」
…原作再現するのはいいけどお前ほんっっと絶対許さないからな。とりあえず喉治さなきゃ。
「『啓活』あ~あ~、えっと、あれは霊圧を上げる修行で激痛を伴う代わりに霊圧がぐんと上がるんです。だから全然心配しなくても大丈夫ですよ。もう何回も繰り返した鍛錬なので。この鍛錬行った後にはしばらくうまく霊力を使うことができないってデメリットはありますが。」
「そ、そうか。」
堂円先生は渋々ながら納得してくれたっぽいな。
「そっか安心した。でもとりあえず浦原さんに見てもらおう?」
全然安心してない顔してるけど、まつ梨と二人でデート久しぶりでうれしいなぁ。
「藤丸サン。その鍛錬止めてください。」
「???????????????????????」
「理由は説明しますから、その宇宙の存在を知った猫みたいな顔止めてもらえますか?君に言われて色々調べた結果、鎖結に何らかの対応をしても魄睡が強力になるなんて事例はありませんでした。しかし鎖結がうまく動かなくなり最終的に自分の霊力で鎖結が壊れて普通の霊になった事例はあります。」
「なるほど、藤丸の鍛錬は感覚間違えて失敗したら鎖結が破壊されて死神になれないと。」
ほっ。よかった。お叱りはなさそうだ。
「それだけならよかったんですがね。どちらかというとこの鍛錬は成功したときのほうが問題です。」
おっと~?雲行きが怪しくなってきたぞぉ(汗)。
「先ほどの方なのですが、実は自ら動かさなくても鎖結を動かさない方法はごまんとあったんですよ。しかしですね、その方法が取られることはありませんでした。それは、鎖結に溜まった膨大な霊力が体を流れる衝撃で死ぬ可能性が出たからです。」
まつ梨の顔色がどんどん青白くなっていく。
「つまり藤丸さんは霊力系の器官を育てているのではなく、死にかけることを繰り返して霊圧が上がっているだけです。」
俺は生死の境で反復横跳びしてたのか(驚愕)。
衝撃の事実にフレーメン反応(のような顔)を起こしていると、背中に柔らかい感触が…ふぉぉぉぉおおおおおおおまつ梨たん!?急にどうしたの!?
「藤丸。死神目指すの止めよ?私、もう耐えられない。」
(死神になれば、征源様とも、伊花様とも一緒に居られて、おいしいものもいっぱい食べられて、お風呂も娯楽も沢山ある。だから、だからそれが、まつ梨の、)
今までならそれが間違いなく幸せだといえた。でもこんなにつらそうなまつ梨をみて、俺はそれが分からなくなった。答えも出ないままずるずると月日は流れ、そしてついに、
現世への演習が始まる